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  • あたらよ
    詩は祈り。
    詩は祈り。

    あたらよ

    詩は祈り。

     2022年3月23日に“あたらよ”が、1stアルバム『極夜において月は語らず』をリリースしました。今作には、MVの再生回数3200万回を突破した初のオリジナル曲「10月無口な君を忘れる」、『THE FIRST TAKE』に出演し披露された「夏霞」、揺れ動く歪な女心を繊細かつポップなメロディーで表現した新曲「悲しいラブソング」など、悲しみを繊細な歌声とエモーショナルなバンドサウンドで表現した全11曲が収録されております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“あたらよ”のひとみ(Vo&Gt)による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、歌詞に対する向き合い方のお話です。感情を表に出すことが苦手だった彼女が、自分の内側にある感情に目を向けるようになったきっかけとは。そして、そこから生まれた楽曲と歌詞の変化とは…。今作の歌詞と併せて、エッセイをお楽しみください。 皆さんこんにちは、あたらよのVo./Gt.のひとみです。   今回、歌詞エッセイのお話を頂いた時に何を書こうか迷ったのですが迷った挙句、今回は私の詩に対する向き合い方についてお話しようと思います。   あたらよというバンドは東京を中心に活動する4ピースバンドで、「悲しみをたべて育つバンド」と、紹介される機会が多々あるのですが、これには私の綴る詩が深く関係していると思います。   私が作詞する上で餌にしている感情は、簡単に言ってしまえば喜怒哀楽の“哀”の部分なのです。曲によっては“怒”を入れることもあるのですが、結局は怒りを超えた先の哀しみについて触れているので、やはり表現したいのは“哀”なのだと思います。   何故、ここまで“哀”の感情に拘るのかと言うと、実は自分でもよく分かっていないのですが、一つ明確なのは私にとって“詩は祈り”だということです。私は基本よく喋るタイプではあるのですが、肝心な本音は心の内に隠してしまうことが多いのです。それ故に、抱え込んだ気持ちに押しつぶされそうになる日々も沢山ありました。そんな日々を生きる中で私が見出した唯一の希望が「詩」だったのです。   それまで感情を表に出さない、当たり障りのない詩を書いていた私は、ある日を境に自分の内側にある感情に目を向けるようになりました。その日は確か、ある人に沢山傷つけられ泣きながら帰ってきた夜でした。冷えきった部屋で一人、暖房もつけずにソファーに座って、おもむろに手にしたギターを泣きながら夢中でかき鳴らしました。寒さも忘れるほど無心でした。   あれは間違いなく、私の心の中にあるストッパーのような何かが外れた瞬間だったと思います。これは逃したらいけない!と思い、溢れてくる詩とメロディをスマホのボイスメモに録音しました。そうして完成したのが、今ではあたらよの代表曲ともなった「 10月無口な君を忘れる 」という曲です。   この曲を作り終え、心の中のモヤモヤが綺麗に浄化されたのを実感した時、「あぁ、私が書きたかったのはこういう詩なのかもしれない」と気付きました。私にとってこの曲は、触れたくない、本当は目を背けたくなる感情に敢えて触れることで、痛いんだけれども、逆に言ってしまえば痒いところに手が届いたような感覚にもなる不思議な曲です。   あたらよの楽曲の特徴としてよく話題に上がる「共感性が高い」というのは、こういった“触れてほしくないけど本当は、、、”みたいな感情を私自らが引き出して歌っているからこそ生まれる意見なのかなと思います。   普段は本音を隠してしまう私だからこそ、詩でなら言えることもある。逆に詩だからこそ伝えられるものがあると思います。そしてそれは私にとって“こうありたい”、“こうあってほしい”といった祈りに近いものでもあります。   だからきっとこれからも私は私のために詩を書き、祈り続けます。そしてそれが、曲を聴いてくれた名前も知らない誰かの心に寄り添い、日々を生きる上での少しばかりの希望にでもなれば嬉しいです。 <あたらよ・ひとみ> ◆紹介曲「 10月無口な君を忘れる 」 作詞:ひとみ 作曲:ひとみ ◆1st アルバム『極夜において月は語らず』 2022年3月23日発売   <収録曲(全11曲)> 01.交差点 02.夏霞 03.極夜 04.祥月 05.「知りたくなかった、失うのなら」 06.悲しいラブソング 07.嘘つき 08.outcry 09.52 10.10月無口な君を忘れる 11.差異

    2022/03/23

  • LEGO BIG MORL
    薪をくべろ。
    薪をくべろ。

    LEGO BIG MORL

    薪をくべろ。

     2022年3月16日に“LEGO BIG MORL”が、ニューアルバム『kolu_kokolu』をリリースしました。このアルバムは、バンドの結成15周年を記念した、メジャー復帰第1弾作品。昨年配信リリースされた「潔癖症」「愛を食べた」のリマスタリング音源、新曲8曲の全10曲が収録されております。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“LEGO BIG MORL”のタナカヒロキによる歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第1弾です。何度も鎮火しかけ、そのたびに息をふきかけ、薪をくべ続け、決して絶やすことのなかったLEGO BIG MORLの炎。結成15周年、そしてメジャー復帰のタイミングの今、その軌跡と想いを明かしてくださいました。 何度も鎮火しかけたことがある。   僕はLEGO BIG MORLというバンドでギターと作詞をしているタナカヒロキです。このバンドは結成15周年を迎えた。バンドというのはその中にある炎みたいなものがその時々によって強さが違うとは思う。   デビュー当時なんて轟々と燃え盛っていただろうし、何かの要因で上手くいっていない時はパチパチと火は小さくなったりもする。しかし火だけは絶やしてはいけない。僕らには火が消えそうな時が何度かあって、その度に鎮火しそうな微かな火にフーフーと息を吹きかけたり薪をくべた。   僕は何年か前に大きなバイク事故を起こした。ICUに入るほどの怪我でも意識があったことが何よりも辛かった。右手は複雑骨折し、先生にも前のようにギターが弾けるかもわからないと言われた。   一般病棟に移った僕のPCには数曲のデモがメンバーから送られていた。彼らは薪をくべてくれたのだ。もうダメかもしれない、もう消えてしまうかもしれない、そう思う僕の小さい火に優しい息を吹きかけ薪をくべた。病室で片腕だけで歌詞を書いた。ラッキーなことに僕は文字を書くのは左利きなもんで。   その数年後、ドラムが脱退した。メンバーチェンジや脱退を繰り返すバンド。それもいい。しかし僕らは10年以上をその4人で音を鳴らした。その関係性を疑ったことが微塵もなかったので精神的にも、音楽的にも欠けてしまったものが確実にあった。それでも続けると決めた僕らは強がりでも演技でも大丈夫と言い合い、表に出れば前向きな言動をした。裏では泣いているメンバーがいても人生は進む。   火を起こすには3つの要素が必要らしい。偶然にもそれは今の僕らLEGO BIG MORLの人数と同じ。点火源、可燃物、酸素。僕らは3人になり、代わる代わるその立ち位置を変え、誰かがその3つのどれかになり火を絶やさず薪をくべた。   そのトライアングルは三位一体となり、2022年大きな炎となる。結成15年のバンドが再メジャーデビューするのだ。炎はメラメラと揺れる。その火はあまりにも清潔だ。    全員で金を出し合って買ったボロい車が大阪ドームの近くでガス欠を起こした。誰かがガソリンを買いに、誰かがハンドルを握り、誰かが車を押した。懐かしいその思い出さえも薪をくべる行為。   僕の事故の時に音楽を止めなかったことも、メンバーの脱退時に表では無理やり前を向いたことも。あの大阪のスタジオで初めて音を鳴らした瞬間についた火は、15年という時を経てもまだ確実に僕らを熱くする。   火が燃え続けるには3つの要素以外にもう1つ要素が必要らしい。それは点火源、可燃物、酸素に加えて酸化の連鎖反応。燃焼の継続というらしい。    それってこれを読んでくれているあなたですよね?  そうですよね?    顔も名前も知らないあなたが僕らを燃え続けさせてくれていると断言させてください。昔は聴いていた、どこかのタイミングで嫌いになった、最近好きになった。 何だっていい。 あなたさえも取り込んで僕らはまた大きな炎になる。 <LEGO BIG MORL・タナカヒロキ> ◆New Album『kolu_kokolu』 2022年3月16日発売   <収録曲> 1. ラブソングを聴いてしまった 2. Hello Stray Kitty 3. 潔癖症 (Remastered version) 4. 心とは~kolu_kokolu~ 5. Gradation~多様性の海~ 6. 痛い春 7. アソビ 8. 愛を食べた (Remastered version) 9. 分かつ 10.タイムマシン

