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  • SARD UNDERGROUND
    皆さん、雨は好きですか?
    皆さん、雨は好きですか?

    SARD UNDERGROUND

    皆さん、雨は好きですか?

     2024年9月18日に“SARD UNDERGROUND”がデビュー5周年を迎えます。彼女たちは、令和の時代に“ZARD 永遠のスタンダード・ナンバー”を継なぐトリビュートバンド。2019年にZARDの数々の名曲が詰め込まれたトリビュートカバーアルバムでデビュー。そして現在に至るまで、数々のZARDのカバー曲と、坂井泉水の未公開詞によるオリジナル曲の他、ボーカル神野友亜によるオリジナル曲を発表し続けております。    さて、今日のうたではそんなアニバーサリーに向けて“SARD UNDERGROUND”の神野友亜による歌詞エッセイを1年を通じ、12ヶ月連続でお届け!今回は第10弾です。綴っていただいたのは、神野友亜が雨音を聴きながら書いた詞。梅雨の時期ならではの言葉をお楽しみください。 六月   梅雨の時期ですね。 皆さん、雨は好きですか? 私は好きです。 傘の下で聞こえる、すべての音が好きです。 雨の日に音楽を聴いたり、本を読んだり、そんな時間も大好きです。   今月は、雨音を聴きながら書いた詞をお届けします。   ・ ・ ・   ぽつぽつと雨が降りだす 広げた傘に小さな穴があいている   雨に濡れた街は光り輝き、 こんな日は誰かを想っていたい   花は麗しく、潤いに揺れる それを見つめて、今よりも少し、大人になりたいと思った   モノクロの空から溢れ出す 雫の音は唱いかけるように わたしの不甲斐ない部分を、そっと柔らかく溶かしてくれる 少し頼りないところもあるけれど 君をずっとずっと想っているから 今感じたぬくもりは どうか、このままで   雲がやけにスピードをあげた 私の心も、急いでいる 気持ちの速度を落として、詰まりかけた言葉を解いていく   いつもより街が淋しくみえるけれど そんな日も変わらず、誰かの笑顔があることに、ホッとする   グレーの空から溢れ出す 雫の音は語りかけるように 誰かの震える声を、そっとやさしく包み込んでいる 今日も風が噂を運ぶけれど 君をずっとずっと信じているから 今感じたぬくもりは どうか、このままで   顰めっ面でとぼとぼ歩く人をみて “あの人の今日はめちゃくちゃだったのだろう”と、ぼんやり思った   なのに、どうして? 身近な人の気持ちに気づけない時がある   泣いている人と、一緒に泣いたり 笑っている人の、笑顔を守り抜いたり そんなやさしい人になれたなら…   モノクロの空から溢れ出した 雫の音は唄っている “当たり前”に染まらぬよう 私の日々を飾ってくれる 訪れる瞬間を忘れてしまわないように 君をずっとずっと想っているから このぬくもりは どうか、このままで     <SARD UNDERGROUND・神野友亜> ◆ZARDの名曲カバーを厳選収録した 究極のトリビュート・ベストセレクション 『ZARD tribute Best Selection』 2024年3月20日発売   <収録曲> 1. あの微笑みを忘れないで [tribute 2024] 2. DAN DAN 心魅かれてく [tribute 2024] 3. Don't you see! [tribute 2024] 4. 負けないで [tribute 2024] 5. 心を開いて [tribute 2024] 6. 眠れない夜を抱いて 7. この愛に泳ぎ疲れても 8. 永遠 [tribute 2024]  9. 運命のルーレット廻して 10. マイ フレンド [tribute 2024] 11. 揺れる想い [tribute 2023] 12. きっと忘れない [tribute 2024] 13. Just believe in love 14. GOOD DAY

    2024/06/17

  • Cody・Lee(李)
    ただしいせいかつ
    ただしいせいかつ

    Cody・Lee(李)

    ただしいせいかつ

     2024年6月12日に“Cody・Lee(李)”がメジャー2ndアルバム『最後の初恋』をリリースしました。今作には、「さよuなら」(ドラマ『秀吉、スタートアップ企業で働く』主題歌)、「涙を隠して(Boys Don’t Cry)」(ドラマ『恋愛のすゝめ』EDテーマ)、「イエロー(映画『PLAY! ~勝つとか負けるとかは、どーでもよくて~』主題歌)」など、この1年間で彼らが様々な映像作品とコラボレートしてきた楽曲群が並んでおります。    さて、今日のうたではそんな“Cody・Lee(李)”の高橋響による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、今作『最後の初恋』にも通ずるお話です。かつて、正しい生活を心掛けていた(正しい生活に縛られていた)自身が、そこから解放されるきっかけになったのは…。そして、Cody・Lee(李)の音楽が持つ力とは…。ぜひ今作と併せて、エッセイを受け取ってください。 今日はとっても天気がいいよね おまけに鳥も泣きじゃくりだし そんな日には午後から そうね熱海にでも   ユニコーン「 開店休業 」の歌詞の一節である。   人間には、生活を営む上でのルールが存在している。例えば「夜、眠れなくなるから昼寝をしない」「太るから夜中にカップ麺を食べない」「皆、忙しそうだから有給を取らない」など…。自分自身、こういったルールの上に成り立つ正しい生活を心掛けていた時期があった。しかし、ユニコーン「開店休業」を聴いて「午後から熱海?! そんな事して良いの?!」と衝撃を受け、それから正しい生活に縛られずに生きる事を決めた。   夜に眠らなくても良いし(次の日の仕事は辛いかもしれないけど、居眠りしちゃえ)、太っても良い(太っても君は可愛い)、誰の事も気にせず有給を取っても良い(上司に何か言われたら僕が頭を引っ叩く)と思う。   本当に上記の事を実行するかはさておき…そんな心構えで生活していくのはすごく大事。僕はこの考えを持って以降、呼吸が楽になった。   ただしいせいかつは君自身が決める事。Cody・Lee(李)には前に進むための背中を押す力はないけれど、目的地と逆方向の電車に乗り込むための背中を押す力はあると思う。   渋谷から熱海まで、電車で約2時間かかるらしい。夕方には着けるかな。   <Cody・Lee(李) 高橋響>   ◆メジャー2ndアルバム『最後の初恋』 2024年6月12日発売   <収録曲> 1. NOT WAR, MORE SEIKATSU 2. 涙を隠して(Boys Don't Cry) 3. DANCE扁桃体 4. イエロー 5. 真夏のジャイガンティック 6. ストロベリーエンジェル ~Don't Say Goodbye~ 7. さよuなら 8. 烏托邦 9. ほんの気持ちですが! 10. 下高井戸に春が降る feat. GOMESS 11. 1096 12. 生活

    2024/06/14

  • シユイ
    私たちはオーダーメイドで、ただ一人。
    私たちはオーダーメイドで、ただ一人。

    シユイ

    私たちはオーダーメイドで、ただ一人。

     2024年5月22日に“シユイ”が1stアルバム『be noble(読み:ビー ノーブル)』をリリースしました。今作には、TVアニメ『アンデッドアンラック』第2クールOPテーマを始めとした数々のタイアップソングに加え、栗山夕璃、Chinozo、Teary Planet、ハイノミ、MIMI、40mPなど著名アーティストから提供された新曲を6つ収録。さらに、完全盤には2022-23年にリリースされたデジタルEP「思惟」「思惟2」を円盤化して収録。    さて、今日のうたではそんな“シユイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第2弾。綴っていただいたのは、収録曲「 麗春花 」にまつわるお話です。この歌がシンプルな言葉で伝える、シンプルなテーマとは。また、レコーディングの際のこだわりについても明かしてくださいました。歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 シユイです。前回の「ひとちがい」に続き、「麗春花」もエッセイを書かせていただけることになりました。   作詞作曲は栗山夕璃さん。栗山さんとご一緒するのは2回目です。「あんたがたどこさ」という楽曲を1年前に作っていただきました。どちらの曲も、一人の部屋で一人喋り。それくらい自然体です。そこには体温だけがあって、他人の温さも知識も、私の欲だって、ちっとも干渉しないのでした。   「あなたは、あの人のように圧倒的に歌が上手くはないからこそ、努力をしなければならない」と言われたことがあります。あの人みたいに完璧で満点の歌を歌えたらかっこいいけど。あの人みたいに。この言葉は今も、私の未熟さ、劣等感と、自信の脆弱性を真正面から鏡のように映す、絶えず。   私は、大好きな人のことが大好きで、きっとずっと大好きでいるけれど、違う人間だからこそ相容れないことはいくつも見える。いくつも見えるけれど、それらを私とおんなじには絶対したくないのです。あなたはどうしたって唯一、紛うことなく。   そういうことを、伝える詩なのだと思います。私たちはオーダーメイドで、ただ一人。誰かと比べる必要なんてない。シンプルなテーマをシンプルな言葉で、飾らずに「麗春花」は歌うし、擦り切れるくらいの励ましの言葉を愚直なまでに語りかける。   楽曲のデモをいただいたのはレコーディングの1~2日前で、かなり逼迫したタイム感の中での制作になりました。最近は自分で簡易的に録音しながら、どのように歌うべきかを探っていくことが多いのですが、この曲に関しては最初から纏う雰囲気が確立されており、私はそれにひらりと重なるだけでよかった。   実際に、自分のペースでゆっくりまったり録音しました。やるべきことは決まっているから、微調整を繰り返すだけ。同じ色のグラデーションの中で、どれだけ統一した別の明度を表現できるかといったところでした。本当に細かく声の中の湿度を調整しなければ、あっという間に乾燥しすぎたりカビが生えたりしかねない繊細な楽曲だと思ったので、ごく丁寧に。でも最後のサビではちょっと感情的に。   「麗春花」は、個人的にはアルバムの中でも異色の立ち位置の曲だと思います。これまでのシユイはテクニカルな、ボカロカルチャーに寄り添ったまさに「歌い手」らしいテイストの楽曲を発信してきました。   内臓なんかに左右される私たちとは一線を画した、一貫してパブリックな歌声を持つボーカロイドという技術。この技術が生み出したジェットコースターのような楽曲の在り方と、切り開いてきた音楽の文化に寄り添いながらも、その音声では表現しないでいるところを、シユイは歌い手の肩書きの中で直接的に表現を試みてきたと思います。耳朶を打つ脈の音さえも触れられるようなパーソナルな生命感。みんながじゃなくて、あなたが聞くためだけの声。   この曲は「あんたがたどこさ」の時に感じた、その空気感の底を目掛けて、もっと深くまで潜っていく作品になった気がします。   何もかもだるい毎日に鬱積していく心の濁り。それをさらりと撫でて消してあげるから。愛しい人と一緒にいたらいつの間にか思いだす、自分は特別って気持ち。そんな気持ちを私の声でずっと感じていてほしいから。   <シユイ> ◆紹介曲「 麗春花 」 作詞:栗山夕璃 作曲:栗山夕璃 ◆1st アルバム『be noble』 2024年5月22日CD発売   <収録曲> DISC1 M1. ハピネス オブ ザ デッド / Music by jon-YAKITORY M2. ひとちがい / Music by 40mP M3. 麗春花 / Music by 栗山夕璃 M4. GLOW / Music by ツミキ M5. BOOOM!! / Music by Teary Planet M6. バームクーヘン / Music by Chinozo M7. RE RE REPLAY / Music by jon-YAKITORY M8. ラブコール / Music by DECO*27  M9. べらべら / Music by ?ハイノミ M10. in / Music by MIMI  M11. 君よ 気高くあれ / Music by ryo (supercell)   DISC2 「思惟」 ※完全盤にのみ収録 M1. カトレア / Music by RSound Design M2. ハイスクールオブ・ザ・クレイジー / Music by jon-YAKITORY M3. ドーベルマン / Music by 一二三 M4. ONI / Music by jon-YAKITORY M5. レイン / Music by 柊マグネタイト   DISC3 「思惟2」 ※完全盤にのみ収録 M1. あんたがたどこさ / Music by 栗山夕璃 M2. 君君舞 / Music by 獅子志司 M3. ゾンビ / Music by エイハブ M4. 時計のエスコート / Music by 雪乃イト M5. 不毛劇 / Music by seeeeecun

