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  • postman
    この曲はきっとこれからもずっと我々にとって大事な一曲である。
    この曲はきっとこれからもずっと我々にとって大事な一曲である。

    postman

    この曲はきっとこれからもずっと我々にとって大事な一曲である。

     名古屋の4ピースバンド“postman”が、2020年7月1日に1st Full Album『HOPEFUL APPLE』をリリースしました。今作には、1st Mini Album、2nd Mini Album、会場限定シングル迷信.ep からの楽曲も含む、ここまでのベストアルバム的なフルボリュームの全13曲が収録されております。是非、その歌詞もじっくりとご堪能くださいませ…!  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放ったpostmanのボーカル・寺本颯輝によるスペシャルエッセイを3回連続でお届け!今回は 第1弾 に続く、第2弾です。綴っていただいたのは、バンド“postman”の誕生のお話の続き。高校時代にバンドを組んだ彼らはその後、プロになってゆくために、どのような選択をしたのか。そこで出会った大切なひと、生まれた大切な曲とは…? その軌跡を明かしていただきました…! ~歌詞エッセイ第2弾~ どうもpostmanのボーカル&ギター、寺本颯輝です。前回は文法間違い前身バンド「postmans」を結成した所まで話しましたが、遂にここで“あの方”の登場。第二話、果たして「s」を取ることは出来るのか!? 高校一年の7月。前任ドラマー“たまちゃん”を含めた四人はオリジナル曲を数曲携え、遂にライブハウスでの初ライブを果たす。緊張と興奮のあまり、ライブ自体の記憶はあまりないが、今でも鮮明に覚えていることが一つだけ。 それは見に来てくれていたクラスで目立つタイプの女子が後ろから「全然見えない!前にいる男子座って!!!」と怒鳴りつけ、最前列にいた男子達をライブハウスの地べたに全員座らせたことだ。 あの時は初ライブだったこともあり特に何も思わなかったが、今になってみると非常にカオスな光景だった。前の三列くらいは全員座り込んで見ていたのだから。何故、男子達も言われるがままだったのだろうか。ヒエラルキーというものか。しかし演奏は練習通り出来て、友達の反応も良く、忘れられないとても素敵な思い出である。 初ライブを終えて、音源作りを目指して本格的な曲制作に取り掛かった。しかし“たまちゃん”は曲を覚えられなかったり、普段はJ-POPしか聴かなかったりと、全くバンドというもの自体にハマっていなくて、ただ仲が良いからバンドを続けていたということが徐々にわかってきたのである。 当時から僕はプロ志向があり、絶対にミュージシャンになる!と決めていたのでこのままではこの先マズいかもしれない、と思いメンバーを呼び出して今後についての話し合いをした結果、“たまちゃん”とはバンドメンバーではなく友達に戻ることに決めた。 こうして「postmans」の活動は終了となりました。“たまちゃん”とは今も友達であり、postmanを心から応援してくれています。いつか大きな会場での凱旋ライブをする時、彼を招待するのが一つの夢。たまちゃん、いつか必ず叶えるから待っててね。 そしてドラマー探しが始まった。と言っても我々の地元・春日井市はまあまあな田舎なので同い年でドラムをやっている人なんてそうそういるものでもなかったし、名古屋のライブハウス界隈で見つけるなんて事はキャリアゼロのバンドに出来る筈もなく、どうしたらよいのかと悩んでいた。だがしかし、この春日井にも一人だけドラマーがいることを思い出したのだ。 中学二年の時に出演した学園祭のライブで、一つ上の先輩バンドとしてドラムを叩いていた“あの方”。そう岩田先輩、いや天パヲタクサイコパスドラマー“いわたんばりん”がいるではないか、と。 学年も違うし、特に友達という訳ではないし、当時から自らを“いわたんばりん”と名乗る彼にむしろ苦手意識を持っていた僕だったが、春日井市にドラマーなどこの人以外きっといないし、早くライブハウスに出なければと思っていたので一か八か、「僕等と一緒にバンドをやりませんか?」と勇気を出して誘ってみたのだ。 するとサイコパスは特に深く悩むこともなくニヤつきながら「別にいいよ~」と軽めなノリで承諾してくれて、その瞬間からこの人との長きバンド人生が始まることとなった(その際、某ハンバーガーショップに呼び出して話をしたのですが、彼は給料日だったらしく気前良くポテトを奢ってくれました)。 それから、いわたんばりんを含めた四人でスタジオに入るようになり、曲制作を再開。初めて完成した曲は自主製作盤『月前の夢 .ep』にも収録されている「innocent」という楽曲だった。現在も大事な場面で演奏しているこの曲はきっとこれからもずっと我々にとって大事な一曲である。今回リリースする『HOPEFUL APPLE』にも入れようかという案もあったけれど、何十年後かに出すであろうベストアルバムに満を持して入れようという話になったので、お楽しみに。 こうして集まったこの四人での初ライブは10月31日。その際にバンド名を改めて決め直そうということになり、色々と候補は上がったものの全員postmanという単語が妙にしっくりと来ていたので「s」を取り、「postman」と名乗ることを決めた。文法間違いにやっと気付いたのはきっとこの辺り。 では第二話はこんな所で終わろうと思います。次回がいよいよ最終回という事で自己紹介で終わってしまいそうですが、もう少しお付き合いお願いします。 <寺本颯輝> ◆1st Full album『HOPEFUL APPLE』 2020年7月1日発売 RX-172 ¥2,500+税 <収録曲> M-01. 探海灯 M-02. 揺らめきと閃き M-03. 蒼 M-04. ウキグモ M-05. セレクティブサンクション M-06. Hot Apple Tea M-07. 君影草 M-08. OLD TALE M-09. 光を探している M-10. 夢と夢 M-11. 愁吟 M-12. 転げ回れ M-13. 六芒星 - Profile - 愛知県春日井市の少年野球チームで結成された、4ピース・ロック・バンド。名古屋を拠点とし、「届ける」をコンセプトに活動中。寺本(Vo.Gt)の個性的な歌声とキャッチーなバンド・サウンドから創造される世界観を武器に、同年代を中心に熱い支持を集めている。2019年6月に発売したライブ会場限定CD「迷信.ep」に収録されている「揺らめきと閃き」のMVがYouTubeを通して海外でも高く評価をされている。名古屋のライブハウス・シーンで最も成長が期待されているバンドである。

    2020/07/06

  • postman
    postmanは少年野球チームで集まった幼馴染四人からはじまった。
    postmanは少年野球チームで集まった幼馴染四人からはじまった。

    postman

    postmanは少年野球チームで集まった幼馴染四人からはじまった。

     名古屋の4ピースバンド“postman”が、2020年7月1日に1st Full Album『HOPEFUL APPLE』をリリースしました。今作には、1st Mini Album、2nd Mini Album、会場限定シングル迷信.ep からの楽曲も含む、ここまでのベストアルバム的なフルボリュームの全13曲が収録されております。是非、その歌詞もじっくりとご堪能くださいませ…!  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放ったpostmanのボーカル・寺本颯輝によるスペシャルエッセイを3回連続でお届け!今回はその第1弾です。綴っていただいたのは、バンド“postman”の誕生のお話。実は彼らの始まりは、少年野球チームだったそう。どのように出逢い、どのように音楽をスタートさせたのか。その軌跡を明かしていただきました…! ~歌詞エッセイ第1弾~ どうもpostmanのボーカル&ギター、寺本颯輝です。今日から三回に分けてエッセイというものを書かせていただくことになりました。初めましての方も多いと思うので、まずは自己紹介から。postmanは少年野球チームで集まった幼馴染四人からはじまったロックバンドです。なので、その少年野球チームの話から。 遡ること十五年前、それは小学一年の頃。両親に連れられて地元の少年野球チーム「松原ファイターズ」の練習に見学へ。半ば強引に。そしてその日にすぐ入団が“決まった”。何故“決めた”ではなく“決まった”のかと言うと、全くの不本意だったからである。僕はその時の事を鮮明に覚えている。 初心者にも関わらず僕がミスをする度にキレ散らかす目付きの悪い上級生や、当時から髪が少し長かったからか、今にもバリカンを手に刈りに来そうな勢いで睨み付けてくるコーチなど、当時の僕はすぐに帰りたい気持ちでいっぱいになった。髪の毛も惜しかった。 ようやく練習が終わるころ、コーチからの最後の話があった。迎えに来ていた母親が遠くから口パクで僕に「帰る?」と聞いてきた。こんなとこに連れてきやがってという思いもあったので、母親に向かって、首などもげても構わないという程に力強く何度も何度も頷いた。 ところが着替えや片付けをしている時、母親は監督と入団の手続きを済ましていた。家に帰り怒りながら問いただすと、母親はあの時僕に口パクで「帰る?」ではなく「入る?」と聞いていたのだという。その時、僕は少しだけ涙を流していたかもしれない。 こうしてpostmanの原点である「松原ファイターズ」への入団が“決まった”のだ。そして毎日毎日辞めたいと思いながらも小学校六年間ちゃんと続けた。今でも野球は得意だし一番好きなスポーツです(当時から何故か寺本家はずっと広島ファン)。 では、ここからはpostmanメンバーの紹介を。 まず一人目。クールギタリスト“兼本恵太朗”。祖父、父親共々「松原ファイターズ」のコーチをやっているという事もあり、僕が入団した時から彼は既に僕等の代のキャプテンを任されていた。ポジションはセカンド(コイツも毎日辞めたがっていた)。今の風貌とはかけ離れていて、当時は坊主で眼鏡をかけた“THE 優等生”の小学生だった。あの時の僕は、まさかこのキャプテンとバンドをやるとは思ってもいなかった。 二人目、元気ベーシスト“岩崎圭汰”。小学二年ぐらいの頃に入団してきた。ポジションはレフト(コイツも毎日辞めたがっていた)。風貌は今と特に変わらない。強いていうならもっと前歯が出ていた気が。僕のポジションはセンターだったので外野でよくふざけ合ったりして怒られていた。メンバーで唯一小中高同じの長い友達。 三人目は、ライトの“たまちゃん”。あれれ???と思う方も多いとは思いますが、まだ天パドラマー“いわたんばりん”とは出会いません。もう暫しお待ちを。あと因みに“たまちゃん”も勿論毎日辞めたがっていました。 そして小学五年生の夏、両親の影響で赤ん坊の頃からロックを聴き続けていた寺本颯輝は遂にギターに目覚めたのです。父親が若い頃に購入して三日で断念した黒のストラトキャスターを押し入れから引っ張り出し、RADWIMPSの「生春巻き」やRed Hot Chili PeppersやBEATLESの「Twist & Shout」のライブ映像などを観ながら兎に角掻き鳴らす毎日が始まったのだ(練習は全くしなかったので中学二年ぐらいまでコードの一つも知らなかった)。 その後、いつも遊んでいた現在のメンバーと“たまちゃん”を含めた三人にも楽器の面白さやバンドの素晴らしさを知ってもらって、バンドを組むに至る。各自楽器を手に入れて中学に上がったあとはスタジオに入ったり、文化祭でASIAN KUNG-FU GENERATIONのコピーをしたり。中学三年のときにはオリジナル曲を作りはじめるくらいにはなっていた。そして高校一年の夏、一度だけ名古屋のライブハウスに出演。 その時のバンド名は「postmans」。 お気付きだろうか。 postmanの複数形はpostmen。 つまりは見事な文法ミス。メンバー全員アホ丸出し。 何故誰一人気が付かなかったのか。 しかしこれが我々「postman」の真の始まりなのです。 次回へ続く。 <寺本颯輝> ◆1st Full album『HOPEFUL APPLE』 2020年7月1日発売 RX-172 ¥2,500+税 <収録曲> M-01. 探海灯 M-02. 揺らめきと閃き M-03. 蒼 M-04. ウキグモ M-05. セレクティブサンクション M-06. Hot Apple Tea M-07. 君影草 M-08. OLD TALE M-09. 光を探している M-10. 夢と夢 M-11. 愁吟 M-12. 転げ回れ M-13. 六芒星 - Profile - 愛知県春日井市の少年野球チームで結成された、4ピース・ロック・バンド。名古屋を拠点とし、「届ける」をコンセプトに活動中。寺本(Vo.Gt)の個性的な歌声とキャッチーなバンド・サウンドから創造される世界観を武器に、同年代を中心に熱い支持を集めている。2019年6月に発売したライブ会場限定CD「迷信.ep」に収録されている「揺らめきと閃き」のMVがYouTubeを通して海外でも高く評価をされている。名古屋のライブハウス・シーンで最も成長が期待されているバンドである。

    2020/07/03

  • イチオシ!
    鬼頭明里さんが昇華してくれた大切なテーマ。
    鬼頭明里さんが昇華してくれた大切なテーマ。

    イチオシ!

