恋は終わってしまったかもしれないけど、愛は続けていいんだよ。
家入レオ
恋は終わってしまったかもしれないけど、愛は続けていいんだよ。
2024年5月22日にニューシングル「ワルツ」をリリース! 同曲は松本まりかの主演ドラマ『ミス・ターゲット』主題歌として書き下ろされました。作詞・作曲を家入が手がけた、真っ直ぐな恋愛ソング。愛することの切なさを歌いながらも、どこか芯の強さと光を内包したヴォーカル、アレンジのミディアムバラードとなっております。 さて、今日のうたではそんな“家入レオ”による歌詞エッセイを2ヶ月連続でお届け! 今回は第1弾です。綴っていただいたのは、新曲「 ワルツ 」にまつわるお話。時間が薬になって解決してくれると言うけれど、今「過去の記憶」に悩まされているあなたへ…。 「時間薬」の意味を調べると、「どんなに大変な困難を抱えても時間が薬となって解決してくれること」とあった。忘れる、ということ。これは神様が人間に授けた愛であると同時に、恐ろしいくらい残酷なギフトだと思う。 辛く悲しい記憶を1秒でも早く消し去りたい。覚えていたいのに愛したあの人の声をもう思い出せない。新しい環境にいるのに過去の痛みがふとした瞬間にフラッシュバックしてしまう。私たち人間は今目の前にいる「相手」に悩まされているようで、実は「過去の記憶」に悩まされているのかもしれない、と考えてしまう日もある。もし神様が人間の心にすぐ忘れられるスイッチを付けてくれていたら、もっと楽に生きられたのに、なんて馬鹿みたいなことを想像してみたりして。 だけど、もしそのスイッチが人間の設計図に書き加えられていたとしたら、誰かの悲しみを自分のことの様に感じることも、赦すことで赦される深さを知ることも、喜びに声を上げ涙する心の機微も、全て世界からなくなってしまうのだろう。それでも、暗闇の中を歩いていると、もう感情なんてなくなってしまえばいいのにと本気で願ってしまうのは私の弱さだろうか。 新曲「ワルツ」はドラマ『ミス・ターゲット』の主題歌として書き下ろした。主人公・すみれは結婚詐欺師。恋をして、本当の愛を知ることで変わっていく女性の姿が描かれているこの作品と私の心がクロスした。 傷付いた恋だったけど、「出会わなかったら良かった」と、どうしても思えなくて。「あの指も声も」忘れたいのに、忘れたくなくて。苦しかったけど、でもこの人を好きになれてよかった、私前よりもやさしくなれたかもって。そんな気持ちで紡いだ言葉とメロディ。傷付いたのは、ちゃんと傷付けたのは、その人のことが好きだったってことだから胸を張っていよう、って。泣きながら笑って誇って馬鹿みたいだけど、こんな私も悪くないってやっと思えます。そして、大切な人とお別れしたあなた。恋は終わってしまったかもしれないけど、愛は続けていいんだよ、ってハグしたいです。 <家入レオ> ◆紹介曲「 ワルツ 」 作詞:Leo Ieiri 作曲:Leo Ieiri ◆ニューシングル「ワルツ」 2024年5月22日発売