    2022/03/22

  • 優河
    あなたがいま暗闇の中にいて、手探りで何かを探しているなら。
    あなたがいま暗闇の中にいて、手探りで何かを探しているなら。

    優河

    あなたがいま暗闇の中にいて、手探りで何かを探しているなら。

     2022年3月23日に“優河”がニューアルバム『言葉のない夜に』をリリース。タイトルには、アルバム制作に費やしたこの2年の想いが込められております。聴くものの心を震わせる唯一無二の歌声と、紡ぎ出す心象と心情の描写で織りなす世界観が高い評価を得る彼女。ドラマ『妻、小学生になる。』主題歌「灯火」も大きな話題に。    さて、今日のうたコラムでは、そんな最新作を放った“優河”による歌詞エッセイを3週連続でお届け。今回は第1弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 灯火 」に通ずる想いです。大切なひとが目の前からいなくなってしまったあなたへ。苦しみや悲しみ、寂しさを抱えているあなたへ。暗闇の中、手探りで何かを探しているあなたへ。このエッセイと歌詞が届きますように。 大切なひとが目の前からいなくなってしまったらかなしい。 触れられないことが、抱きしめられないことが、 すぐそばにいられないことが、苦しくて寂しくて、胸を締め付ける。   悲しければかなしいほど、ゆっくり時間は進んでいく。 止まっているのかもしれないとすら思う。   けれどもそんな時間の流れのなかで、少しずつ見える景色は変わっていく。   ずっと暗闇だと思っていた夜は白み、太陽の気配が浮かぶ。 苦しみを抱えて固くなっていた心は少しずつ溶けて、解けていく。   地平線を割って生まれる陽の光が、生い茂る葉のすきまを縫って私たちの手もとに届く。 閉ざしていた窓やカーテンは光を追い出しきれずに私たちの足元を照らす。   そのひとがくれた時間や愛情、言葉や喜び優しさは温もりの中だけに留まらず、 私たちの肌に身体にきっと染み込んでいるのだと思う。   私たちはそれらを絶対に失くすことはない。   たとえ一つひとつを思い出せなくなることがあったとしても、 それらはいつの間にか身体から抜けて落ちてしまうようなものではないから。   あなたがいま暗闇の中にいて、手探りで何かを探しているなら、 その手を自分の身体に回して欲しい。   ほんとうに大切で大事なものは、もうすでに十分そのひとから受け取っているのだから。 <優河> ◆紹介曲「 灯火 」 作詞:優河 作曲:優河 ◆ニューアルバム『言葉のない夜に』 2022年3月23日発売   <収録曲> 1.やわらかな夜 2. WATER 3. fifteen 4.夏の窓 5.loose 6.ゆらぎ 7. sumire 8. 夜明けを呼ぶように 9. 灯火 10. 28

    2022/03/18

  • ENVii GABRIELLA
    ずっと、人並みの恋愛がしたいと思ってた。
    ずっと、人並みの恋愛がしたいと思ってた。

    ENVii GABRIELLA

    ずっと、人並みの恋愛がしたいと思ってた。

     2022年3月9日に“ENVii GABRIELLA”が、メジャーデビュー1stミニアルバム『Metaphysica』(読み:メタピュシカ) をリリースしました。アルバム名は、曲を聴く人によって、様々な角度からメッセージを受け取ることができる、“様々な視点で捉えていく”というメッセージ。“meta”とは“変化”を意味する言葉であり、そのタイトルのとおり、まったく違った音楽性をもった曲たちが『Metaphysica』を彩っております。    さて、今日のうたコラムでは、最新作を放った“ENVii GABRIELLA”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 Finally Found You 」に通ずる想いです。自分のことを嫌いになった時期もある。卑屈に人生を諦めていた時期もある。それでも、そんな自分と一緒にいてくれて、大切なことに気づかせてくれた<あなた>への手紙…。歌詞と併せて受け取ってください。 あなたへ   恋人として一緒にいられる確率について考えたことある?   あなたと付き合うことになって、一緒に過ごすようになって、色んなことがあったよね。初めてデートした日、食事をしながら、二人きりが初めてだという気がしないくらい沢山話をして、そして日に日にあなたが大切になった。   どんな恋人だって、付き合い出す初日から、深い想いを抱くことはないと思ってる。ずっと片想いして、やっと両思いになったとしても、お互いを慈しむ気持ちは、日に日に育つものでしょ?   楽しい事だけじゃなかった。だって、こんなに違いすぎる。考え方も、生活リズムも、職業も、生き方も。まぁいいやと想ったことが、あなたにとってはきっちりしてないと気が済まないことだったり。ちゃんと話したいことが、あなたにとって面倒なことだったり。   ある晩、「めんどくさい」って言われたことを今でも覚えてる。ちょっと不機嫌になってしまった時に、そう言われたんだけど。その時に、「二人の考え方が違うんだからめんどくさくてもちゃんと話をしようよ」って言った。   あなたは、「もういい大人だから、自分を変えることはできない」と言っちゃうような人だったのに、今では面倒な話でも、喧嘩になりながらも、ちゃんと受け止めて話をしてくれるようになった。   クリスマスプレゼントを買って渡した時、「俺はそういうことしないし、何もあげてないのに」とちょいと困惑してたよね。でもね、毎日貰ってるよ。色々。   電話してくれるでしょ。頑張ってねって言ってくれるでしょ。仕事で煮詰まってる時は、ほっといてくれる。色々やってあげた時は、ありがとうって言ってくれる。それから、一緒にいてくれる。   ずっと、人並みの恋愛がしたいと思ってた。   物心ついた時から、「好きだな」とか「嫉妬の対象」が、世間でいうところの普通とはずれてるなって感じてた。男の子のことをかっこいいと思ったし、女の子をみて羨ましいと思ったりしました。女の子になりたいと思ったことはなかったけれども、なんだか自由だな。と感じてた。   きっとそれは、「あの男の子かっこいよね!」「あの少女漫画感動するよね」などとキラキラと話しては盛り上がっている世界。思春期になった時、周りに「彼氏・彼女」なんてものが出てき始めて、「自由に告白して付き合って」と言うことができるみんなが羨ましかったんだと思う。疎外感と、嫉妬心、馴染めないし馴染みたくない複雑な感じ。   「ゲイ」だとか「LGBTQ」なんてない時代に子供時代を送ったけど、そんな全ての感情の一応の答えを見つけるのは、高校に入った頃だった。自分という生き物の正体と「ゲイ」という名称が合致した時。ヘテロセクシャルよりも、出会いの数も少ないマイノリティが、好きな人と恋人になる確率なんて人生全部使っても叶うかどうかなんじゃないかなって思ってた。   あなたと知り合う前にも、色んな人と付き合いをしてきた。それは楽しいこともあったし、色々。幼い恋愛をしてた時もあるし、勢いで付き合ってた時もあった。憧れていた「恋愛」というものを追い求めていた気もする。   そして、あなたに会った時、全てが報われた気がしました。あなたが笑いながら話しかけてくれている時、例えこの人といつか別れることになろうとも、今この瞬間をずっと待っていたんだと思いました。   そのくらい、あなたは「普通」をくれた。普通にデートして、普通に夜電話して、普通に喧嘩して、普通に日曜日をだらだら一緒に過ごす。普通にどうしようもない格好でコンビニに一緒に行く。それがどんなに幸せなことだか、言葉にできないのが悔しい。   あなたと一緒にいることで、気づけたことがある。ずっと卑屈に人生を諦めてたんだなって。自分のセクシャリティに、人生に、見た目に、いろいろなもののせいにして、目の前が曇っていたんだなって思った。ゲイだなんだって、関係ない。自分を受け入れてなかったんだなって。     恋人として一緒にいられる確率について考えたことある?   ある日、自分が起こした行動の先にあなたが居た。 そして惹かれあって恋人になった。   あの時出会った二人が同じセクシャリティだった。 この確率。   それぞれのお父さんとお母さんが知り合って、 同じ時代に二人が生まれた。 両親が出会う確率。   両親が日本に住んでいて東京に住んでた。 そして自分も関東に居る。 あなたも日本に住んでいて東京にいた。 この確率。   二人とも人間だった。 この確率。   それは誰にでも当てはまる事。   きっと、今の性別で生まれて、相手が恋愛対象として合致する性別である確率は、誰もが背負っているよね。羨ましいなと眺めていた友達カップルだって、彼らが男だったから、女だったから叶った出会い。起こした行動で出会わなかったかもしれなかった可能性。それは友人でも、家族でも誰でも、今の自分を形成する全てが揃っていないと成り立たない出会いだと思う。   あなたに書いたこの曲で「セクシャリティ」とワードにして歌っているのは、自分たちが「セクシャルマイノリティ」だからってだけじゃなくて、全ての人が「生まれついた自分」で、最後には幸せを掴むことができる可能性がある、そしてその無数の可能性の中であなたと出会えたということが伝えたかったから。   幼い頃に、成長途中で、人生で大事な時期にどんなに自分のことを嫌いになったとしても、時の流れの中で、自分を受け止めて、見つめて、受け入れた先に、待ってくれている何かがあるはず。そう思わせてくれたあなたに。   私が私であること。 あなたがあなたでいてくれたことに ありがとう。     注)この手紙はフィクションです。実際の人物や団体とは関係ありません。 ◆紹介曲「 Finally Found You 」 作詞:souljuice 作曲:souljuice   ◆ミニアルバム『Metaphysica』 2022年3月9日発売 https://lnk.to/Metaphysica   <収録曲> 1.Finally Found You 2.Cabaret 3.Ride/Reboot 4.Sorry Not Sorry 5.Dystopia 6.女優(仮) 7.Moratorium 8.ハッピーハッピーウェイウェイドンチー

