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    聴いた人に合った寄り添い方ができる楽曲を届けたい。
    聴いた人に合った寄り添い方ができる楽曲を届けたい。

    TENSONG

    聴いた人に合った寄り添い方ができる楽曲を届けたい。

     2021年11月19日に“TENSONG”が9th SG Digital「Bye Myself」をリリースしました。コロナ禍に限らず、孤独を感じている人に対して「1人で頑張るだけでなく、誰かと一緒に頑張る選択肢を与えたい」というメンバーの想いが込められているこの曲。MVは、歌詞に込められた感情を具現化したタイポグラフィとメンバー3人の力強い表情がマッチした作品に仕上がっております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“TENSONG”のたか坊(Vo.)による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、新曲「 Bye Myself 」に込めた想いです。今、「ひとりぼっち」だと感じているあなたへ。きっとその孤独に寄り添ってくれる、エッセイと歌詞を是非、併せて受け取ってください。 この曲「Bye Myself」はコロナ禍を経て書き上げた楽曲です。   コロナ前は大学に通学し、友達と授業を受け、ご飯に行き、そしてメンバー3人で音楽を作るという生活を送っていました。しかし、コロナ禍で家から出ることも憚れる日が増え、この日常を送ることが困難になり…同じ経験をした人も少なくないはずです。   大切な人にこそ会いづらい生活を通して、「ひとりぼっち」という言葉を多く耳にしました。ただ、ここで感じたのはコロナ禍で「ひとりぼっち」という言葉を使うようになっただけで、コロナに関わらず日常生活に「ひとりぼっち」は多く存在しているということでした。   受験、就活、仕事をはじめ、全ての人が「ひとりぼっち」を感じながら、努力しなければいけない瞬間があると思います。   コロナ禍でこのことに気付き、「ひとりぼっち」に焦点を当てた音楽を作ろうと決め、出来上がったのがこの「Bye Myself」という作品です。   目標に向かって努力しなければいけない時、1人で頑張らなくちゃ!と気負う人が多く居ると思います。そんな人に向けて、「1人で頑張るだけでなく、誰かと頑張る選択肢もあるんだよ」というメッセージを届けたい一心で制作しました。   僕たちTENSONGのグループ名は「十人十色」から取っていて、聴いた人に合った寄り添い方ができる音楽を届けたいというコンセプトのもと音楽活動をしています。   この「Bye Myself」も、人々の日常に存在する「ひとりぼっち」の時間にそっと寄り添う音楽になってくれるよう願っています。   <TENSONG・たか坊(Vo.)> ◆紹介曲「 Bye Myself 」 作詞:たか坊 作曲:たか坊 

    2021/12/20

  • 松本千夏
    期待したい未来。
    期待したい未来。

    松本千夏

    期待したい未来。

     2021年8月25日にデジタルシングル「歌って」でメジャーデビューを果たした“松本千夏”。10月20日にデジタルシングル「ばかみたい」、11月24日に「さえたろう」、そして12月15日には「ふがいない」と多くの楽曲をリリースしてきました。「ふがいない」は、言いたいことが言えない、もどかしくて気持ちがぐるぐると渦巻く心情を綴った楽曲。ピアノを基調としたHIP HOPサウンドや言葉を詰め込んだラップ詞など、松本千夏の新境地と言える1曲となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“松本千夏”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回です。綴っていただいたのは、新曲「 ふがいない 」に通ずる想い。今、自分自身に対して“ふがいない”という気持ちを抱いている方へ。この歌詞とエッセイが届きますように…! 私はオモテとウラと生きている。   私のオモテは、ギターを弾いて歌うこと。 ラジオパーソナリティで目に見えない誰かへ心を開いて伝えること。   私のウラは、不甲斐ないと感じること。 私の不甲斐ないは、水道の蛇口をひねったように勢いよく溢れる。   人を傷つけてしまったとき。   目標を達成できないとき。   怖くて目標すら立てられないとき。   人の期待に応えられないとき。   自分に期待できなくなったとき。   嫉妬してしまう時。   人に優しくできないとき。   たった一言が言えないとき。   いらない一言を言ってしまった時。   誰かに言ったことがそのまま自分に跳ね返ってきたとき。   大したことないことにびびってるとき。   泣いてる友達に何を言えばいいのかわからなくなった時。   大切な人を失った時。それを後悔してしまうとき。   私は抱え切れない程の不甲斐ないを感じて生きている。   きっとみんなもそう。   一人一人違った不甲斐ないがあって、一人一人それぞれの方法で乗り越えたり、流したり、忘れたりしている。   もう、どうしようも出来ないことを何度も考えながら、もうどうしようも出来ないことでまた悲しくなってしまう。   そんな、オモテとウラを感じて生きながら、「いつか」を夢見て、人は生きていくのだと思う。   期待したい未来を思いながら「いつか」は自分で作るしかないんだって思う。 <松本千夏> ◆紹介曲「 ふがいない 」 作詞:松本千夏 作曲:松本千夏 ◆楽曲リンク https://chinatsu-matsumoto. lnk.to/Fugainai

    2021/12/17

  • スカート
    詩の書き方が変わってしまった。
    詩の書き方が変わってしまった。

    スカート

    詩の書き方が変わってしまった。

     2021年12月15日、澤部渡のソロプロジェクト“スカート”がニューシングル『海岸線再訪』をリリースしました。収録曲には、JBL「Tour Pro+ TWS」 WEB CMソングに起用された「海岸線再訪」を表題曲に、Paraviオリジナルストーリー『最愛のひと~The other side of 日本沈没~』イメージソングを含む、計3曲が収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放ったスカート・澤部渡による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、今作の収録曲「 海岸線再訪 」のお話。以前と作詞の方法が変わった彼が、新しい方法でどのようにこの曲の歌詞を完成させたのか。ワンフレーズを引用しながら、その軌跡を明かしてくださいました。じっくりとお楽しみください…! 詩の書き方が変わってしまった。昔から紙にペンで書くことが多かったのですが、今回の『海岸線再訪』に収録されている曲のほとんどをPCで仕上げました。次第に環境が、時代がそれを許さなくなってしまった形です。   まず環境。実家を出て、はじめて暮らしたシェアハウスではどんなに部屋が汚くても、居間だけはきれいだったので、夜中にそこで書いたりしたものだけど、シェアハウスが解体されて以降はノートを広げられるきれいな机がない、というしょうもない悩みが発生。喫茶店を転々とした時期もありましたが、最終的には深夜営業のファミリーレストランに落ち着きました。   そして時代。働き方改革なのか、それとも採算取れないからなのか、とにかく各ファミリーレストランは深夜営業の終了を高らかに宣言。それと同時に新型コロナウイルスの蔓延。完全に八方塞がりになってしまいました。   1年はぼんやりすることができましたが、締め切りというものが確実に我々に近づいてきます。そこで私はPCでの作詞を決意します。Wordもあったけど、普段から原稿を書いていたテキストエディットを使用することにしました。昼間から書くことも挑戦しましたがやはり真夜中の方が集中できるようでした。   「どう悩んだか」が残るから、という理由で紙に書いていたので、せめて「どう悩んだか」がわかるように一回書いたら消さず、どんどん書き足して行って、スクロールせずに表示できるところまで書いたら新しくファイルを立ち上げる、という方法でなんとか完成しました。   たとえば「 海岸線再訪 」なら、最初に書いてあるのは<風は悪くはない><ああ 何を見たんだ><ひとつもありゃしない>というものです。これらはメロディを作っていた段階から思いついていた言葉でした。   少し具体的な話をすると<透かして見えたものは 通り過ぎただけの いつかの海岸線>という詩の部分は、もともと<いびつにゆがんだ景色はいつかの海辺じゃないか>というメロディーに当てる当てない以前の走り書きをもとに、<透過して見えるのは いつかの海辺じゃないか><透かして見えたものは (9文字) いつかの海辺じゃないか>と変化していきました。   ギリギリまで<いつかの海辺じゃないか!>という詩が当てられていていましたが、その前の(9文字)と書かれた部分に<通り過ぎただけの>というフレーズが入ったこともあってか、清書する段階で<海岸線>という言葉に変更され、「海岸線再訪」は完成しました。   PCで作業してみて、なぜ頑なに紙で書いてきたんだろう、とも思いますし、また引きこもりになってしまった、という気持ちもあります。私にとって外に出て、詩を書くということはなにか社会的な行為のつもりだったのでしょうか。   <スカート・澤部 渡> ◆紹介曲「 海岸線再訪 」 作詞:澤部渡 作曲:澤部渡   ◆New Single『海岸線再訪』 2021年12月15日発売   <収録曲> M1.海岸線再訪 ※JBL『Tour Pro+ TWS』WEB CMソング M2.背を撃つ風 ※Paraviオリジナルストーリー「最愛のひと~The other side of 日本沈没~」イメージソング M3.この夜に向け ※「大きなサイズの店 フォーエル」 CMソング