    2024/06/13

  • cherie
    バンドとあなたは都合のいい関係。そんなもんでいいと思う。
    バンドとあなたは都合のいい関係。そんなもんでいいと思う。

    cherie

    バンドとあなたは都合のいい関係。そんなもんでいいと思う。

     2024年6月12日に“cherie”が1st EP『誰よりも幸せになれ、報われろアタシ』をリリースしました。彼らは、平均年齢20歳の4人組バンド。初となる全国流通盤は6曲入りEP。作詞作曲を手掛けるおざき れん (Vo/Gt) の等身大で紡ぎ出す恋や愛の歌は唯一無二。雰囲気のある世界観と耳馴染みのいい中性的なハイトーンヴォイスを引っ提げて全国デビュー!    さて、今日のうたではそんな“cherie”のおざき れんによる歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第1弾です。初のEPはどのような作品なのか。自身の気づき、そして、今作を世に放つ今の想いを綴っていただきました。歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 初めまして。cherie Vo/Gt おざき れんです。 6月12日にリリースされた1st EP『誰よりも幸せになれ、報われろアタシ』について、計3回連載していただけるとのことです。非常に嬉しい。ありがとうございます。   まず今回はこのEPがどのような作品なのか、お話しようと思います。   1st EP。初の全国流通盤。ついに発売されました。 大事な曲たちがひとつに纏まってCDとして形になり、それが沢山の人の手に渡ると考えると本当に嬉しい。   この作品の中には僕なりのいろんな角度からの「幸せ」がいくつも散りばめられています。しかし、これは決して意図したことではなく、レコーディングも終え、最後EPのタイトルを決める頃、歌詞を見返して、その時初めて気づきました。   誰よりも幸せになれ 報われろアタシ アタシはアンタのペットでもないし家政婦でもない 誰よりも不幸せで 報われないでいて そして、あぁ、やっぱいいや、 話す価値もない   タイトルは5曲目の「貴方依存症」の一節から抜粋しました。   今作は、「こういう1枚を作ろう」という形から入ったものではなく、何かビジョンが特別あった訳でもなく、ただ曲たちをレコーディングして、それをCDにする。そうやって作品として完成させ、形として残したかった。言ってしまえば自己中心的な考えだったのですが、いざ出来上がって聴いてみるとそこには僕自身が伝えたいメッセージ性のようなものが自然と浮き上がってきていて、EPを通して伝えたいことはこれだったのか…結局誰かに何かを伝えたい、見つけてほしいんだなと。 そんな自分自身に驚いた反面、少し安心もした。   本日、大切に育ててきた楽曲たちは世に放たれた。聞き手にはあの言葉はどのように伝わるのか、あの曲にどんなストーリーを重ね、それをどう調理するのか。あなたの解釈でどう感じとってくれても構わない。   声のトーン、言い回し、発音、ひらがな、カタカナ。 日本語というものは凄く独特で作詞家として目が回りそうになる時もあるけれど、逆にそれが日本語の素晴らしさだったりする。   好きな時間に好きなようにどんな場所にでも呼び出して、その日の気分によって取っ替え引っ替え、その日の気分によって曲をセレクト。 バンドとあなたは都合のいい関係。そんなもんでいいと思う。   <cherie Vo/Gt おざき れん> ◆1st EP『誰よりも幸せになれ、報われろアタシ』 2024年6月12日発売   <収録曲> 01. 変わらないで 02. 恋はジレンマ 03. 繰言 04. 幸せ空間 05. 貴方依存症 06. 幸せと災難

    2024/06/12

  • シナリオアート
    バンド、続けることは美しいこと?
    バンド、続けることは美しいこと?

    シナリオアート

    バンド、続けることは美しいこと?

     2024年6月19日に“シナリオアート”が7th Mini Album『sensitive sketch』をリリース! 今作には、未発表曲として「イマジナリーサマー」、「ハイティーン」、「ネムレヌイヌ」、「リンドン」以上4曲が収録。メンバー全員がそれぞれ作詞作曲を行なっており、まさに15年間で培った各々の力を総動員した“全員野球”のような1枚です。    さて、今日のうたではそんな“シナリオアート”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾です。執筆を担当したのはハヤシコウスケ。15周年を記念して制作された今作。めんどうだけれど、楽しくて愛おしい“バンド”という存在について、今の想いを綴っていただきました。 今年でシナリオアートは結成15年目。数字に過ぎないが、いちいち節目を祝っていきたい。 続けていられているのは奇跡だし、続けさせてもらえるのはありがたいことだ。   今回15周年を記念して『sensitive sketch』というアルバムを制作した。   3人がそれぞれ、作詞、作曲を担当し、シナリオアートとは?と問いながら制作した。   歌っている人間が同じでも、別の人間が作ると、やっぱりちょっとずつ違っていて、客観的に聞いていても、おもしろい。 3人しかいないバンドで、3人ともが作曲するのはめずらしいことじゃないか? とおもう。   曲制作なんてものは本来、1人で行なった方がスムーズでブレがない。昨今、ソロアーティストが台頭する理由の一つに、効率の良さがあると思う。一人でパソコンで作った方が早いし綺麗なんだもの。   バンドはめんどくさい。スタジオに入ったり、巨大な機材を運んだり。ケンカしたり。 人間の数だけ主義、主張があるし。 だけどそのめんどくさいの中に神が宿る瞬間があって、楽しい。 制作はリハーサルスタジオでセッションをしながらフレーズを決めていく。これは古風なバンドの楽曲制作スタイルだ。 小言を言って不機嫌になったり、上手くいって小躍りしたりを繰り返しながら作るとより一層、思い入れができて曲が愛おしくなる。そんな面倒な方法でしか出てこないアイデアもある。 あとさ、戦隊モノみたいでかっこいい。みんなが揃うとなんか強くなるかんじ、あるでしょ。 そうやって今までやってきたし、これからも出来る限り長くやりたい。   まあバンドによって美学なんて全然違うのだけれども 打ち上げ花火のように、勢いよく飛び出して、大空を彩って一瞬で燃え尽きるヤツもいれば 線香花火のように、小さく長く燃え続けるヤツもいる。   すべて尊いことだとおもう、だけど早々に燃え尽きてしまった戦友たちと まだまだ一緒に同じ時代を生きていたかったな~と思ったりする。 歴だけは長いので、いつもサヨナラと見送る側だ。時間は平等に流れていないことに気づく。 僕の1日は、君の100日かもしれない。同じ世界に生きているようで並走できるわけではない。   自分の美学は一日でも長く、やり続けることだとおもう。それを“美しいこと”にしたいのだ。   <シナリオアート・ハヤシコウスケ> ◆7th Mini Album『sensitive sketch』 2024年6月19日発売   <収録曲> M1 アカネイロフィフティーン M2 イマジナリーサマー M3 ハイティーン M4 ネムレヌイヌ M5 メトロノームタワー M6 センシティブガール M7 リンドン  

