幸子のボトル

今までほんとに ありがとう
あいつはボトルに それだけ書いて
夜明けのバスで 町を出た
幸子という名で 不幸せ
幸子のボトルが 泣いている

過去(むかし)のことなど 聞かないで
あいつに初めて 出会った夜は
みぞれが 雪になった夜
指輪のあとだけ 白かった
幸子のボトルを 見上げてる

やさしくしないで つらいから
涙がひと粒 グラスに落ちて
泣きマネだよと 嘘をつく
幸せいつかは つかみなよ
幸子のボトルが うなずいた
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