    2021/12/16

  • 吉田山田
    愛された記憶。
    愛された記憶。

    吉田山田

    愛された記憶。

     2021年12月1日に“吉田山田”ニューアルバム『愛された記憶』をリリースしました。吉田山田初の試みとして兼ねてから親交のあるアーティスト、wacci、チャラン・ポ・ランタン、→Pia-no-jaC←、ワタナベタカシ、木田健太郎(リアクション ザ ブッタ)とのコラボ曲が収録。全11曲入りのアルバムとなっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“吉田山田”の吉田結威と山田義孝による歌詞エッセイを3日連続でお届け。今回は最終回。綴っていただいたのは、今作の収録曲であり、アルバムタイトル曲である「 愛された記憶 」のお話です。それぞれが持つ「愛された記憶」から生まれたこの曲。みなさんにとっての大切な景色は何ですか? 是非、歌詞と併せてエッセイをお楽しみください…! いつも通りには活動できなくなった世界で、よく思い出していたのは昔のことでした。僕らはミュージシャンとして、ラジオやテレビで、そしてステージの上で「愛される」ことで自分の居場所を見つけ、十数年生きてくることができました。生きていくにはどこかに居場所が必要で、居場所となるのは愛される場所です。今思えば、僕らは失われてしまった居場所を補完するために、思い出の中を旅したのかもしれません。   この曲に出てくる世界は、僕の中では小学校時代の自分の見ていた世界です。僕が昔のことを思い出す一番のきっかけはいつも匂いです。季節が変わる時の匂いや、夕方の匂い、雨上がりの匂い、どこかの家の煮物の匂い、タバコの匂い、洗濯物が乾いていく匂い。   だからこの曲は「匂い」から始まります。匂いをきっかけに思い出す記憶はいつも断片的で、ハッキリといつのどこの誰との思い出なのかは分からないことが多いですが、何故か無性に涙がこぼれそうになることがあります。   過ぎ去ってしまった時間を想ってなのか、もう会えなくなってしまった人のことを想ってなのか、似たような季節の似たような時間帯になにか悲しいことがあったのか。それは定かではありませんが、思い出すのはいつもそんな少し寂しく、どこか物足りない感情です。でもそんな感情が鉤爪となって、心のどこかに引っ掛かるから思い出として残るのかなとも思います。だから思い出した時、少しチクッとするのかもしれません。   この曲を作って分かったことは、人は愛されているその時は、愛されていることになかなか気付けないということ。大体は後になって、「ああ、あれは愛だったんだな。」と気付くものなのかもしれないと思いました。即効性はないかもしれないけど、でもだからこそ「自分の居場所がない」と感じてしまった時に、いつでも思い出の中に自分の居場所を見つけることも出来るんだと教えられました。   <吉田結威>   陽が沈むのが早くなる頃だと、新宿の夕方のチャイムはたしか4時半だった。ぼくが小さい頃、両親は共働きで小規模な商店街でお惣菜屋さんをやっていたから、大体いつも1人で近くの小さな公園で遊んでいた。4時半になると『夕焼け小焼け』のチャイムが鳴って公園からだんだんと人がいなくなる。空がオレンジとピンクを滲ませたような鮮やかな色からだんだん淡く暗い色に変わっていく。   母親が迎えに来てくれるのが遅い日はチャイムの音がとても寂しく、そしておどろおどろしく聴こえた。誰もいなくなった途端、ブランコも鉄棒もジャングルジムも急にただの冷たい鉄のカタマリに思えた。「遅くなってごめんね!」と走る母親にしがみついて泣きそうになったのを覚えている。   「愛された記憶」を思い返す時、温かさだけじゃなくてそこには寂しさがついてくるのは何故なんだろう。ぼくだけだろうか? きみもそうなんだろうか?   先日、僕等はデビュー12周年を迎えた。10周年の節目を越えて一つの区切りとしてベストアルバムをリリースした。そして、その日に緊急事態宣言が発令され、全てのライブやイベントが中止になりCDショップが営業を停止した。たっぷりと出来た時間の中でゆっくりと曲を作っていった。自分の心を整理するように湧いてくるメロディや言葉を沢山の曲にした。   世の中の状況に反して、穏やかな歌詞が多く出てきた事に自分自身少し驚いた。アルバムのタイトルを決める時、相方から“『愛された記憶』はどうかな?”と案が出た。とてもしっくりきた。それから「愛された記憶」という曲をそれぞれの原風景を重ねながら2人で作っていった。   台所から聴こえる母親の鼻歌。 公園の冷たい鉄棒。 風で揺れてる洗濯物。 父親の背中で寝たふりをした事。   鮮明に覚えている記憶の殆どが特別な1日ではなくて、何気なく眺めた平凡な風景だった事を不思議に思う。   言葉に変えなかった気持ちはいつまでも残り続けるものなのか。それとも言葉に変えたかった気持ちがいつまでも残り続けているのか。それはわからないけど多分ずっと忘れない。ただ、曲を作りながらはっきりした事がある。   歌を好きになった理由も 今日まで唄い続けている理由も そして明日からも唄い続けていく理由も 全部「愛された記憶」の中にあるという事。   <山田義孝> ◆紹介曲「 愛された記憶 」 作詞:吉田山田 作曲:吉田山田 ◆8th ALBUM『愛された記憶』 2021年12月1日発売 通常盤(ボーナストラック入り) PCCA-06086 ¥2,970(税込)   <収録曲> M1. 世界が変わる M2. ひとつぶ  M3. こんがらがって M4. 才能開花前夜   M5. 好き好き大好き M6. グレープフルーツ M7. 鳥人間になりたい M8. おばけ M9. それでも M10. 愛された記憶 M11. てと手 BONUS TRACK. イ~ハ~

    2021/12/15

  • 吉田山田
    僕が描きたかった「て」と、山田が描きたかった「手」。
    僕が描きたかった「て」と、山田が描きたかった「手」。

    吉田山田

    僕が描きたかった「て」と、山田が描きたかった「手」。

     2021年12月1日に“吉田山田”ニューアルバム『愛された記憶』をリリースしました。吉田山田初の試みとして兼ねてから親交のあるアーティスト、wacci、チャラン・ポ・ランタン、→Pia-no-jaC←、ワタナベタカシ、木田健太郎(リアクション ザ ブッタ)とのコラボ曲が収録。全11曲入りのアルバムとなっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“吉田山田”の吉田結威と山田義孝による歌詞エッセイを3日連続でお届け。今回は第2弾。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 てと手 」のお話です。二人がステージから見て、強く印象に残っていたとある光景。一体それぞれどんなことを感じたのでしょうか。是非、歌詞と併せてお楽しみください。 山田がデモを作ってきてくれて、最初に聴いた時から気に入っていた曲でした。47都道府県ツアーの香川公演でステージから見えた光景から発想して作ったことは、一聴して分かりました。   手を握りあう親子のことは僕もよく覚えています。僕はその親子を見た時、少し羨ましい気持ちが残りました。親御さんに対してではなく、仲良く手を繋いでいるその子どもの方に羨ましさを感じました。自分はあと何回、親の手を握ることができるでしょう。恐らく、片手で数えられるか、多くても両手で数えられる程度じゃないかなと思ったら、なんだかその親子を取り巻く状況や、空気感がとても羨ましく思えたのです。   元々山田が作ってきたデモは、どちらかといえば親側に感情移入した歌詞でした。完成した作品の1コーラス目はほぼ原形から変えていないので、歌詞を見ていただければ分かると思います。   しばらく「いい曲」として保存していたこの曲でしたが、ある日「あ、この曲に子ども側の気持ちも盛り込めたら完成するかもしれない」と思いつきました。しかも、僕は山田と同じ光景を目にしても自然と子ども側に感情移入していたので、自分ならスッと書けるんじゃないかなと思い、2コーラス目の制作を任せてもらえないかとお願いしました。そこからは思ったとおりスラスラと書き上げることができて完成に至りました。   47都道府県ツアー等に出掛けると、食べるものも寝る時間もお風呂に入る時間も目にする風景も大体同じです。それでも感じることがそれぞれ全然違うところを楽しめるようになったら、それなりに素敵な2人組なのかな、なんてことを思いました。一人の想いを一貫して深く掘り下げて作る曲も、もちろん素晴らしいですが、別々の視点を持った2人で一つの作品を作ると、こんなに面白いこともあるんです。   僕が描きたかった「て」と、山田が描きたかった「手」、両方の視点からこの曲を楽しんで下さい。   <吉田結威> 吉田山田の作品の中に2013年にリリースした「 日々 」という曲がある。幼い頃に共働きだった両親の代わりによく遊んでもらっていた、近所の畳屋のおじいさんとおばあさんの日常を切り取って歌にしたもの。NHK『みんなのうた』で放送となったこの曲をきっかけに、沢山の方々が家族でライブに来てくれるようになった。   ライブでは必ず「日々」を唄った。   何千回唄っても飽きる事が無いのは、ステージから見える様々な家族の風景が重なると、また新しい曲に生まれ変わるからかもしれない。親子三世代それぞれ違う歌詞で涙している家族。人生で初めてライブを観に来たという老夫婦。小さな子供を肩車して聴いているお父さん。ステージから見える沢山の表情に何度も泣きそうになるのを堪えながら唄った。   ある日のライブ、並んで座っている小さな男の子とお母さんが目に入った。「日々」を唄い始めた時、お母さんが男の子の手をぎゅっと握りしめながら聴いてくれていた。唄いながら暫くしてまた目をやるとお母さんが大粒の涙を拭っていた。隣に座っている男の子は心配そうな顔でチラチラと母親の顔を見ていた。もしかしたらあまり見た事のない母親の涙だったのかもしれない。少し気になりながらも想いを込めて唄を届けた。   唄い終わった後にもう一度2人を見ると、男の子が小さな手で包み込むようにお母さんの手の上に手を重ねて握りしめていた。「お母さん大丈夫だよ」と男の子の声が聞こえてくるような、そんな表情だった。ステージを降りてからも、家に帰ってからも、数日経ってもその2人のやり取りが焼きついていた。   繋がっていた2人の手。 「守られていたのはどっちなんだろう」 そんな事が気になった。   「守っているようで 守られていて 守られているようで 守っている」 いつかその手が離れる時が来ても、温もりはずっと手の平に残っていて、寄り添い守りあっているものなのかもしれない。   出逢いで歌が生まれて 歌でまた新しい出逢いが生まれていく。 そして時間と想いが重なり どんどん家族のようになっていく。 こんな事を繰り返しながら唄い生きていきたい。   <山田義孝> ◆紹介曲「 てと手 」 作詞:吉田山田 作曲:山田義孝 ◆8th ALBUM『愛された記憶』 2021年12月1日発売 通常盤(ボーナストラック入り) PCCA-06086 ¥2,970(税込)   <収録曲> M1. 世界が変わる M2. ひとつぶ  M3. こんがらがって M4. 才能開花前夜   M5. 好き好き大好き M6. グレープフルーツ M7. 鳥人間になりたい M8. おばけ M9. それでも M10. 愛された記憶 M11. てと手 BONUS TRACK. イ~ハ~

