大賞を受賞した『逆輸入〜港湾局〜』のジャケットは、椎名林檎初のセルフカバーアルバムであることから付いたタイトル“逆輸入”を受け、「コンテナ埠頭で撮影したい」というデザイナーの提案と「じゃあ花魁の格好をしたい」という椎名の答えから生まれた鮮やかな一作となっております。椎名林檎は受賞にあたり以下のようにコメント。
我々の作品を取り上げてくださりありがとうございます
しかも大賞だなんてほんとうにもったいなく、光栄です
そちらへ伺って、よろこびを直接お伝えしたかったです
毎度打合せ時よりおもしろおかしく取り組んでおります
ますます全身全霊、半笑いのまま制作して参りたいです
今後ともどうぞご鞭撻のほどよろしくお願いいたします
すっきりと全文が長方形に収まるコメントにも、椎名林檎お馴染みの文字センスが!また、過去の受賞作を辿ってみると、どのジャケットにもアーティストの強い想いが込められていることに改めて気付かされました。
たとえば、第一回の大賞を受賞した桑田佳祐ソロアルバム「MUSICMAN」。このジャケットは、体を赤く塗った全裸の女性が島に向かって土下座している様子が日の丸のように見える鮮烈な作品です。そして、昨年の大賞を受賞したmiwaのアルバム「Delight」は、収録曲の歌詞にも何度か出てくる「花」を(大地の)歓喜に例え、このアルバムを聴いたリスナーにも喜びの気持ちが伝わるように…との意味を込めたジャケット。
CDの不況が叫ばれる近年ですが、アーティストの“愛”と“粋”が込められたジャケットもやっぱり、音楽の醍醐味のひとつ!今後もさらなるジャケット文化の発展に期待し続けていきましょうっ。