思いついたキャッチフレーズは「パンクイズフォーク」

ガガガSP
思いついたキャッチフレーズは「パンクイズフォーク」
神戸を代表する青春パンクバンド“ガガガSP”が、2022年1月19日にニューアルバム『THEガガガSP』をリリースしました。結成25周年イヤー開幕となる通算12枚目のオリジナルアルバム。最新シングル「ロックンロール」「これでいいのだ」という2つのバンドアンセムを軸に、自由度高く多彩で痛快な爆音のパンクロックを詰め込んだ全8曲を収録! さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ガガガSP”のコザック前田による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第1弾。綴っていただいたのは、結成25周年を迎えた彼らが今のスタイルを築き上げるまでのお話です。2人組フォークユニットからスタートしたその軌跡とは…。 この歌ネットのコラムを読んでる人達は若い層の方々が多いのかな? はたまた結構中年から上の人たちが多いのでしょうか? 去年の12月8日に結成して25年目を迎えました「ガガガSP」というバンドのボーカルをしていますコザック前田というものです。 バンド名を見て「おっ!なんか聞いたことがあるぞ」と思う人や「懐かしい!」という感想を持つ人がいましたら人生の脂が乗りきっている30代後半の人が多いかもしれませんね。今回は第一回目ということでバンドの紹介をさせて頂こうかなという所存であります。 1997年に神戸で2人組のフォークユニットとして活動を開始しました。当時は「ゆず」や「19」などストリートからデビューするアコースティックブームだったので街中には路上ミュージシャンで溢れかえっている状況でした。そこの中でたいしてギターも弾けない2人がただ目立ちたい一心で路上に出て演奏をしていました。 全く人も立ち止まってくれることもなく、考えた末に「焚き火をしたら火を目当てに人は集まってくるだろう」と駅前で焚き火をして案の定怒られて始末書を書かされたり(始末書だけで済んだというのも時代ですな)まあうだつの上がらない日々を過ごしていたんですが、世の中こういう訳のわからない人間を見てる人もいるもので、地方の求人誌に「街のパフォーマー」として掲載してもらったりしました。 それに気分を良くして、こういうアホなことをして怒られないのはライブハウスじゃないのだろうか!? と思い立ち、活動をライブハウスに変えました。路上では怒られるけど、ライブハウスは何しても大丈夫という間違った考えでライブハウス進出したのですが、いざ出てみると不評不評の嵐(笑)。 ライブハウスは90年代の終わり頃は3ピースの英語歌詞のメロコアの大ブーム。みんなみんな英語で歌っているところにどうやって入っていこうかと思考錯誤した末に、「よし!僕らもバンドにしよう!」ということになりメンバーをなんとかかき集め4人編成のバンドになります。 4人編成のバンドになるまではグループ名も「ガガガ」だったのですが、バンドでスタジオに入ると他のメンバーが凄く演奏が上手いと感じて「これはスペシャルメンバーだな」と「ガガガSP」という名前に変えました。 そこからメロコアのイベントやガレージのイベント、ハードコアやスキンズの企画などにも出演したりして楽しかったのですが一体自分たちが何をしたいのかがわからない状態でした。英語も歌う事できないし、そんなハードコアをやるような技術もリズム感も持ち合わせてはいない。 そこでやっとこさ考えついたのが、路上でやってた頃のフォークソングをパンク調にして歌う事でした。吉田拓郎がパンクになったらどうなるんだろう!? 友部正人は!? 高田渡は!? 泉谷しげるは想像がつくな(笑)みたいな感じでフォークソングは比較的コードも簡単な曲が多く、パンクにうってつけだなと感じたのです。 その頃、僕自身も髪の毛を剃って丸坊主にしてハンチングを被るようになり(これはスキンズの影響)足元だけは雪駄にして今のスタイルが確立されていきました。そして思いついたキャッチフレーズが「パンクイズフォーク」まさかその後20年以上もそのスタイルをやり続けるとは思いませんでした。その後時代は日本語パンクブームになって自分たちも少し世の中に出て行ったりすることになるとは夢にも思いませんでした。 そんな少し世の中に出たのももう20年前の話。大昔の今のスタイルになるまでの話を今回はしましたので、次回は最近のガガガSPの活動や曲の話をしていきたいと思います。もう今年43歳になるおじさんの回顧録でした。 <ガガガSP・コザック前田> ◆12th ALBUM『THEガガガSP』 2022年1月19日発売 OSRCD-017 ¥3,080(税込) <収録曲> 1.これでいいのだ 2.oiの中の蛙 3.妄想天国 4.やはり素晴らしきこの人生 5.ニートザンス 6.奮闘努力節 7.ロックンロール 8.遠い遠い