    2021/12/14

  • 吉田山田
    実は物凄く恥ずかしい事を曝け出し合っていると気がつく。
    実は物凄く恥ずかしい事を曝け出し合っていると気がつく。

    吉田山田

    実は物凄く恥ずかしい事を曝け出し合っていると気がつく。

     2021年12月1日に“吉田山田”ニューアルバム『愛された記憶』をリリースしました。吉田山田初の試みとして兼ねてから親交のあるアーティスト、wacci、チャラン・ポ・ランタン、→Pia-no-jaC←、ワタナベタカシ、木田健太郎(リアクション ザ ブッタ)とのコラボ曲が収録。全11曲入りのアルバムとなっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“吉田山田”の吉田結威と山田義孝による歌詞エッセイを3日連続でお届け。今回は第1弾。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 それでも 」のお話です。wacciとの共作によるこのラブソングは、一体どのように生まれたのでしょうか。是非、歌詞と併せてエッセイをお楽しみください…! 今回のアルバムで、様々なアーティストとコラボさせてもらって気付けたことは本当にたくさんあって、その中でも特に収穫だったのが、「コミュニケーションをとることの楽しさ」でした。   コミュニケーションをとることは、誰もが多かれ少なかれ日常生活の中でやっていることなのですが、それが「後世に残る作品になる」というハードルをひとつ設けることによって、より密度の濃いコミュニケーションが必要になります。しかもお互いに音楽を生業にしている者同士ですから。その作業はとても繊細で、実は難しく、刺激的で楽しい作業なんだと、改めて再確認することができました。   これまで長い時間をかけて挑戦と失敗と成功を重ねて、丁寧に答え合わせをしてきた山田とは、実は物凄い速さでコミュニケーションがとれるようになっていたことにも改めて気付くことができました。   まだ慣れていない人と、お互いに人生をぶつけあってモノを作っている時の、独特の緊張感を久しぶりに感じることができました。この感覚は今後また「吉田山田」で曲を作る時にいい刺激になると思います。   その中でも、この「それでも」という曲は、ライバルでもあり、友でもあり、ファンでもあるwacciと作った一曲です。それはそれは刺激的な時間でした。   曲が完成してから、幾度か歌っていくうちに気が付いたのは、この曲は「正しさ」とはなにかを歌っているんだなということ。   「正しさ」と「感情」の間でずっと揺れている主人公。こんなの、男が3人顔つき合わせて作るには一番向いてないテーマです。後になって気が付きました。そりゃ三者三様全く違った価値観があるはずです。人間の最も「個性」が現れる部分といっても過言ではないでしょう。よく3人共が納得出来る置き所を見つけられたなと、今になって感心してしまいました。でもそれも、同じ時代をそれぞれの場所で闘ってきたミュージシャン同士の信頼があったからこそできたことなのかもしれません。   <吉田結威>   気がつけばデビューしてからの12年間でリリースした楽曲は100曲を越えている。その半分以上が2人で歌詞を紡いだものだ。慎重に、そして互いのアイデアを尊重しながらもお互いの歌詞を書き足し、書き換えながらのキャッチボールで1曲を作っていく。当たり前に続けている作業中、ふと我に返り、実は物凄く恥ずかしい事を曝け出し合っていると気がつく。   恋愛の曲であれば特に。   心のチンチンを隠していては人の心に刺さる良い曲は作れないからだ。背伸びした歌詞、自分を良く見せようと選んだ言葉、本音を隠した上辺だけの歌詞はお互い分かってしまう。改めて2人で歌詞を紡ぐ事の異常性と大変さを確かめた。そして良い化学変化が起きた時の感動は何倍にもなる事も僕等は知っている。   今回のアルバム『愛された記憶』は、これまで殆どして来なかった挑戦が詰まっている。「コラボ」とは違う、1から一緒に作っていく「曲の共作」がその1つ。心許せる盟友と呼べるアーティストとでなければ絶対に成功し得ない挑戦だ。そんなオファーを快く引き受けてくれたアーティストの1人が、wacciの橋口君だ。共作するにあたって、彼が最初に僕らのデモの音源から選んだ曲の方向性は「恋愛ソング」。心のチンチンを見せ合う姿勢だった。   暫くして第一稿が橋口君から送られてきた。第一稿にも関わらずサビだけ、とか1番だけ、とかでは無く既にフル尺が出来上がっていた。フルチン状態で届いたのだ。飾らず、そしてありのままの自分を隠さず曝け出した本当に男らしいものだった。その素晴らしい歌詞とメロディに感化され溢れた僕等のアイデアと感性も重ねて「それでも」の歌詞とメロディが出来上がった。アレンジはwacciの小野君、そして曲の演奏はwacciメンバー全員で作り上げてくれた。僕等2人だけでも、そしてwacciだけでもきっと生み出せなかった素晴らしい曲が完成した。   心から好きだと思える曲がまた1曲増えた。 wacciメンバー全員に感謝します。   是非ここに書いた文章を全て忘れて、まっさらな気持ちで1曲聴いてください!   <山田義孝> ◆紹介曲「 それでも 」 作詞:吉田山田・橋口洋平(wacci) 作曲:吉田山田・橋口洋平(wacci) ◆8th ALBUM『愛された記憶』 2021年12月1日発売 通常盤(ボーナストラック入り) PCCA-06086 ¥2,970(税込)   <収録曲> M1. 世界が変わる M2. ひとつぶ  M3. こんがらがって M4. 才能開花前夜   M5. 好き好き大好き M6. グレープフルーツ M7. 鳥人間になりたい M8. おばけ M9. それでも M10. 愛された記憶 M11. てと手 BONUS TRACK. イ~ハ~

    2021/12/13

  • 松本千夏
    生涯憧れている親友。
    生涯憧れている親友。

    松本千夏

    生涯憧れている親友。

     2021年8月25日に、デジタルシングル「歌って」でメジャーデビューを果たした“松本千夏”が10月20日にデジタルシングル「ばかみたい」をリリース。11月24日に「さえたろう」をリリースしました。「さえたろう」は、中学生の頃の友達と、大人になって久しぶりに再会した実話を基に制作した楽曲。離れ離れになってしまったからこそ感じる友達への想いが込められております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“松本千夏”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第2弾です。綴っていただいたのは、11月にリリースした新曲「 さえたろう 」についてのお話です。彼女の唯一無二の親友・さえたろうへの想い。みなさんも、自分にとって大きな存在の友達を思い浮かべながら、この歌詞とエッセイを受け取ってください。 中学の頃、2人で何度も歌ったYUIの「 Good-bye days 」。歌手になりたいなんて恥ずかしくて言えなかったけど、2人ならなんだかなれる気がしていた。   誰にも言えない話も何故だかできたし、2人でいるだけで最強な気がした。   “さえたろう”は私にとって特別な存在。   負けず嫌いな私は、ミュージカルのオーディションで絶対に負けたくなくて、きっとみんなの発表を睨みつけていたかも。   でも、さえたろうは違った。 当時、一番最年少だったのに、ヘラヘラ笑って先生の前に立ち、堂々と楽しそうに演じて皆を笑わせた。さえたろうはいつでも自然体で皆を笑わせるのが得意だし、ダンスも演技も歌も器用にこなして、他の子よりズバ抜けていた。 そんなさえたろうに私は虜になった。   物凄く負けず嫌いな私なのに、さえたろうには悔しいなんて一切ない。 むしろ、悔しさよりも誇りに思う自分がいた。   親友だけど、さえたろうはいつも私より大人で、そして優しくて、自分に厳しい人だった。     高校1年生の時、突然さえたろうと連絡が取れなくなった。 毎週会うのを楽しみにしていたミュージカルにも来なくなった。 連絡が取れない理由も、ミュージカルで会えなくなった理由も分からず、私は毎日泣いていた。 今思い返すと突然いなくなる感じも、さえたろうらしかったなって思える。   大人になって再会したさえたろうは、素敵なママになっていた。可愛い2人の子ども達の面倒を見ている姿は、相変わらず優しくてかっこいいさえたろうだった。   再会してどうしても伝えたかったこと。   「さえたろうにはずっと敵わないよ」   と伝えたら 恥ずかしそうに笑って 昔みたいにふざけて茶化しながら   「ちーちゃんにはとっくのとうに負けてるよ」 と言った。   全然分かってないなと思った。 さえたろうは、やっぱりずっとかっこいい。   さえたろうの凄さを伝えまくったら、さえたろうは涙目になってた。     さえたろうは、いつも私よりも一足先に大人になっている。誰よりも才能があるのに、自然体で皆を笑わせて只々優しい。   いつか自分もさえたろうみたいになりたいって今でも思う。   <松本千夏> ◆紹介曲「 さえたろう 」 作詞:松本千夏 作曲:松本千夏 ◆配信リンク: https://chinatsu-matsumoto.lnk.to/saetaro