    鬼頭明里さんが昇華してくれた大切なテーマ。

     今日のうたコラムでは、作詞家・昆真由美さんによる歌詞エッセイを【前編】と【後編】でお届けいたします。歌ネットで歴代人気曲として認定されている、チャン・グンソク「淡い雪のように」や、TikTokで人気急上昇のShuta Sueyoshi「HACK」といった楽曲をはじめ、様々なアーティストの作詞を手掛けてきた彼女。    そんな昆真由美さんが【前編】で綴ってくださったのは、鬼頭明里の1stアルバムに提供した「 Fly-High-Five! 」と「 Star Arc 」にまつわるお話です。【音楽ライブと私】【やっと昇華できたテーマ】【歌作りは、プレゼント選びに似ている】3つのタイトルで明かしていただいた想い、じっくりとご堪能ください…! ~歌詞エッセイ【前編】~ 鬼頭明里さんの1stアルバムに、「 Fly-High-Five! 」「 Star Arc 」の2曲、歌詞提供させていただきました。一枚のアルバムに複数曲提供するのは私にとって初めて。まったく雰囲気の違う2曲について、この場を借りて少し語ってみたいと思います。 ◆音楽ライブと私 「 Fly-High-Five! 」はライブ会場で盛り上がっているところをたくさん想像しながら書いた一曲です。ライブ曲を書くのはとても好きで、今までも色々なアイドルやアーティストさんに“ザ・ライブ曲!”という雰囲気の曲を書いています。 私がいわゆる音楽ライブに初めて行った時期は結構遅くて、大学3年、まだ歌詞を書くなんて考えてもみなかった頃。そこで初めて、こんな大きな空間をほんの数人が鳴らす音で操っている、その感じに感動したのを覚えています。 歌詞を学び始めてからは、「勉強も兼ねて」と、色々なライブに足を運びました。友人に誘われるたびに、イベントが開催されるたびに、あまり知らないアーティストでもとにかく行っていて、ある時期は平均で月1、多い時は月に3~4回行っている時期も。 また、あるアーティストさんのライブレポートを執筆させていただいていた時期があり、ライブに行くとステージから客席、隅から隅までを観察。これは今でも癖になっています。 でも、その後、自分が純粋にハマったアーティストのライブは、勉強のために、執筆のために訪れるライブとは比べ物にならないほどの熱量だと知りました。とにかく無敵感で溢れていて、ずっと頭の中にフワフワ感が残って、翌日仕事にならない、あの感じ。 私にとってライブは、小さい頃から慣れ親しんでたものではなくて、大人になってから知った特別で素晴らしい世界。“ライブ曲”を書く時は、今まで足を運んだいくつものライブで感じた熱を思い出しながら、会場で歌われる場面を思い浮かべながら書いています。歌いながら時に踊りながらノリノリで書いてるので、書いている最中の私はとてもじゃないけれどお見せできません(笑)。 ちなみに、音楽ライブに行く人は幸せを感じやすくなり、寿命が9年延びるという研究データがあるそう。たとえば美味しいものを我慢して長生きするより、よっぽど素敵な生き延び方!ライブ会場に足を運ぶのは、今は普遍的なことでなくなってしまったけれど、ライブ曲を書いたり聞いたりするだけでも、そこそこ長生きできるんじゃないか…なんて思っています(笑)。 ◆やっと昇華できたテーマ 「 Star Arc 」は、曲を初めて聞いた時に、一気に風景と物語が浮かんできた曲です。 実は、 ・流れ星の行方を追いかけて走り出す ・流れ星を見て自分以外の誰かの願いが叶ったと感じる この2つの情景は、ずっと頭の中にあって、作詞家になりたての頃から何度もこのテーマで歌詞を書くチャレンジをしてきました。 だけど、どうしてもそれがただの“表現”にとどまってしまって、歌の“キャラクター”や“物語”に絡んでゆかず、何度もボツに。今回、曲を聞いたときに、「ああ、この曲なら、もしかしたら」と。頭の中にあった2つのテーマが、一緒になって、すごく立体的に浮かんできて、ひと息に書き上げました。 7年熟成したテーマを、鬼頭さんの素晴らしい歌声で昇華していただけたこと。やっとこのテーマを書く資格を与えられた気がしてすごく嬉しかった。とても感慨深い1曲になりました。 歌が世に出ることって、そう簡単ではなくて、奇跡に近いとすら思っています。ボツになったアイデアはもちろん、「作ったけれど世に出なかった歌」を私はいくつも見送ってきているから。 ◆歌作りは、プレゼント選びに似ている。 「自分の書いた歌が聞かれるのってどんな感じ?」なんてたまに聞かれます。歌を作ることは、プレゼントを選ぶことに似ている気がします。これを聞いたらみんなどんな顔をするだろう、喜んでもらえるだろうか、そんなことを考えながら作る。リリースするまで、そしてリリースしてからは本当にドキドキ。 歌を聞いてくれているというのをSNSなどで見ると、そりゃあひとことで言えば「嬉しい」のだけど、その嬉しさって、「よっしゃーやったー!」みたいな感じじゃなくて、「気に入ってくれた?!ありがとう!」という感じ。一生懸命チョイスしたオススメのプレゼントを喜んでくれた時の、じんわりあったかい喜び。 だから、ちょっと自信がなくなったり元気がない時は、作品のエゴサ―チ、してしまいます、やっぱり(笑)。そしてそこから元気とかやる気をもらっていたりします。歌は、幸せを増やすためのツール。歌を届けた後も、私はたくさん幸せをもらっています。 歌に関わってくれた人のポジティブな気持ちがもっとたくさん増えますように。そんなことを想いながら、また今日もプレゼントを選ぶのです。 <昆真由美> ◆紹介曲「 Fly-High-Five! 」 作詞:昆真由美 作曲:中山英二 ◆紹介曲「 Star Arc 」 作詞:昆真由美 作曲:塚田耕平

    2020/07/02

  • CHIHIRO
    私は多分この言葉をみんなに贈りたくて書いてるんだ。
    私は多分この言葉をみんなに贈りたくて書いてるんだ。

    CHIHIRO

    私は多分この言葉をみんなに贈りたくて書いてるんだ。

     2020年7月8日に恋愛シンガーソングライター“CHIHIRO”がニューアルバム『Rose Quartz』をリリース!今作には、MVも公開されている「もうおしまい」やドラマエンディングテーマ「冷たくしないでよ」など先行配信された4曲に加え、新たに新曲とリミックス曲が収録されております。みなさんの“恋のお守り”になること間違いなしの1作…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“CHIHRO”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回はその第1弾。綴っていただいたのは、新曲「 幸せになってね 」に込められている想い。今、本気で「好き」と向き合っているあなたへ。このエッセイと歌詞が届きますように…! ~歌詞エッセイ第1弾:「 幸せになってね 」~ 私がラブソングを書く時に大切にしていることは、綺麗ごとだけの歌詞を書かない事。 恋愛っていいところだけを切り取ろうと思えば簡単に切り取れる。自分都合に美化してしまった想い出ばかり見ていたら、昔の恋ばかりが輝いて今を見失ってしまう。 だから私はいつも自分の書く曲にリアルを込めている。現実を描いて痛みも悲しみも切なさもそのまま言葉にのせている。 大好きなのに伝わらなくて、不器用で、結局叶わなくて、枯れるほど涙を流してしまう....。一生懸命「好き」と向き合っていく女の子をいつも書いた。 恋は楽しさやきらめきをくれる一方で痛くて切ない。でもその痛みや悲しみと向きあわないと負のループから抜け出せなくなる。現実を受け入れて、新しい自分をみつけること、一つのドアが閉じても新しいドアが開くと信じて進むこと。そんなメッセージを私はラブソングで伝えたくて書いている。 私の曲を知ってくれてる最初のきっかけは、失恋ソングや切ないラブソングが多い。 時々インスタで恋愛相談をしたり、サイン会でお話しする機会があったりした時に、ファンのみんなの恋の悩みや報告を聞くのが私の大切な時間になっていた。みんなの声を聴くと、次こんな曲つくろう、こんな歌詞を書こう。そんな力に繋がる。そして私が作る曲や歌詞に込めた想いが少しでも聴いてくれる人の変化になって前に進んでもらえたらうれしいなぁと思う。 私の切ないラブソングから出会ってくれた方から「あれからね好きな人が出来たよ!」「やっと結婚が決まったよ!」そんな嬉しい報告をもらえた時、私は本当に本当に幸せを感じる。 ニューアルバム『Rose Quartz』の構想を考えてる時に どうしてもこの曲を入れたかった。 「 幸せになってね 」 私は多分この言葉をみんなに贈りたくて書いてるんだ。 人生も恋もいろんなことがあるけど みんな幸せになるために生きていると思う。 どんなことが起こってもどんなに涙しても 前を向いて歩いていけば 幸せを引き寄せると私は信じてる。 『Rose Quartz』というアルバムとともに これからもみんなの恋を見守らせて。 ー 幸せになってね、約束だよー <CHIHIRO> ◆紹介曲「 幸せになってね 」 作詞:CHIHIRO 作曲:CHIHIRO ◆ニューアルバム『Rose Quartz』 2020年7月8日発売 初回限定盤 TECI-1647 ¥3,182+税 通常盤 TECI-1648 ¥2,273+税

    2020/07/01

  • THE BEAT GARDEN
    いい動機なのかはわからないけど。ずっとこの動機だったら、いいな。
    いい動機なのかはわからないけど。ずっとこの動機だったら、いいな。

    THE BEAT GARDEN

    いい動機なのかはわからないけど。ずっとこの動機だったら、いいな。

     2020年6月29日に“THE BEAT GARDEN”が、初となる配信限定楽曲「 光 」をリリースしました。新年度を迎え、新しい環境に身を置いた人々が、次々と目の前に立ちはだかる矛盾や葛藤に悩まされながらも、それでも“前を向いて頑張っていこう”という、そっと聴く人の背中を押してくれるミッドバラードです。注目度ランキングの最高位1位も記録!  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放ったTHE BEAT GARDENのUによる歌詞エッセイを【前編】と【後編】2日連続でお届けいたします…!綴っていただいたのは、新曲「光」にまつわる、あの頃の想いと、今の想い。あの頃、過ごした日々と、今、生きている日々のお話です。歌詞と併せて是非 【前編】 に続く【後編】をご堪能ください…! ~歌詞エッセイ【後編】~ 現在。2020年。 メンバーに出会い、事務所に入り メジャーデビューもした。 あれから10年が経った。 タイムイズマネーは嘘だと思う。 お金で時間が買えるなら大ヒット商品だ。 歌を職業にしたくて 歌を練習して 歌を作るようになって 上手くいっただなんて 思えたことは殆どないけど なんとなく楽しい。 ずっと。 時々、苦しい。 歌詞を描いて、一日家に籠っても 何も浮かばない日なんてザラで、 朝早く起きて、一日中働いて、帰ってくる人達に 頭が上がらなくなる。 辞めたくなっても、 いいライブをしたい いい曲を作りたい以上に やりたいことも見つからない。 ライブで たくさんの人に会えた後、 一気にひとりになる寂しさを 塗りつぶす為にたくさん描いている。 愛おしい尊い時間に、 はやく会えるように。 忘れないように。 心優しくなれる瞳と景色。 目が合えば一瞬で報われる みんなに会いたくて 僕は歌詞を描く。 いい動機なのかはわからないけど。 ずっとこの動機だったら、いいな。 いつか 東京ドームに帰れた その時も。 このコラムに出会って下さった皆さん、 最後まで読んで下さりありがとうございます。 今の世の中に光が射した時、 どこかでお会いできることを楽しみにしています! <U> ◆紹介曲「 光 」 作詞:U 作曲:MASATO

