小さな強がりでも、前を向ける魔法になる。

 2019年3月6日に“JUJU”がニューシングル「ミライ」をリリースします。タイトル曲は、ねごと・蒼山幸子が作詞を担当。木曜ドラマ『ハケン占い師アタル』主題歌です。ドラマのヒロイン(杉咲花)は、人間関係や仕事との向き合い方などで、頭を抱え続ける“働く人々”の悩みを、一種の占い能力で解決してゆくというニュータイプの救世主。

誰もまだ知らない夢と 夜更かしした頃は
見上げた空に 散らばる星も近く見えた

歩道橋から 見下ろした街は今
さみしげな光が 揺らめくけど
「ミライ」/JUJU

 そして主題歌には、そんなヒロインに救われた人々のみならず、今を生きるわたしたちの心模様が描かれているんです。みなさんもかつて<誰もまだ知らない夢>を胸に、期待を膨らませたことはありませんか? 好きなことに没頭して、無限の可能性を想像して、つい<夜更かし>をして。過去より現在より、明るい未来を信じていたことでしょう。

 もっと深読みすれば<夜更かし>できる時間も“空を見上げる”余裕もあったのだと思います。その無邪気なあの頃の眩しさは<散らばる星も近く見えた>というフレーズからも伝わってきます。しかし、過去って眩しければ眩しいほど、時が経ってから、もう同じ場所・同じ自分には戻れない淋しさが押し寄せることもあるんですよね…。

 あの頃は、空を<見上げて>いたけれど、今は、街を<見下ろし>ている自分。いつもの歩道橋、ちょっと俯き気味に帰っていたら、ふと<さみしげな光>が目に入ってきた。立ち止まり見下ろせば、広がっているのは、ありふれた“生活”の光です。きっとその光景を見たとき、あの<誰もまだ知らない夢>や<散らばる星>の眩しさを思い出し、同時に、いつのまにか時間も余裕もなくなっている今に気づいたのでしょう。

小さな強がりでも 前を向ける魔法になる
あなたに誇れるような 物語がまだ描けるなら
泣いたり愛されたり生きてみるよ
星のないこの街で
一人じゃない そう思えるから 歩いてゆける
「ミライ」/JUJU

 ただし、過去と現在をなぞるJUJUの歌声は、決して沈んだものではありません。物語を包み込むように優しく、温かい。それは<星のないこの街>でも自分の“光”を失ってないからではないでしょうか。かつて<散らばる星も近く見えた>のは、どこか“根拠のない自信”があったからと言えるかもしれません。でも、年齢を重ねた今は違います。
 
 たとえば「泣いたり愛されたり生きてみるよ」という言葉が<小さな強がりでも>おまじないのように心で唱えて続けているうちに<前を向ける魔法になる>こと。また<あなたに誇れるような物語>を描きたいと思えるような<あなた>という存在がいることも力になること。それらはすべて、ありふれた“生活”の光のなかで学んできたことです。

いつしか描いていた夢と違う
今を生きていたって
悪くないわ
夜風は優しい場所へ吹いてる

かなしみの予感に きっと負けないように
思い出は出来てる そっと煌きながら
「ミライ」/JUJU

 ときには、眩しい記憶があるから淋しくなったり、苦い記憶があるから<かなしみの予感>が生じたりもするでしょう。だけどそれ以上に、お守りになる<思い出>があるはず。誰かの言葉や確かに積み重ねてきた物語。つまり“過去”とは、自分次第で「ミライ」に向けて“今”背中をおしてくれるものや、<いつしか描いていた夢と違う 今を生きていたって 悪くない>と“今”を肯定してくれるものに、なり得るんですよね。

小さな強がりでも 前を向ける魔法になる
あなたに誇れるような 物語がまだ描けるなら
泣いたり愛されたり生きてみるよ
星のないこの街で
つながってる この空の下に
明日はあるの
「ミライ」/JUJU

 誰もまだ知らない夢に焦がれた過去も、小さな強がりを胸に生きている今も、星のないこの街で生きている<あなた>も、すべて「ミライ」へ繋がっている。物語は繋がってゆく。だからまだまだ<泣いたり愛されたり生きて>みようと、そんな“希望”を伝えてくれるのが、この歌の力です。
 
 選べなかったほうの人生に囚われてしまっているあなた。かなしみの予感に負けそうなあなた。今は、明るい未来を想像できないあなた。是非、JUJUの「ミライ」を聴いてみてください。その心に少しでも<前を向ける魔法>がかかりますように…!

◆紹介曲「ミライ
作詞:蒼山幸子
作曲:三橋隆幸

◆38th Single 「ミライ」 
2019年3月6日発売
初回生産限定盤 AICL-3672~73 ¥2,000(税込)
通常盤 AICL-3674 ¥1,280(税込)

<収録曲>
1. ミライ 
2. READ MY LIPS 
3. だってしょうがないじゃない 
4. ミライ -Instrumental-