    2021/12/10

  • Hello Sleepwalkers
    大学生の頃、僕は一日中銃を撃ちまくっていた。
    大学生の頃、僕は一日中銃を撃ちまくっていた。

    Hello Sleepwalkers

    大学生の頃、僕は一日中銃を撃ちまくっていた。

     2021年12月8日に“Hello Sleepwalkers”がニューアルバム『夢遊ノ果テヨリ』をリリースしました。2018年より活動を休止していた彼らが、デビュー10周年を迎えた今年10月5日に活動再開。今作にはHello Sleepwalkersらしいギターサウンドが散りばめられた楽曲だけでなく新たな一面を感じられるものや、シュンタロウ(Vo.)が参加しているクリエイティブプロジェクト・Yamato(.S)の楽曲「Fire」がリアレンジされて収録。    さて、今日のうたコラムではそんな“Hello Sleepwalkers”のシュンタロウ(Vo.)による歌詞エッセイをお届けいたします。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 電脳の海 」のお話です。ゲームという広大な海に何度も潜り、何度も溺れ、そして帰ってきた彼。その海を知っている彼だからこそ、生み出せたこの曲。是非、歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。  僕はゲームが好きだ。好きすぎて以前『LIFE is a GAME?』という曲を書いた。もしも人生がゲームだったら、というテーマで面白半分に書いた曲だ。そして今回、「 電脳の海 」というゲームを題材にした曲をアルバムに収録したので、その経緯を綴ろうと思う。   電脳の海へ行こうぜ 君のパパにもママにも内緒で    という歌詞からこの曲は始まる。ゲーミングモニターの向こうは広大な海だ。僕はそこで何度も溺れ、そして何とか帰ってきた。    大学生の頃、僕は一日中銃を撃ちまくっていた。顔や性別、国籍も知らないプレイヤー達と戦場に出た。都合の良いことに、電源を入れるとそこには常に誰かいた。朝も夜もお構いなしでのめり込み、一日=24時間というサイクルが破綻してしまった。    僕の大学生活は首の皮一枚で繋がっている状態だった。危うく留年するところだったが、メジャーデビューが決まり、断腸の思いでゲーム機を手の届かない場所にしまった。恐らく人生で一番真面目だった大学4年生の僕は、必死に卒業論文を書いた。そして大切な人生の数%を浪費したことに気付き、「今後この沼にハマる訳にはいかない」と心に決め、無事卒業し上京したのだった。    それから数年間は、音楽活動が忙しかったこともあり、安全かつ適度に遊んでいた。決してどっぷりと浸からないように、浅瀬でチャパチャパと水遊びをしていたくらいのものだった。    2018年にHello Sleepwalkersが活動休止することになり、僕はまた海に飛び込んでいった。改めて飛び込んだ海は全く違う温度で、違う水質だった。単純に『楽しい』からというより、半分現実逃避だったのかもしれない。敵キャラクターに銃弾を撃ち込み、最後の一人になるまで倒し続ける。それが全てだった。そうすれば存在が承認されたし、心も満たされた。何より実生活の心配ごとや面倒ごとを考えなくて済んだ。そうして僕は数年間、足の届かない深さまで泳いでいった。    活動再開を決めた頃には、数年が経った感覚すら無かった。気がつけば30代で、精神的には何一つ成長をしていない。鏡に映るのは髪も髭もボサボサで、アンデッドみたいな生物だった。    それでも『僕』が『Hello Sleepwalkersのシュンタロウ』であることを取り留めてくれていたのは紛れもなく音楽とバンドメンバー、そして周りで支えてくれた人たちの存在だった。そうして僕はまた前を向き始めることができた。    「電脳の海」(さらに言えばアルバム『夢遊ノ果テヨリ』の楽曲全て)は、その期間を経た僕にしか歌えなかっただろうし、このアルバムが復活一作目として相応しい作品だという自信もある。なのでゲームには感謝しているし、未だに好きなままだ(以前の様にはやっていないけれど)。    この数年間に意味があったのか、価値があったのか、楽曲を聴いてくれた人に何か刺されば、それが答えだと思う。    長い海水浴だった。ふやけた身体で、また地を踏みしめていこうと思う。 <Hello Sleepwalkers・シュンタロウ> ◆紹介曲「 電脳の海 」 作詞:シュンタロウ 作曲:シュンタロウ ◆「夢遊ノ果テヨリ」 2021年12月8日発売 <収録曲> M1.「SCAPEGOAT」 M2.「20世紀少年」 M3.「虚言症」 M4.「恋煩い」 M5.「電脳の海」 M6.「過去の色素」 M7.「Fire(HSW Version)」

    2021/12/09

  • moon drop
    最初から二番目だと気付いていた。
    最初から二番目だと気付いていた。

    moon drop

    最初から二番目だと気付いていた。

     2022年1月19日に“moon drop”が1st Full Album『この掌がまだ君を覚えている』をリリース!キーボーディスト・SUNNY氏をプロデューサーに迎えた「水色とセーラー服」「リタ」など、ストリングスを中心としたバンドサウンド以外の音を巧みに組み合わせた意欲的な楽曲や、ライブハウスを中心に活動を続けてきたバンドの雰囲気がソリッドに表現された「君と夜風」など、全11曲のドラマチックなラブソングが収録されております。    さて今日のうたコラムでは、そんな最新作を放つ“moon drop”の浜口 飛雄也(Vo.)による歌詞エッセイをお届け。今回が最終回。綴っていただいたのは、今作の収録曲 「 この雪に紛れて 」 のお話です。大切なひとの一番大切なひとにはなれないとわかっていても…。今、切ない恋をしている方へこの歌詞とエッセイが届きますように…! 本当は分かっていた 花はいつか枯れるし、 始まりがあるから終わりがある いわゆる大人の恋ってやつは、 どこまでも子供だったりする この肌を刺すような痛みは寒さからなのか、それとも この雪に紛れて 言ってしまいたかった   白い息が空へ上がる とぼとぼと歩く すれ違う人を目で追って振り返る 向こうで微笑む貴方ともう一人 観たくもないものほど 目に入ってしまうから残酷だ 分かっていたような顔の下で大きくなる心臓の鼓動 いつでも心の底は見えなかったし、見せなかった 最初から二番目だと気付いていた   貴方の薬指にはめたそれと、私の頬を伝う雫 街のイルミネーションがいたずらに照らし合って 綺麗に光ってた   どうか、最後まで本当のことは言わないで 目を瞑ったままで側に居るから 二人で居る時間だけ、 この瞬間だけは嘘にならないで欲しい そう、そのままでいい だから今だけは優しい嘘をついてほしい   甘ったるい思い出が蘇る 握った手と手 車の中でしたキスの味 背中に飛び乗った帰り道 このままが続くことは無いと分かっていた   匂いと記憶は繋がっている あれから日が経った今でも鮮明に思い出す ほつれかけたマフラーに染み付いた貴方の匂い 忘れたいと思えば思うほどに いつの間にか手繰り寄せている こんなことになるなら、いっそ出会わなければ なんてことは思わないけど せめて記憶と一緒に 何も知らなかったあの頃に、 あの夜に連れて行って欲しかった   いつでも明日からのことなんて考えずに いつでも貴方以外のことから目を逸らしてきた これまで過ごしてきたツケが回ってきただけ だからもう、これで最後にします   この夜が明ける頃、私の前に貴方は居ないでしょう この雪が溶ける頃、貴方の前に私は居ないでしょう 私が貴方を想っていたように、 貴方を思っていてくれる人の側に居てほしい   そして、どこまでもズルくて どこまでも子供のままでいる私は まだ分け合えるものが残るのなら 今度は貴方から会いに来てほしいと その想いだけ心に蓋をして閉じ込めておきます   一つだけまたわがままを言ってもいいのなら この浮かれた街のようにいつか 私も輝けますように <moon drop・浜口飛雄也> ◆紹介曲「 この雪に紛れて 」 作詞:浜口飛雄也 作曲:浜口飛雄也・坂知哉 ◆配信SG「この雪に紛れて」  2021年12月8日(水)リリース  配信URL: https://moondrop.lnk.to/ konoyukinimagirete    

    2021/12/08

  • Panorama Panama Town
    今いる場所から逃れていく。漂流するように生きている。
    今いる場所から逃れていく。漂流するように生きている。

    Panorama Panama Town

    今いる場所から逃れていく。漂流するように生きている。

    2021年11月24日に“Panorama Panama Town”がミニアルバム『Faces』をリリース!アルバムタイトルには、1曲1曲それぞれをバンドの顔にしたいと言う思いが込められている今作。FODドラマ『ギヴン』主題歌「Strange Days」ほか、劇中バンド“the seasons”への書き下ろし楽曲「Melody Lane」のセルフカバーを含む全7曲が収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“Panorama Panama Town”の岩渕想太による歌詞エッセイをお届け!今回は【後編】です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 100yen coffee 」に通ずるお話。夜闇のなかを漂流しているかのような歌詞とサウンドが印象的なこの曲。なぜ、ひとは時々、あてどなく夜を漂流したくなるのでしょうか…。是非、歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 ジム・ジャームッシュの映画『パーマネント・バケーション』の冒頭、16歳の男アリーは、女友達のリーラに向かってこう話す。   「みな孤独さ。だから僕は漂流する。イかれてると言われても漂流してれば孤独でないと思うことができる。本当に孤独と感じるよりマシだ」   ニューヨークの街並みを眠らないまま漂流し続ける彼の言葉を聞いて、私は「わかる、わかるぞ!」と大声を上げた。     よく、夜を漂流する。そう言うと聞こえがいいが、ただの散歩だ。目的のない散歩。いつもの店に入るのを堪えて、知り合いに連絡するのも堪えて、ただひたすらに歩き続ける。誰かに会いたいけど、待ち合わせたくない。   今は夜22時の新宿で、電話すればあいつがやってくるけど、そんなことして何になるって言うんだ。できれば、知らない人に会いたい。知ってる人に会うにしても、衝撃的な出会い方でもって、出くわしたい。出くわしたい、そう私は今誰かに出くわしたいのかもしれない。   アメリカを東へ西へ行き、また東へ行って西へいくだけの小説、ジャック・ケルアックの『路上』の解説で見つけた言葉がある。   遠心性の誘惑   作家トマス・ピンチョンは、『路上』の持つ「遠心性の誘惑」に惹かれたらしい。トマス・ピンチョンを読んだことないけど、私はここでもう一度「わかる、わかるぞ!」と唸る。   【遠心】  意味 : 中心から遠ざかろうとすること。     あてどなく、夜を漂流する。「ここも違う」「ここも違う」を繰り返しながら。多くの場合、何にも出くわさないことを知っていながら、今いる場所から逃れていく。漂流するように生きている。あてがなくても、足は何故だか進んでいく。 <Panorama Panama Town・岩渕想太> ◆紹介曲「 100yen coffee 」 作詞:岩渕想太 作曲:岩渕想太 ◆Mini Album『Faces』 2021年11月24日発売   <収録曲> 1.King's Eyes 2.Strange Days 3.100yen coffee 4.Faceless 5.Seagull Weather 6.Algorithm 7.Melody Lane ◆ Panorama Panama Town One-man Live 2021-2022 "Face to Face" ・2021年12月11日(土) 兵庫・クラブ月世界 開場17:15 / 開演18:00 ・2022年1月14日(金) 東京・東京キネマ倶楽部 開場17:15 / 開演18:00