    2020/06/30

  • THE BEAT GARDEN
    届かなすぎて、何も感じない、東京ドームを眺めながら。
    届かなすぎて、何も感じない、東京ドームを眺めながら。

    THE BEAT GARDEN

    届かなすぎて、何も感じない、東京ドームを眺めながら。

     2020年6月29日に“THE BEAT GARDEN”が、初となる配信限定楽曲「 光 」をリリースしました。新年度を迎え、新しい環境に身を置いた人々が、次々と目の前に立ちはだかる矛盾や葛藤に悩まされながらも、それでも“前を向いて頑張っていこう”という、そっと聴く人の背中を押してくれるミッドバラードです。注目度ランキングの最高位1位も記録!  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放ったTHE BEAT GARDENのUによる歌詞エッセイを【前編】と【後編】2日連続でお届けいたします…!綴っていただいたのは、新曲「光」にまつわる、あの頃の想いと、今の想い。あの頃、過ごした日々と、今、生きている日々のお話です。歌詞と併せて是非、まずは【前編】をご堪能ください…! ~歌詞エッセイ【前編】~ 初めてのコラムです。 「光」という曲が生まれる源流となった あの頃の想いと、今の想いを綴りました。 西所沢の駅前のコンビニ、夜勤をはじめて2年半が経った。今日も嫌いなバイトの先輩を狙ってミサイルを補充するようにジュースを並べていく。 バックヤード、本を雑に置いていく客に舌打ちをして廃棄のお弁当を食べる。 予定ではとっくにどこかの事務所に入って、ソロかグループかわからないけどデビューをして、最寄り駅で昔の同級生にサインでもねだられているはずだった。 現実はコンビニの夜勤だけでは、生活費も奨学金も払い切れず、最悪な日は寝ずにそのまま引っ越しのバイトに向かう。 体は辛いが、引っ越し屋の人達は大好きだ。優しくて、だらしなくて、パチンコとお酒が好きで、お金もないのに昼飯を奢ってくれたりする。 このバイトも もうすぐ始めて10年が経つ。 誇らしいのか、情けないのか。 ネットで見つけた新人発掘のオーディションを受けた。飯田橋の小さくて、少し床がベタついたスタジオだった。 聞いているのか、聞いていないのかわからない偉そうなおじさんに「上手いけどオリジナルの曲を作った方がいい」と言われた。 そんなもんわかってる。 帰り道に少し遠回りをして帰った。 届かなすぎて、何も感じない 東京ドームを眺めながら。 <U> ~【後編】へ続く~ ◆紹介曲「 光 」 作詞:U 作曲:MASATO

    2020/06/29

  • SEKAI NO OWARI
    泣いているように見えた笑顔に私は触れられない。
    泣いているように見えた笑顔に私は触れられない。

    SEKAI NO OWARI

    泣いているように見えた笑顔に私は触れられない。

     2020年6月24日に“SEKAI NO OWARI”が両A面シングル『umbrella / Dropout』をリリースしました。タイトル曲「 umbrella 」は“玉木宏×高橋一生”による新火曜ドラマ『竜の道 二つの顔の復讐者』に書き下ろされた主題歌です。歌詞先行公開時には、注目度ランキングの1位も記録…!今日のうたコラムでは、そんな話題曲をご紹介いたします。 鏡に映る私は透明だった 分かってた事でも知らないままの方が良かった  この歌は“傘の擬人法”がテーマとなり生まれた1曲だそう。言い換えれば、主人公の<私>は<君>にとって傘のような存在なのです。役目は、降り注ぐ雨や雪から<君>の心身を守ること、それだけ。たとえ自分が濡れても、凍えそうでも。それはイコール、自分の心模様など“無”にすることでしょう。だからこそ<鏡に映る私は透明だった>のです。  きっと<私>は<君>の傘になると決めたその日から、自分を犠牲にする覚悟もあったし、余計な感情は捨てるべきだと<分かってた>はず。でも、頭で理解することと、受け入れることは別なんですよね。ふと<鏡>のなかの自分を、客観的に見たとき<私>は、自身の<知らないままの方が良かった>現実を思い知ったのではないでしょうか。 私は君を濡らすこの忌々しい雨から 君を守る為のそれだけの傘 それは自分で決めたようで運命みたいなもの 何も望んではいけない 傷付くのが怖いから もう一度あの日に戻れたとしても 繰り返してしまうでしょう 私はきっとそう  これまで一心に<君を濡らすこの忌々しい雨から 君を守る為>生きてきた自分。しかし今、そんな“傘”として在る<私>が揺らいでいるのが伝わってきます。本当に<それだけの傘>でいいのか。ずっと<何も望んではいけない>と思ってきたけれど、本当は…。とはいえ、過去に戻れたとして、他の選択などできないこともわかっているのです。 この雨がこのままずっと降れば 願ってはいけない そんな事は分かってる だけど 君に降る雨が いつの日か上がって青空を望んだら その時私はきっと  そして<私>の胸の内には、本来<君を守る為のそれだけの傘>なら<願ってはいけない>気持ちが膨らんでゆきます。傘とは、雨が降っているからこそ、悲しみや苦しみが<君>を襲うからこそ、必要な存在。では<君>の幸せを願うのなら、自分が望むべきは<青空>であり、自分の存在が要らなくなるときが<君>が救われるときでしょう。    だけど<この雨がこのままずっと降れば>ずっと<君>のそばにいられる。そばにいたい。おそらくそれが<私>の密やかな願いです。もしかしたら<私>は、どうしても<君>のそばにいたくて<傘>になる選択をしたのかもしれません。ただ、相容れない<青空>と<傘>…。つまり<君>と<私>の幸せ、どちらもが叶うことは難しいのです。 あの雪の日 私を閉じ空を見上げた 泣いているように見えた笑顔に私は触れられない  また、傘である<私>にとってツラいのは、ずっとそばにいられないことだけではありません。<私>が必要とされているとき、いつも<君>は雨や雪に降られ、悲しい顔、苦しい顔、何かに耐える顔をしていたはず。<私>が見るのは<君>のツラい顔ばかり。<私>がいる限り、<君>は笑顔になれない。そのことを<あの雪の日>、<泣いているように見えた笑顔>を見て、改めて気づかされたのだと思います。 この雨がこのままずっと降れば 願ってはいけない そんな事は分かっていたはず 君に降る雨が いつの日か上がって青空を望んだら その時私はきっと 雨が静かに上がり傘立てに置かれた傘 忘れた事さえ忘れられてしまったような 「umbrella」/SEKAI NO OWARI  いつか、自分の存在が<忘れた事さえ忘れられてしまったような>ものになった日。それは<君>が“ツラかったことさえ忘れられるようになった日”です。そんな日を想像しながら、今日も<私>は<君>を守るのです。切なく悲しく空しくも、自分なりの“愛”を貫こうと闘う傘。もしもあなたなら、最後の最後まで大切な誰かにとっての<傘>として生きることができますか? 是非<私>の気持ちで、SEKAI NO OWARI「umbrella」を聴いてみてください…! ◆紹介曲「 umbrella 」 作詞:Fukase 作曲:Fukase・Saori ◆ニューシングル「umbrella / Dropout」 2020年6月24日発売 初回限定盤A TYCT-39131  ¥1,800(税別)  初回限定盤B TYCT-39132  ¥1,800(税別) 通常盤 TYCT-30110 ¥1,200(税別)

    2020/06/26

  • 川村結花
    湿度高めな藤木さんの歌を聴いてみたい、歌詞の内容も、そして声も。
    湿度高めな藤木さんの歌を聴いてみたい、歌詞の内容も、そして声も。

    川村結花

    湿度高めな藤木さんの歌を聴いてみたい、歌詞の内容も、そして声も。

     2020年は、シンガーソングライター“川村結花”のCDデビュー25周年のアニバーサリーイヤー!そこで、今日のうたコラムでは、その記念企画として1年を通じてのご本人によるスペシャル歌詞エッセイをお届けいたします。更新は毎月第4木曜!    シンガーソングライターとして活躍しながら、様々なアーティストへの楽曲提供も行い、ここ数年はピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている彼女。この1年の連載でどんな言葉を綴ってくださるのでしょうか…!今回は第6回をお届けいたします。 第6回歌詞エッセイ:「ATOKATA」 6月も残りあとほんの僅かとなりました。なんだかやたらと変化の激しい不安定なひと月だったせいか、日にちの経つのが例年よりも早かったように感じます。 前回の記事から今日までの間に東京アラートなるものが点灯してはあっという間に消え(結局何だったんだ、、、)ロードマップのレベルがステップ3へ移行し町に人も増え始めマスクや除菌スプレーなどもだんだん元通りお店に並んできたな、と思っていたら今度は夏へ向けてのクール仕様マスクの争奪戦。気候も極端に暑かったり雨だったり。何から何まで目まぐるしすぎ。 ただでさえこの時期は気圧の変化と湿気にやられ、心身ともにダメダメ続きなわたし、年齢を経るごとにそれが特に酷くなってダメダメ加減が更に加速している昨今であります。 とにかく今はあのギンギンの猛暑に至る前のウダウダした雨の季節。そんなこの時期を意識して書いたわけではないのですが、2004年に藤木直人さんへ提供(作詞&作曲)させていただいた「 ATOKATA 」という曲があります。失恋したわりと直後、2週間以内くらいでしょうか、その頃の心情を書いたミディアムスロウの曲なのですが、この曲の持つ湿度がちょうど今のこの気候の感じにマッチする気がするのです。 思えば藤木直人さんが初めて楽曲制作を依頼してくださったのがこの2004年でした。どっから見ても圧倒的に素敵な男性である藤木さん。爽やかで性格が良くてカッコイイ藤木さん。ライブではギターかき鳴らして爽やかに歌ってみんなを魅了してしまう藤木さん。そんな藤木さんにわたしはあえて繊細で内省的な、未練たっぷりの失恋の歌を歌ってほしい、弱さを吐露するようなどこか女々しいような歌が聴きたい、と思ったのでした。 ここで先述の話と繋がるのですが要は、「湿度高め」な藤木さんの歌を聴いてみたい、歌詞の内容も、そして声も、ということだったのだと思います。けれど決してじめじめしたくはないので、全体的に悲しみや寂しさよりもただただぼう然としている、といった様子を表す空虚感を大事にしました。そうすることで湿度は高いけど温度は低め、というわたしの望む理想的なバランスが出来上がったのでした、というー、温度だ湿度だとややこしい話になってしまいましたが、確かにあるのです、曲には温度も湿度も。そしてその2つは似ているけど全然違うものなのです。ことに歌では。 ともあれ、そんなこんなで、ほどよく女々しく内省的な曲が出来上がり、空虚であるほど切なさも増し、藤木さんのファンの方々からも評判が良く(これがすごく嬉しかった)、ライブではこの曲をピアノで弾き語りしてくださる藤木さんも拝見することができてとっても幸せだったのでした。 ちなみに、今まで自分が書いてきた曲の中で「好きな出だしの2行」を挙げるとしたら、5本の指に入るであろうと思うくらい、この曲の出だしは気に入っています。 “寂しさは 忙しさには まぎれない 足音の気配は ただの勘違い” 、、、なんか雰囲気伝わるでしょうか。湿度高め、温度低め。機会がありましたらお聴きになっていただけたら、そして確認していただけましたら嬉しいです。そして来月のこの原稿を書いている頃にはどうぞ梅雨が明けていますようにー。 <川村結花> ◆紹介曲「 ATOKATA 」 作詞:川村結花 作曲:川村結花 ◆プロフィール 川村結花(シンガー・ソングライター) 大阪府生まれ。東京芸術大学作曲学科卒業。1995年、アルバム「ちょっと計算して泣いた」でシンガーソングライターとしてデビュー。同時に作詞家作曲家として楽曲提供を行い、主な提供楽曲は、夜空ノムコウ(作曲)をはじめ2019年現在までに100曲以上。2010年「あとひとつ」(作詞作曲共作)でレコード大賞作曲賞を受賞。2017年、アルバム「ハレルヤ」をリリース。ここ数年は、提供楽曲の作詞作曲も行いながら、ピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている。 オフィシャルサイト: https://www.kawamurayuka.com ◆歌詞エッセイバックナンバー 【第1回】 【第2回】 【第3回】 【第4回】 【第5回】