    2022/03/17

  • 杏沙子
    女の子には、ある呪いがかけられている。
    女の子には、ある呪いがかけられている。

    杏沙子

    女の子には、ある呪いがかけられている。

     2022年3月2日に“杏沙子”が、mini Album『LIFE SHOES』をリリースしました。長所と短所、裏と表、理想と現実、生きていくうえで誰しもが抱えている矛盾を左足と右足に例えた今作。時に立ち止まり考えながらも、前に進み続ける全ての人に、毎日の一歩を助けてくれるお気に入りのシューズになるような作品でありたいという想いが込められております。    さて、今日のうたコラムでは、最新作を放った“杏沙子”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回が最終回です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 女の子にしてよ 」のお話。いつも女の子の胸の内にあるとある呪い。時に、恋人がいるときのほうが強くなる呪い。「女の子として、もっと愛してほしい。」そんな想いを抱えているすべての方に、この歌詞とエッセイが届きますように。 女の子には、 ある呪いがかけられている。   そして、多くの女の子が その呪いに苦しまされている。   わたしもその中の1人だ。     痩せなきゃ。 おしゃれしなきゃ。 メイクしなきゃ。 かわいくいなきゃ。 綺麗でいなきゃ。   誰かに指示されたわけでもないのに、 どこからか聞こえてくる声。 その声に従わないと、自分の価値が なくなってしまうんじゃないかという恐怖。 自分のためだけにやっているつもりでも、 突き詰めてみれば、 誰かの目を意識したその声に 無意識のうちに支配されていたりする。   女の子として、愛されたい。 女の子として、求められたい。 女の子として、幸せになりたい。   本能に近い、願いであり、呪い。 解ける日は、いつか来るのだろうか。   恋人ができれば、 わたしのことを愛してくれる人がいれば、 そんな呪いは解けていくのかな、 なんて昔は思っていた。 でも、そんなことはなくて、 長く付き合えば付き合うほど、 いわゆるマンネリや倦怠期とか言うやつで なくなっていく言葉や行動に、 どうしようもなく虚しくなった。 むしろ、恋人がいないときよりも、 その呪いは強くなった気がした。   別にそれがすべてじゃない。 冷めたとか、 愛がなくなったわけじゃない。 むしろパートナーとしての絆は 深まっていくし、 悪いことばかりじゃない。   でも、捨てられない。譲れない。 女の子として、愛されたい気持ちは。 呪いから逃れられないのだ。 そして、その呪いは 恋人にしか解けないのだ。   「女の子として、もっと愛してほしい。」 そんなことは言えるわけもなく、 例え言えたとしても、 お願いしてもらった愛ほど虚しいものはない。   だからまた、 かわいくいなきゃ。 綺麗でいなきゃ。 の声が大きくなっていく。   この呪いが完全に解ける日がいつか来るのなら、 そのとき女の子は幸せになれるのだろうか。 そんなことを考えながら、 「女の子にしてよ」を書いた。   その答えはまだわたしにもわからない。   けれど、 「女の子にしてよ」と ただ1人に対して強く思ったことは、 そのただ1人を強く愛していた証拠なのだなと、 初めてこの呪いを少しだけ愛おしく思えた瞬間だった。   女の子には、 ある呪いがかけられている。   そして、多くの女の子が その呪いに苦しまされている。   でも、もしかしたら、その呪いは 愛を知る鍵になるのかもしれない。 <杏沙子> ◆紹介曲「 女の子にしてよ 」 作詞:杏沙子・石崎光 作曲:杏沙子・石崎光 ◆mini Album『LIFE SHOES』 2022年3月2日発売 【初回限定盤】CD+DVD VIZL-2013 ¥4,180 【通常盤】CD VICL-65664 ¥2,750   <収録曲> 01.元カノ宣言 02.ピスタチオ 03.Mirror 04.ともだちに戻るよ 05.負けたんだ 06.好きって 07.眩しい 08.女の子にしてよ  

    2022/03/16

  • 井上紗矢香
    気持ちを伝えることが上手じゃないなと、実は常々思っている。
    気持ちを伝えることが上手じゃないなと、実は常々思っている。

    井上紗矢香

    気持ちを伝えることが上手じゃないなと、実は常々思っている。

     2022年2月21日に“井上紗矢香”が、ニューアルバム『my tiny days』をリリースしました。2021年に「連続リリース企画」を実施し、合計10作品をリリースした彼女。今作にはその10曲を収録。さらに同日には、配信シングル「旗印」をリリース!フジテレビ系『めざまし8』の2022年2月度エンディングソングに決定しており、新学期・新生活に向けて、背中を押してくれる楽曲となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“井上紗矢香”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回が最終回です。日常生活のなかで、気持ちを伝えることが上手じゃない。SNSで不用意に言葉を発信することも苦手。だけど彼女が、歌詞なら書ける、歌詞なら伝えられる、その理由は…? 自身にとっての歌詞という大切な存在について明かしてくださいました。 私は歌詞を書き、メロディーをつけ、曲にして、日々歌っている。いるのだが、私は気持ちを伝えることが上手じゃないなと、実は常々思っている。   例えば何かをもらった時。すごく嬉しいと思っているのに、上手く全面に表すことが出来なくて、ぎこちなくなったり。ごめんねを言う時。申し訳なさすぎて、重たくなりすぎたり。あと、ちょっとした違和感に瞬間的に心がざわつく時。違和感の理由を自分の中で明確に言語化できるには少しタイムラグがあったりする。   SNS上でもそうだ。SNSは気軽に呟くツールだということは頭ではわかっているけれど、いざ対峙するとなんだか躊躇ってしまう。「考え込まずに、素をさらけ出せばいいんだよ」って言われても、どうしても抵抗を感じてしまう。   だって。胸の内側には色々なものがありすぎる。   例えば嬉しかったこと。それは私にとって、幼い頃、大切にとっておいた綺麗な色のリボンみたいに、自分だけにしかわからなくたって、宝箱に入れてしまっておきたくなるような存在で。痛みや悲しみは、擦りむいてしまった傷のように脆くて、ちょっとした刺激にも弱いから、丁寧に取り扱わなければいけない。なんか、そんな感じがするのだ。どちらにせよそれはとてもとても繊細だから、不用意にさらけ出すのは怖い。   「何気ないこととか、どうでもいいようなことでいいんだよ」と言われたりもするのだけれど、「何気ないこととは? どうでもいいこととは??」などと考え込んでしまう。   友達と話すとなると、「めちゃくちゃ話して楽しかったけど、何の話したかさっぱり覚えてないよねー」なんてことはざらにあるというのに。。。わざわざ粒立てて文章に書き起こすと、それを発信してしまうことに躊躇いが生まれるのだ。   わかってる。自分でも面倒なくらい不器用な性格を持ってしまったとは自覚している。しかもこの時代に。そんなんで歌詞なんて書けるのか?って声も聞こえてきそうだけど、、、(笑)。   それが、不思議なことに歌詞には書けるのだ。   むしろ、その時揺らいだ感情、景色も色も匂いさえも、ひとつも逃さずに閉じ込めたいとさえ思う。ものすごい変わりようだが、本当なのだ。なんだろう。例えると、「さぁ!今からあなたの意見を言いなさい!」と言われると上手く言葉が出てこないけど、日記になら書ける。という感じと近いかもしれない。そう改めて書くと、とんでもない人見知りを宣言してるみたいだけれど(笑)。事実そうなのである。   まぁとにかく、私にとって(私が歌うための)歌詞ってのはそういうものなのだ。だけどそれは、うたにはすべてが詰まっている、ということに他ならないのではないかと思う。普段の私に近い私。いや、普段は見せない私までもが、そこにはある気がしている。   だから。口下手な私だけれど、SNSに日常をなかなか呟かない私だけれど。だからこそうたを。どうか聴いてくれたら嬉しいなと、心から思う。あとSNSも頑張ってみる。たぶん(笑)。 <井上紗矢香> ◆紹介曲「 旗印 」 作詞:井上紗矢香 作曲:かわいえいじ ◆配信SG「旗印」 2021年2月21日  Digital Releas ◆配信アルバム 「my tiny days」 2021年2月21日  Digital Releas