    2021/12/07

  • ユアネス
    「母は強し」という言葉の意味が少しだけわかった気がした。
    「母は強し」という言葉の意味が少しだけわかった気がした。

    ユアネス

    「母は強し」という言葉の意味が少しだけわかった気がした。

     2021年12月1日に“ユアネス”が1st Full Album『6 case』(読み:シックスケース)をリリースしました。TVアニメ『イエスタデイをうたって』主題歌「籠の中に鳥」や坂本真綾への提供曲「躍動」のセルフカバーが収録。さらに、ユアネスの代表曲「Bathroom」と「凩」も新たにボーカルを再録し、6 case ver.として収録。全12曲からなる初のフルアルバムです。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“ユアネス”の古閑 翔平(Gt.)による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、今作の収録曲「 私の最後の日 」のお話です。自身の母親が命の危機に瀕したことをきっかけに、「最後の日」という現実に向き合って生まれたこの曲。是非、歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 初めまして、ユアネス Gt,兼 Composer 古閑 翔平です。   この度 僕等ユアネスが 12月1日に1st full Album『6 case』を Releaseさせていただきました。   タイトルの『6 case』は これまで僕等がCDとしてリリースしてきた 作品の頭文字を合わせたものになっています。   思い返せばいつのまにか 6作品目になるんですね。はやいなぁ。   タイトル通り、今までのユアネスそして これからのユアネスを沢山詰め込んだので まだ聴いたことのないあなたも いつも応援してくださっているあなたも 是非今作、手に取っていただければと思います。   今回はそんなフルアルバムの 収録楽曲の中から 「私の最後の日」という楽曲について エッセイを描かせていただきましたので お楽しみ頂ければと思います。     「 私の最後の日 」   自身が生まれ故郷を離れ、一人暮らしを始めて数年。姉から突然「母がくも膜下出血によって倒れた。」と連絡が入った。   あまりにも突然の連絡で、事態を飲み込めない自分。   「とりあえず急いで帰ってきて。」そう伝えられ、ふわふわとした感覚のまま、荷物をまとめ、バスに乗った。   幸い、家族の住む地元へは、高速バスを使えば2時間ほどで帰れる距離での生活だったため、すぐにここを発つことができた。   バスに揺られながらも、姉と連絡を取り合い、どういう状況なのか、どういった原因でおきた事なのか、意識はあるのか、命に別状は無いのか、聞ける限りの問いは投げかけた。   伝えられた内容によると、突然頭が痛いと悲鳴を上げ、倒れ、意識がなくなり、あまりの出来事に整理が追いつかず、救急車を呼び、病院に運び込んだ後に伝えられた症状が「くも膜下出血」との事。   どういった症状なのか。この時の自分は何も知らずにいたため、少しすれば良くなるだろうと何度も言い聞かせ、焦る気持ちを落ち着かせていた。   しかし、内容を調べていくにつれ、状況は想像していたものとは違い、まさに命の危機に瀕している状態だと言うことがわかっていった。   いつもは意識しないこの時間の流れも、この時だけは止まっているかのようだった。   そこから病院につくまでの記憶は正直無く、到着してから、母の意識が戻って言われた 「心配をかけてごめんね」この言葉だけが強く残っている。   この時 何故か自分は少しだけ怒ってしまった。何を謝っているのだと。少ない生存率の中、あんたは自分達のために帰ってきてくれたのだから、もっと喜べ、もっと笑ってくれと心底思ったから。   違う感情を出さないと、涙が隠しきれなかったから。   私はその時に改めて「母は強し」という言葉の意味が少しだけわかった気がした。   自身の最後の日が来るとして、その時に自分はどのような感情を一体、誰に与えているのだろう。いつも隣り合わせに座っている「最後の日」という現実に少しだけ向き合って、この曲は生まれた。   いつか訪れる「最後の日」 笑顔も泣き顔も共に溢れていれば 幸せだと自分は思います。 <ユアネス・古閑 翔平> ◆紹介曲「 私の最後の日 」 作詞:古閑翔平 作曲:古閑翔平 ◆1st Full Album『6 case』 2021年12月1日発売   <収録曲> 1.籠の中に鳥 2.アミュレット 3.色の見えない少女 4.日照雨 5.ヘリオトロープ 6.Alles Liebe 7.49/51 (feat.nemoi) 8.凩 (6 case ver.) 9.躍動 10.Layer 11.Bathroom (6 case ver.) 12.「私の最後の日」

    2021/12/06

  • 松本千夏
    「ばかみたい」は妹がインスピレーション。
    「ばかみたい」は妹がインスピレーション。

    松本千夏

    「ばかみたい」は妹がインスピレーション。

     2021年8月25日に、デジタルシングル「歌って」でメジャーデビューを果たした“松本千夏”が10月20日にデジタルシングル「ばかみたい」をリリースしました。彼女が4年ほど前に制作し温めていた楽曲。日々過ごす中で、とくに若年層が抱える“葛藤”や“生きづらさ”を綴った、シリアスなリリックに注目です。さらに、11月24日には「さえたろう」をリリース!    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“松本千夏”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾です。綴っていただいたのは、10月にリリースした新曲「 ばかみたい 」についてのお話です。彼女が2個下の妹を見て、歌詞を書いたというこの曲。その在り方に、自分が重なる方もいるのではないでしょうか。是非、歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください! 私には2個下の妹がいる。   踊ったり演じたり表現するのが好きで、動物に優しくて、料理がうまい。いつもお洒落な服を着て、どこか色気があって女っぽい。   だけども家族が知っている妹は、くだらないことですぐ笑って、くだらないことですぐ泣く。自分が好きなことには全力だけど、嫌いなことは一切やらない、というよりやれない。そして誰よりも負けず嫌いで、ストイックで熱い。   小さい頃、妹はよく、友達と遊びに行く私の後ろをついてきて一緒に遊んだ。おしゃべりな私とずっと一緒にいたせいか、妹は人見知りで、基本喋るのが苦手だ。   気に入らないことがあるとすぐ怒り喧嘩になる私とは逆に、妹は我慢して家で一人泣くタイプの人間だと思う。   昔から、悲しい時に悲しい、辛い時に辛いというのを人に言わず家まで持ち帰ってくる。なんでも家に持ち帰り心にしまい、私や母にも全然相談しない。それは多分、自分の感情を上手く言葉にできないんだと思う。そんな本音を押し殺して生きている妹を見て私が19歳の時に「ばかみたい」が生まれた。   あれから数年、妹は自分を表現出来る居場所を見つけた。それは舞台である。妹は舞台に立った瞬間いつも豹変する。あんなに不器用な妹が舞台では喜怒哀楽を表現してオーラを放っている。     日常で本音が喉に詰まって言えなくても、今ではそれをわかってくれる人が妹の周りにはいるし、妹にはちゃんと自分を表現できる居場所がある。   「ばかみたい」と思っていた世界は、「いつか変わってやる、私らしく生きていく」という気持ちと行動力で変えられる。   妹を見て沸いた歌詞である。 <松本千夏> ◆紹介曲「 ばかみたい 」 作詞:松本千夏 作曲:松本千夏 配信リンク:   https://chinatsu-matsumoto. lnk.to/bakamitai

    2021/12/03

  • 足立佳奈
    私のひとつひとつの思い出の中の「あなた」を想って作りました。
    私のひとつひとつの思い出の中の「あなた」を想って作りました。

    足立佳奈

    私のひとつひとつの思い出の中の「あなた」を想って作りました。

     2021年11月24日に“足立佳奈”がニューアルバム『あなたがいて』をリリースしました。前作『I』(読み:アイ)以来となるおよそ1年9か月ぶりのオリジナルアルバム。収録楽曲は、昨年リリースされた配信シングル「朝になったら削除します」をはじめ、「まちぼうけ」「キミとなら」「ノーメイク」「Film」を含む全12曲が収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“足立佳奈”による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、アルバム『あなたがいて』のタイトルに込めた想い。そして彼女がはじめて家族について歌った、「 2歳の記憶 」と「 ライオンの居場所 」についてのお話です。是非、歌詞と併せてお楽しみください。 シンガーソングライターの足立佳奈です。今年の8月でデビュー4周年を迎えることができて、歌える幸せを感じています。   LIVEが大好きで、みんなと直接会ってLIVEができなかったコロナ渦は、沢山不安な気持ちになって、、。会えないから、とても怖くなりました。きっとみんなもそうだったよね。   でもね!今は来年2022年に全国ツアーができること、本当に嬉しくてたまらないんです。色んなルールの中ででも、大好き人達に会える喜びは言葉ではあらわせないです。   曲を通して思いを直接伝えられること、ライブを通して私を知ってもらえること、本当に幸せです。みんな本当に来てほしいなぁ。よろしくお願いしますっ。   今回は、こうしてゆっくり話せる機会をもらえたので、11月24日にリリースした、私の3枚目のアルバム『あなたがいて』のお話をしたいと思います。   少し聞いてください^ ^   アルバムを『あなたがいて』と名付けました。というのも、コロナ渦で不安な毎日の中でも、今までを振り返る時間ができて、過去の辛い思い出も、悔しい思い出も、あったかい思い出も、大好きな思い出も、その全ての思い出があったから、今の私はココにいるんだなぁと思ったんです。私のひとつひとつの思い出の中の「あなた」を想って作りました。   中でも今回は、はじめて家族について歌った曲を2曲紹介します。   1曲目は、「 2歳の記憶 」。 アルバムの7曲目に収録している曲です。   みんなは、小さい頃にこれだけは鮮明に覚えてる!っていう記憶ありますか? 以前、見に行ったとあるLIVEのMCで、小さい頃の記憶のお話を聞いた時、私はお父さんの記憶だなぁと思ってこの曲を作りはじめました。大切な記憶です。   この曲が完成したことで、より温かくて特別な記憶となりました。昔のお父さんへの想いと、今だからこそ言える想い、曲を通して、嘘なく本音を打ち明けることができたんです。この曲がお父さんにも届いていると思うと、申し訳ない気持ちもあるけど、ずっともやもやして締め付けられていた心が解放された気がしたんです。   それぞれの家族の形があるから、作品にすることを躊躇した瞬間もあったけど、全てを打ち明けることでシンガーソングライターとして一歩踏み出せた気がします。     そしてアルバム11曲目に収録している曲、「 ライオンの居場所 」。 これは岐阜県海津市にいる家族に歌った曲です。   家族で動物園に行った時、ライオンをみました。その動物園のライオンと、実家に帰ってきた時の私、似てるなぁと思って書きはじめた曲なんです。   ライオンは、野生にいたら厳しい自然の中で大変だけど、動物園だったら守ってくれる人がいて甘えられる場所があります。私も岐阜に帰れば、いつも味方でいてくれる家族がいます。この曲を聞いて、家族の温もりを感じてもらえたら嬉しいです。     他にも今回のアルバムでは、たくさんの想いを込めています。「あなた」の日常の1ページに寄り添える歌が1曲でもあったら嬉しいです。私のアルバム『あなたがいて』は、手に取ってくれる「あなた」、こうして読んでくれる「あなた」がいて、やっと完成します。皆さん、どうぞよろしくお願いします。   最後まで読んでくれてありがとうございました。   <足立佳奈> ◆紹介曲 「 2歳の記憶 」 作詞:足立佳奈 作曲:足立佳奈 「 ライオンの居場所 」 作詞:足立佳奈 作曲:足立佳奈   ◆ニューアルバム『あなたがいて』 2021年11月24日発売   <収録曲> 01.なんかさ 02.This is a Love Story 03.Film 04.ロードムービー 05.おやすみ 06.キミとなら 07.2歳の記憶 08.ノーメイク 09.朝になったら削除します 10.まちぼうけ 11.ライオンの居場所 12.雨の日は ◆『あなたがいて』発売中! https://adachikana.lnk.to/ 3rdAL_anatagaite   ◆LIVE 「 ADACHI KANA LIVE TOUR 2022 ~あなたがいて~」開催決定   「 ADACHI KANA LIVE TOUR 2022 ~あなたがいて~」 2 月 26 日 ( 土 ) 東京・ shibuyaWWW 3 月 11 日 ( 金 ) 大阪・ umeda TRAD 3 月 12 日 ( 土 ) 石川・金沢 AZ 3 月 20 日 ( 日 ) 東京・ EX THEATER ROPPONGI 3 月 21 日 ( 月・祝 ) 札幌・ cube garden 3 月 27 日 ( 日 ) 宮城・仙台 MACANA 4 月 2 日 ( 土 ) 広島・ SECOND CRUTCH 4 月 3 日 ( 日 ) 福岡・ DRUM Be-1 4 月 8 日 ( 金 ) 名古屋・ DIAMOND HALL   詳しくはこちら: https://www. adachikana.com/live/