    2020/06/25

  • 琴音
    インタビューでも言いきれなかったこの曲の闇をここで…。
    インタビューでも言いきれなかったこの曲の闇をここで…。

    琴音

    インタビューでも言いきれなかったこの曲の闇をここで…。

     2020年6月24日に“琴音”が1stアルバム『キョウソウカ』をリリース。今作は、シンガーソングライターである彼女の高校生としての音楽活動の総括となるような内容に。2019年E.P.『明日へ』でメジャーデビュー。高校3年間で大きく広がった自身の音楽観と約1年間の制作期間を経て完成した、渾身の全12曲が収録されております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“琴音”のうたコラムを、3週連続でお届け!今回は 第1弾 、 第2弾 に続く最終回。綴っていただいたのは、収録曲「今」にまつわるお話。実はこの曲は、彼女の中学の頃の記憶が題材になっているんだそう。一体その“闇”とは? きっとみなさんもどこか身に覚えがあるかもしれません。是非、楽曲とエッセイを併せてご堪能ください。 ~歌詞エッセイ最終回~ 皆さんいかがお過ごしでしょうか。歌詞エッセイは第3回目になります。1回目2回目とゴロ寝パソコンでまったりお送りしてきたわけですが、3回目にもなったので、より気分を改めしっかり書かなくてはと。 ということで、 今回はゴロ寝スマホでお送りいたします。 前より動きやすくなりました。琴音です。 さて、今回も1stアルバム『キョウソウカ』について書かせて頂きます。どの曲について書こうかなと思っていたのですが、スタッフの人達が「 今 」という曲を気に入っているようで推しが凄いので今回はそれにしました。 そもそも、この曲は以前1stシングルのリード曲としてリリースしたものを再収録したものになります。折角なので、シングルリリース時にはインタビューでも言いきれなかったこの曲の闇をここでまとめ直してみようと思います! これを作っている時、ずっと頭の中に浮かんでいたのは中学生の頃の記憶でした。クラス内では男子も女子も数人のグループになっていて、男子は2~4人くらいで集い、女子は多いと7人くらいで集っていました(ちなみに、私は口数の少ない大人しい友達2人と隅っこぐらしをしておりました)。 ここで特に大変なのが、活発な意識高い系の人数が多い女子集団。どんなクラスにも1グループはいますが、その中で過ごすのは過酷なのです。常に集団行動をし、常にグループ内で気を遣っているのです。中学生という多感な時期もあったのか、このグループは今思い返してみてもどこか張り詰めた感じが漂っていました。 そして、このグループの中の1人が「今」の題材になっています。その子は、声量や口調が荒っぽくて気も強いキャラクターでした。あえて悪く言ってしまえば、計算高い女子や自分をよく見せたい女子にはウケがいいキャラクターでした。 闇の深い話ですが、その子が毒を吐いたり突飛なことをいうと周りの女子はチヤホヤし、その状態を保ちたいがためにその子自身も、自分が求められるキャラクターに依存して行動がエスカレートするという悪循環。自分をどこか偽って誇張することで友達という安定を求めようとする状況。ただ、こういったことは珍しいことではないのです。 高校生の時も、自分を演じているなという子はよくいましたし、親や私より年上の人から話をきいても自分を演じなければならないことは少なくないようです。かく言う私も、小学生の時、友達を作りたい一心で自分のキャラクターをコロコロ変えていた時期がありました。 そう考えた時、自分の求める自分像や人間関係を作るためにそういう行動をとる人は年齢関係なくいるんだなーと思ったのです。ただ綺麗事を書くより、この状況をひとつの記憶として、記録として、残してみたかったのです。 息苦しい状況を嫌い、自分のありのままをさらけ出そうとするのもよし。周りに気を遣ってでも安心できる場所にいようとするものよし。歌詞の中で<そのままでいい>という言葉にこの2つの意味を込めました。 昨今は特に人との関係性は難しいもので、子供にも大人にも面倒なものですが、今一度立ち止まってどう過ごしてみようか考えてみるのも良いかもしれません。 っはい! ということで、今回はこんな感じで終わります。 またどこかでお会いしましょう! ご清覧ありがとうございました!! <琴音> ◆紹介曲「 今 」 作詞:琴音 作曲:琴音 ◆1st アルバム『キョウソウカ』 2020年6月24日発売 初回限定盤 VIZL-1770 ¥4,000(+税) 通常盤 VICL-65380 ¥3,000(+税) <収録曲> 1.咲かない花 2.今 [1st Single] 3.あなたのようになるために 4.キョウソウカ 5.いざ、さぁ 6.真価論 7.The moon is beautiful 8.白く塗りつぶせ[2nd Single] 9.君を知ったから 10.きっと愛だ 11.明日への手紙[cover] 12.昨日より

    2020/06/24

  • PLOT SCRAPS
    真実とは他人に与えられる物ではなく、自分で到達する物。
    真実とは他人に与えられる物ではなく、自分で到達する物。

    PLOT SCRAPS

    真実とは他人に与えられる物ではなく、自分で到達する物。

     2020年5月20日に3ピースロックバンド“Plot Scraps”が3rdミニアルバム『INVOKE』をリリースしました。今作には、疾走感溢れる「一等星」やすでにライブで披露されている名バラード「pinky」、エモーショナルなロックアンセム「Teardrop」などバリエーション豊かな全6曲が収録。是非、歌詞と併せて彼らの最新作をご堪能ください…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Plot Scraps”の陶山良太((Vo.&Gt.)による歌詞エッセイを第1弾~第3弾でお届けいたします!3回を通じて綴っていただくのは「自分と歌詞」のお話。 第1弾 、 第2弾 に続く最終回で綴っていただいたのは、今回のコラムのまとめとなる想いです。彼にとっての「自分と歌詞の関係・向き合い方」、そしてみなさんにとっての「自分と歌詞の関係・向き合い方」とは…。 ~歌詞エッセイ最終回~ 「自分と歌詞」について綴ってきたこのコラムも今回で最終回となります。 前回 と 前々回 を読んで貰うと、もしかしたら、こう思う人もいるかと思います。「 オーダーメイド 」を経て得た技法や「 Teardrop 」の歌詞の本質とは?と言った部分が全く解説されてないじゃないか、と。 そういう方達にわかってもらいたい事は、まずそのどちらも勿論、細部まで説明することは可能だという事です。それも圧倒的な文章量と共に。しかしどちらも、その人達に本当の意味で理解して貰う事はできないと思います。何故なら、真の理解というものに重要なのは“思考の過程”を経る事だからです。 あるトピックの最終地点を知った所で、それはその人にとってまだトピックに過ぎません。思考の過程で得る知識や、点が線になる感覚、そもそもの基礎教養がない状態では「真に理解している者」ではなく、ただの「情報を知っている人」になってしまうのです。 「~の~は、~が~になってるから凄いんだ!」と何かの作品のディティールを語る人を頭の中で、「へっ、そんなもんかねぇ…」と訝しげに感じたり「どこに感動してんだか…」と揶揄した事はありませんか? もしあった場合、それはあなた自身でロジカルに思考するプロセスを経ていないから、脳が感動するというラインに及べていないのです。 つまり「真実とは他人に与えられる物ではなく、自分で到達する物」と言う事です。 例えば、藤原基央さん・野田洋次郎さんに直接作詞を教われるような、チートなバンドマンがいたとして、詳細に作詞の描写や表現技法を伝授された所で「理解」の本質を考えない者では何も理解することができないでしょう。 それは「理解」ではなく「情報」に過ぎないから。その技法を教われば、そのバンドマンは同じクオリティの歌詞が書けますか? と言う事です。分かりにくい例えかもしれませんが(笑)。 ちょっと飛躍した話になりますが、日本人には自分の頭で考えると言う基礎概念が全く定着していません。それは何故か? という所は余りにも深淵な話になるので全部は書けませんが、その責任は勿論本人にもあるものの、50%は外的要因と言っていいです。なので自分で思索できないとしても、必ずしもその人だけのせいではないので安心して下さい。 でも半分は自分のせいなのも事実です。もしそこから抜け出したいと思うなら、まずはあらゆる事を疑うことから初めてみて下さい。何を疑ってもいいです。「雲ってなんで浮かんでるのかな?」とかだっていいです。 あなたは何故雲が浮かんでいるか知っていますか? 何故青空が青いか知っていますか? 原子より小さい物質を知っていますか? 重力の正体を知っていますか? 光とは何ですか? 何かに疑問を抱き、それを自分の頭で考えることができなければ、いつまで経っても誰かを理解する事はできないし、誰にも理解されません。 一番最初の疑問、解説しない理由について答えると、考えられる人にとってはアートの理解への阻害行為になってしまうし、考えられない人にとってはそもそも説明する意味がない、という事になります。生きる上で必要最低限の重要な事、そんな肝心なことを教えてくれる大人は世の中にいません。 でも、僕がマネージャーさんにきっかけを貰った様に、変化する上で鍵となる考えは無数に散らばっています。このコラムが迷える人達にとって同じ物になりますようにと、願っています。我、世界の中心にあり、という気概で色々なアートに触れて欲しいです。音楽も絵も映像も、全て同じ事です。 「自分と歌詞」について色々と書いてきましたが、この回に一番重要な事を書きました(笑)。三回とも、関係ない様に見えて全て歌詞に関係することを書いたつもりです。 僕が誰かの歌詞に救われた様に、自分の歌詞で誰かが救われてくれたら嬉しいです。そんな歌詞を書ける人が、いつまでも僕にとっての憧れなので。 Plot Scrapsの3rd Mini Album『INVOKE』は好評発売中です、ぜひ聞いて下さいね! <陶山良太> ◆ニューミニアルバム『INVOKE』 2020年5月20日発売 NBPC-0079 ¥1,500(税別) <収録曲> 1.一等星 2.Teardrop 3.CHOCOLATE PUNK 4.OZ 5.pinky 6.オーダーメイド

    2020/06/23

  • PLOT SCRAPS
    プラスなんてレベルではなく、あらゆる景色が違って見える様になった
    プラスなんてレベルではなく、あらゆる景色が違って見える様になった