    2022/03/15

  • 上野優華
    きっとお花を飾る前からその人の存在は特別だった。
    きっとお花を飾る前からその人の存在は特別だった。

    上野優華

    きっとお花を飾る前からその人の存在は特別だった。

     2022年3月9日に“上野優華”がデジタルシングル「ジャスミン」をリリースしました。「友情・応援」をテーマに上野優華本人が作詞。歌詞には、昨秋のツアーを経て感じた思いなどが込められております。そして作曲を手がけたのは、山崎あおい。過去に「会いたくない、会いたい」楽曲提供しており、今回が2度目の楽曲提供です。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“上野優華”による歌詞エッセイをお届け!今回は【後編】です。綴っていただいたのは、新曲「 ジャスミン 」に込めた思いです。彼女が花を自宅に飾るようになったきっかけとは。そして、そのきっかけのおかげで気づけた大事なこととは…。みなさんにとっての、大切なもの、守りたいものはなんですか? 歌詞と併せて、このエッセイを受け取ってください。 お花は好き。   自分の名前にも「華」という字があるし 祖父はお花がとても好きで、 実家には季節ごとに色んな花が咲いていたから。   でもなんだか、自分に必要なものだとは感じられなくて 今の家に飾ったことなんてなかったし 自分で買ったこともなかった。   関心が無いわけじゃない。 興味が無いわけじゃない。   見れば綺麗だと思うし 素敵だなと思う。   ただ、うん。 必要だと思えなかった。   枯れてしまうのが悲しいし 手入れするほど几帳面な人間じゃない。   そんな私だけど、今は自宅にお花がある。 きっかけは、初めて家に飾った 2年前、誕生日プレゼントとしていただいた 赤、黄色、青のバラ。   その人が私にとって大切な、特別な人だったから どうしても残しておきたかった。   同じ花だけど同じじゃない。 デビューからずっと支えてくれて 見守ってくれているスタッフさんからいただいたお花。   私なりに考えて “ドライフラワー”にして飾った。   綺麗な仕上がりじゃなかったけど お花屋さんに並んでいるお花よりもずっと素敵に見えた。   いつもと同じ部屋なのに 少しだけ幸せで、少しだけ温かくて、もう少し頑張ろうと思えた。   この気持ちがきっと その人がかけてくれた魔法なんだと今では思う。   私にはそんな魔法は使えないかもしれないけど 私には歌がある。   「 ジャスミン 」はそんな気持ちも込めて書いた一曲です。   きっとお花を飾る前からその人の存在は特別だった。 それなのに、きっかけがないと気づけなかった私がいました。   “くだらない そんな毎日に 守りたいものが隠れていて”   大切なものって 守りたいものって 今、手に入れているものだったりする。   それに気づいた時にだけ味わえる幸せがあると思う。   この歌が、紡いだ言葉が あなたの幸せのお手伝いを出来たらいいなと思います。   そして、そんな幸せがあなたの周りにも広がっていきますように。   いただいたひとつの花束が 私を変えて、曲になり、さらに多くの幸せを作ってくれる。   ありがとう。と、いつか私もこの曲とともに贈りたい。 その時まっすぐ目を見て伝えられる私でありますように。 <上野優華> ◆紹介曲「 ジャスミン 」 作詞:上野優華 作曲:山崎あおい

    2022/03/14

  • 上野優華
    君の当たり前が私にとっての特別だ。
    君の当たり前が私にとっての特別だ。

    上野優華

    君の当たり前が私にとっての特別だ。

     2022年3月9日に“上野優華”がデジタルシングル「ジャスミン」をリリースしました。「友情・応援」をテーマに上野優華本人が作詞。歌詞には、昨秋のツアーを経て感じた思いなどが込められております。そして作曲を手がけたのは、山崎あおい。過去に「会いたくない、会いたい」楽曲提供しており、今回が2度目の楽曲提供です。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“上野優華”による歌詞エッセイをお届け!今回は【前編】です。綴っていただいたのは、新曲「 ジャスミン 」に込められた想い。当たり前のようにそばにいてくれる、特別な存在。みなさんにとっての<君>を思い浮かべながら、このエッセイと歌詞を受け取ってください。 “無理して笑わないで”   あぁ。ついに気づかれてしまった。 あぁ。ついに言われてしまった。   「無理なんかしてないよ!よく笑うのが私なんだよー」 自分でも分かるくらい震えた声だった。   “無理して泣かなくていい”   あぁ。そんなことに気づくのか。 あぁ。そんなことを言うのか。   「                                         」   何も言えなかった。浮かばなかった。 無理してるつもりなんて少しも無かったから。     “ごめんねじゃなくていい ありがとうの方が嬉しいよ”   「そうだよね!ごめん!」   あ、ほら。ごめん禁止!! って2人して笑った。   私の知らない私がそこにいて、 それがこんなにも特別なんだと知った。   全然違うよね、私たち。 考え方? 価値観? 言葉の選び方? 友達の作り方? あげたらキリがないけど全然違う。   でもそんな私から君に伝えたいことは 「君の当たり前が私にとっての特別だ」ということ。   ありがとうを言うのにも慣れたよ。 好きなものを好きだということにも慣れた。   お喋りな私だけど 自分のこと話すのすごく苦手だったの。 それも君に言われちゃったから気づいて、 図星だったからちょっと落ち込んだ。   でも素直な君をとても尊敬してる。     いい話なんてしてるつもりないでしょ? 君の一言が誰かの心を変えてるなんて気づかないでしょ?   くだらない、何気ない毎日を 君は過ごしているかもしれないけど 君と過ごす時間は私にとって 何よりも守りたいものだと気づきました。   気になってるカフェ行こうよとか 最近恋愛どうよ?とか そういえばこないだSNSで~とか 何気ない毎日が こんなに愛しくなるなんて想像もしてなかった。   不思議だけど、 こんな風に素直な私でいられるのは 君がいてくれたから。   それぞれの未来があって 同じ未来を見るなんてカッコつけたこと 言えない私は相変わらずだし きっとすぐには変わらない。   でもさ、それぞれの未来をそれぞれが楽しめる。 いや、お互いの未来を楽しみにできる。 それが私たちにはきっとできるから。 その方が私たちらしい。   私は君と一緒に見る景色が 色が、音が好きだ。   一人じゃ分からなかった、見られなかった 君と見る世界が好きだ。     君はどうかな? <上野優華> ◆紹介曲「 ジャスミン 」 作詞:上野優華 作曲:山崎あおい