    2021/12/02

  • ヒグチアイ
    なにがしたくてここまで、そんなの上京3年目で消えたんだ。
    なにがしたくてここまで、そんなの上京3年目で消えたんだ。

    ヒグチアイ

    なにがしたくてここまで、そんなの上京3年目で消えたんだ。

     ヒグチアイが、9月から3ヶ月連続で新曲をデジタルリリース!2021年11月24日にリリースされたのが第3弾楽曲「やめるなら今」です。社会に出て、描いていた夢やなりたいものに向かって歩み出してから、誰もが直面する理想と現実。生まれる葛藤や挫折。その末に迫られる決断。人生の岐路に立つ方に、耳を傾けてほしい1曲となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作をリリースした“ヒグチアイ”による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け。今回が最終回です。綴っていただいたのは、新曲「 やめるなら今 」に通ずるお話。何度も音楽をやめたいと思う気持ちが現れながらも、今も続けているその理由とは…。是非、楽曲と併せて、このエッセイを受け取ってください。 ライブ前、鏡の前で前髪と服の皺を撫でていると、ふと「なんでこんなところにいるんだろう」と疑問が浮かんでくる。いやいやと首を振って考えないようにする。   大きな声を出すのが苦手で、友達とご飯をするときはなるべく静かそうな店を探す。バイト中、客席にコーヒーを運ぶと一瞬会話が止まる。「お待たせしました」とコーヒーを机に置く動作を見られているのがとても苦手だった。   そんなわたしが、なぜ、人前でライブをしているのか。それは、勘違いからだったと思う。   人前に出て何かをすることが得意で好きだと思っていた。22歳ぐらいまでは。だんだんヒグチアイと樋口愛は乖離していたのに、気付いていなかったときが一番辛かった。なにもかもがうまくいかなくて空回っていた。やりたい自分となりたい自分が普段のわたしとは真逆のところにいたから。   樋口愛としてステージに出てずっと緊張したままライブをするのはしんどかったし、それならと、どうにかしてヒグチアイに近付けようとしたけど、心が保たなかった。その頃から、やめたいと思う気持ちがよく現れるようになっていた。   やめたい、と、やめる、の間には大きな川が流れている。あちら側の世界に行ってみたら案外音楽のことなんか思い出さず生きていけるかもね。単純作業とかレジ打ちが好きだから、きっと生きていける。でも知ってしまえば、帰ってくることはできないと思う。人生はいつも一方通行だから。   わたしは、川を渡ることの恐怖心から、ずっとこちら側にいるのかもしれない。もしかしたらただの水溜りかもしれないその濁流をいつも眺めてる。眺めながら歩いてきたら、ここまで来てしまった。   未だによくやめたいと思う。衝動的なものではなく、カセットコンロのガスが切れるように、パチパチと音を立てながら、だんだんと火が小さくなっている。でも最近、気付いた。やめたいやつとやめたいのをなだめているやつが同時に存在している。その二人のわたしはきっとあの頃のヒグチアイと樋口愛だ。   「とかいっちゃってさ、結局やめないんでしょ? はいはいレーズンサンドでも食べて、ほら、明日からでいいからやるよ」って言ってる樋口愛がいる。濁流を眺めるヒグチアイの手を引きここまで歩かせて、【ご報告】の文章を作るヒグチアイのメモ帳を消して、もう何も書くことがないとゲームばっかりするヒグチアイのやる気を待つ樋口愛。   本当のわたしは才能なんかなくて、穏やかで、緊張しいで、人前が苦手で、アーティストに向いているとは思えない人間だけど、そのわたしがいなければ、やめたいわたしは勝手にやめていた。樋口愛はヒグチアイに憧れていて、ヒグチアイは樋口愛に助けられていた。なりたいだけだった私はいつしか、必要不可欠な存在になっていた。   なんだっていい、そのままでいい。わたしはわたしを認めてるから。きっとそんな風にして、続いていく未来を信じていける気がする。 <ヒグチアイ> ◆紹介曲「 やめるなら今 」 作詞:ヒグチアイ 作曲:ヒグチアイ

    2021/12/01

  • moon drop
    だから今日も君のせいで幸せな僕が居る。
    だから今日も君のせいで幸せな僕が居る。

    moon drop

    だから今日も君のせいで幸せな僕が居る。

     2022年1月19日に“moon drop”が1st Full Album『この掌がまだ君を覚えている』をリリース!キーボーディスト・SUNNY氏をプロデューサーに迎えた「水色とセーラー服」「リタ」など、ストリングスを中心としたバンドサウンド以外の音を巧みに組み合わせた意欲的な楽曲や、ライブハウスを中心に活動を続けてきたバンドの雰囲気がソリッドに表現された「君と夜風」など、全11曲のドラマチックなラブソングが収録されております。    さて今日のうたコラムでは、そんな最新作を放つ“moon drop”の浜口 飛雄也(Vo.)による歌詞エッセイをお届け。今回は第2弾。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 リタ 」のお話です。ただそばにいるだけで幸せを感じる、あなたにとっての大切なひとを思い浮かべながら、このエッセイと歌詞を受け取ってください。 なんとなく流れる雲と、 なんとなく流してるテレビと、 なんとなく流れてく日々に寄り添って なんとなく一緒に居る二人   部屋に散らばった洗濯物、 いつも着てるトレーナーが 二人のだらしなさを表しているみたい   この世で一番だらしないような気がしたけど それすらも気にならないほど 二人にとって輝いてみえた それで良かったし、それが良かった 「あの冬に初めて会った日のこと覚えてる?」 いきなり君が言うと、得意げに頷く僕 少し時間が経って、季節が変わって あの頃の二人を置いてきてしまったような ちょっぴり寂しい気持ちにもなるけど それすらこれからの一部なんだ あの頃から変わったこともあるけど、 それが二人の道のりになって この先も続いていくんだと思うと 嬉しくて、誇らしかった   まだ、今よりもっと遠くに住んでた頃 僕はずっと宙を歩いているようだった 甘いとも淡いとも違う 嘘か本当かでもなくてどこか透明な 会うまでの実感がない 掴めそうで掴めない 本当に君がこの地球上に 存在するのかどうかも疑うほど 恋にのまれていたんだと思う 明確な想いじゃなくても あの気持ちだけはずっと忘れないように 君もそう思ってくれたらな   高級で高いお店で食べる料理より お金の無い時の昨日の残り物のほうが 美味しかったのはきっと君のせいで 誰にも分からないようなことが可笑しくなって 転がったこともきっと君のせいで だから今日も 君のせいで幸せな僕が居る   何十年後の話は置いといて 今日だけ 今だけ側に居て 距離じゃなくて、頭じゃなくて、心の話 それをずっと続けていけたなら 二人の毎日はきっと輝く   君の涙を拭うのは僕に任せて 形に残る物やいくつもの思い出は未来の二人に任せて 何もなかったこの部屋から平凡を集めて 替えのきかない特別にしよう 見つめ合うだけじゃなくて同じ方向をみて 自分が自分であるために これから先もお互い様でいよう   思い返してみれば、僕のこれまでは なんとなくの積み重ねで出来ている そしてこれからも 二人の特別は あの日のくだらないから始まった   リタ   ずっと君のままで <moon drop・浜口飛雄也> ◆紹介曲「 リタ 」 作詞:浜口飛雄也 作曲:浜口飛雄也・坂知哉 配信URL: https://moondrop.lnk.to/rita 