    PLOT SCRAPS

    プラスなんてレベルではなく、あらゆる景色が違って見える様になった

     2020年5月20日に3ピースロックバンド“Plot Scraps”が3rdミニアルバム『INVOKE』をリリースしました。今作には、疾走感溢れる「一等星」やすでにライブで披露されている名バラード「pinky」、エモーショナルなロックアンセム「Teardrop」などバリエーション豊かな全6曲が収録。是非、歌詞と併せて彼らの最新作をご堪能ください…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Plot Scraps”の陶山良太((Vo.&Gt.)による歌詞エッセイを第1弾~第3弾でお届けいたします!3回を通じて綴っていただくのは「自分と歌詞」のお話。 第1弾 に続く第2弾では、今作の収録曲「 オーダーメイド 」にまつわる想いとともに、彼にとっての「自分と歌詞の関係・向き合い方」を明かしていただきました。 ~歌詞エッセイ第2弾:「 オーダーメイド 」~ 今回は3rd Mini Album『INVOKE』収録の6曲目「オーダーメイド」という曲について書いてみたいと思います。 前回 の最後に書いた様に“読むと、内容にまでは触れないのに、自然と歌詞の奥深さまで踏み込める様になる文章”を目指して行きたいと思います。 この曲を皮切りに『INVOKE』の制作がスタートし、この曲と向き合った事で作詞家としての新たなスタート地点に立てた様な、そんな曲です。 何に一番時間が掛かったのかと言うと、今自分が手にしている作曲に関して確立されたある“感覚”、それを手にするまでの旅が非常に長い道のりだった。ずいぶん遠回りをして今に辿り着いた。 旅というのはもちろん頭の中の、という例えだが、今思うとどこにも行く必要なんて無かった。最初から考えていることは同じだった。視点を少しだけ変えてやれば、根本的に破壊しなければならない部分なんて無かったという事に気づいた。そうして『INVOKE』を世に放てた今がある。 制作のスタート地点、最初の最初はマネージャーさんとカフェで次回作(INVOKEの事)の打ち合わせをしている時に、歌詞に対する提案があった。Plot Scrapsが、何を書きたいのか。何を書くべきなのか。何を“書かぬ”べきなのか。どう書くべきなのか。作曲家として今一度自己と向き合ってみるべきではないかと。それをきっかけに自分と自分の終わらない対話が始まったのを覚えてる。 第1回のエッセイにも書いたが、歌詞表層の一次元的な内容で済むのなら、究極的にはそれは歌詞じゃなくてもいい。早い話が“感想文”にして読んだ方が相手に効率的に伝わるかもしれない。 「オーダーメイド」は自分が今まで書いて来た曲の中で初めて“詞先”の曲になる。今までも部分的にはそういう箇所はあったが、ほぼ全ての曲はメロとオケ先行で、完全に詞先なのは今回が初めてだ(ちなみに「 pinky 」と「 Cover Story 」という曲だけ、不思議ですが詞&曲同時にできた物です。俗に言う“降ってきた”奴です)。 歌詞もメロも、最初の原型とは全く違う物です。とんでもなくこねくり回してしてきたので、初期の名残は欠片も残っていないです。痕跡があるとすれば、A・B・サビの大体の構成と、歌詞のテーマとなる感覚が微かに感じれる程度。 もう一つ自分にとって新しかった事といえば、メロディーが全く無い状態で、歌詞の後にメロを入れた事。自分は歌のメロディーを一番くらいに大事にしてきたので、そんな作り方は不安で仕方がなかった。 新たなやり方で、自分にしかできない手法を見つける旅。途中でゴールは見えきていたのに、何度書き直しても近づいていかない。その期間は中々にしんどい物だった。夢中で書き直す中で「オーダーメイド」という言葉から、自分が書こうとしていたテーマの糸口を掴んだ時に、今まで考えたことの全てが繋がった気がした。 繋がって、一つの技法を手にした後の感覚というのは、もう自分にとってプラスなんてレベルではなく、あらゆる景色が違って見える様になった。それはここ一年で科学を学んできた後と近いものがあった。 歌詞を書くと言う作業は、世界を創り出すと言うより、世界をより高い解像度で理解できる作業と言った方がいいかもしれない。そしてそれは他の分野・業種とも非常に似ている、と言うより、根本的には同じなのだ。果てしなく遠方の銀河の星屑と、自分を構成する細胞の一つが、かつて同じ場所に在った様に。 上記の過程で手にした手法で作られたのが『INVOKE』であり、これの発展系がこれからのPlot Scrapsの音楽です。なので、結果として「オーダーメイド」は僕らにとって、とても重要な存在になりました。 今回は「オーダーメイド」が“どういう曲か”ではなく“どう出来上がったか”について、書いてみました。 圧倒的な自己分析をお届けしてまいりましたが、楽曲の中身を解説するより、こういう部分を知った方が楽しいんじゃないかと。個人的には、アーティストが曲について説明するとすればそういう所じゃないかなと思っているので。内容に関しては、各々が曲と向き合ってくれれば良い訳で。 次回は最終回ですので、このコラムで伝えたかった事のまとめになる様な内容を書ければと思います。それではまた。 <Plot Scraps:陶山良太(Vo/Gt)> ◆紹介曲「 オーダーメイド 」 作詞:陶山良太 作曲:陶山良太 ◆ニューミニアルバム『INVOKE』 2020年5月20日発売 NBPC-0079 ¥1,500(税別) <収録曲> 1.一等星 2.Teardrop 3.CHOCOLATE PUNK 4.OZ 5.pinky 6.オーダーメイド

    2020/06/22

  • PLOT SCRAPS
    言葉で説明できるのならば歌詞である必要はない。
    言葉で説明できるのならば歌詞である必要はない。

    PLOT SCRAPS

    言葉で説明できるのならば歌詞である必要はない。

     2020年5月20日に3ピースロックバンド“Plot Scraps”が3rdミニアルバム『INVOKE』をリリースしました。今作には、疾走感溢れる「一等星」やすでにライブで披露されている名バラード「pinky」、エモーショナルなロックアンセム「Teardrop」などバリエーション豊かな全6曲が収録。是非、歌詞と併せて彼らの最新作をご堪能ください…!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Plot Scraps”の陶山良太((Vo.&Gt.)による歌詞エッセイを第1弾~第3弾でお届けいたします!3回を通じて綴っていただくのは「自分と歌詞」のお話。まず第1弾では、今作の収録曲「 Teardrop 」にまつわる想いとともに、彼にとっての「自分と歌詞の関係・向き合い方」を明かしていただきました。 ~歌詞エッセイ第1弾:「 Teardrop 」~ コラムを書くというのは自分にとって初めての行いになるので、何を書こうか非常に迷ったのですが、Plot Scrapsは5月20日に3rd Mini Album『INVOKE』をリリースしたばかりなので、それに触れて然るべきだろうと思いました。『INVOKE』の収録曲を通して「自分と歌詞」について三回分綴ろうと思います。 「自分と歌詞の関係・向き合い方」を三回とも違う視点で描けたら、読み終えた後には立体的に何か浮かぶのでは無いかと思っています。この時点ではどうなるかまだ分からないけど、最後までお付き合いお願いします。 まず一回目はミュージック・ビデオにもなっている、INVOKEの2曲目「Teardrop」について書いてみます。ここでまだ聴いていない人は、YouTubeかサブスクに飛んで、聴いたら戻って来て下さいね。 と言いつつ、この曲についても他の収録曲についても、歌詞の本文以外で語れることは非常に少ない。昔は自分の曲について語りたい事だらけだった。それこそ1stの頃は7000字に近いボリュームのセルフライナーを書いていた程に。 時を経て今では、逆に作品に対する言及は減らしたいと思っている。極端に言うと一言も語りたくないくらいだ。しかしプロモーションの関係だったり、少しくらいは語らなきゃいけない場面もそりゃーあるので、そう言う時(今もそうだ)はなるべく語っても問題のない、サブテキスト的な内容になる様に努めている。 1stから3rdまでの期間のバンドの変化は、端的に自分の内面の変化をイコールで表している。つまり僕は今、自分の作品の歌詞の文面以外の言葉は本質的には必要ないと思っている。 はっきり記しておきたいのが「言葉で説明できるのならば歌詞である必要はない」という事。 例えば好意を相手に伝えるのに「好きです」「好きだ!(大声)」「好き… (照れながら小声で)」で済むのなら、今すぐ直接声にして伝えればいい。そのほうが早いし、それを遠回しに歌にするのというのは些か不自然だし、個人的には少し不純に思える。そんな歌を否定する気は無いし、不純で悪い事など一つもないが、自分が作る時にそれはやらないという事。 ただしこれは「説明できなければできない程いい」という訳でもない。大抵そんな曲は“表現のための表現”になってしまっていたり、単に意味不明だったりする。僕は、そんな曲を昔は沢山聴いていた。今は全く良さが分からない音楽が山の様にある(その逆も然り)。 届けたいのは自分でも形容し切れていない何かであって、それに付随する技法は、表現する為のツールでしかない。クールに表現する事自体が目標地点になっている表現はナルシシズムでしかなく、自分にとっては避けるべき事だ。頭に渦巻く形のない“何か"”に、適切に形を精査した器を与える行為、それが作曲の一つの定義だと考えている。 別の話。推測になるが、ネット発達以前のミュージシャンはお手紙でしか作品の感想を知る術は無かったのではないだろうか。ライブ会場ではお客さんの反応で少し分かったかもしれないが。 そういう意味でも全く便利な世の中になったもので、このご時世、リスナーの感想というのは至る所から読み取る事ができる。YouTubeに直接書かれる感想や、飛んでくるDM、SNSに流れる感想、自分でブログに長文の感想を書いてくれる人もいる。 「Teardrop」は、ざっくりまとめると“爽やか”“疾走感”“切なさ”みたいな感想が、総意としてあるようだ。その中でも、歌詞の深い所まで触れている感想がごく僅かだがあった。 僕は作曲に関して2ndから、とある決心と共に大きく舵を切り、半年近く自意識と格闘してきた。端的に言うと新しい挑戦だった。「Teardrop」と「オーダーメイド」は特に歌詞に時間が掛かった。その分、それらの感想を見られた時、本当に単純に嬉しかった。それ以外も勿論、感想があるだけで最高に嬉しいが、それらは特別だった。 現在地。何かを失った人は寂しいだろうし。過去と今、振り返れば数多の繋がりが在った歓びを確認できる。それが恋でも、愛でも、愛じゃなくても。 「Teardrop」の内容に関しては、一回書いてみたけど、やっぱりこれ以上書ける事がありません(笑)。でもこの第一回のコラムはちゃんと曲の解説にもなっていると、僕は思うのです。 歌詞の文面の先、最終地点に何を感じるかは、人それぞれ違える様にできている。そんな所がこの曲の歌詞の良い所なんじゃないかと、てめぇの味噌ではあるが、思います。 …コラムとして、ちょっと内容が堅苦しいだろうか? でも自分としては、こんな所を面白いと感じて欲しいのです。 歌詞というと荒唐無稽さまで許容されている世界と思いがちだが、実はそんな事はなく。他のアートと類似した共通点も意外と多く、かつ歌詞でしか表現できない、さらに言えば日本語でしか表現できない叙情。日本のアーティストのそんな所を分析するのが最高に面白いし好きなのです。 次回は「オーダーメイド」という曲について書いてみたいと思います。と言っても歌詞の内容について書けることはほぼ無いですが(笑)。 “読むと、内容にまでは触れないのに、自然と歌詞の奥深さまで踏み込める様になる文章”目指して行きたいと思います。それではまた次回。 <陶山良太> ◆紹介曲「 Teardrop 」 作詞:陶山良太 作曲:陶山良太 ◆ニューミニアルバム『INVOKE』 2020年5月20日発売 NBPC-0079 ¥1,500(税別) <収録曲> 1.一等星 2.Teardrop 3.CHOCOLATE PUNK 4.OZ 5.pinky 6.オーダーメイド

    2020/06/19

  • フレンズ
    今の私が歌う「A.S.A.P.」はどんな風に聴こえるかしら。
    今の私が歌う「A.S.A.P.」はどんな風に聴こえるかしら。

    フレンズ

    今の私が歌う「A.S.A.P.」はどんな風に聴こえるかしら。

     2020年6月17日に“フレンズ”が、TVアニメ『ハクション大魔王2020』エンディングテーマの新曲「あくびをすれば」をリリース!今年6月でバンド結成5周年を迎えた彼らの一発目のシングルとなる本作のタイトル曲は、“アニメと共に最後まで楽しんで欲しい”という思いを込めて書き下ろされたリズミカルで爽快なナンバーとなっております。  ポップで楽しい世界観に加え、アニメと連動した遊び心溢れるフレンズらしい新ビジュアルとアートワークにも是非ご注目を!さて、今日のうたコラムでは、ニューシングルリリース&バンド結成5周年を記念して、フレンズの“おかもとえみ”が歌詞エッセイを執筆!【前編】と【後編】でお届けいたします…! 【前編】 に続く【後編】で綴っていただいたのは、今作の収録曲「 A.S.A.P. (フレンズcover ver.) 」にまつわるお話です。幼い頃、聴いたことがある曲。大人になってから改めて歌詞を読んでみると、どんな感情が生まれるのでしょうか…。 ~歌詞エッセイ【後編】~ カラオケが好きだ。 いくらステージに立ってもカラオケはまた別。誰かの曲を何にも縛られず自由に歌うカラオケならではの雰囲気が好きだ。音程を外したって構わない。自分が心地よくその場の空気に乗りながら歌う心地よさ。好きな曲が流れたらその場にいる仲間と盛り上がる一体感。マイクリレーなんかしちゃったりして。 小学校の頃は近所の“オンチッチ”というカラオケ店に良く行った。子供たちと、その親と同じ空間を楽しんだ。その時に友達のお母さんが歌っていた高橋真梨子さんの「桃色吐息」はいまだに鮮明に思い出せる。今思うと、私が歌謡曲を好きになったきっかけだったかもしれない。 短冊CDと呼ばれた8cmシングルをよく買ってた。謎のプラスチックの網網がすぐぽろっと取れてしまうもどかしさ。開けばすぐ見える歌詞は歌を覚えるのにとっても好都合だった。開閉しすぎて紙で出来たジャケットがぼろぼろになっていく儚さも含めて好きだった。 その中に石橋貴明さんと工藤静香さんのユニット“Little kiss”の「A.S.A.P」という曲も含まれている。この曲を知った頃はまだ歌詞の意味も、英語も読めない幼い少女だったけど、妖艶な2人の雰囲気と、大人の魅力がビシビシ伝わってきて、意味を理解できずにもハマっていった。 大人の魅力に興味を持ち始めたのは、いとこの影響も大きい。篠原涼子さんの「愛しさと切なさと心強さと」を、4歳の時にひらがなでノートに歌詞を書いてもらったことは歌が好きになる要因の一部だった。 未だ見ぬ先の先の話、夢みたいな歌詞、なんて思ってたらあっという間に「A.S.A.P.」を歌ってた頃の工藤静香さんの年齢になっていた。 今この歌詞をみてどんな解釈になるのかな?と思いじっくり眺めてみた。…やっぱり小学校の時に感じた大人な魅力のままだ。あの頃よりかは理解は出来るようになったけど、それでもまだ大人を感じる。キスに対する感情、男女の心の揺らぎ、どこをとってもはるか上の経験値。 この曲はカラオケで必ず歌う。石橋貴明さんを完コピした友達と2人で歌うのが最近の鉄板だ。そしてフレンズでもこの曲を歌うことになった。カラオケではなく、自身の中に取り入れて、自分の歌声に乗せてたくさんの人に届けるために。自由な歌からひとつ踏み出した歌声で。 今の私が歌う「A.S.A.P.」はどんな風に聴こえるかしら。背伸びしているのか、それとも経験者のように? <おかもとえみ> ◆紹介曲「 A.S.A.P. (フレンズcover ver.) 」 作詞:秋元康 作曲:後藤次利 ◆「あくびをすれば」 2020年6月17日発売 通常盤 AICL-3811 ¥1,500+税 アニメ盤 AICL-3812 ¥1,500+税