    2022/03/11

  • 杏沙子
    「絶対に仲良くなれないタイプだ」と心の中で思った。
    「絶対に仲良くなれないタイプだ」と心の中で思った。

    杏沙子

    「絶対に仲良くなれないタイプだ」と心の中で思った。

     2022年3月2日に“杏沙子”が、mini Album『LIFE SHOES』をリリースしました。長所と短所、裏と表、理想と現実、生きていくうえで誰しもが抱えている矛盾を左足と右足に例えた今作。時に立ち止まり考えながらも、前に進み続ける全ての人に、毎日の一歩を助けてくれるお気に入りのシューズになるような作品でありたいという想いが込められております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“杏沙子”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第2弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 眩しい 」に通ずる想い。最初は絶対に仲良くなれないタイプだと思ったあの子。自分とは正反対のタイプなあの子。だけど…。みなさんにとっての「眩しい」存在はどんなひとですか? 初めて彼女と話したのは、渋谷の街中だった。   「杏沙子ちゃん、ですよね?!」 突然ひょこっと顔を覗かれて話しかけられた。 お互いに顔も名前も知っていたから 不思議なことではなかったけれど、 人見知りのわたしはかなりギョッとした。   共通の知人の話をして、 今度ごはんに行きましょう!と誘われ、 勢いに押されて連絡先を交換した。   手を振って別れたあと、正直、 「……絶対に仲良くなれないタイプだ」と心の中で思った。 わたしのタイプとはあまりにも違ったからだ。   わたしには街中で声をかけて連絡先を交換し、 その場でごはんの約束を取り付ける 勇気も行動力もコミュニケーション力もない。 必要以上に相手の顔色を伺ってしまうわたしには したくてもとてもできないようなことだった。 それを彼女はなんの迷いもなく まっすぐな目で、何も取り繕うことなくやっていた。 そのまっすぐな目を、ちゃんと見ることができなかった。戸惑った。 ごはんに行く約束はしたけれど、 食事の間ずっと戸惑い続けるのではないだろうかと思うと ちょっと気が重くなったのを覚えている。   それから数日後、一緒にごはんを食べに行き、 話す中でお互いの家が近いということがわかり、 なんだかんだその後も定期的に会うようになった。   話せば話すほど、 わたしと彼女はなにもかもが正反対だとわかった。 何事にも積極的な彼女に対して、慎重で受け身気味なわたし。 直感を大事にする彼女に対して、論理的なわたし。 努力家で自分を信じる力が強い彼女に対して、すぐにくよくよするわたし。 彼女は猫が好きだし、わたしは犬が好きだった。 ここまで正反対な人に出会ったことがなかった。 けれど、立ち止まったり思いを巡らせるポイントや見えてる世界は似ていて、 正反対の場所から同じ目線で話しているような不思議な感覚だった。   彼女はわたしにないものをたくさん持っていた。 わたしが欲しいと思っているものを。 わたしが手に入れたくても手に入れられないものを。 彼女と一緒にいると、話すと、 その手に入れられないものを、手に入れたような気持ちになれた。 彼女からそれを分けてもえたような気持ちになれた。 わたしが悩み事を打ち明けると、 わたしの中にはなかった新しい考え方や 彼女から見えているわたしの姿を教えてくれて、 決まって最後に「杏沙子ちゃんは大丈夫だから」と言ってくれた。 なんの根拠もなかったけれど、 嘘のない彼女がまっすぐな目で言ってくれるその言葉に、何度救われただろうか。 いつのまにか、彼女はわたしにとってかけがえのない親友になっていた。   彼女を見ていると時々、眩しいな、と思う。 初めて会ったとき、目を見ることができなかったのもきっとそのせいだ。   眩しい人。 そんな人がいたら、きっとずっと心に光を失わずに生きていける。 彼女の「大丈夫」が、今もわたしの未来を照らしてくれているから。 <杏沙子> ◆紹介曲「 眩しい 」 作詞:杏沙子・石崎光 作曲:杏沙子・石崎光 ◆mini Album『LIFE SHOES』 2022年3月2日発売 【初回限定盤】CD+DVD VIZL-2013 ¥4,180 【通常盤】CD VICL-65664 ¥2,750   <収録曲> 01.元カノ宣言 02.ピスタチオ 03.Mirror 04.ともだちに戻るよ 05.負けたんだ 06.好きって 07.眩しい 08.女の子にしてよ  

    2022/03/10

  • 井上苑子
    こんなに“当たり前”を大事だと思いたいのに。
    こんなに“当たり前”を大事だと思いたいのに。

    井上苑子

    こんなに“当たり前”を大事だと思いたいのに。

     2022年3月9日に“井上苑子”がEP『24歳 / 東京』をリリースしました。前作より約1年ぶりとなる本作。2021年12月に配信リリースされた楽曲「24歳」に加え、ノスタルジックな音色が随所に散りばめられながらも新たな幕開けを感じさせる楽曲「東京」の2曲を表題に据えた、全5曲入りのEPとなっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“井上苑子”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、今作「 24歳 」と「 東京 」についての想いです。彼女が大切にしてきた“当たり前”が、大切にしたい“当たり前”が、突然奪われたコロナ禍だからこそ、届いてほしいこの作品。是非、歌詞と併せて、エッセイを受け取ってください。 2022年3月9日(水)に新しい曲たち「24歳 / 東京」をリリースします。まずはこの時期にリリースできることに感謝しています。この時期だからこそ、届いてほしい作品です。   これまでの井上苑子の作品はラブソングをメインにたくさん書いてきました。私自身、昔からラブソングが好きで、いつも支えられたり癒されたりしてきたので、自分でも書くようになったのですが、約2年前から、コロナ禍で突然“当たり前”の生活が出来なくなって。その中で生きる自分と向き合い、今回の曲を書きました。   私はラブソングでも“当たり前”という言葉をよく使うのですが、歌詞を書く上でも、常々、生活の中の“当たり前”を大事にしたいと心掛けてきました。   朝が来る幸せ。 ご飯が食べられる幸せ。 ぼーっとできる幸せ。 悩める幸せ。 笑える幸せ。 “大切”がある幸せ。   今、この時代を生きていて、“当たり前”だったことたちが、一層尊く感じて。こうやって自分の幸せを並べると些細なことも手放したくなくて。もっと増やしたいと思ってしまっている自分がいることに気付きました。   そういうことに気付かされるような世の中になっていることは、少し有難い気もするぐらいですが、そういう世の中になってしまっている事実に胸が痛みます。   「 24歳 」という曲は、そんな今を生きる私を残しておきたくて、自然と手が進み、書いていた曲です。リリースの為に書いたというより、とにかく自分がひたすらに書いて、なんとなくマネージャーさんに聞いてもらったら、リリースできることになりました。自分だけの曲にならなくて、嬉しく思います。   逆に、「 東京 」はずっとリリースしたかった曲です。今の私が生きる、東京という大切な街を私以外の人に届けたかった。大切な街だからこそ慎重になりすぎていて、聞いてもらうのが怖かったんです。でも、大事なのは今の私が描く「東京」だと思い、リリースすることになりました。   こんなに“当たり前”を大事だと思いたいのに、ある日は、そんなことを思えず、心が狭くなって泣きじゃくることもあると思います。泣いたあと、目が腫れて、“誰これ、ブスすぎる!”って、いつもみたいに笑えていたら、きっとそれが私の当たり前で、幸せなんだと思います。そんな日を大事にしていたいです。 <井上苑子> ◆紹介曲「 24歳 」 作詞:井上苑子 作曲:井上苑子 ◆紹介曲「 東京 」 作詞:井上苑子・YUZURU KUSUGO・柴山慧 作曲:井上苑子・YUZURU KUSUGO・柴山慧 ◆EP『24歳 / 東京』 2022年3月9日発売 初回限定盤 TRAK-0174~175 ¥2,600(税込)   <収録曲> 1.ことば 2.東京 3.透明人間 4.別れ話をされました 5.24歳