    2021/11/30

  • 三阪咲
    「変わっちゃったのかな」と思う方もいると思うけど、全部が私。
    「変わっちゃったのかな」と思う方もいると思うけど、全部が私。

    三阪咲

    「変わっちゃったのかな」と思う方もいると思うけど、全部が私。

    2021年11月1日に“三阪咲”が4曲入り音源『I am ME』でメジャーデビュー!今作は「私らしく“今、歌いたい楽曲”を届けたい」というコンセプトのもと制作。タイトルは「私は私」という意味で、移り変わりの激しい時代の中でもジャンルレスかつ、自由に歌い、自由に音楽を楽しむ彼女のこれからを示す音源になっております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“三阪咲”による歌詞エッセイを3回に渡りお届け。今回が最終回。綴っていただいたのは、恋バナから生まれた収録曲「 Rollercoaster 」についてのお話。そして、これからのお話です。是非、歌詞と併せてお楽しみください! こんにちは、三阪咲です! 大阪出身、好きな食べ物はうどんとえんがわです!(笑)     この度、私、三阪咲は、 11月1日にメジャーデビューEP『I am ME』を デジタルリリースしましたっっ!   全4曲入りのEPで、 今、私が歌いたい曲、届けたい曲が ぎゅっとつまった作品になっています!     さて! 定番のごあいさつでスタートしましたが(笑)   『I  am ME』リリースのお祝いとして 歌ネットさんで三阪のコラムを 公開して頂いてきましたが あっという間に3回目。   今回が最終回となります…(涙)     最終回の今回は 「 Rollercoaster 」という曲について そして、三阪のこれからについて お話していきます!       まずは「Rollercoaster」!     この曲は、作詞をお願いした麦野さんと がっつり“恋バナ”をして 出来上がった歌詞です!     やっぱ“恋バナ”は盛り上がりますよね(笑)   きっとたくさんの人にも 「わかる!」って思ってもらえる 歌詞ができたと思います!   歌っていても、爽快感があって とても気持ちがよくて大好きな曲です!     実は…近々MVも公開されるのですが、 今まで見せていない特技(?)を 披露しているので、是非 注目してほしいです!(笑)       改めまして、3回にわたって 『I am ME』についてお話する機会を頂き そして読んでくれた皆さん ありがとうございました!!     『I am ME』は 新しい挑戦もたくさんできたし、 自信を持って「聴いてください!」と いえるメジャーデビューEPです。     「三阪咲、変わっちゃったのかな」と 思う方もいると思うんですけど 全部が私。     そんな想いをこめて『I am ME』というタイトルにしました。     私の進化していく姿を これからも見続けてほしいし 『I am ME』を通して、私のこの気持ちが ファンのみなさんに伝わるとうれしいです。     そして! 三阪にとって欠かせないのがライブっっ!!!     ステージは、私にとって とても大切な場所です。   これからもたくさんライブで皆さんに 私の歌を届けていきたいと思っています!     今は、全国モールツアーの真っ最中なので 是非、三阪の歌を聴きに 足を運んでくださると嬉しいです!     さらに!さらに!来年の3月6日には KT Zepp Yokohamaでの ワンマンライブが決定しています!     高校生のうちに Zeppのステージに立ちたいという夢を かなえることができたのは いつも応援してくれる皆さんがいるからです。     精一杯歌いますので 是非是非、是非!遊びにきてくださいっ!     それでは!またお会いできるときまで!     三阪咲でした! <三阪咲> ◆紹介曲「 Rollercoaster 」 作詞:Yui Mugino 作曲:Yanka Lena・Joe Lawrence ◆配信URL http://VA.lnk.to/vcOrPw   ◆「Saki Misaka "I am ME" MALL TOUR 2021」日程   ○12/5(日)神奈川県・グランツリー武蔵小杉 START 15:00 ~   ○12/11(土)愛知県・プライムツリー赤池 START 15:00 ~   ○12/12(日)埼玉県・アリオ川口 START 15:00 ~   ○12/18(土)東京都・アリオ西新井 START 15:00 ~   ○12/25(土)大阪府・セブンパーク天美 ※開演時間詳細は後日発表   『Saki Misaka One-Man Live 2022 at KT Zepp Yokohama』   日程:2022年3月6日(日)  会場:KT Zepp Yokohama 時間:開場16:00/開演17:00 チケット料金:全席指定4,800円(税込)1ドリンク別 問い合わせ先:キョードー横浜045-671-9911(月~金12:00-17:00)   https://eplus.jp/sakimisaka/

    2021/11/29

  • YONA YONA WEEKENDERS
    我々は今まさに3箇所のワンマンツアーの真っ只中です。
    我々は今まさに3箇所のワンマンツアーの真っ只中です。

    YONA YONA WEEKENDERS

    我々は今まさに3箇所のワンマンツアーの真っ只中です。

    2021年11月3日に“YONA YONA WEEKENDERS”が1stフル・アルバム『YONA YONA WEEKENDERS』をリリースしました。自らのバンド名を冠したアルバムは、メジャー・デビュー以降にリリースした「いい夢」、「Good bye」、「Night Rider feat. 荒井岳史(the band apart)」を含む10曲が収録されております。また、11月~12月にかけて、ワンマンツアー【1st Album『 YONA YONA WEEKENDERS』Release One-man Tour】も開催!  さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“YONA YONA WEEKENDERS”のドラム・小原"Beatsoldier"壮史による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回が最終回です。現在、ワンマンツアーを開催中の彼ら。このエッセイを読めばきっと行きたくなる、YONA YONA WEEKENDERSのライブの魅力について綴っていただきました。是非、今作と併せてお楽しみください! 3回に渡ってお送りしたこのコラムも今回で最後となりますが、アルバムは聴いていただけましたでしょうか。流石に3回目まで目を通してくれた人はきっと何回も聴いてくれていることでしょう。それとなく友人や家族に勧めてみるのもありです。同じ音楽が好きなだけでバイブスぶちあがり間違いなしです。   さて1回目のコラムでお伝えしましたが、歌詞の内容や曲のこだわりでビートソルジャーが語れることはほとんどありません。今日は実際にライブに行きたいと思えるようYONA YONA WEEKENDERSのライブの魅力について語らせていただきます!   我々は今まさに3箇所のワンマンツアーの真っ只中です。福岡四次元・大阪CONPASSと2公演終えたわけですが、ありがたいことに発売後早々にチケットはソールドアウト。さらに2回会場とも当日券を数枚出したのですが、発売時間には列を作って並んでいただき感謝感激の2日間でした。   中でも福岡はYYW初上陸というのにたくさんのお客さんに暖かく迎えていただき、ちょっとタバコ吸いに外に出たら写真撮ってくださいなんて…。10数年バンドをやっていて初めての出来事に照れ臭くなりながらも一緒に写真に映らせていただきました。   我々は元が青春パンクやメロコア出身のメンバーということもあり、昔はマイクもなしに叫んだり、ステージフロア関係なく暴れたり(主にキイチが)、気がついたら流血していたり(主にキイチが)、ライブ中にバーカンでお酒を頼んだり(主にキイチが)と、おしゃんCity Pop好きがその場に居合わせたら秒で帰るであろうタイプのバンドでした。   YYWは世間の認識だとCity Popバンド、もう少し広くいうと歌モノなので流石にそんなハードなライブはしません…。お客さんあってのライブでもあるので。でもステージにあがり、1音かき鳴らすと…出ちゃうんですね~抑えきれない衝動が(主にキイチが)。飛んだり跳ねたり(主にキイチが)、これぞバンド!!これぞライブ!!って感じのステージです。YYWのあの曲の感じでそんなって思うかもしれないですが、是非一度見に来てください。きっとクセになります。   それと関係しているのかわからないですが、日常で起こる良いことも悪いことも音に出てしまう、良い意味での「ムラっ気がある」バンドです。もちろん毎公演ベストなライブです。でも毎回違います。決して順当に生きてきたとは言えないメンバーの人間味溢れるライブがそこにあります。何回も足を運んでもらえるときっとクセになるポイントだと思うので是非遊びに来てください!   あとはそうですね…。なぜか最近ステージにビールが置かれています。いつからでしょうか、一人1本だったものが2本になりました。先日の大阪では最後の曲が終わりステージから降りたらさらに追加で1本ずつ用意されていました。仕事のできるスタッフ陣に支えられています。ライブハウスも今お酒を解禁しているところが多いと思うので、是非一緒に乾杯しましょう!   というわけで3回に渡り、こちらのコラムを読んでいただきありがとうございました。バンド初のフルアルバム『YONA YONA WEEKENDERS』最高のアルバムに仕上がっていますので、皆さんの日常のお供として長く聴いていただけたらと思います。そして是非ライブ会場で一緒に乾杯しましょう!その時までお元気で! < YONA YONA WEEKENDERS・ 小原"Beatsoldier"壮史> ◆「 YONA YONA WEEKENDERS 」DL&Streaming https://jvcmusic.lnk.to/YONA_ YONA_WEEKENDERS   ◆1st Full Album『YONA YONA WEEKENDERS』 2021.11.3 Release CD 1 枚組 ※初回版スリーブケース仕様 3,000 円(tax out) / VICL-65586 <Track List> M1. 思い出in the sky M2. 終電で帰ります M3. Open your eyes M4. リルバズ M5. Good bye  M6. 泡沫の夢 M7. いい夢 M8.Night Rider feat. 荒井岳史(the band apart) M9.Tick Tack M10. 光の中