    2024/06/11

  • さとう。
    過ぎる時と共に自分を許していく
    過ぎる時と共に自分を許していく

    さとう。

    過ぎる時と共に自分を許していく

     2024年6月10日にシンガーソングライター“さとう。”が新曲「泣いているのは」を配信リリースしました。7か月連続 Digital Single 第6弾となる同曲。大切なひとと別れてしまったとき、「時間が解決してくれる」「いつか笑って話せる時がくる」とわかってはいるけれど、今はあの美しかった恋を悪いようには思えない。そんなあなたへ…。    さて、今日のうたでは“さとう。”による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、新曲「 泣いているのは 」にまつわるお話です。これまであまり感情を全面に押し出さない歌い方をしてきた自身が、感情を全面に乗せたというこの歌。歌詞を書いたときの思いは…。ぜひ、楽曲と併せて、エッセイを受け取ってください。 7ヶ月連続リリースの6曲目、 「泣いているのは」が無事リリースされました。 この曲は今年3月10日、“さとう。の日”にちなんで開催された自主企画『甘く香る、アネモネ』で書き下ろした楽曲です。 限定20席で、配信もなかったあの日のイベントの曲がこうしてリリースされ、たくさんの人に届けられること、非常に嬉しく思います。 その後のライブでもやっていないので、今までの曲の中でも一番、初めて聴く方が多い曲なのではないでしょうか。   「さとう。さんの声は、感情を押し付けないから、好きなんです」 と、昔言われたことがありまして、 確かに思えばラブソングを歌う時も、 「悲しい」「苦しい」という感情を全面に押し出さない歌い方をすることの方が多く、 さとう。個人の気持ちというより その物語に出てくる当事者になりきっているのかもしれません。   今回リリースした「泣いているのは」 きっとその人がこの曲を聞いたら、「あれ、いつもと違う…私が好きなさとう。じゃない!」となってしまうのだろうな、 それくらいさとう。の感情を全面に乗せた歌になっていると思います。   私は自分の悲しい、苦しい、を人のせいにするのが得意じゃなくて 細かく言うと、人のせいにしてしまう自分が好きじゃなくて。 「私は悪くない!あの人が悪い!」 と口にして、その場はやり過ごせても 一人の時間にふと、そのことを後悔したり自己嫌悪に陥ったりします。   わかってはいるんです。 時間が解決してくれる、いつか糧になる。 でもわかっているからこそ、 いつか忘れて、幸せになる自分を 許せなかった時がありました。 そんな時に書いた曲です。   もし、あの時の私のように、 誰かのせいにもできなくて、 一人で抱え込んでいる人がいるのならば どうか、この曲のせいにして思い切り泣いてほしい。 許せない怒りや悲しみで押し潰されないように、寄り添えたらと、心から思います。   7月19日に開催されるワンマンまでの7ヶ月連続リリースも残すところあと1曲。 本当にあっという間で、 でも思い返せばちゃんと踏みしめて来られたような気がしています。 それは紛れもなく、どの曲達も大切にしてくれたあなたがいたからだなあと痛感しております。 本当にありがとうございます! ラスト1曲も、ワンマンライブも、 どうかお楽しみに。   <さとう。> ◆紹介曲「 泣いているのは 」 作詞:さとう。 作曲:さとう。 ◆7/19さとう。ONEMAN LIVE『産声みたいで、』配信チケット販売中! 2024/7/19(金) 渋谷 LOFT HEAVEN OPEN/19:00 START/19:30 URL: https://eplus.jp/satou-st/   ◆7/19アフターパーティー『楽園、醒めないで』 2024/7/21(日) 下北沢DY CUBE OPEN/18:00 START/18:30 https://t.livepocket.jp/e/rakuen-samenaide721   公式HP: https://satou-official-web-site.jimdosite.com/

    2024/06/10

  • NakamuraEmi
    意味なさそうな今が、何に変化するか。
    意味なさそうな今が、何に変化するか。

    NakamuraEmi

    意味なさそうな今が、何に変化するか。

     2024年5月29日に“NakamuraEmi”がオリジナルアルバム『KICKS』をリリース! 今作は、集英社「HAPPY PLUS」公式テーマソング「一目惚れ」、NakamuraEmiの新境地を開いた3部作「究極の休日」「白昼夢」「晴るく」、コラボレーション曲「祭(feat.Mummy-D)」、「雪模様(feat.さらさ&伊澤一葉)」、「Hello Hello(feat.XinU)-NakamuraEmi&MASSAN×BASHIRY」純粋に音楽を楽しむ仲間との幸せな空気感が詰め込まれた「梅田の夜」、何気ないことが今の自分に全て繋がっていると教えてくれる「一円なり」の全10曲が収録。    さて、今日のうたではそんな“NakamuraEmi”による歌詞エッセイを全4回に渡りお届け。今回が最終回です。綴っていただいたのは、収録曲「 一円なり 」にまつわるお話です。小学校の頃に通っていたそろばん教室。友だちのカナちゃん。大好きな岩崎先生。自身の大切な思い出と、そこから繋がっている今の想いを明かしてくださいました。歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。   小学生の時にそろばん教室に通っていました。特別何か目的があったわけではないけど、一緒に通う友達と先生が好きで通っていました。   私はとにかく気分屋で、わがままで、ものすごい嫌なやつだったと思います。 でもそろばんに一緒に通っていたカナちゃんはそんな私にもすごく優しくかった。面白かった。おまけに超可愛かった。 しかも私の家に変質者が入ってきた時も、カナちゃんとカナちゃんのお母さんがすぐ助けに来てくれました。 怖かったけど本当に嬉しかったなぁ。 当時は、自分の何が悪くて相手の何が素晴らしいかもわかっていなかったけど、大人になってカナちゃんの心のデカさを改めて実感しています。カナちゃんのような優しい子になりたいと今でも思います。     そろばん教室の岩崎先生はいつも笑顔で、その笑顔がまたすっごく可愛くて、優しくて、ちょっとハスキーな声。 色々な子が通いにきてたけど、それぞれの個性をすごく大事にしていたことを子どもながらに感じていました。 先生のことが大好きで数字が苦手な私も通っていたんだと思います。   そろばんをやめて約23年後、私はメジャーデビューをして地元・神奈川県厚木市の山野楽器さんでインストアライブをしました。 地元の友達や家族も見にきてくれていましたが、そのサイン会の列に現れたのが岩崎先生でした。 変わらない笑顔とちょっとハスキーな声で、「えみちゃんメジャーデビューおめでとう」と言って、『お祝い そろばん岩崎』と書いたお祝いを包んだ封筒をくれました。先生がまだ私を覚えてくれていて、ここにかけつけてくれたことが本当に嬉しかったです。   その封筒も中身もそのまま大事にしまってあったけど、2022年の年末、物を整理してた時にこの封筒を見つけ、その直後2023年1月2日、新年1発目にブワーーっと書き上げた曲です。   私の個人的な内容すぎることはわかっていましたが、どうしてもライブでやりたいと言って、ビルボードで披露させてもらいました。歌った瞬間、これは絶対音源にしようと思いました。     今いる場所、今やっていること、全く意味ないんじゃないか。時間とお金の無駄なんじゃないか。そう思うことがあると思います。 でも小学校の数年間の記憶が、今の自分の大切な曲を生み出してくれるなんて想像もしませんでした。 意味なさそうな今が、何に変化するか。 疲れることも多い毎日だけど、そんな時々起こるサプライズに人生捨てたもんじゃないなと思います。   ちなみにこれを書く数時間前に、岩崎先生のところにCDとコーヒーどら焼きを届けに行ってきました。ちょうどお出かけ中で会えませんでしたが、ご家族に預けてきました。 先生、聴いてくれたら嬉しいなぁ。 <NakamuraEmi> ◆紹介曲「 一円なり 」 作詞:NakamuraEmi 作曲:NakamuraEmi ◆オリジナルアルバム『KICKS』 2024年5月29日発売   <収録曲> 1.火をつけろ 2.梅田の夜 3.祭(feat.Mummy-D) 4.晴るく 5.白昼夢 6.雪模様(feat. さらさ&伊澤一葉) 7.一目惚れ 8.Hello Hello(feat.XinU)-NakamuraEmi&MASSAN×BASHIRY 9.究極の休日 10.一円なり

    2024/06/07

  • シユイ
    ひとちがい
    ひとちがい

    シユイ

    ひとちがい

     2024年5月22日に“シユイ”が1stアルバム『be noble(読み:ビー ノーブル)』をリリースしました。今作には、TVアニメ『アンデッドアンラック』第2クールOPテーマを始めとした数々のタイアップソングに加え、栗山夕璃、Chinozo、Teary Planet、ハイノミ、MIMI、40mPなど著名アーティストから提供された新曲を6つ収録。さらに、完全盤には2022-23年にリリースされたデジタルEP「思惟」「思惟2」を円盤化して収録。    さて、今日のうたではそんな“シユイ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け! 今回は第1弾。綴っていただいたのは、40mPが作詞作曲を手掛けた収録曲「 ひとちがい 」にまつわるお話です。この曲を歌っているのは「私だけれど、私じゃない」、それは一体どういうことなのでしょうか…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 初めまして、シユイです。2024年5月22日リリースの1stアルバム『be noble』から、「ひとちがい」についてのエッセイを書かせていただくことになりました。40mPさんに書き下ろしていただいて、丁寧に作り上げていった作品です。   でも実は、この曲を歌っているのは私じゃないんです。   とは言いつつも、もちろん歌ったのはシユイで、本人です。   再生すれば直ぐに歌い出すのは、レコーディングをした日の彼女であり、それはもう私ではないということです。今となっては他人のように遠くて理解ができない存在となりました。声も一緒だし、歌い方も一緒だし、ブレスの仕方も一緒。でもやっぱりそれは私じゃない。   じゃあ過去の私は抜け殻なのか、と問われると、そうでもないのです。曲を聴けばそこには確かに、愛しいもう一人の自分が丁寧に息をしている。この詩の中にずっと生きていく彼女の歌声には、少年のような青さと、舌の裏のような蠢く熱がある。   誰がなんと言おうと、そこにいるのは私ではない私自身、やっぱり“人違い”なのです。   初めて「ひとちがい」を聴いて、日常的に覚えている感覚を思い出しました。自然体、ナチュラル、毎日。   ああ、自分の日記を読み返しているときの感覚だ。何月何日、私の見たもの、食べたもの、感じたこと、それら全てをボールペンで記した言葉の群れ。日記を捲ってなぞる、過去の自分へ抱く愛しさと一筋の驚きの色を、まさにこの楽曲は表現しようとしているのだと感じました。   この歌詞は、40mPさんが、私が自分のことについて綴った文章をもとに書いてくださいました。アンケートの回答だったのですが、前年の回答に対して私が、「そういうことを言ったかもしれないけど今は全然違います」というようなことを書いたようです。そのアンケートに答えたのはちょうど誕生日でした。一区切りの気持ちもあり、正直に全部書いてしまおうと思って、実際その通りにしました。   「ひとちがい」を通して聴くと、<生まれ変わっていく>という歌詞でパッと視界が開けて、それまでの少し内向的な主人公が前を向いたように感じます。一番と同じ部分の歌詞も歌い方で全く異なる印象を受けるのです。少年みたいだなと思った素朴な声が、最後では羽ばたいていく大人の女性の声に聴こえる、瞬間的な情熱さえ。   「ひとちがい」を再生する度に、<ああ、きっとそれはたぶん人違いです>という言葉の中に見え隠れする、そっぽを向いた表情にハッとする。こんな柔らかく冷ややかな声で、あの日のシユイは歌っていたんだね。春先、飽和したあたたかい光と、不親切で無愛想な冷たい風のギャップに驚くように。   <シユイ> ◆紹介曲「 ひとちがい 」 作詞:40mP 作曲:40mP ◆1st アルバム『be noble』 2024年5月22日CD発売   <収録曲>   DISC1   M1. ハピネス オブ ザ デッド / Music by jon-YAKITORY M2. ひとちがい / Music by 40mP M3. 麗春花 / Music by 栗山夕璃 M4. GLOW / Music by ツミキ M5. BOOOM!! / Music by Teary Planet M6. バームクーヘン / Music by Chinozo M7. RE RE REPLAY / Music by jon-YAKITORY M8. ラブコール / Music by DECO*27  M9. べらべら / Music by ?ハイノミ M10. in / Music by MIMI  M11. 君よ 気高くあれ / Music by ryo (supercell)   DISC2 「思惟」 ※完全盤にのみ収録   M1. カトレア / Music by RSound Design M2. ハイスクールオブ・ザ・クレイジー / Music by jon-YAKITORY M3. ドーベルマン / Music by 一二三 M4. ONI / Music by jon-YAKITORY M5. レイン / Music by 柊マグネタイト   DISC3 「思惟2」 ※完全盤にのみ収録   M1. あんたがたどこさ / Music by 栗山夕璃 M2. 君君舞 / Music by 獅子志司 M3. ゾンビ / Music by エイハブ M4. 時計のエスコート / Music by 雪乃イト M5. 不毛劇 / Music by seeeeecun