    2022/03/09

  • 井上紗矢香
    今まで生きてきた中で言われたことのある第一印象を反芻してみた。
    今まで生きてきた中で言われたことのある第一印象を反芻してみた。

    井上紗矢香

    今まで生きてきた中で言われたことのある第一印象を反芻してみた。

     2022年2月21日に“井上紗矢香”が、ニューアルバム『my tiny days』をリリースしました。2021年に「連続リリース企画」を実施し、合計10作品をリリースした彼女。今作にはその10曲を収録。さらに同日には、配信シングル「旗印」をリリース!フジテレビ系『めざまし8』の2022年2月度エンディングソングに決定しており、新学期・新生活に向けて、背中を押してくれる楽曲となっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“井上紗矢香”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第2弾です。新曲「 旗印 」を聴いた方からの反応で多かったのは、「意外だね」という声だったという彼女。その言葉をきっかけに、自身の“第一印象”を振り返ってみると…。是非、歌詞と併せてエッセイをお楽しみください。 「 旗印 」 とても力強い歌詞のこの曲。   この曲の感想として返ってきた言葉には、「意外だね」なんてものも多かったりしたのだが、実は私的にはそうでもなかったりもする。当たり前だけれど(現段階で)世に出ているものよりもデモの方が圧倒的に多い中で、力強い曲というのは割とあるものだからだ。少なくとも、「意外なものを作ってやろう!」と作ったものではなかったりする。   だから、「意外だね」という言葉に、私は「そういうふうに思われてるんだな」とそれこそちょっと意外なような、世に出ている曲のラインナップからすると納得なような、、新鮮な気持ちになったりした。   だとすると、私はどんなふうに思われているんだろう、なんてふと考えたりもして。今まで生きてきた中で言われたことのある第一印象を反芻してみた。大人しそう、真面目そう、優しそう、etc…。こんなところが多いだろうか。   まず、大人しい、、というのは、まぁ割と合っているかもしれない。めちゃくちゃはしゃぐようなタイプではないし(はしゃぐのに憧れはあるけど)、声も小さいし。一般的に社交的なタイプとかでもないと思う。   もっとも、自分としては仲良くしたいと思ってこちらから話しかけたりもするのだけれど、気を遣い過ぎて頭の中で何周かした結果、うまいこといかないなんてことも多い。仲良くなったあと、「人見知りだよね」だとか「最初、借りてきた猫みたいだったよね」などと言われることもまあまああるし。。。うーん、直したいところではあるけれど、まぁ合ってると思う。   真面目。これはどうだろうか。真面目なフリをしていたほうが他のところで融通がきいたりするので、真面目っぽくしてるところはあるけれども。。。   現に学生の頃、定期的に眉を剃っていないかどうかの点検があって。点検に引っかかっては呼び出しを受けている友達もいたけれども、私は“この子は真面目”フィルター越しに見てもらえて、点検の回を重ねるごとにちょーっとずつ眉を抜いたりしていた。けれど、引っかからなかった(友達からはずるいと言われていた笑)。   あとは、好きとか、やらない選択肢をとると自分のことが嫌いになるとか、そういう理由で一生懸命に取り組んでいたことはその時々であるけれど、嫌いなことを無理やり取り組んだこともない。なんなら年1くらいのペースで仮病で学校を休んだりもしていたタイプ。なんだろう。「なんか無理」な日があったのだ(ただ、2日以上休むと授業の遅れを取り戻すことの方が面倒なため1日だけにしていた)。だからやっぱり真面目、、とはちょっと違うような気がする。   優し、、いのかどうかもわからない。もちろん、周りの人達には可能な限り優しくありたいとは思っているけれど。友達に本当に優しい人が多すぎて、それを直に感じていると、私が優しいとは到底思えないのだ。   というわけで、第一印象は当たってないことも多いのではないかと思うし、第一印象に限らず、当たり前だけど人は相手によって態度を変えているから、一概にも言えないし。そもそも「自分はこういう人間だ!!!」なんて断言できるほど、人は単純でもないよな。などと思ったのだった。   これからお届けしていく音楽も、受け取り手によって感想はそれぞれだと思う。だけれど、全部私であることは間違いないから。「好きだなー」「これは好みじゃないなー」「やっぱ好きになってきたなー」「井上紗矢香らしいなー」「意外だなー」なんて思いながら、自由に楽しんでもらえたら嬉しいなと思う。 <井上紗矢香> ◆紹介曲「 旗印 」 作詞:井上紗矢香 作曲:かわいえいじ ◆配信SG「旗印」 2021年2月21日  Digital Releas ◆配信アルバム 「my tiny days」 2021年2月21日  Digital Releas

    2022/03/08

  • ガガガSP
    明らかに40代に入ってから変わってきたことがある。
    明らかに40代に入ってから変わってきたことがある。

    ガガガSP

    明らかに40代に入ってから変わってきたことがある。

     神戸を代表する青春パンクバンド“ガガガSP”が、2022年1月19日にニューアルバム『THEガガガSP』をリリースしました。結成25周年イヤー開幕となる通算12枚目のオリジナルアルバム。最新シングル「ロックンロール」「これでいいのだ」という2つのバンドアンセムを軸に、自由度高く多彩で痛快な爆音のパンクロックを詰め込んだ全8曲を収録!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ガガガSP”のコザック前田による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回が最終回です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 遠い遠い 」に通ずる想い。40代に入ってから訪れたとある変化。その変化と戦うべきなのか、向き合うべきなのか、受け入れて生きてゆくべきなのか。あなたには自身でも戸惑ってしまうような、自分の変化はありますか…? 今回で3回目になる歌ネットでのコラムも今回が僕は最終回になります。1回目はバンド結成時から今のスタイルになるまでのお話。2回目はニューアルバム『THEガガガSP』に入っている曲「やはり素晴らしきこの人生」の歌詞の一節についてお話しさせてもらいました。   今回はニューアルバムの中でもう一曲僕が作った曲「 遠い遠い 」という曲について話をさせてもらおうと思っております。前回も言ったんですけど、作者の考えなんて本当は「うんこ、しょんべん」であって、聞いてくれた人の主観が全てだと考えていますので、あぁ、あいつは一応こういう考えがあったんだなという程度に気楽に読んで頂けると幸いであります。     僕は40代に入って2年と数ヶ月なんですけど、明らかに40代に入ってから変わってきたことがありまして、「人の注目を浴びたい」であるとか、「オモシロイ事をしてやろう!」という気分が落ちて来てます。20代の頃あれだけあったアドレナリンは一体どこに行ったのだろうか!? という生活をしています。   これが段々と落ち着いて来るという事なのだろうか、と最近は思うようになって来たのですが、やはり明らかな老化。しっかりと自分の人生が少しずつ終わりに向かっていっている事を感じたりもします。まだそんな事を思うには早いんではないかという感じなんですけど、個人的には40代に入るまでとの落差が凄くてそう思わざるをえないような状態。   去年は特にそれが酷くあり、「一体何の目的で音楽をやっているのか?」という根本的な所をずっと考えたりして、自分でも出口のない迷路に迷い込んだ時期がありました。元々音楽という「手段」によって世の中にちょっとでも名前を残したいという想いでスタートしたものが、アドレナリンや衝動が無くなり、一体自分は何を動機にこれから音楽をやっていけば良いのか路頭に迷ってる状態…。一生続くと思っていたアドレナリンや希望が少しずつ消えていき、歌うのも精神的に辛くなって来てる状態でもありました。   そんな暗闇の中でガガガSPのアルバムの曲作りをやり始めて、一体何を作って歌えば良いのかも全く見えてこない精神状態の中、スタジオ練習の最終日くらいに出来上がった曲です。いつかこの暗闇の中からも考えた末に光が見えて来るのではないか。そういう絶望の中にある少しだけの希望を歌詞にしました。     そして2022年の3月の今現在も正直なところまだ迷ったまま生きてる状態ではあるのですが、こないだある人に、「ちょうどあなた位の歳の時期にこれまで出来てた事が出来なくなって来たり反射神経が落ちて来る。これまで被っていた仮面を取らざるをえない事になる。そうなった時にこれまで見せてなかった本当の自分と向き合わざるをえなくなって来るんですよ。ここから本当の自分と対峙してナチュラルに生きていく時かも知れないですね」と言われました。   なんか文章にして書くと、僕が迷ってどこかの宗教に手を出してそこの教祖から教えでもこうたのか!? っていう感じですけど、ご心配なく! 前回、依存症で入院した事を書きましたが、僕の担当の精神科医の先生に言われた言葉です(笑)。   一生ファイティングポーズを崩さない、明石家さんまさんや村西とおるさんのような人も居られると思うのですが、僕自身は一度立ち止まってしまった。でも立ち止まった人間にしか見えない景色も絶対にあるはずです。立ち止まった事によってこれからもっと人に優しくなる事が出来る様な気もするのです。   皆さんは僕ぐらいの年齢で壁にぶつかったりはしないのですかね? まだ僕の中でこれから進んでいく方向は見えてない状態ではありますが、今は迷っている姿を皆さんに見て頂こうかなと思っています。情けない姿を晒してナンボ! という精神は変わっていないかもしれませんね(笑)。   自分でも分からない、予測も出来ない、そして展望もない未来に何とか希望という感情を乗せて、もう昔には戻れないんだという寂しさも少し持ちながら死ぬまで生きてやろうと思う次第であります。   ちょっと文章がとっ散らかって読みにくかったと思いますが、とにかく今の揺れる感情は不安定で、日々何とか生きております。まだ音楽をやっているだけでも立ち止まってないという考えもあったりしますけど、僕の中では完全に立ち止まった。またいつか、光が見えて来る事を願ってます。     そんな曲、「遠い遠い」でした。   ご清聴ありがとうございました。 <ガガガSP・コザック前田> ◆紹介曲「 遠い遠い 」 作詞:コザック前田 作曲:コザック前田 ◆12th ALBUM『THEガガガSP』 2022年1月19日発売 OSRCD-017 ¥3,080(税込)   <収録曲> 1.これでいいのだ 2.oiの中の蛙 3.妄想天国 4.やはり素晴らしきこの人生 5.ニートザンス 6.奮闘努力節 7.ロックンロール 8.遠い遠い