    2021/11/26

  • 川村結花
    悲しみは悲しみのままでいい。チカラになんてしなくていい。
    悲しみは悲しみのままでいい。チカラになんてしなくていい。

    川村結花

    悲しみは悲しみのままでいい。チカラになんてしなくていい。

    2020年にCDデビュー25周年を迎えた、シンガーソングライター・川村結花。今日のうたコラムでは、その記念企画として2020年~2021年の2年を通じてのご本人によるスペシャル歌詞エッセイをお届けしてまいります!更新は毎月第4木曜。  シンガーソングライターとして活躍しながら、様々なアーティストへの楽曲提供も行い、ここ数年はピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている彼女。この連載でどんな言葉を綴ってくださるのでしょうか…!今回は第23回をお届けいたします。 第23回歌詞エッセイ:思いの正体 11月。大好きな月。そのせいか気のせいか、11月というのはなにかしらわたしにとって、意味のある大事な事や良き事が訪れる月だったように思います。   先日開催した1年10ヶ月ぶりのワンマンライブも11月13日。最高のバンドとともに久々にアンサンブルを奏でる事ができ、お客様もあちこちからいらしてくださり、とても幸せな1日でありました(いらしてくださった皆さま、あらためてありがとうございました!)。それに4年前、Darjeelingのおふたり(佐橋佳幸さん&Dr.KyOnさん)のプロデュースで、アルバムをリリースするなんていう素敵な事が叶ったのも2017年の11月。   そしてそして。音楽家になって初めて、自主制作というやり方でピアノと歌だけのスタジオ録音アルバムを制作&リリースしたのも8年前2013年の11月でした。タイトルは「private exhibition」。意味は「個展」。これは数あるわたしのアルバム(いや、そないにないか、、、)の中でも最も個人的で内省的な作品であると思われます。   その中の「 歌なんて 」という曲。この曲は書き上げるのに5年かかりました。というとえらい大仰に聞こえますが、本当にそれだけ要しました。理由はその表現したい内容というのが生まれて初めて自分の中に芽生えた思い、人生観が変わってしまったほどの思いだったからです。   その思いの正体が何なのか。この叫びは何なのか。それがわかるまでに書いては捨て書いては捨てを繰り返しました。勿論5年の間この曲だけを書いていた訳ではありませんので、時々取り組んではしばらく忘れて、の繰り返しだったのですが。そんなこんなで5年目のある日、ようやく時が満ちて心と言葉が一致したのでした。3拍子の旋律と共に。   歌なんて 歌なんて なんの役に立つものか 歌なんて 歌なんて ただの絵空事じゃないか   この2行は、わたしが齢41にして経験した大きな悲しみを表すに最も適したものでした。それまでのわたしは、悲しみというのは越えて行くものだと―、越えてチカラにしてまたひとつ強さを手に入れ生きて行くものなのだと―、そう信じ込んで大人になりました。乗り越えられない時は努力が足りないせいだ。と自分を責め立て叱咤しました。そうやって生きて来ました。その生き方しか知りませんでした。   それが41歳の時、今まで経験したことのない大きな悲しみに出会い、抗えど抗えど太刀打ちできず、音楽さえも聴く事ができなくなり疲れ果て塞ぎ込み、ついに「嗚呼もう無理だ乗り越えられない」と膝をつき降参したのでした。そして知ったのです。この世には乗り越えられない悲しみがあることを。またそれは乗り越えられなくても構わないということを。なにより乗り越えられない自分を許していいんだということを。   何を知ったカオをして わたしは生きて来たんだろう   まったくその通りでした。何をわかったような気で偉そうに歌なんて作って歌って来たのだろう。本当の悲しみも知らないで。なんと自分は傲慢であったのだろう。そのことに気づかされた時、わたしの人生観もがらっと大きく変わりました。そして。   信じられない悲しみは ある日私の一部になった 信じられない悲しみを 越えずとも抱きしめてゆけばいいと   ―これがわたしのたどり着いた答えでした。   乗り越えなくてもいい。抱きしめていてもいい。ずっとともに生きていたっていい。悲しみは悲しみのままでいい。チカラになんてしなくていい。   あの頃のわたしの状態を、もしかしたら絶望と呼ぶのかもしれないなあと最近思います。絶望と無力感の日々。それでもまた歩き出すことができたのは、悲しみを乗り越えたからではなく、ずっと悲しくたっていいんだと自分に許しを与えたからです。そんな生き方もあると知りました。そして今日もわたしは生きています。できない自分をできないと認めながら許しながら。   、、、なんだか重たいハナシになってしまいましたが、、、最終回を前にどうしてもこのことだけはお話ししておきたかったのでした。そう、次回ついにラストとなりますこのエッセイ。うわー。さびしいな。そんで、1年、早ッ。なのでせめて最後は思いっきりHappyなお話がしたいな。できるかわからんけど。ということで~、ではまた来月、最終回でお会いしましょう!   <川村結花> ◆紹介曲「 歌なんて 」 作詞:川村結花 作曲:川村結花 ◆プロフィール 川村結花(シンガー・ソングライター) 大阪府生まれ。東京芸術大学作曲学科卒業。1995年、アルバム「ちょっと計算して泣いた」でシンガーソングライターとしてデビュー。同時に作詞家作曲家として楽曲提供を行い、主な提供楽曲は、夜空ノムコウ(作曲)をはじめ2019年現在までに100曲以上。2010年「あとひとつ」(作詞作曲共作)でレコード大賞作曲賞を受賞。2017年、アルバム「ハレルヤ」をリリース。ここ数年は、提供楽曲の作詞作曲も行いながら、ピアノ弾き語りのLiveをコンスタントに続けている。 オフィシャルサイト: https://www.kawamurayuka.com ◆歌詞エッセイバックナンバー 【 第1回 】 【 第2回 】 【 第3回 】 【 第4回 】 【 第5回 】 【 第6回 】 【 第7回 】 【 第8回 】 【 第9回 】 【 第10回 】 【 第11回 】 【 第12回 】 【 第13回 】 【 第14回 】 【 第15回 】 【 第16回 】 【 第17回 】 【 第18回 】 【 第19回 】 【 第20回 】 【 第21回 】 【 第22回 】

    2021/11/25

  • moon drop
    夏休み中の僕らは画面越しでしか繋がれなかった。
    夏休み中の僕らは画面越しでしか繋がれなかった。

    moon drop

    夏休み中の僕らは画面越しでしか繋がれなかった。

     2022年1月19日に“moon drop”が1st Full Album『この掌がまだ君を覚えている』をリリース!キーボーディスト・SUNNY氏をプロデューサーに迎えた「水色とセーラー服」「リタ」など、ストリングスを中心としたバンドサウンド以外の音を巧みに組み合わせた意欲的な楽曲や、ライブハウスを中心に活動を続けてきたバンドの雰囲気がソリッドに表現された「君と夜風」など、全11曲のドラマチックなラブソングが収録されております。    さて今日のうたコラムでは、そんな最新作を放つ“moon drop”の浜口 飛雄也(Vo.)による歌詞エッセイをお届け。今回は第1弾。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 水色とセーラー服 」のお話です。画面越しで繋がる夏休み。君からの返信を待つ時間。そして新学期の不安と期待…。歌詞に描かれている物語と感情がより鮮明に伝わってくる歌詞エッセイを、是非、楽曲と併せてお楽しみください! 壊れかけた扇風機が刻む音と 麦茶に入った氷が溶ける音 僕を責めるように鳴くセミの声 カレンダーの空白に比例して大きくなるため息と一緒に今日を消費している   ただぼーっと 小さい部屋の冷たい床に張り付いて うなだれて君を待つ 夏休みの日の長さを恨むのは 後にも先にもこの夏だけだろうと思う   “君を待つ”といっても 実際に目の前に現れてくれるわけではない この長期休暇の楽しみといえば 君との何気ないLINEの会話だけだった スマホの振動に飛び起きてはため息をついている 完全に操り人形、踊らされている 笑える そう、夏休み中の僕らは 画面越しでしか繋がれなかった 費やす日々と、積もる想い それほどに君色に染まっていた   新学期 いつもの通学路 錆びついた自転車を漕ぎながら 差し込む日差しを睨んでいた 君との下校の約束 待ち望んだ今日のはずなのに 不安と期待が入り混じって家に帰りたい   終業のチャイムが校内に響く 日焼け止めの匂い 黒い髪とセーラー服 いつも通り、いや、いつも以上に光って見える君が 僕の想いなんてそっちのけで平然と僕の前に立っていた   「待った?」 の一言に得意げに首を横に振る 泳ぐ目に気付かれないように 心動が伝わらないように ゆっくりと二人並んで歩く 出来る限り歩幅を合わせて 近すぎず遠すぎず 君のペースで進んでいく さっきまでの余裕なんて忘れ去ってしまった僕に 「乗せてよ」 自転車を指差して君が言う   君を後ろに乗せたまま 風を切って坂を下る ガードレールを追い越して揺れるスカート 流れる汗となびく髪 加速する車輪と恋心   君を降ろして手を振った   「またね」   差し込むオレンジと心拍数 あの長い休みの間ずっと思ってたこと きっと涼しい顔をして伝えられないけど 眠る前に思い出すのが僕じゃなくても この夏が終わる前にどうしても言いたいことがある   ゆっくり二人を近づけるように そっと吹いた暖かい夏の風に押されて君を抱きしめた もうどうにでもなれと思った 全部夏のせいにしたかった 欲を言えばもう少しこのままで もう少し君の近くへ   日差しの強かったあの日 そっと暖かい風が吹いて 僕らは水色の恋をした <moon drop・浜口飛雄也> ◆紹介曲「 水色とセーラー服 」 作詞:浜口飛雄也 作曲:浜口飛雄也・坂知哉 配信URL: https://dto30.lnk.to/ mizuiro   

    2021/11/24

  • CHIHIRO
    好きな人には恋人がいた。私はそれを知ってて好きになった。
    好きな人には恋人がいた。私はそれを知ってて好きになった。

    CHIHIRO

    好きな人には恋人がいた。私はそれを知ってて好きになった。

     デジタル時代の恋愛ソングのカリスマとして、女性から圧倒的な支持を得るシンガーソングライター“CHIHIRO”が『失恋セラピー三部作』としたデジタルシングルを3ヶ月連続でリリース!恋愛迷子になってしまった女性に向けた恋愛処方箋となるような楽曲たち。2021年9月15日には、第1弾配信シングル「もうByeBye」をリリース。10月20日には、第2弾配信シングル「後悔のまえに」をリリース。11月17日には第3弾配信シングル「恋人ごっこ」をリリースしました。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“CHIHIRO”による歌詞エッセイを3ヶ月連続でお届け!今回は第2弾です。綴っていただいたのは、新曲「 恋人ごっこ 」のお話です。恋人みたいだけど恋人じゃない。好きになった人は好きになっちゃいけない人だった。叶うことのない恋をしているあなたへ。このエッセイと歌詞が届きますように。 私の好きな人には恋人がいた。 私はそれを知ってて好きになった。   君に自然に必然に魅かれていった。 君も私にそうだった。 分かっていても気持ちが止められなかった。 どうしてこんな出会いを 神様は与えたんだろう。   剥がれそうになっていた張り紙に 立ち入り禁止って書いてあった。 なんとなく見ないフリをして進んだ。 剥がれちゃえばいいのに とさえ思ったりした。     誰もいない道で 重なる手と手なんだか切なかった 触れちゃいけないものが多すぎて辛かった でも君といると優しい好きが心纏い幸せだった   一緒にいる時間は幸せと辛いが行き来して 帰り道にいつも涙が溢れそうになってた。 ふと見上げた空に滲んだ月は すごく綺麗でぐしゃぐしゃな感情になった。     どうしてこんな旅路選んだ ただね分かって欲しいのは どこで出会っても 荷物を下ろして あなたの元に飛び込むでしょう   分かってる。 きっとどこで出会っても きっといつ出会っても 君に恋をしてたんだと思う     恋人がいるのに 好きになってごめん 邪魔したいわけじゃない ただ会いたかった ここが好きだった 夢みたいだった 綺麗事ってちゃんと分かってる   これも分かってる。 ここにいちゃいけないことも。 手放さなきゃいけないことも。     まるでシンデレラI say I'll be going 時間がくればさよならしなきゃね 魔法が解けてもここにいたいよ なんて願いは叶わないよね 探されることないガラスの靴は 粉々にね割れるのでしょう   よく小さい頃おとぎ話に憧れた。 私は可愛いお姫様になって 素敵な王子様と結ばれるって 当たり前に思ってた。   絶対ハッピーエンドで 絶対幸せになってるって信じてた。   「ねぇ、私彼女にはなれないかな?」   目の前にいる王子様に聞いてみても 嬉しい返事はいつも来なかった。   私のガラスの靴なんて拾われるこもなく 探される事もないんだと思う。 誰かに踏まれて割れると思う。   もう、私は行くね。 もう、行かなきゃね。   ガラスの欠片と壊れた心を 鞄にそっとしまって私は歩かなきゃ。     さよならできない心が弱い でも戻るね 元の場所に 幸せになって 幸せになる   本当はね恋人ごっこじゃなくて 恋人になりたかったんだよ。   ありがとう、 幸せになるね。 <CHIHIRO> ◆紹介曲「 恋人ごっこ 」 作詞:CHIHIRO 作曲:CHIHIRO

    2021/11/22

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