    2024/06/06

  • ヒトリエ
    一枚のセルフィーの美しさに込められた覚悟と情念、のようなもの
    一枚のセルフィーの美しさに込められた覚悟と情念、のようなもの

    ヒトリエ

    一枚のセルフィーの美しさに込められた覚悟と情念、のようなもの

     2024年6月5日に“ヒトリエ”が両A面シングル『オン・ザ・フロントライン / センスレス・ワンダー[ReREC]』をリリース! 「オン・ザ・フロントライン」は、TVアニメ『無職転生Ⅱ ~異世界行ったら本気だす~』第2クールのオープニングテーマ。「センスレス・ワンダー[ReREC]」は、2014年1月22日に、ヒトリエがメジャー1stシングルとしてリリースした楽曲を、現体制のシノダがボーカルを務める3人体制で再レコーディングしたものとなっております。    さて、今日のうたではそんな“ヒトリエ”のシノダによる歌詞エッセイを2回に渡りお届け。第2弾は、自身が作詞を手掛けた収録曲「 Selfy charm 」にまつわるお話です。会ったこともないような誰かを想像しながら書いた、自撮りがモチーフのこの歌。主人公が対立している価値観とは…。今作と併せて、エッセイを受け取ってください。 前回は「オン・ザ・フロントライン」についての話をさせていただきましたので、引き続きわたしが歌詞を手掛けた「 Selfy charm 」か「 さくらのいつか 」のどちらかの話をしようと思うんですが、「さくらのいつか」に関しては最早語るまでもないというか、あなたが聴いて感じたことが全てと思っていただいて結構ですので、ここはひとつ「selfy charm」について語らせていただこうかと思います。 こっちはこっちでかなり僕にとって深刻なテーマを書いたつもりなので…   selfyってことで自撮りが歌詞のモチーフになってるんですけど僕は自分の顔が全然好きじゃなく、そのくせ仕事上ステージでカッコつけなければならない局面が多い為、ライブ中はハイになっていたり自分のことが見えてなかったりするので特に気にはならないんですが記録物としての自分を見た途端にコイツこんなツラの癖に自分がカッコいいつもりでやっていたのかと愕然することが多く、それだけで半日寝込んだりする時も余裕であったりするんですね。   ルッキズムが自家中毒を起こして苦しんでいるみたいな状態。てめー何年バンドマンやってんだ、良い加減慣れなさいよって話で、これから歳を取っていくたびに嫌いな部分なんてどんどん増えていくわけで、このままでは憎悪の螺旋が自己に向けてねじ巻いていくばかりなので早々に割り切りをつけないとこっから先マジでやばそうだなと思ってますが、そんなもんなあ、つけられるんならとっくの昔につけられてたっつーのなあ。   そんな僕も自撮りをSNSに放り投げまくっていた時期とかあって、若気の至りとスマホを手にした喜びがマリアージュして発芽した過ちとでもいいますか、別に自分の顔を100%憎悪しているわけではなくて、好きなところはあるけど好きじゃない部分は抹消したい程に嫌、といった塩梅でして、これなら世に出せるかもみたいなレベルまで自分の顔を監修出来る楽しさが自撮りにはあったんですよね。ただインカメで反転させたまま撮るという行為にとても違和感を感じていて、結局鏡に映った自分の顔は普段見慣れた顔かもしれないが真実性に欠けるというか、その真実性が自分自身を苦しめている筈なんだけど、なるべく嘘を発信したくないという自分のだるい部分がそれをさせてくれなくて、そのうち色々面倒臭くなって自撮りはやらなくなったのですが…結局そういっただるい部分によってスポイルされるスピード感ってあるよな~とか思ったりします。   何か“嘘”という言葉を曲中で用いてる時点で呪いに似た衆愚的感覚が心に刻み込まれているのかもしれないと、改めて歌詞を読み返し痛感する次第です。この歌詞の主人公である彼女が対立する価値観こそがわたしの呪いのようなそれで、美しくなりたいと願い、行動し続ける彼女達に容易に浴びせられる「嘘」だとか「汚れ」といった数多の定型句が装填されたまま回る世界のある日の刹那、タイムラインに颯爽と現れ、タブレットの液晶を滑らせる指を反射的に止めさせられた一枚のセルフィーの美しさに込められた覚悟と情念、のようなものを勝手に想像している時点で到底僕なんかが追いつけないスピード感で彼女達は生きているのかもしれない、という想像。会ったこともないような誰かを想像しながら歌詞を書くってマジで謎の行為だなと思うんですが、それでも書きたくなってしまったものはしょうがないじゃない。   「さくらのいつか」に関しても、曲も歌詞も含めて果たしてこれを今書いてしまっていいのかしら、と悩んだ時もありましたが、それよりも書きたくなってしまったものはしょうがないじゃない、という気持ちが余裕で勝ったので、 昨今のわたしはきっとそういうモードなのかもしれません。多分良い傾向なんだと思う。 <ヒトリエ・シノダ> ◆紹介曲 「 Selfy charm 」 作詞:シノダ 作曲:イガラシ 「 さくらのいつか 」 作詞:シノダ 作曲:シノダ ◆両A面シングル『オン・ザ・フロントライン / センスレス・ワンダー[ReREC]』 2024年6月5日発売 <収録曲> M1. オン・ザ・フロントライン M2. センスレス・ワンダー[ReREC] M3. Selfy charm M4. さくらのいつか

    2024/06/05

  • NakamuraEmi
    私の人生を変えてくれたRHYMESTER。
    私の人生を変えてくれたRHYMESTER。

    NakamuraEmi

    私の人生を変えてくれたRHYMESTER。

     2024年5月29日に“NakamuraEmi”がオリジナルアルバム『KICKS』をリリース! 今作は、集英社「HAPPY PLUS」公式テーマソング「一目惚れ」、NakamuraEmiの新境地を開いた3部作「究極の休日」「白昼夢」「晴るく」、コラボレーション曲「祭(feat.Mummy-D)」、「雪模様(feat.さらさ&伊澤一葉)」、「Hello Hello(feat.XinU)-NakamuraEmi&MASSAN×BASHIRY」純粋に音楽を楽しむ仲間との幸せな空気感が詰め込まれた「梅田の夜」、何気ないことが今の自分に全て繋がっていると教えてくれる「一円なり」の全10曲が収録。    さて、今日のうたではそんな“NakamuraEmi”による歌詞エッセイを全4回に渡りお届け。今回は第3弾です。綴っていただいたのは、収録曲「 祭 (feat.Mummy-D) 」にまつわるお話。自身の人生を変えてくれたRHYMESTER。そのRHYMESTER・Mummy-Dとともに曲を作ることになった経緯は…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 一人弾き語りでライブをしていた20代後半、パソコンが壊れてしまったことがきっかけで、当時聴いていたiPodをお付き合いしていた彼のパソコンに同期させてもらいました。彼はDJだったので私のiPodは聴いたことのないHIPHOPだらけに。色々な音楽が流れてくる中、私にブッ刺さったのがRHYMESTERの『ONCE AGAIN』でした。通勤時間の朝に流れてきて、聴いた瞬間景色が変わったことを覚えています。   「言いたいことがあるから音楽をやっている」そう伝わってくるRHYMESTERの音楽に、当時バラードを上手く歌うことばかり考えていた私は自分が恥ずかしくなりました。そこから「まずは音楽は趣味に変えて人間を頑張ろう、仕事を頑張ろう」になり、その毎日からできた音楽がNakamuraEmiの始まりでした。     私の人生を変えてくれたRHYMESTER。「いつか一緒に音楽を」なんて考えられなかったほど自分にとっては大きすぎる存在でしたが、2023年三重県桑名市のアンバサダー「魅力みつけびと」をやってもらえないかというお話が舞い込んできて、推薦してくださったのはなんとMummy-Dさん。マネージャーからそのことを聞いた時は「…….なんて? もう一回言って。」を何度繰り返したか。断る理由は0.0001%もありませんでした。     「魅力みつけびと」として桑名の祭や文化を伝える1年間がスタートしました。こんな機会を与えてくれた桑名の皆様とMummy-Dさん。最初は期待を裏切らぬようにと思っていたけれど、実際桑名に行き祭や歴史、人や土地に触れると、その魅力にただのめり込んでいきました。   1900年前から存在する桑名宗社とともに400年続く石取祭。他にもたくさん桑名の歴史を若者たちが引き継いでいく姿をこの目で見てきました。それは私がRHYMESTERの音楽からバトンを勝手に受け取ってNakamuraEmiができたように、Mummy-Dさんが「Emiちゃんなら桑名を大事に伝えてくれるんじゃないか」と桑名のバトンを受け取ったように、目には見えない宝物のような感情に桑名で沢山気づくことができました。   昔のことを今も引き継ぐというのはとても難しい時代で、その宝物のような感情を守っていきたい、そんな想いから生まれた曲です。     憧れすぎる存在のMummy-Dさんと、音楽ではなく「桑名」という場所で繋がったことで「人間」としてMummy-Dさんを見ることができたことが、私の背中を押してくれました。そして「Dさんにこの曲に入ってもらいたい」と決意をした私とギタリスト・プロデューサーのカワムラヒロシさん。     Dさんのスタッフさんにオファーし、Dさんご本人にはまだ伝わる前のある日、なんとDさんとカワムラさんと私を「飲みにいこー」と何も知らずに誘ってくれたのがピアニスト・伊澤一葉さんでした。カ……カオス。憧れのおふたりがいるおかしな飲み会で、酒を飲んでもオファーしたことは絶対に言ってはならぬ状況、一生忘れません。そしてその数日後、Dさんはこのオファーを受けてくださり、もうこれは伊澤一葉さんに絶対にピアノを弾いてもらいたいとなり、「祭」が完成しました。     無事音源も完成し、リリース解禁日の前日、朝7時くらい。Dさんからいただいた「祭」のコメントがチームのLINEに共有されました。私は眠気眼で読んで一撃、布団のなかに潜って泣くしかないっす。   今日のコラムはそんなDさんからいただいたコメントで締めさせてください。   「コクられまち」 今一番好きな言葉です。   <Nakamura Emi>   祭 コメント〈from Mummy-D〉   Emiちゃんは憧れのパイセンとコラボしたつもりなのかも知れないが、オレの認識は違う。ありとあらゆるミュージシャンとコラボしてきた世界一尻軽なラッパーからしても、あなたの詞と歌声は尊い。最近特に!成長してる!身長伸びてる!わはははは!   要はオレの方がフィーチャリングされたかったのだ。コクられ待ちだったのである。大人はずるい。しかしファンをデビューの頃から公言してくれてたEmiちゃんを幻滅させてしまってはならぬので、メチャメチャ気合い入れた。そう見えないように心掛けたが、バレているかも知れない。   結果メチャメチャ好きな曲に仕上がった。お祭りとメッセージ性を同居させるのは中々至難の業だが、奇跡的なバランスで成り立ったと思う。カワムラヒロシ、伊澤一葉も流石であった。そして何より、オレはNakamuraEmiというアーティストを本当にリスペクトしている。そう見えないように心掛けるが、バレてしまうかも知れない。 ◆紹介曲「 祭 (feat.Mummy-D) 」 作詞:NakamuraEmi・カワムラヒロシ・Mummy-D 作曲:NakamuraEmi・カワムラヒロシ・Mummy-D  ◆オリジナルアルバム『KICKS』 2024年5月29日発売   <収録曲> 1.火をつけろ 2.梅田の夜 3.祭(feat.Mummy-D) 4.晴るく 5.白昼夢 6.雪模様(feat. さらさ&伊澤一葉) 7.一目惚れ 8.Hello Hello(feat.XinU)-NakamuraEmi&MASSAN×BASHIRY 9.究極の休日 10.一円なり