    2022/03/07

  • 神はサイコロを振らない
    僕なりの“らしさ”の答えは「何もないがある」でした。
    僕なりの“らしさ”の答えは「何もないがある」でした。

    神はサイコロを振らない

    僕なりの“らしさ”の答えは「何もないがある」でした。

     2022年3月2日に“神はサイコロを振らない”が、Major 1st Full Album『事象の地平線』をリリースしました。様々なチャレンジと共に幅広い音楽性を解き放ってきた彼ら。今作には、2020年7月のメジャーデビューから、1年半の間で凄まじい勢いで一曲一曲魂を込めて制作し続けた楽曲群が凝縮。2CD全20曲収録の大ボリュームで収録されております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“神はサイコロを振らない”の柳田周作による歌詞エッセイをお届け!綴っていただいたのは、アルバムのラストを飾る1曲「 僕だけが失敗作みたいで 」に通ずるお話。自分にはなにもない。そう卑下して、自信を失ってしまいがちなあなたへ。この歌詞とエッセイが届きますように。 文才なんか雀の涙ほどしかない僕に再び歌詞エッセイの話がきました。歌ネットさんありがとうございます、そしていつもお世話になっております。   エッセイエッセイ掛け声の如く言うてますけど、そもそもエッセイとは何ぞやとGoo○le先生に聞いてみました。   1. 自由な形式で、気軽に自分の意見などを述べた散文。随筆。随想。 2. 特殊の主題に関する試論。小論。   なるほど、であれば目一杯羽を伸ばして筆を走らせようじゃないかと気が楽になりました。   一年半で20曲も書いておきながらアレですけど、ぶっちゃけ僕は幼少期から活字が苦手で。読み書きが不得意だった僕は読書タイムなんかとにかく苦痛でした。本を読み進めていくうちに気がつくと同じ行を何度も何度も読み返していて、音で例えると右耳から左耳に抜けてくみたいな。その上読み返している事にすら気が付かないなんてこともあって。   そういう病気か疑ってしまうほど、周囲の誰しもがすらすらと本を読み進めていくことに苛立ちと不安を覚えていました。   大人になった現在、克服できたかと聞かれれば答えはノーで。やっぱり本を一冊読破するのにも普通の人間の10倍ほど時間と気力を消費します。なんとか読み切れるようにはなったので上手く付き合っているつもりですが…。   気付けば物書きを生業として生きる道を選んだこと、皮肉と呼ぶべきかなんと呼ぶべきか。   実は最近、頭の中でぐるぐる回る得体の知れない“何か”を文字に起こすことで「気持ちや記憶の整理整頓ができる」とポジティヴに捉えられるようになりました。そう思えたキッカケが   「 僕だけが失敗作みたいで 」   という『事象の地平線』ラストを飾る楽曲です。神サイにとって記念すべき初めてのフルアルバムの、それも最後の最後になんちゅうタイトル付けんのよ…と我ながら呆れてしまいますが、今では何よりも大切な作品で。   詞を書く上で、歌の表現において何が最も“らしさ”なのかを随分と永い間考えていました。頭の中を巡る“何か”の正体、僕なりの“らしさ”の答えは「何もないがある」でした。   自分なんか…と卑下してはその度自信を失って、誰かを羨んで、嫉妬して、疲弊して。そうこうしているうちに自分には何もないのだと言い聞かせる癖がついていたのだと気がつきました。仮にそうだとして、何もないのであれば何もないことを文字と旋律で表現できる。   改めて芸術が僕ら人間にとって必要不可欠なものか考えさせられた僕は、小学校の頃通知表で美術の教科を1~5で採点する制度が本当にクソだなと思い始めました。何よりも自由で、100人いれば100個正解が存在するのが芸術だから、だからこそ勉強も運動も不得意な子どもたちに対して、「君の表現が全て正解なんだよ」と言ってあげるのが大人の役割というか、使命だろうよと。   凄く話が脱線しまくって勝手に一人で熱くなってしまいました、すみません。   とにかく僕が伝えたいことは、「自分には何もないのだ」という人間こそ、その空白を、その虚無を全部芸術にぶつけてやればいいじゃないか。そんなふうに考えています。   そう気付かせてくれた、大切な楽曲です。 <神はサイコロを振らない・柳田周作> ◆紹介曲「 僕だけが失敗作みたいで 」 作詞:柳田周作 作曲:柳田周作 ◆Major 1st Full Album『事象の地平線』 2022年3月2日発売   <収録曲> 01. イリーガル・ゲーム 02. タイムファクター 03. 巡る巡る 04. 初恋<神はサイコロを振らない×アユニ・D(BiSH/PEDRO)×n-buna from ヨルシカ> 05. 泡沫花火 06. LOVE 07. 1on1 08. 愛のけだもの<神はサイコロを振らない×キタニタツヤ> 09. 遺言状 10. 徒夢の中で   Disc2 01. あなただけ 02. クロノグラフ彗星 03. 少年よ永遠に 04. 目蓋 05. 導火線 06. パーフェクト・ルーキーズ 07. 夜永唄 - Unplugged 2022 08. プラトニック・ラブ 09. 未来永劫 10. 僕だけが失敗作みたいで

    2022/03/04

  • ヒグチアイ
    生きる意味がなければ生きる意味はないと思った。
    生きる意味がなければ生きる意味はないと思った。

    ヒグチアイ

    生きる意味がなければ生きる意味はないと思った。

     2022年3月2日に“ヒグチアイ”がニューアルバム『最悪最愛』をリリースしました。今作には『進撃の巨人』The Final Season 2のエンディングテーマ「悪魔の子」やドラマ『生きるとか死ぬとか父親とか』のエンディングテーマ「縁」、昨年配信された“配信3部作”の「悲しい歌がある理由」「距離」「やめるなら今」など全11曲が収録。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ヒグチアイ”による歌詞エッセイをお届け。綴っていただいたのは、今作の収録曲「劇場」に通ずるお話です。この歌詞の<蛇を飲もうか>というワンフレーズが生まれるきっかけとなった、とあるステージ上の光景…。果たしてこれから自分は己の「劇場」でどう生きていくべきか、どう生きていきたいか。その想いを明かしてくださいました。 <蛇を飲もうか>という歌詞は、10年前にお世話になっていた事務所の人が連れて行ってくれた靖国神社の見世物小屋から来ている。その年齢なら見たことないでしょ? と言われ、興奮気味に見に行った。   入り口で700円を払うと、目の前の人の列に並ぶ。パンダを見る行列と同じだ。前が進めば少しずつ全貌が見えてくる。最初は、本当のパンツではないパンツ(なんだそれ)や作り物の巨乳を見せつけながら踊る人が出てきて、それよりも後ろでウッドベースを弾く人がかっこいいなあなんて思っていた。   最後に出てきたのが、蛇を食べる女だった。生きている蛇を舐めまわし、最終的には食いちぎるという、想像するだけで口の中がゾワゾワするような事が目の前で行われた。それが終わりの合図だというように、少しずつ進んでいた列は解けたように出口に向かっていった。興奮していた気持ちは一瞬で解けてしまった。ステージの上という意味では、わたしもその女性も同じだったからだ。   10年経った今でも、蛇を食べなきゃ、と思ったことはない。幸運にも。それでも、誰にもできない(少なくともできる人の話を聞いたことがない)ことをやっていたあの蛇を食べる女のことは忘れられなかった。   わたしはずっと、自分を切り売りしてきたと思う。歌詞は最たるものだし、今作ってる雑誌もそう、インタビューもそう。切り売りすることにあまり抵抗がない。だから、売れるものであればなんでも売ってしまう。それがこの世に唯一の物だとしても。   切ってきた身は年齢と共に治りが遅くなって、元通りにならなくなってしまった。これ以上、切ってしまうとわたしはわたしに戻れなくなってしまう。それでも、命が短くなっても、歌を歌いたいのか、と常に自問自答する日々だった。   人生は一度きりだ。大切な人たちがいる。音楽より大切なものがある。だから、長く生きるために、わたしを切り売りすることはやめる。全部やめるのはきっと性に合わないから、少しだけにする。   蛇は食べれない、裸は見せれない、血は流せない。そんなわたしが見せられるものを、この劇場で探し続けていく。必死に。人生をかけて。 <ヒグチアイ> ◆ニューアルバム『最悪最愛』 初回限定盤 [CD+DVD] PCCA-06116 ¥4,950 (税込) 通常盤 [CD Only] PCCA-06117 ¥3,300 (税込) <収録曲> 1. やめるなら今 2. 悪魔の⼦ 3. 劇場 4. 縁 5. ハッピーバースデー 6. 距離 7. 悪い⼥ 8. まっさらな⼤地 9. サボテン 10. ⽕々 11. 悲しい歌がある理由  