    2020/06/18

  • 琴音
    当時、その先輩は赤色の時計と靴をよく身につけていました。
    当時、その先輩は赤色の時計と靴をよく身につけていました。

    琴音

    当時、その先輩は赤色の時計と靴をよく身につけていました。

     2020年6月24日に“琴音”が1stアルバム『キョウソウカ』をリリース。今作は、シンガーソングライターである彼女の高校生としての音楽活動の総括となるような内容に。2019年E.P.『明日へ』でメジャーデビュー。高校3年間で大きく広がった自身の音楽観と約1年間の制作期間を経て完成した、渾身の全12曲が収録されております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“琴音”のうたコラムを、3週連続でお届け!今回は 第1弾 に続く、第2弾!綴っていただいたのは、今作の収録曲「あなたのようになるために」にまつわるお話です。彼女にとってこの曲の<あなた>とは? みなさんにとってのそれぞれの<あなた>も思い浮かべながら、楽曲&エッセイを楽しんでみてください。 ~歌詞エッセイ第2弾~ 皆さんいかがお過ごしでしょうか。前回に引き続き第2回目。相も変わらずまったりゴロ寝パソコンでお送りしております。ゴロ寝パソコンといってもうつ伏せの状態から上半身だけ持ち上げているような体勢なので、その姿はさながら岩の上で日光浴をするオットセイのようです。 家族にはトドみたいと言われました。琴音です。 さて、人との関わりが減ってしまうこの頃、何だか寂しい気持ちになってしまう方も多いのではないでしょうか。というのも最近、しばらく連絡を取っていなかった中学生の時の友人から突如電話をかけてもいいかと連絡が来たのです。あまりに突然だったので、何か悪いことが起きたのかとかなり心配しましたが、いざ事情を聞いてみるとただ寮暮らしで退屈なので話したかっただけとのこと。 私自身の勝手な思い違いではありましたが、心の中でちょっとだけいじけました…。ですが、やはり今の時期、人との関わりに渇望する人は多いのだなと。実際、お家大好きで家族にトド呼ばわりされる私でさえ、人恋しくなる瞬間はあるものです。 今回リリースする1stアルバム『キョウソウカ』の中で言えば、「あなたのようになるために」という曲を作っていた時がまさにそうでした。この曲は準リード曲のような位置づけなのですが、私の中ではそれ以上に思い入れのあるものになりました。 実はこのアルバムの前、「白く塗りつぶせ」という2ndシングルをリリースしたあたりから、個人で音楽活動をしていた時にお世話になった先輩アーティストさん方を題材にした曲を作ったり、先輩アーティストさんの曲をカバーさせて頂いたりしていました。尊敬する先輩方を色んな人に自慢したい!そんな思いから自分の中で勝手に始動している、先輩への曲を作ろうのコーナー。今回が第2回目というわけです。 今回はMVもつくることになりまして、しかも初の全編アニメーション。歌詞が忠実に可視化されている素敵なMVを作って頂きました。中でも特に私が気に入っているところは、主な登場人物である2人の足と腕のあたりについている色です。あなた、が赤。主人公、が青。実はこの色は、題材になった先輩と私のイメージカラーのようなものなのです。 個人で活動していた当時、その先輩は赤色の時計と靴をよく身につけていました。私はそれを真似して自分の好きな青色の時計と靴を身につけていました。それを知ってか知らずか、当時を思い起こさせるシーンがMVに入っているというのはとても感慨深いもので、同時に懐かしさの込み上げてくるものでもありました。 MVが公開されたあと、その先輩にも連絡をさせて頂きました。とても喜んでくださり、励ましの言葉も頂き、元気がでました。いつかまた、先輩方とライブでご一緒できる日が来て欲しいものです…。 さて、次はどの先輩を自慢しようか…。今から色々考えてしまいます。うふふ。 ということで、歌詞エッセイ第2弾を終わります。またどこかでお会いしましょう!ご清覧有難うございました!! <琴音> ◆1st アルバム『キョウソウカ』 2020年6月24日発売 初回限定盤 VIZL-1770 ¥4,000(+税) 通常盤 VICL-65380 ¥3,000(+税) <収録曲> 1.咲かない花 2.今 [1st Single] 3.あなたのようになるために 4.キョウソウカ 5.いざ、さぁ 6.真価論 7.The moon is beautiful 8.白く塗りつぶせ[2nd Single] 9.君を知ったから 10.きっと愛だ 11.明日への手紙[cover] 12.昨日より

    2020/06/17

  • フレンズ
    次にあくびをするときは少しでいいから思い出して欲しい。
    次にあくびをするときは少しでいいから思い出して欲しい。

    フレンズ

    次にあくびをするときは少しでいいから思い出して欲しい。

     2020年6月17日に“フレンズ”が、TVアニメ『ハクション大魔王2020』エンディングテーマの新曲「あくびをすれば」をリリース!今年6月でバンド結成5周年を迎えた彼らの一発目のシングルとなる本作のタイトル曲は、“アニメと共に最後まで楽しんで欲しい”という思いを込めて書き下ろされたリズミカルで爽快なナンバーとなっております。  ポップで楽しい世界観に加え、アニメと連動した遊び心溢れるフレンズらしい新ビジュアルとアートワークにも是非ご注目を!さて、今日のうたコラムでは、ニューシングルリリース&バンド結成5周年を記念して、フレンズの“おかもとえみ”が歌詞エッセイを執筆!【前編】と【後編】でお届けいたします…!まず【前編】で綴っていただいたのは、新曲「 あくびをすれば 」に通ずるお話。あなたはこれまで“あくび”について考えてみてことはありますか…? ~歌詞エッセイ【前編】~ あくびってなんだろう? あなたは何をイメージする? 私は、頭がぼんやりしている時。昨日夜更かししちゃったなぁと感じた昼間。退屈な授業中。いつ帰ろうかなと思い時間が経ってしまう飲み会。そんな時に出るイメージ。全くポジティブじゃない。ピントが合わず靄がかかったようにぼやけた写真みたいな。 そんなイメージを持ったまま、新曲「あくびをすれば」を作ろうとして、あくびについて調べたら、思いも寄らぬ言葉が。 “覚醒” “集中力アップ” “脳の温度を下げる” ?! あくびをしたら怒られると思ってたけど、良いことなの?!たしかにあくびをした後ってスッキリする場合が多い。あくびをするまでの行為や状況に重きを置きがちだったけど、その後の効果に対して全く注目していなかった。そしてあの時怒った担任の先生も同じ思考であっただろう(前者のイメージも間違ってないからその理由怒られていた事も理解)。 あくびのイメージが打って変わった。 頭の中の行き詰まっていた迷路がするする進む。まるで答えを知っているかのように止まる事無く。ゴールしたその先には高層ビルが立ち並び、整理された道路に巨大なフリスクがばら撒かれ、爽やかな風が吹く高層ビル街。目の前の人の気持ちが瞬時に読み取れる。街ゆく人を横目に、ある高層ビルの中へ。エレベーターを上り辿り着いた部屋の中、陽気で聡明な学者たちに囲まれて、ひらめきについて話す。限られた時間の中で端的に会話が進んでいく。まさに脳がスムースな回路を辿っている状態だ。 これがあくびの効能なのか。 なんて、妄想も出来ちゃうくらいあくびの可能性は幅広い。検索すればするほど、良い面と、悪い面が出てきて、あくびの真相ははいまだに謎らしい。人間以外の動物たちでコミュニケーションとしてあくびを使っている生き物もいるらしい。不思議! まだまだ謎だらけのあくび。でも、その中でひとつだけ見えた事がある。 あなたがあくびをすれば、それは何かを乗り越えたい時。退屈な日々を変えたい時。少なからずその気持ちがあることを自分の身に置き換えて感じた。次にあくびをするときは少しでいいから思い出して欲しい。退屈な瞬間を共に乗り越えて行こう。 <おかもとえみ> ◆紹介曲「 あくびをすれば 」 作詞:おかもとえみ 作曲:ひろせひろせ ◆「あくびをすれば」 2020年6月17日発売 通常盤 AICL-3811 ¥1,500+税 アニメ盤 AICL-3812 ¥1,500+税