    2024/06/04

  • リアクション ザ ブッタ
    怪我の功名と言えれば
    怪我の功名と言えれば

    リアクション ザ ブッタ

    怪我の功名と言えれば

     2024年5月29日“リアクション ザ ブッタ”がベストアルバム『REACTION THE BEST』をリリースしました。今作には、TikTokで話題沸騰中の「ドラマのあとで - retake」をはじめ、新曲を含む全13曲を収録。さらにCDパッケージにはBonus Track「ヤミクモ (2024.03.17@SHIBUYA CLUB QUATTRO)」が限定収録されております。    さて、今日のうたではそんな“リアクション ザ ブッタ”の佐々木直人による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、初のメジャーリリースとなるベストアルバムを放つ今の想い。そして、結成17年の軌跡のなかで経験した“心の怪我”のお話です。今作と併せて、エッセイを受け取ってください。 今年で僕たちリアクション ザ ブッタは結成17年目を迎える。 決して順風満帆とは言えないバンドの歩みだが、幸運なことに僕らの音楽を好きで応援してくれる方々に幾度となく出会ってきて今がある。   この度のバンドとしての初となるメジャーリリースも、SACRA MUSICの方と出会って実現したものだ。メジャーからアルバムを出す、というのはどういうことなのか最近少しずつ分かってきた。簡単にいうとCDを1枚リリースするために、未だかつてない何人もの人が膨大な時間と労力を使って宣伝し、広めるために動いてくれている。 顔を見て挨拶を出来た方々も、氷山の一角であると思わされるほどの規模感だと感じている。   そのことを知れば知るほど、コアである僕たちバンド自身の意思と情熱がどれほど大事かを思い知らされる。きっと中身の薄いものは、リスナーに届かないどころかその手前のチームにすら届かないだろう。 今作はベストアルバムという形で新録したものは2曲なれど、選曲も曲順も、考え尽くした。新録の「ドラマのあとで - retake」、新曲「恋を脱ぎ捨てて」も自分達の持っているものを絞り尽くし最高濃度のものを録ることが出来た。絶対的な自信を持って世の中に送り出せる1枚になったと思う。   さて、少し話は変わるがバンドをやって17年の間、僕は一度も大きな怪我をしていない。例えば骨を折って入院したり、そんなことはメンバー誰1人としてなかった。幸運なことだ。 しかし、ある時僕は心の方の骨を折ってしまった。「ポキッ」という音は聞こえなく、ゆっくりじわじわとした疲労骨折だ。自分自身を否定し続けた結果だと思う。その時は、あえて自分の骨を折ることで新しい自分になれると信じていた。だからどれだけ痛くても無視して痛めつけた。しかし結果として僕は新しい自分になれたわけではなく、ただの怪我人になっただけだった。   「生きづらい」とよく耳にしたり目にしたりするが、僕はこうなってみて初めて自分なりの「生きづらさ」を感じた。ただ、そこから見える景色は今までと少し違うもので、気づいたり発見したりすることも沢山あった。例えば、寝る前より朝起きた時のほうが息がしやすい、とか。   幸い僕は曲を書く人間だから、どんなことでも曲にしてしまえる。一度どうしようもないほどの闇が襲ってきた体験がある。その時のことも歌にした。アルバムの3曲目「Loopy」だ。この歌詞の好きなところは、いい意味で開き直っているところ。悪魔だって利用してやると言えちゃっているところだ。曲になると報われる気がする。   このアルバムは、いわばリアクション ザ ブッタの代表作だ。 とにかく色々なことがあって、その上で1曲1曲大切に紡いできた。 沢山の人に聴いてほしいという純粋な欲求が今もとめどない。是非とも1人でも多くの人に届いてほしいし、そうなってくれたら本当に嬉しい。 もしかしたらその時にやっと、怪我も功名だったと、言えるかもしれない。   <リアクション ザ ブッタ Vo& Ba 佐々木直人> ◆紹介曲「 Loopy 」 作詞:佐々木直人 作曲:リアクション ザ ブッタ・宮田“レフティ”リョウ ◆BEST ALBUM『REACTION THE BEST』 2024年5月29日発売 <収録曲> 1 ドラマのあとで - retake 2 恋を脱ぎ捨てて 3 Loopy 4 リード 5 一目惚れかき消して 6 You 7 Colorful 8 虹を呼ぶ 9 仮面 10 オンステージ 11 Seesaw 12 Voyager 13 君へ Bonus Track ヤミクモ(2024.03.17 SHIBUYA CLUB QUATTRO)

    2024/06/03

  • NakamuraEmi
    今日緊張する出来事があるあなたへ。
    今日緊張する出来事があるあなたへ。

    NakamuraEmi

    今日緊張する出来事があるあなたへ。

     2024年5月29日に“NakamuraEmi”がオリジナルアルバム『KICKS』をリリース! 今作は、集英社「HAPPY PLUS」公式テーマソング「一目惚れ」、NakamuraEmiの新境地を開いた3部作「究極の休日」「白昼夢」「晴るく」、コラボレーション曲「祭(feat.Mummy-D)」、「雪模様(feat.さらさ&伊澤一葉)」、「Hello Hello(feat.XinU)-NakamuraEmi&MASSAN×BASHIRY」純粋に音楽を楽しむ仲間との幸せな空気感が詰め込まれた「梅田の夜」、何気ないことが今の自分に全て繋がっていると教えてくれる「一円なり」の全10曲が収録。    さて、今日のうたでは“NakamuraEmi”による歌詞エッセイを全4回に渡りお届け。今回は第2弾です。綴っていただいたのは、収録曲「 梅田の夜 」にまつわるお話。年齢を重ねるにつれ、緊張することや苦手なことをわざわざ選択しなくなってゆく日々。そんななか訪れた“挑戦”の日”とは…。歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 ここ数年感じることがありました。   周りにいる方は自分のことを「アーティスト」として対応してくれて、年齢も40代になったことで「年上」として現場にいることも増えてきました。   良い環境で過ごさせてもらっていますが、自分の対応によっては「間違い」や「違和感」があっても伝えづらい存在なんだとも思います。   自分がアンテナをはらないと、誰かの違和感を見落としたまま、 ぬくぬく  ぬくぬく 生活していきます。誰かの指摘を受けて「情けない。カッコ悪い。クソーーーー今に見てろよ!」と思うことも減り、大事なことも気付かぬまま、穏やかに暮らす日々。確実に私もそんな日々が増えていました。   ちょっと恐ろしい。     また同時に「緊張」という面でも変化した部分があります。様々な現場で異常なほどに緊張していたのですが、緊張をコントロールすることや自分の気持ちを安定させることも修行の一つとして向き合っているところです。   そんな「ぬくぬく生活」と「緊張修行中」を体験中の私に、全てがぶっ飛ばされる日がやってきました。     2023年8月19日 大阪梅田シャングリラ  “COCALERO presents「SHAKE」”   叩き上げのパンチーなアーティストが出演するHIPHOP魂が宿るイベントに、女ひとり。そしてトリ。とんでもねぇ。   メンバーが発表されて、タイムテーブルがわかった瞬間から「どうしよう」の日々が始まりました。そしてこの日に向けてギタリスト&プロデューサー・カワムラヒロシさんと私の挑戦が始まりました。せっかくならHIPHOP好きのお客様にも楽しんでもらえるアレンジに挑戦してみたいじゃないか!と、カワムラさんは初めてのMPCを、私は中学生以来のサボっていたフルートを。余計緊張することを追加していました。     そして迎えた当日。ジャングルに入っていくようなドキドキ。内臓という内臓がブルブル震えていました。それくらい緊張したけど、その100倍幸せな日だったことが書かれているのがこの曲です。ライブのことはもちろん、出演者の皆とライブ後ファミマで乾杯したことも。     そしてこの日、皆とバイバイした後、あぁ今日のことを絶対に曲にしなくちゃなと思いました。   年齢を重ねて「これを選べば自分がこうなってしまう」と予測もできるし、緊張すること・自分が苦手なこと、わざわざ選択しなくなります。それは大人の特権でもあります。色々経験して得たものだから。   でも好きなことに関しては、緊張することや苦手なことから離れすぎてはいけない気がしました。   だって挑戦した後のファミマの乾杯からは、お金や、良い車や、美味しいものとは比べ物にならないほど、最高な大人の青春をもらいましたから。     今日緊張する出来事があるあなたへ、心から応援しています、ジャングルに飛び込め!   <NakamuraEmi> ◆紹介曲「 梅田の夜 」 作詞:NakamuraEmi・カワムラヒロシ 作曲:NakamuraEmi・カワムラヒロシ ◆オリジナルアルバム『KICKS』 2024年5月29日発売   <収録曲> 1.火をつけろ 2.梅田の夜 3.祭(feat.Mummy-D) 4.晴るく 5.白昼夢 6.雪模様(feat. さらさ&伊澤一葉) 7.一目惚れ 8.Hello Hello(feat.XinU)-NakamuraEmi&MASSAN×BASHIRY 9.究極の休日 10.一円なり

    2024/05/31

  • mol-74
    フランネル
    フランネル

    mol-74

    フランネル

     2024年5月22日に“mol-74”がニューアルバム『Φ』(読み方:ファイ) をリリース! タイトルは“光束(光の明るさを表す物質量)”の量記号「Φ」に由来。また「Φ」は直径を表す記号でもあり、アルバムのプロローグ的な立ち位置の1曲目「Φ12」は人間の瞳の直径を意味しております。今作には、この「Φ12」をはじめとして、それぞれの楽曲の主人公たちが自らの瞳で捉えた光をテーマとした全11曲が収録。    さて、今日のうたではそんな“mol-74”による歌詞エッセイを3回に渡りお届け。第3弾はメンバーの井上雄斗が執筆。綴っていただいたのは、収録曲「 フランネル 」にまつわるお話です。自身にとって、「綺麗」の対義語は「キレイ」。では「綺麗」と「キレイ」の違いとは。そして、この歌に描いた主人公は…。ぜひ歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 「綺麗」の対義語は「キレイ」だと思っています。 実際の辞書で調べるとどう表記されているのかは敢えて調べていないけれど、おそらく「汚い」や「醜い」といった言葉でしょう。勿論それが間違いとは思わないし、僕自身も普段そういう意識で「汚い」という言葉を使う場面も多くあります。ただ、この曲の物語の中では、「綺麗」の対義語はそういった不純なものではなく、「キレイ」という言葉が適しているんです。   「綺麗なもの」は、どこかキラキラしていてそこに美を感じさせるもので、「キレイなもの」は無垢なもので、そこには何も無い。 例えると、引越しの際に部屋を出る時や、卒業式の後の教室は「きれいさっぱり何も無い」みたいな表現をすると思いますが、それがまさに「キレイ」という言葉です。そこにキラキラしたものは無く、美を感じさせることもない。むしろ少し汚れていた方が、そこに生活感や思い出を感じられてキラキラして見えていたかも知れません。     この曲の物語の主人公は、自分の思い出の中にある後悔を何度も何度も拾いあげて拭おうとしました。それでも拭い切れない後悔でした。ただ一つの後悔で、それまでの思い出が全て嫌いになってしまう程に。 時が経つにつれて、次第にその嫌いな思い出は心の奥に片付けられてキレイになっていきます。風化という自然の出来事ですが、僕はその風化していくものに光を当てて綺麗にしてあげたかった。いつか、死ぬ間際でもいい。走馬灯の中でその思い出がキラキラしていたら、どういった形であれその主人公にとってはハッピーエンドだ、と。 自分の頭の中で作り上げた主人公くらいには依怙贔屓(えこひいき)してもバチは当たらないでしょう。   少しネタバレをしているように思えますが、あくまでもこれは僕の主観です。 作り手の答えが受け取り手の答えになってしまうということは、僕にとって本意ではありません。誰にでも、何処にでもあり得る、ただ少しだけ特別な物語です。「へえ、そういう感じなんだ。一回歌詞を意識しながら聴いてみよ」くらいの軽い気持ちで受け取ってもらえると幸いです。     ここで物語の全てを伝えるというのは今の僕には難解で、物語自体は出来ているのですが、実は文字で書き起こした際、あまりにも稚拙に書き殴った文章、いや、文章と呼ぶにも相応しくないメモのようなものになってしまい、これは人に見せられないなという判断になりました。その「メモのようなもの」はメンバーにも見せていません。   全貌は曲の音やテンション感、歌詞に全てを詰め込んでいます。「フランネル」を聴いてもらって、どんなストーリーか妄想して誰にも見せられないメモを書き殴っていただければ。 僕の中で色々準備ができたら、いずれどこかで物語を書き記したいなと思っていますので、その時をどうぞお楽しみに。   <mol-74 井上雄斗> ◆紹介曲「 フランネル 」 作詞:井上雄斗 作曲:mol-74 ◆ニューアルバム『Φ』 2024年5月22日発売   <収録曲> 01.Φ12 02.遥か 03.オレンジとブルー 04.Mooner 05.通り雨 06.BACKLIT 07.虹彩 08.フランネル 09.アンサーソング 10.寝顔 11.R  

    2024/05/30

  • tonari no Hanako
    あの手この手で掴み取る愛のおはなし
    あの手この手で掴み取る愛のおはなし

    tonari no Hanako

    あの手この手で掴み取る愛のおはなし

     2024年5月29日に“tonari no Hanako”が新曲「あの手この手で feat. 大塚紗英」をリリースしました。8bitのゲーム音でtonari no Hanako節が炸裂した毒のある歌詞がPOPにかわいく表現され、声優としても活躍する大塚紗英を最大限に表したセリフパートもあるtonari no Hanakoの新境地となる1曲となっております。    さて、今日のうたではそんな“tonari no Hanako”のame(Vo.)による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 あの手この手で feat. 大塚紗英 」にまつわるお話です。自身が大学時代に出会った、あの手この手で恋を叶える猛者。一体、どんな手で恋を叶えたのでしょうか…。今回は音声版もございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください。 私が大学生の頃に出会った、あの手この手で恋を叶える猛者の話をしたい。   猛者、その名もリサ(仮名)。 当時18歳だった彼女は、共通の趣味を通じて出会った10歳近く年上の男性(社会人)に恋をしていた。 仲は良いものの、年の差もあり、当然相手からは恋愛対象として見られはしない。 その上、リサが恋愛感情を抱いていることを相手も察したようで、やんわりと距離を取られる始末であった。 だが、そこで引き下がれるほど軽い愛ではなかったのだ。 リサは私に言った。 「私これから1年かけて、妹作戦やるから。」 妹作戦…? 何のことかよく分からなかったが、その口調から相当の自信と覚悟を感じ取れた。   後日、リサは唐突に意中の男性に告白した。 そして誰もが予想した通り、見事に玉砕した。 「年が離れすぎていて恋愛対象に見れない」と言われたらしい。 だが、これはリサの計算の範囲内だった。 そこで彼女はすかさず 「だよね、分かってたから大丈夫。 でも人として好きなのは変わらないから、お兄ちゃんみたいに思ってもいい? 私お兄ちゃんいなかったから、妹みたいになれたら嬉しい」と可憐な攻撃をかました。 大人な彼は「うん、それはもちろん」と返事をしてくれたらしい。   兄と妹、という雰囲気の関係性になってしまえば、ますます恋人のような関係性からは遠ざかるのでは…と懸念した私の心配は杞憂だった。   ここから彼の「恋愛対象として求められる」という警戒心はどんどん解けていき、 2人はますます仲良くなっていった。 悩み相談に乗ってもらったり、共通の趣味で盛り上がったり、 まるで本当の兄と妹のように打ち解けていた。 自分の気持ちの押し付けはせず、相手に負担をかけないポジションを見極め、 あくまで相手の心地よい距離感を優先して関係性を築く。 相手が求めるものを考えて注ぎ続ける、リサはまさにその手のプロだった。 距離が縮まって関係が安定したタイミングで「最近気になる人ができたかも~」なんて、 彼を複雑な心境にさせる揺さぶりの呪文まで唱えていたらしい…   そして1年半後、「リサがいない日常は考えられなくなった」と彼に言わせ、 見事に恋人のポジションをGETしたのである。   若干18歳だった彼女に、当時からこの景色が見えていたのだとしたら… 彼女は一体人生何周目なのだろう、未来から来たのかよ、なんて思わざるを得ないほど私は衝撃を受けた。   “あの手この手で”愛を手繰り寄せる、それほど強い信念と深い愛(?)。 彼女のことを、今でも心のどこかで超絶リスペクトしている自分がいる。 これこそが、自分の描く人生を手繰り寄せるバイブルのような気もしてくる。   私の中で伝説となったリサは、今日も未来も、 あの手この手で“旦那”に愛を伝えていくのだろうな、と思う。   <tonari no Hanako・ame> ◆紹介曲「 あの手この手で feat. 大塚紗英 」 作詞:ame 作曲:ame   