    2020/06/16

  • 植田真梨恵
    人間に心と体があるように、歌にも心と体があるとしたら。
    人間に心と体があるように、歌にも心と体があるとしたら。

    植田真梨恵

    人間に心と体があるように、歌にも心と体があるとしたら。

     2020年5月1日に“植田真梨恵”がダブル配信シングルをリリースしました。「WHAT's」は、映画『ミセス・ノイズィ』の主題歌。そして「I JUST WANNA BE A STAR」はドラマ『ピーナッツバターサンドウィッチ』エンディング主題歌です。また現在、絶賛アルバム制作に入っているという彼女。近々発表されるであろうアルバムを楽しみに、まずは今年の第1弾リリースとなった2曲を是非、歌詞と併せてチェックしてみてください…!    さて、今日のうたコラムではそんな“植田真梨恵”による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届けしてまいります。今回は 第1弾 に続く、第2弾!綴っていただいたのは、新曲「 I JUST WANNA BE A STAR 」にまつわるお話。彼女にとっての、歌詞とは?メロディーとは?歌とは? みなさんにとって、音楽とはどんな存在のものでしょうか…。 ~歌詞エッセイ第2弾:「 I JUST WANNA BE A STAR 」~ 歌詞。アルバムを作っている。おおむね全ての曲の歌詞を書き終えた。歌詞を書きながら、自分の中にある自分でも気付いていなかった気持ちに出会う。書き上がるまで自分でもそれがなんのことなのかわからない。その大きなものをなんとか操縦しようとしても、そんなにうまくいくことはない。とにかくからっぽの器を、気の力だけをつかってガタガタ震わせるようなつもりで、心に圧をかけて歌詞を書く。 思ったけど、歌詞は体だと思う。人間に心と体があるように、歌にも心と体があるとしたら。以前は考える余地もなく、ただなんとなく、歌詞が心だと思っていた。けど違うなと思った。心はメロディーのほうだ。浮遊している霊魂みたいに、メロディーは漂っている。意外と、それが入るべき、おさまるべき型のような、体のようなものが歌詞のように感じた。なぜか。歌詞はひとめ見て一読することができる。もちろん、1行ずつ味わうこともできるけど、決められた時間軸はなく、パッと目で見て文字が羅列されている、見てくれである。 体がないと、メロディーはふわふわ浮いているだけだ。そのふわふわ浮いているメロディーは、目には見えない。だいすきな人と話をするみたいに、すこしずつ心に触れるように、時間をかけてメロディーが入ってくる。歌詞を書くというのは、その心がおさまるべき、美しい腕や目や口や腰を形作るような感じがした。だからなんなんだ。だからなにというわけでもない。とにかくお互いがないと歌にはなれない。 最近こんなことを感じたのにはわけがあって、今作っているアルバムの中で初めて、人様に書いてもらったメロディに対して歌詞を書いている。基本的にわたしはふだん、メロディと歌詞をほとんど同時に書いていくことが多いので、独立したメロディーに歌詞をあてがうことがとても難しかった。しかしおもしろかった。久しぶりに次に曲を書くとすれば、歌詞の方を先に書いて歌にしたいな。 今から8年前、21歳の頃に24時間ぶっとおしの生配信を行なった。配信中はいろんな企画をして過ごした。なんでそんな企画が持ち上がったのかももう覚えてないけれど、久しぶりに、そんな24時間生配信企画をやろうという話が出た。せっかく24時間かけて配信をするならば、何かをつくる工程にしようとなった。何かを作るならば、歌にしよう。歌をつくって、アレンジをして、レコーディングをして、もしかしたらミュージックビデオまで作ってしまえば、配信終了とともにそのまま、できたてほやほやの歌を他の曲とおんなじようにお届けできるかもしれない。そうやってできた曲が「I JUST WANNA BE A STAR」だ。 日頃から「どんな曲にする」という構想を持って作り始めることがないので、この日もなにも考えずに画面の前で作り始めた。というか、作り出してみないとどんなものになるのかまったくわからない。でも、せっかくみんなが画面越しに観ていて、コメントを送ってくれるなら、観てる人たちからコメントで飛んで来た歌詞のイメージを一曲にまとめられたら素敵じゃないかと思った。それで、その当時わたしの心の中におおきくドンと幅をきかせていた「わくわくすること」というのをテーマに、観てる人たちからたくさんのイメージをもらった。 「わくわくすること」と一言で言っても、どんなイメージにもなりえる。それこそ人の数だけわくわくはあるだろう。断片的にイメージを拾っていくうち、ちょっと悪いことをしているような、夜に車を飛ばしてひとつのミッションを遂行するような、そんなシチュエーションだとわたしもわくするな、と思いながら歌詞のイメージが膨らんでいった。作りながらそのイメージを、観てる人たちとどれくらい共有できていたのかはわからないけれど、なんというか、結果的にものすごく素直な歌ができた。 人前で作詞作曲をするというのはやったことがなかったので、まずそもそも一曲できあがるのかまとまるのかもわからないし、集中力が何回も切れかかった。けどまあなんとか、ひらめきとかアイデアのしっぽを、ひっつかむような感じでできあがった。時間の限りがあることによって、普段ならもっとかっこつけてしまうところがそうはいかず、より素直な歌詞になったのかもしれない。たくさんの人のイメージが含まれたことによって、大声で歌えるような大きな私の願いを歌って、大切な曲になるようにしたいと思えたのかもしれない。いろんな要素がふくまれて、ぎりぎりのバランスで一曲になっている。 私が歌のことをものすごく、すきだなって感じる部分がある。たかが歌、されど歌なのだ。別に誰かを感動させる決まりなんかなくて、むしろ何の意味もなくたっていい。でも何の意味もなくただ好きなことばたちが羅列されただけでも、メロディといっしょになるとそれはもう歌になる。逆に好きなだけ疑って、こだわってもいい。でも好きなだけこだわったところで、それが人に届くかなんてわからない。もっというと人に届かなくたっていい。誰にもわからなくってもいい。なのに、ものすごく、わかるなって瞬間がやってきたりもする。ぜんぜんわかんなくたって、なんかすっごい好きっていう場合もある。 好きな人のどこが好きなのかうまく言えないみたいに、共に過ごした年月や巡り合わせで、大切に思う歌が私にも何曲も思い浮かぶ。たったの5分弱でいくらでも、何回でも、気が済むまで心に抱きしめられる。これからどれくらいの歌を、どんな歌を書いて歌って死ねるだろうかと思う。まだ今の私には、なんにもわからない。できるだけいっぱいの歌を作りたい。満足いくまで歌って死にたい。 <植田真梨恵> ◆紹介曲「 I JUST WANNA BE A STAR 」 作詞:植田真梨恵とみんな 作曲:植田真梨恵 ◆ダブル配信シングル 「WHAT's / I JUST WANNA BE A STAR」 2020年5月1日発売

    2020/06/15

  • 琴音
    めっちゃムズい。特に失恋ソングってやばい…
    めっちゃムズい。特に失恋ソングってやばい…

    琴音

    めっちゃムズい。特に失恋ソングってやばい…

     2020年6月24日に“琴音”が1stアルバム『キョウソウカ』をリリース。今作は、シンガーソングライターである彼女の高校生としての音楽活動の総括となるような内容に。2019年E.P.『明日へ』でメジャーデビュー。高校3年間で大きく広がった自身の音楽観と約1年間の制作期間を経て完成した、渾身の全12曲が収録されております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“琴音”のうたコラムを、3週連続でお届け!今回はその第1弾です。綴っていただいたのは、今作『キョウソウカ』で一番苦労したという“ラブソング作り”についてのお話。途中で作詞を挫折してしまった曲とは?その分、成長できたこととは? リリース前に是非、エッセイをご堪能ください…! ~歌詞エッセイ第1弾~ 皆さんいかがお過ごしでしょうか。新潟県長岡市出身18歳、琴音です。最近は、家の中にばかりいて気が滅入ってしまうのではと心配する親を後目に、まったり悠々とインドアライフを楽しんでおります。 今は実家におりますが、今年上京するので家族との生活ももうしばらくで終わります。新生活か…と誰もいない時に感慨に浸るのが少し癖になってきました。18年の中で時に一緒に過ごすのが面倒になったことさえある家族と、いざ離れるとなると寂しがっているという矛盾…。いつだったか、学校では「帰りたい」が口癖だった友人が最近になって学校に行きたいと連絡してきたときに感じたこの感覚…笑。やはり、人はないものねだりをしたくなってしまうものなのですね…。 ないものねだりと言えば、6月24日に初めてのフルアルバムをリリースするのですが、そのアルバムにも私のないものねだり精神がつまっています。色々な雰囲気の曲を入れたい、バンドサウンドやらアコースティックサウンドやらというくくりにも縛られたくない、新しいことにも挑戦しなくては、という気持ちを盛り込んだ今回のアルバム、自分史上初のことも沢山やってみました。 その中でも一番苦労したのは、ラブソングを書くことです。ラブソングを提供曲としてCDに入れたことはあれど、自作というのは実は今までやったことがなかったのです。というか、やれないだろうなーと思って書いてこなかったのです。でも、今回、やってみました!そして思ったことは、めっちゃムズい。特に失恋ソングってやばい…。ということです。 失恋ソングを書きまくっているアーティストさん達の偉大さを知りました。というのも、リード曲になっている「咲かない花」という曲、実は当初は作詞作曲の両方をしようとしていたのですが、なんと…作詞をやりきれなかったのです…っ。最終的に他の方に書いて頂いた歌詞は気に入っていますが、初挑戦で挫折というのは痛いもので、しばらくへこみました。 ただ、悲しいことばかりという訳でもなく、愛情を伝える内容のラブソングは書き切ることができました!また全編英語詞のものも出来、新たな扉を開けた部分もありました。意外とやってみるものですね。自分にとっては色んな意味で成長できたアルバムになりました。うんうん。 さて、最後に少し真面目に書かせて頂きます。このアルバムのタイトルは『キョウソウカ』です。このタイトルはカタカナですが、漢字を当てはめることもできます。あなたはどんな字を当てはめるのでしょうか。アルバムを聴く前と後で、その字は変わっているかもしれません。勿論私とは当てはめる字は違うかもしれません。もしかしたら、同じかもしれません。でも、それが音楽の素敵なところだと思います。 自分の中で好きなように捉え、噛み砕いて、あなたの心の中に取り込んで頂ければ嬉しいです。 私の声と曲が、あなたの力になるよう届きますように。 っはい!!こんな感じで私のエッセイはおわりです(思ってたより難しかったです...笑)。またどこかでお会いしましょう!ご清覧有難うございました!! <琴音> ◆1st アルバム『キョウソウカ』 2020年6月24日発売 初回限定盤 VIZL-1770 ¥4,000(+税) 通常盤 VICL-65380 ¥3,000(+税) <収録曲> 1.咲かない花 2.今 [1st Single] 3.あなたのようになるために 4.キョウソウカ 5.いざ、さぁ 6.真価論 7.The moon is beautiful 8.白く塗りつぶせ[2nd Single] 9.君を知ったから 10.きっと愛だ 11.明日への手紙[cover] 12.昨日より

    2020/06/12

  • 大比良瑞希
    深海を知らなかった頃の方が、海は簡単に楽しく描けていたような。
    深海を知らなかった頃の方が、海は簡単に楽しく描けていたような。

    大比良瑞希

    深海を知らなかった頃の方が、海は簡単に楽しく描けていたような。

     2020年6月3日に“大比良瑞希”がニューアルバム『IN ANY WAY』をリリース。彼女は、tofubeats、LUCKY TAPES、Alfred Beach Sandal×STUTS、Awesome City Club等の作品やライブへの参加でも知られるように様々なアーティストから愛される次世代型シンガーソングライター。今作にはその個性的な歌声を堪能できる全12曲が収録されております。  さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放つ“大比良瑞希”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は 第1弾 、 第2弾 に続く最終回。綴っていただいたのは、彼女にとって“歌詞を書く”とはどんなことなのかというお話です。歌詞を書いてみたいけれど、書き方がわからない、正解がわからない、というあなた。是非、この記事を読んでみてください…! ~歌詞エッセイ最終回~ こんにちは。じわじわあつくなってきて、いい感じですね。こんな日は、先日無事にリリースできましたアルバム『IN ANY WAY』の中から、M5「 RESCUE 」をぜひ、流してみてほしい大比良瑞希です。 さて 前回 は、深海生物の謎に迫ります。という、謎な終わり方してしまいましたので、第3回の書き始めに困り、仕方ないので検索してみてしまいました「深海生物の謎」。歌詞のエッセイを書いてください、とのことだったのに、完全にズレていきそうです。こわいです。 ただ実際、検索先をたどってみると、どんどん引き込まれちゃう。海は皆好きで身近な場所なのに、その海の底の、95パーセントはいまだ人目に触れたことがない、らしい。深海でクジラが歌を歌っているのは本当か、どうして深海のタコはあんな巨大なのか、水中都市の噂はどうなのか、そんなことを考えただけでも、ワクワクする。やっぱり答えがわからないもの、想像し放題な物事って、脳内がくすぐられる。大人になって、毎日のTo Doに追われると、なかなかこんな事を考えることも少なくなっちゃいますけどね。 歌詞を書く行為は私にとって、このくらい奥深いところがあります(無理やり繋げた)。実際、書き始めて10年以上経つけど、全然辿り着かないし、答えもわからないし。手中にいつまでも入ってくれない感覚が、ちょっとあります。なんでだろう。でも好きだ、という片思いなこの感覚。 歌詞を書いてみたいと思っている人、それなのに歌詞の書き方がわからない人、きっと結構いるんだろうな、と思うのは、歌詞の書き方の本や記事って結構たくさんあるから。そして事実、私もそうだったから。 そもそも私が歌詞を書き始めたのは、中学3年生の頃。今ふと思い出したけど、確か映画『チェケラッチョ』を見て、主人公がとても簡単そうに歌を作っていて、これなら私でも曲作れるんじゃないかと思い立ち、家に帰って簡単な気持ちでポロっと弾き歌ったら、ポロっとできちゃった、最初はそんな雰囲気だった気がする。それからは、自分だけのオリジナルソングを作ることに夢中になって、授業中も夜中も歌詞を書いていました。 10年以上経った今、あの時より難しく考えてしまう時がある。考えれば考えるほどこんがらがって、焦って歌詞の本など読んでみたこともあるけど、一向に解決しない。いつの間に、あの頃の日常のポロっとした感覚を、どこかに忘れてきてしまった。気付くと足が着かず深海まで潜り込んでいて、真っ暗な中どんどん迷い込んでいくような日々があった。深海を知らなかった頃の方が、海は簡単に楽しく描けていたような、誰しも大人になったらそんな感覚に陥る時って、きっとあるよね。 うまく書こうとしてしまうし、正解を探そうとしてしまうけど、でも実際歌詞の書き方に、正解も法則も、本当はないと思うのです。正解は私であって、あなたであって。創作において、本来正解やルールや法則なんて、なくていい。新しくていいし、オリジナルでいい。歴史を変えてきたミュージシャンこそ、そうだったりするように。何にも縛られず自由に、ありのままの脳内を注ぎ込むことを、いつになっても全身で楽しんでいるかどうか、の方が大事だし、伝わるはず。 深海の奥深くで一人、息を潜めて右左迷うのは楽しみつつ、表面ではキラキラザブーンと勢い良く。海のバランスで歌詞を書くって、新しくていいかも? こんなこと、自分でもこのエッセイを書き始めていなければ、出てこなかったことです。不思議。1文字が連なっていけば、すでに第一歩。これからも、たくさん言葉と背景を紡いでいきたいと思います。 というわけで、エッセイ3回分読んでくださった方、どうもありがとうございました。きっとまたどこかでお会いできますように…! <大比良瑞希> ◆2ndアルバム『IN ANY WAY』 2020年6月3日発売 UXCL-241 ¥2,500(本体)+税 <収録曲> 01.Eternal My Room 02.甘い涙 03.無重力 04.SAIHATE 05.RESCUE 06.In a small lake 07.ムーンライトfeat.七尾旅人 08.いかれたBABY 09.ミントアイス 10.からまる feat. 大比良瑞希/KERENMI 11.Somewhere 12.Real Love -熊井吾郎Remix-