    2024/05/29

  • NakamuraEmi
    純粋に火をつけろ
    純粋に火をつけろ

    NakamuraEmi

    純粋に火をつけろ

     2024年5月29日に“NakamuraEmi”がオリジナルアルバム『KICKS』をリリース! 今作は、集英社「HAPPY PLUS」公式テーマソング「一目惚れ」、NakamuraEmiの新境地を開いた3部作「究極の休日」「白昼夢」「晴るく」、コラボレーション曲「祭(feat.Mummy-D)」、「雪模様(feat.さらさ&伊澤一葉)」、「Hello Hello(feat.XinU)-NakamuraEmi&MASSAN×BASHIRY」純粋に音楽を楽しむ仲間との幸せな空気感が詰め込まれた「梅田の夜」、何気ないことが今の自分に全て繋がっていると教えてくれる「一円なり」の全10曲が収録。    さて、今日のうたではそんな“NakamuraEmi”による歌詞エッセイを全4回に渡りお届け。今回は第1弾です。綴っていただいたのは、収録曲「 火をつけろ 」にまつわるお話。コミュニケーションツールは増えて進化していくのに、むしろ難しくなってゆく人間関係。その生きづらさに向き合ったとき、たどり着いた思いは…。ぜひ、歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 メール、SNS、リモート会議、コロナ禍で数々のコミュニケーションツールに私は助けられました。効率的で、明確で、便利で、やめられない。本当にありがたい。   あの子とも、あの方とも、あの先輩とも、会ったことがなくても連絡を取り合えて、自分の可能性も広がる気がする。やめられない。本当にありがたい。   なのに私の悩みは人間関係でした。   笑えるくらいおかしな状態です。     「コミュニケーション」の方法は数え切れないくらい増えても、結局悩みの根っこは人間関係。スマホの画面にどれだけ文章を打って伝えても、信頼関係が成立してないと、相手の本当の気持ちはわからない。もしくはお互い伝わるまで文章を送り合う根気が必要なんだとわかりました。     信じられないほど文明は進化してるし、医療もサプリも除菌も進化してるし、人間の体なんてチンパンジーから進化しつづけている。     なのに人間の心は2024年の今も柔らかいままです。   そして人間が放つ言葉は2024年の今もグサグサと人を刺す凶器にもなります。     だからこそ言葉を伝えることを大切にしたい。 そして直接会って伝え合えば、びっくりするくらい全てのモヤモヤが消えて問題が解決したりする。     と思ったら、今度はハラスメントや多様性を気にして、相手が傷つくことを気にして、本当のことを話せなくなっていたりする。     ぐるぐるぐるぐる ぐるぐるぐるぐる なんじゃこりゃというループにハマってました。       生きやすいようで めちゃくちゃ生きづらい。     そしてたどり着いたのは   「私自身の多様性は誰が主張してくれるんじゃい」   ということでした。     私の人生は誰もやってくれない。 私の心の中は私しか知らない。 伝えることは金はかからない。 ちゃんと伝えよう。 相手の目を見てちゃんと伝えよう。     自分の応援歌にもしたかったし、見えないコミュニケーションに窒息しそうなあなたへ、心が凍ってしまいそうなあなたへ、少しでも火を灯せられたら幸せです。     曲を書きながら、なんちゅー難しいテーマの曲を書き始めてしまったのだろうと思いましたが「純粋に火をつけろ」の言葉が舞い降りてきた時、今までの全部が報われた気がしました。     柔らかい心にまで届く栄養は 昔から変わらないのかもしれないです。   あなたの話し相手になれる曲を 作れる様になりたいです。   <NakamuraEmi> ◆紹介曲「 火をつけろ 」 作詞:NakamuraEmi・カワムラヒロシ 作曲:NakamuraEmi・カワムラヒロシ  ◆オリジナルアルバム『KICKS』 2024年5月29日発売   <収録曲> 1.火をつけろ 2.梅田の夜 3.祭(feat.Mummy-D) 4.晴るく 5.白昼夢 6.雪模様(feat. さらさ&伊澤一葉) 7.一目惚れ 8.Hello Hello(feat.XinU)-NakamuraEmi&MASSAN×BASHIRY 9.究極の休日 10.一円なり

    2024/05/28

  • 汐れいら
    ものにする
    ものにする

    汐れいら

    ものにする

     2024年8月14日に“汐れいら”が自身初のCDである1st EP『No one』(ヨミ:ノーワン)をリリース! 今作は、汐れいらが紡ぐ“この世界にいる誰かの物語”が集まる、小説や短編集をイメージ。メジャーデビュー曲「Darling you」、“幸せを欲張って求めてしまう僕らの曲”である「味噌汁とバター」や、新たに制作された新曲4曲、さらにCD限定の2つの弾き語り音源が収録されます。    さて、今日のうたではそんな“汐れいら”による歌詞エッセイを2週連続でお届け! 今回は第2弾。綴っていただいたのは、初のEP『No one』にまつわるお話です。デジタルではなく“ものにする”ということが、自身にとってどんな意味を持つのでしょうか。そして、どんな思いを込めてこのタイトルをつけたのでしょうか…。 今まで、わたしの作品は配信のみ(それだけでもう有難いのだけど)、その形にはならない音楽たちを、この度CDという、ものにすることができた。   いまの時代、かたちあるアナログなものより、データのようなデジタルなものの方が消せない危険性と同時に残していける安全性があって、だからわたしは音楽を配信できるということだけでじゅうぶんと思っていた。   でも、人や日々に転がっている「だいすき」とか「たいせつ」のパーツを持ち帰って自分のものにする、っていうあの満足感もすごくわかる。   わたしも「ほめ言葉」とかノートにまとめて持っておきたいし、ちいさい頃は空のきれいなグラデーションとかプリンセスのきらきらのドレスが欲しくて、それもノートにその絵をかいて宝物にしてたなと思う。 好きになるひとだって、あの人のあの素敵なところが欲しい、と思う(閉じ込めたりしないよ笑)。   だからわたしのCDを買ってくれる人は、わたしの「だいすき」で「たいせつ」な音楽を、自分の「だいすき」や「たいせつ」の箱に入れてくれるのかなって思って、うれしい。   はじめてのCDができあがっていくのには、たくさんのひとが含まれてて、というか音楽を作っていくうえでいつもたくさんの人を含ませてもらってて、きっと成分表見たら「だいすき」の項目がカロリーオーバーしちゃいそうな勢いです。     「やりたい音楽」と「やりたいひと」どっちを選ぶ? とある人に聞かれたことがあって、わたしは「音楽に決まってる。」と思った。 わがままいうならどっちもだけど。 でも今こうして、やりたい音楽を、やりたい人とできていて、もっとやりたい音楽になっている。 やっぱわがまま言わせて。どっちも。   きっと曲ができていくたびに、やりたいことができていくほどに、自分自身の満足度NO.1を取るのは難しくなっていく。   はじめてのアルバム名、   『No one』   しっくりきてる。   わがままでも難しくても「だいすき」や「たいせつ」を 誰もやったことがない音楽を『ものにする』。   <汐れいら> ◆1st EP『No one』 2024年8月14日発売   <収録曲> M1 糸しいひと M2 味噌汁とバター M3 うぶ M4 踊り場のサーカスナイト M5 グレーハートハッカー M6 Darling you M7 備忘ロック M8 笑ってベイビー   ーBONUS TRACK CD onlyー Darling you(弾き語り) 味噌汁とバター(弾き語り)

    2024/05/27

  • 家入レオ
    新しい、は、いつか古くなるから。
    新しい、は、いつか古くなるから。

    家入レオ

    新しい、は、いつか古くなるから。

     2024年5月22日にニューシングル「ワルツ」をリリース! 同曲は松本まりかの主演ドラマ『ミス・ターゲット』主題歌として書き下ろされました。作詞・作曲を家入が手がけた、真っ直ぐな恋愛ソング。愛することの切なさを歌いながらも、どこか芯の強さと光を内包したヴォーカル、アレンジのミディアムバラードとなっております。    さて、今日のうたではそんな“家入レオ”による歌詞エッセイを2ヶ月連続でお届け! 今回は第2弾です。約3年ぶりとなるCDという形でのシングルリリース。より“ぬくもり”を大切に届けるため、写真家・佐内正史に撮影を依頼したジャケ写とミュージックビデオについての想いを綴っていただきました。 CDシングルをリリースするのは2021年の「空と青」以降、約3年ぶり。新曲「ワルツ」はドラマ『ミス・ターゲット』の主題歌で、その初回放送に先駆けて既に4月から先行配信がスタートとなっている。形に残る盤として皆様の手元にお届けするのが5月22日。   私がデビューした2012年。CDが売れなくなったという声を耳にすることはあれど、今よりずっと街にCDショップがあったし、もうほとんど目にすることがなくなったレンタルビデオ店もたくさんあった。   歌詞カードの中面の写真を眺めたり、歌詞を読みながら好きな音楽を聴く時間は、紡がれた言葉とメロディが静かに心にプレスされていくようで大切だった。食べた物で体が作られるのと同じように、観た映画や聴いた音楽で目に見えない私は作られていくんだろうなーと渋谷のTSUTAYAに何時間でもいられた。   好きなものはなるだけ買ったけど、開拓にはCD、DVD10枚1000円のレンタルサービス。おすすめされたCDをカゴに入れ、DVDの裏面のあらすじを読み。あーこれは新作だから対象外だ…と泣く泣く棚に戻したりして。選りすぐった10枚を大事に家まで持って帰った。そんな記憶も愛おしい。     いつの間にか時は流れ、「普通」や「常識」と言われたものこそ1番はじめに変化していくんだなってことを知った。配信シングルをリリースすることが多かった昨今、CDをリリースするなら、今まで以上にぬくもりのあるものを作りたいと思った。   ジャケ写とミュージックビデオの撮影をお願いしたのは写真家の佐内正史さん。佐内さんが撮る写真はノスタルジックで。打ち合わせの時に、「なんだか、閉ざされた、すごく狭い空間にいる感じがする」という言葉は曲が纏っている雰囲気そのもので。   生活の影を感じる場所で撮影した。デジタルでもシャッターを切ってもらったけれど、CDジャケ写にはフィルムを選んだ。「もっと明るく…」っていつもだったらバランスを整えることが、フィルムだとできない。そのコントロールできない歯痒さも、終わった恋をまだ受け入れられずにいる気持ちとリンクするような気がして。先行配信のジャケ写もフィルムで撮影していただいた1枚にした。時代と心に逆行するように。   そのノスタルジックが、わからない、けどなんか良い、が届くと良いなと思う。時代に置いてけぼりになったものだけが、年を取らない。新しい、は、いつか古くなるから。   <家入レオ> ◆紹介曲「 ワルツ 」 作詞:Leo Ieiri 作曲:Leo Ieiri  ◆ニューシングル「ワルツ」 2024年5月22日発売  