    2020/06/11

  • SUPER BEAVER
    10年前の自分が未来へ託した想いを、今という未来で受け取った。
    10年前の自分が未来へ託した想いを、今という未来で受け取った。

    SUPER BEAVER

    10年前の自分が未来へ託した想いを、今という未来で受け取った。

     2020年6月10日に“SUPER BEAVER”がニューシングル『ハイライト / ひとりで生きていたならば』をリリースしました。今年4月1日で結成15周年を迎え、4月8日にメジャー再契約を表明した彼らの今作は、疾走感あるロックサウンドに強い意志が込められた「ハイライト」と壮大なミディアムバラード「ひとりで生きていたならば」の両A面シングル。  さらに、約10年前のメジャー在籍時最後にリリースしたアルバム収録曲「まわる、まわる」のセルフカバーも収録されております。さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“SUPER BEAVER”の柳沢亮太による歌詞エッセイを3日連続でお届け!今回は 第1弾 、 第2弾 に続く最終回をお届け!綴っていただいたのは、今作に再録される楽曲「 まわる、まわる 」についてのお話。かつて、潰えたとさえ思った未来。それはどんな“今という未来”として存在しているのでしょうか。3日連続エッセイのラストに綴られた想い、受け取ってください。 ~歌詞エッセイ最終回:「 まわる、まわる 」~ 拝啓 数年前の僕は何を 描きもがき笑ってるの? 終わりの見えた日常 新しい生活の足音 大好きな人に歌うメロディ 冗談ばかりで濁してた未来 わかったつもりで知らなかった 社会 世間 現実の世界 「大きくなったら〇〇になる」「将来の夢は△△」そんな、いつまでも来ないような気がしていた「いつか」の入り口が半ば強制的に目の前に現れ始めるような、17歳~22歳頃というのは人生において重要な分岐点の一つだと思う。 願いや夢、それらは叶うか・叶わないかの二択であると気がついてしまったときの恐怖は言葉にならない。「人はいつか必ず死ぬ」を自分に当てはめて、深く考え込んで眠れなくなったあの感じに似ている。 かつて在籍していたメジャーレーベルから最後にリリースした『SUPER BEAVER』というアルバムがある。同レーベルを離れることが概ね決定していた中で、一枚好きなように作りな、と厚意により制作させてもらった。「まわる、まわる」という曲はその作品に収録されていて、つまり今回は再録だ。 2010年当時は、自分たちで自分たちを取り戻す、みたいな所があったと思う。原点回帰、歌も楽器もせーので一発録り、多重録音も極力避けた。曲も詞も手直しはほとんど無かったはずだ。バンドを結成した学生時代に持っていた気がする大事な何かを必死で手繰り寄せるように、とにかく「今表現したいこと」だけを純粋に作品にしていった。久しぶりの感覚だった。 正直なことを言えば、メジャー契約終了が議題に上がった時、自分のバンドマンとしての未来は潰えたと本気で思った。“メジャーデビュー=プロ”だと勝手に思っていた20~21歳の自分にとって、メジャー契約終了は即ちプロじゃなくなることと同義で、「バンドで飯を食ってやる!」と夢を抱いていた自分が、飯を食えないままプロじゃなくなることは、「あなたの夢は叶わないという結果になりました」と通告されたようなものだった。 その後の人生が怖くなったし、寂しくて辛かった。この先どうしていくべきなのか、考えて、考えて…その中で“バンドであることの心強さ”に改めて気がついたようにも思う。ひとりじゃなく、共にこの感覚を分かち合えるメンバーがいる歓び。良いことも悪いことも、共有していく、それを鳴らす、これがバンドなんだ、と再確認していった。 もう一度4人で、4人が納得いくことをやろう。そうして題されたセルフタイトル『SUPER BEAVER』だった。 拝啓 数年先の僕は何を手にして、また無くしてるの? 今の生活の先に 一体何が待っているの? 大切な人に捧ぐメロディ 冗談みたいな僕の願いは どんな形でそこにある? 遠い遠い 現実の未来 2020年現在。潰えたとさえ思った未来、願いや夢。叶うか・叶わないかの二択だと思っていたそれらを、叶えるか・ 叶えないかという視点を加えて捉えられるようになっている。僕だけの明日を望んでいたはずが、僕だけじゃない今日に強く歓びを感じるようになった。 そういった変化や変化のきっかけを、メロディに乗せて歌い続けていきたいと思う今日こそが、いつまでも来ないような気がしていた「いつか」で、あの日の自分が知りたかった現実の未来だ。 良いか悪いか、満足か不満足か。きっと今日は一つの応えであり、答えではない。 それでも確かな気持ちとして「10年前の自分が未来へ託した想いを、今という未来で受け取った」この事実にどうしようもなくロマンを感じてしまう。繋いでいく。続いていく。SUPER BEAVERが歌うのは、そういう歌たちだ。意味や形、捉え方を少しずつ変えながら、これからも歌い続けていく。今日の自分たちから過去と未来に向けて、今度はあなたと一緒に。 この歌に結びの言葉がなくて良かったな、と思っている。 <SUPER BEAVER・柳沢亮太> ◆紹介曲「 まわる、まわる 」 作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太 ◆New Single 『ハイライト / ひとりで生きていたならば』 2020年6月10日発売 初回生産限定盤 SRCL-11496~7 ¥1,727+税 通常盤 SRCL-11498 \1,182+税 <収録曲> 01. ハイライト 02. ひとりで生きていたならば 03. まわる、まわる

    2020/06/10

  • SUPER BEAVER
    寂しい辛さの正体は「大切」を想う気持ちなんじゃないだろうか。
    寂しい辛さの正体は「大切」を想う気持ちなんじゃないだろうか。

    SUPER BEAVER

    寂しい辛さの正体は「大切」を想う気持ちなんじゃないだろうか。

     2020年6月10日に“SUPER BEAVER”がニューシングル『ハイライト / ひとりで生きていたならば』をリリースしました。今年4月1日で結成15周年を迎え、4月8日にメジャー再契約を表明した彼らの今作は、疾走感あるロックサウンドに強い意志が込められた「ハイライト」と壮大なミディアムバラード「ひとりで生きていたならば」の両A面シングル。  さらに、約10年前のメジャー在籍時最後にリリースしたアルバム収録曲「まわる、まわる」のセルフカバーも収録されております。さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放つ“SUPER BEAVER”の柳沢亮太による歌詞エッセイを3日連続でお届け!今回は 第1弾 に続く第2弾をお届け!綴っていただいたのは、新曲「 ひとりで生きていたならば 」に通ずるお話です。みなさんには“こだわり”ってありますか? そしてその“こだわり”は何のために持っているものか、意識したことは、ありますか…? ~歌詞エッセイ第2弾:「 ひとりで生きていたならば 」~ こだわり。 好み、ちょっとしたマイルール、誇りや信念、自らの生き方に関わることだってあるかもしれない。 子どもの頃の話。友達に冷やかされて嫌だったこと。言い返したこと。喧嘩になってしまったこと。ひどい言葉を吐いてしまったし、ひどい言葉を浴びせられたこと。それを家族に話せなかったこと。その感覚を今もよく憶えている。 幼心にも冷やかされた自分自身をどこか惨めに思ったり、喧嘩の後に我に返って不安になってしまったり。その気持ち自体が口を閉ざさせた部分もあっただろうけれど、「心配させてしまうかもしれない」と想像した瞬間に完全に言い出せなくなった。あの何とも形容しがたい寂しい辛さは、実はその後も度々目の前に現れ続けている。 人間関係、学校、受験、就職活動、面接、会社、営業、取引、試合、オーディション、商売、夢、目標、挑戦、etc…。 「いざ」という瞬間、自らで「選択」し「勝負する」ような瞬間は幾度となく訪れる。その全てが100%上手くいく人は……どこかには居るのかもしれないけれど、多くの人が、大なり小なり、失敗や挫折を味わったことがあると思う。そこに懸ける気持ちが大きければ大きいほど、反動は、巨大。 歳を重ねると、経験も増える。経験は予測を生み出して、時に、悔しさ、哀しさ、虚しさを和らげる術へと形を変えもする。例えば本心を誤魔化し、懸けた気持ちを無かったことにしようとしてみたり。経験が、悔しさ、哀しさ、虚しさ、その辛さを知っているからだ。 …本当はそれこそが悔しくて、哀しくて、虚しいよなあって思う。こだわりを、マイルールを、誇りや信念を、懸けた気持ちを誤魔化そうと、言い訳しようとした。それに自分で気がついた瞬間はとてもキツい。 この世に「独り」で生きていたならば、何も気にならない。失敗も挫折もない、冷やかされもしないし、ひどい言葉を浴びせられもしない。「一人」分のこだわりに、マイルールに、誇りや信念に、それだけに従っていればいい。いや「こだわり」にさえこだわらないのかもしれない。 ひとりで生きていないから、簡単じゃない。 「いざ」という瞬間、「選択」したり「勝負する」ような瞬間、思考のどこかに自分以外の人がいる。「一人」分の感情ではなく、ましてや「独り」ではないと強く実感する。家族や友達、同僚や仲間、恋人、あなた、自分の好きな人。好きな人には好かれていたい。シンプルだ。期待に応えたい、歓ぶ顔が見たい、心配をかけたくない、失望させたくない、情けない姿を見せたくない。 そういう自分でありたいのだと思う。想い、想われて、心の底から笑いあう。 そんな歓びを幸せに感じる。こだわりだ。 そのために、時に自分の中の矛盾とも戦い、葛藤だってする。 失敗して失敗して挫折も味わって、あの何とも形容しがたい寂しい辛さとも何度も何度も向き合っていく。 何かを為そうとするときに人の顔が頭をよぎることは、本当に幸せで嬉しいことだ。 言い訳でもない、重荷でもない。「大切」ってそういうことなんじゃないだろうか。寂しい辛さの正体は「大切」を想う気持ちなんじゃないだろうか。だとしたらこの先もずっと向き合い、付き合い続けていきたいと思う。 あなたはどうだろう。 ひとりで生きていたならば こんな気持ちにならなかった ひとりで生きていたならば 理不尽も許せたかもな ひとりで生きていたならば ひとりで生きていないから 悔しさこみ上げるほどの 大切に出会えたんじゃないか こだわって生きると 今一度言い切るよ 原動力はずっと ひとりで生きていないこと <SUPER BEAVER・柳沢亮太> ◆紹介曲「 ひとりで生きていたならば 」 作詞:柳沢亮太 作曲:柳沢亮太 ◆New Single 『ハイライト / ひとりで生きていたならば』 2020年6月10日発売 初回生産限定盤 SRCL-11496~7 ¥1,727+税 通常盤 SRCL-11498 \1,182+税 <収録曲> 01. ハイライト 02. ひとりで生きていたならば 03. まわる、まわる

    2020/06/09

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