    2024/05/24

  • mol-74
    不可触の瞳
    不可触の瞳

    mol-74

    不可触の瞳

     2024年5月22日に“mol-74”がニューアルバム『Φ』(読み方:ファイ) をリリース! タイトルは“光束(光の明るさを表す物質量)”の量記号「Φ」に由来。また「Φ」は直径を表す記号でもあり、アルバムのプロローグ的な立ち位置の1曲目「Φ12」は人間の瞳の直径を意味しております。今作には、この「Φ12」をはじめとして、それぞれの楽曲の主人公たちが自らの瞳で捉えた光をテーマとした全11曲が収録。    さて、今日のうたでは“mol-74”による歌詞エッセイを3回に渡りお届け。第2弾はメンバーの髙橋涼馬が執筆。綴っていただいたのは、収録曲「虹彩」にまつわるお話です。自分ひとりの力では生み出すことのできないひかり。近づいてしまうことを止められないひかり。そんな“ひかり”を込めた歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 この世界はこんなにもひかりに溢れているのに、ひとたび部屋の明かりを消してしまえば、狭い視界はおろか、自分の身体のどこもひとつも発光していなかった。そうして気がついた。   自分は一生、自分の力でひかりを生み出すことはできない。   そのことがどうしようもなく悲しく、泣いてしまいたくなった。でも、感情はいつだって身体にうまく伝わってはくれないから、一向に泣く気配の訪れないまま、結局は黙って佇んだまま、いつまでも暗い部屋の中にひとりでいた。   だからこそ、ぼくは音楽をつくるようになったのかもしれない。それは映像も浮かばない、手でも触れられない、ただ耳から忍び込む密やかなひかり。   --   最近、そんなひかりの一つになれるかもしれないと思える曲がひとつできた。「虹彩」というタイトルの曲。   瞳には触れることができない。 いや、触れようと思えば触れられると思う人もいるかもしれない。少なくともぼくにはできない、といった方が正しいのかもしれない。   その行為に恐れを感じるから? 何かを傷つけてしまうかもしれないから? それとはまた少し違うような感覚がありながら、しかし、結局その違和感が何であるのかうまく判別しない。   誰かにとって、恋はそんな瞳のようなものかもしれない。ほとんどの人は、触れようと思えば当たり前に触れられると思っている。しかし自分にはなぜだか到底触れられるとは思えない。   それでも、自分にはできないことを、さもできているといった顔をして過ごさなければならない、とも思っている。 それは、ばれてしまうのがこわいから? 無数の瞳に見られているような気がいつまでもするから。   --   そんな、今までたくさん疎外されてきたであろう心を確かに内包するような、恋の歌が作りたくなった。   触れられる人も触れられない人も、等しく自分を重ねられる曲。人が何かを好きになるということ、その中身を細分化してむやみに分け隔てたりしないもの。ペルソナは無数のぼくかもしれなかった。   ひかり、としか形容のできない、ひと、もの、気持ちに、いつの日か出会うかもしれない。一度出会ってしまったら、きっと、接近しようとしてしまうだろう。   そうすれば、たちまち壊れてしまうことは分かっている。自分には壊さずに近づく術がないのだから。これははじめてなのだから。そこまで分かって、それでも、結局は近づいてしまうことを止められない。   だって、ひかりをみつけた時だけは、自分の身体もつられて発光しているような気分になれる。だからみんなひかりが好き。   何が発光しているのか、ひかりはそれをうやむやにしてくれる。そこには定義も区別も等しく存在しない、そう思えるほどまぶしく、ひかりは白く輝いているから。   --   あなたなら、この曲をひかりと受け取ってくれるでしょうか。 淡い期待と、そこに可能な限りの祝福を込めて。   <mol-74 髙橋涼馬> ◆ニューアルバム『Φ』 2024年5月22日発売   <収録曲> 01.Φ12 02.遥か 03.オレンジとブルー 04.Mooner 05.通り雨 06.BACKLIT 07.虹彩 08.フランネル 09.アンサーソング 10.寝顔 11.R

    2024/05/23

  • カノエラナ
    夢の住人
    夢の住人

    カノエラナ

    夢の住人

     2024年5月22日に“カノエラナ”が5th Single「イロドリ」をリリースしました。タイトル曲はTVアニメ『夜のクラゲは泳げない』オープニング主題歌。また、収録曲「揺れる」はこれまでカノエラナのライブでは歌われてきていた未発売楽曲で、今作を通してファン待望の音源化が実現!さらに、完全新曲となる「裏切り者のラブソング」も収録。    さて、今日のうたではそんな“カノエラナ”による歌詞エッセイをお届け! 綴っていただいたのは、新曲「 イロドリ 」にまつわるお話です。前に進んでも進んでも進まない日々でも、見えない壁に阻まれて岸にたどり着けなくても、それでも進み続けるあなたへ…。今回は音声版もございます。本人の朗読でもエッセイをお楽しみください。 苦手なことは置いといて 興味のあることだけに集中力を注いで来た結果 空想の世界に入り浸って いつになったら特殊能力に目覚めるのか 毎日真剣に考えるようになっていた   なんなら今でも変わらず考えている 目からビームとか出してこの場切り抜けたいな、とか 対面してる人が心の底で何考えてるか読めたらいいな、とか 訳わからんくらいでかい武器瞬時に召喚して 意味もなく振り回してみたいな、とか   心読みという点では ある意味現代のSNSは  会わずとも相手の動向がわかったりするから魔法の一種なのかもしれない 良いことも悪いことも拾えるのが更に魔法っぽい 最低最悪 使い方次第 傷付かないように 別の誰かを演じる毎日と 傷付けようとして 別の誰かを演じる毎日 心は常に満員御礼で 結果 名前がいくつ出来上がっただろう? なんでもない言葉が妙に刺さって 毒で痺れて爛れて千切れて戻せなくなって 魔法の繋がりから遠ざかった時、 吐いた言葉が夜に消える   制限のない文章を分かりやすくまとめて相手に完璧に伝えることすら難しいのに 全体秒数、リズム、メロの乗り心地縛りで 更にわけわかんなくなって 嗚呼また朝が来て 眠れなかったと独り呟いている 堂々巡りの頭の中を 一度取り外して掃除したいくらいだ モノで溢れてヒトで溢れている 好きで苦手な渋谷に集まる これじゃあ虫と変わらないじゃないか 自分の意見をしっかり持たなきゃ すぐに色のついた鳥にでも食べられてしまうだろう   全然熟していない僕はきっと美味しくない 骨と皮だけだ 特別綺麗な実でもないし 大勢の中のたったほんの一粒で 腐り落ちて潰れてしまう前の悪足掻きをしている 前に進んでも進んでも進まない 見えない壁に阻まれて岸に辿り着けずにいる それでも進むことはやめられなかった だって果実は実っているから   はっと目が覚めて身体中が痛い いつの間にやら眠っていたみたいだ 首やら肩やら石みたいにかたくなって このまま壁がぶち壊せる程になっていた はて、一体何の夢を見ていたのだろう? というかそもそも夢だったのだろうか? 今ここにいる僕は僕なんだろうか? 境界線が ぐにゃりと崩れた 今日も今日とて 曇りのち雨   <カノエラナ> ◆紹介曲「 イロドリ 」 作詞:カノエラナ 作曲:カノエラナ ◆5th Single「イロドリ」 2024年5月22日発売 <収録曲> 01.イロドリ 02.裏切り者のラブソング 03.揺れる

    2024/05/22

  • ポルカドットスティングレイ
    歌詞の主人公をどう作る?
    歌詞の主人公をどう作る?

    ポルカドットスティングレイ

    歌詞の主人公をどう作る?

     2024年4月17日に“ポルカドットスティングレイ”がNew Digital Single「ブラックボックス」をリリースしました。同曲は月刊コロコロコミックで人気連載中『ブラックチャンネル』YouTubeアニメのテーマソングとして書き下ろした作品。うねるベースとタイトなドラムに攻撃力抜群のギターが重なり合った緊張感の高いアレンジで、ダークヒーローであるブラックを。歌詞では、どんなことがあっても友だちのブラックを信じる主人公・さとしの気持ちを表現した炎上上等なアグレッシブな楽曲となっております。    さて、今日のうたではそんな“ポルカドットスティングレイ”の雫による歌詞エッセイを3回に渡りお届け!綴っていただいたのは自身の作詞論。最終回のテーマは<歌詞の主人公をどう作る?>というお話です。曲ごとに設定する主人公。リスナーがその主人公により“没入”できるよう、意識していることは…。ぜひ、ポルカドットスティングレイ楽曲の歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください! 記事、涙の第3回です。名残惜しいネ。   私は歌詞を書く上で、自分のことは書きません。 その歌における主人公を設定しています。   曲におけるターゲットを設定し、それに基づいたペルソナを作って歌詞を書いていきます。 私は歌詞の意味よりも音を大事にしているので、ここも曲先行です。言いたいことが先に来てない(ここは作詞者ごとに流派があります)。   例えば「 リドー 」なら…   ボカロっぽい曲を作りたい →オタクにウケたい(自身もオタク) →ファンタジーにしちゃお →舞台は、世界を作った神・リドーが気まぐれに姿をくらましてから100年後の蒸気都市。 均衡を失ったこの星の大気には、有害物質が増加していた。 人類の抵抗も虚しく、街は衰退し、力尽きた人や職を失った人で溢れている。灰色と金属の街に横たわる半人半怪の山。 万策尽きて、人々が願うのをやめた頃、革命のために立ち上がったレジスタンスたちが居た。 そのレジスタンスのリーダーが主人公で、神・リドーに会いに行く話にしよう!   は?   こんな感じです。 主人公は元戦士の女性なので、一人称は「私」。この「私」に、リスナーを没入させる歌詞を書いていきます。 とにかく没入感が大事。聴いてるとき、リスナーに主人公になってもらわなきゃいけないからネ。   経験上、設定の説明に尺を使わない方がいいです。だって、実際自分がその状況に置かれてたら設定の説明なんてしないから。 聴いてる人にとっては、ダラダラ説明なんてされてもだるいだけです。チュートリアルは最低限がよい。 設定の説明をしない代わりに、その主人公の目線で、今見たものとか、今思ってることを書いていくのが吉です。   さらに、没入してもらう工夫として、言いたいことは絞った方がいいです。 曲尺って大体3~4分とかやん。中途半端にいろいろ設定とかシーンを詰め込むと、理解にコストがかかって心地よくないです。   「 ブラックボックス 」の歌詞を見てみましょう。 悪魔でありYouTuberのブラックと、相棒の小学生さとしくんが主人公のアニメ『ブラックチャンネル』のテーマソングです。 この曲は主人公のさとしくん目線の歌詞なので、リスナーのみなさんには、さとしくんになってもらいます。   ――   振り回して! 完膚なきまで   大問題だけど信じてる 絶体絶命 それでも結構! 怪物に堕ちた天使 正直悪くない だからGimme! BLACK BOX   ――   3分間いろいろ言ってるけど結局、「振り回されてもなんだかんだ君と居るの楽しい」の一点張りです。 作詞にあたってもちろんブラックチャンネル全部見てクソ長オタクノート作ったけど、結局『5億年ボタンを押すとどうなるのか?』の回にシチュエーションを絞って書いています。 ここに他の回のエピソード何個も入れようとか、ブラックの堕天エピソード入れようとか、欲張りすぎると「なんかいっぱい要素出てきて没入できないな…」ってなります。   少なからずブラックチャンネルを知らない人も聴きます。なんならうちのファンじゃない人も聴く。 「全部理解してやるぞ!!」という熱量があるリスナーはほんの一握りなので、情報量が多くなりすぎるとキモいだけなんですネ。   主人公の軸を作ってあげるの大事。 結局そいつの一番言いたいことはなに? 一番やりたいことは? もっと言うと、リスナーにどこに共感してほしいの?   誰に向けて書いてる曲なのか。聴いてどういう気持ちになってほしいのか。 主人公はリスナーです。 あなたを一番主人公にしてくれる曲、たくさん探してみてネ。   <ポルカドットスティングレイ・雫> ◆New Digital Single「 ブラックボックス 」 2024年4月17日リリース 作詞:雫 作曲:雫

    2024/05/21

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