    2022/03/03

  • 杏沙子
    わたしの「好き」が君の「好き」を超えてしまわないように。
    わたしの「好き」が君の「好き」を超えてしまわないように。

    杏沙子

    わたしの「好き」が君の「好き」を超えてしまわないように。

     2022年3月2日に“杏沙子”が、mini Album『LIFE SHOES』をリリースしました。長所と短所、裏と表、理想と現実、生きていくうえで誰しもが抱えている矛盾を左足と右足に例えた今作。時に立ち止まり考えながらも、前に進み続ける全ての人に、毎日の一歩を助けてくれるお気に入りのシューズになるような作品でありたいという想いが込められております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“杏沙子”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第1弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 ともだちに戻るよ 」のお話。本当は別れたくない。それでも、ともだちに戻る、その理由は…。歌のなかの<わたし>の感情がよりリアルに見えてくるエッセイ。是非、歌詞と併せてお楽しみください。 「別れたくない」 そう言ったら終わりだと思った。   「やっぱりさ、前みたいに、ともだちに戻りたい」 不安げな顔でこちらを伺うように言った君に 「そうだね、戻ろっか」 と返すと、君はほっとしたように笑った。   ずっとわかってた。 君の気持ちが、わたしとおんなじだけないことは。   電話しようって約束した夜、 約束を忘れて連絡もなく、 翌朝、忘れたことにも気付かず普通に連絡して来るとか。   LINEで次会う日を決めるとき、 なかなか日程を出してくれないとか。   前に話したことを覚えてないとか。   その度に君は、もういいよって笑っちゃうくらい何度も謝ってくれたけれど、別にわたしは怒ってなんかいなかった。 むしろ、悪気がないことが辛かった。 謝られれば謝られるほど、君を遠く感じた。   わたしは電話しようって約束したその夜を楽しみにその日1日をがんばれたし、 予定なんか合わせずに会えるなら毎日でも会いたいし、 君が話してくれたことはたぶん、 話した君自身より覚えてる。   ごめんって謝る君に、 笑顔で大丈夫って嘘をつき続けた。 全然気にしてないフリをし続けた。 わたしの「好き」が君の「好き」を超えてしまわないように。   きっとわたしの「好き」が自分のそれより大きいことを感じたら、  優しい君はまたごめんって謝って、 もっと遠くへ行ってしまうだろうから。   でも、とうとうその日が来てしまったみたいだ。 いつもは恥ずかしくなるくらい わたしの目を見て話す君が 大きな口を開けて豪快に笑う君が 今日は申し訳なさそうに目線を落として、 愛想笑いをしてた。 やっぱり君はわかりやすいね。   「そうだね、戻ろっか」 不安げな顔でこちらを伺う君の顔を見て 咄嗟に口から出た嘘に、 君への気持ちを思い知らされた。   今ここで「別れたくない」って言うことは わたしの「好き」を押し付けることになる。 君にとっては大きすぎるそれを。 そうすれば、やっぱり君は離れていくだろう。 ともだちよりも、誰よりも、遠いところへ。 優しい君から距離を置かれる 未練のある「元カノ」にだけはなりたくなかった。 だからやっぱり、笑顔で嘘をついた。 全然気にしてないフリをした。 そこまでしても君から離れたくない自分が どうしようもなく情けなかった。   帰り道、雨が降っていた。 それぞれの傘を開いて歩いた。 ちょっとすっきりした顔で君は笑った。 わたしもともだちのフリをして笑った。 <杏沙子> ◆紹介曲「 ともだちに戻るよ 」 作詞:杏沙子・石崎光 作曲:杏沙子・石崎光 ◆mini Album『LIFE SHOES』 2022年3月2日発売 【初回限定盤】CD+DVD VIZL-2013 ¥4,180 【通常盤】CD VICL-65664 ¥2,750   <収録曲> 01.元カノ宣言 02.ピスタチオ 03.Mirror 04.ともだちに戻るよ 05.負けたんだ 06.好きって 07.眩しい 08.女の子にしてよ  

    2022/03/02

  • 井上紗矢香
    「どうすべき?」よりも「どうしたい?」って問い直す。
    「どうすべき?」よりも「どうしたい?」って問い直す。

    井上紗矢香

    「どうすべき?」よりも「どうしたい?」って問い直す。

     2022年2月21日に“井上紗矢香”が、ニューアルバム『my tiny days』をリリースしました。2021年に「連続リリース企画」を実施し、合計10作品をリリースした彼女。今作にはその10曲を収録。さらに同日には、配信シングル「旗印」をリリース!フジテレビ系『めざまし8』の2022年2月度エンディングソングに決定しており、新学期・新生活に向けて、背中を押してくれる楽曲となっております。  さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“井上紗矢香”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第1弾。綴っていただいたのは、新曲「 旗印 」についてのお話です。「音楽の道に進みたい」という思いが生まれたときのこと。今へ繋がる道を歩む選択をした理由。そしてこれからに向けての意志…。是非、歌詞と併せてこのエッセイを受け取ってください。 “旗印”とは。 1.(はっきりと掲げた)行動の目標。 2.旗に書いて目印にする紋所。   検索してみると、そんなふうに表されている。戦国時代の合戦の時にバッ!と掲げる感じが想像できる。いかにも迷いのない、意志の強そうな感じだ。   ただ、そんなタイトルの曲を作りはしたのだが、当の私は悩みやすいし、くよくよ後悔するタイプである。特に幼い頃はそんなこんなで泣くことも多かった。お小遣いを使い過ぎてしまったと言っては泣き、プールの端から端まで泳ぎきったところを母に見せられなかったと言ってはめそめそした。   自分で振り返ってもとても面倒な子だったと思うけれど、幸い母がサバサバした明るい人だったので、その度励まされ少しずつ強くなりながら生きてきた。   はずだった。けれど中学生の頃、「音楽の道に進みたい」という思いが生まれてしまった時はとても悩んだことを、今でもその思考回路すら鮮明に覚えている。だって、たぶんこれはこれからの人生の方向性を決めることなんだろうと思ったし。将来の夢なんて今までコロコロ変わるタイプだったのに、音楽に対する思いは消えそうにないってことも直感的にわかったから。   どうしたものか。毎晩必死に考えた(何をもってして、というところはあるが)。どう考えても成功する人は一握りだし、そもそも私が向いているものなのかどうかもわからない。それなのにそこに今後の全てをベットするのは、もしかしなくてもとんでもないことなんじゃないか。考えれば考えるほどにそう思えた。   そのあたりまで考えたところで一旦、音楽の道を選ばなかった場合の人生を想像してみることにした。そこには進学して就職して、それなりに幸せな未来が見えた。でも同時に、その心の中には「あの時、音楽の道に進んでいたらどうなっていただろう?」といつまでもくよくよ思い続ける私がいるだろう、ということも嫌になるほどありありと想像できた。   険しいであろう道を生きていくこと。後悔を抱えて生きてくこと。そのどちらを選ぶことがすっきりするのかを天秤に掛けた結果、私は今へ繋がる道を歩み始めることにしたのだった。   <欲望の旗を掲げよ> そんな言葉から始まるこの曲は、自分の胸の真ん中を見失わずにいたいと思って作った曲だ。   今だって悩んでしまうことはたくさんある。状況もルールも日々移り変わり、その先にある結果だって誰にも読めない不確かな中で、絶対失敗しない正解を選ぶことは難しい。でも、どんな行動を取ったとしても、矢面に立つのは私だから。喜びも悲しみも痛みも全部私が感じて生きてゆくのだから。「どうすべき?」よりも「どうしたい?」って問い直す。それを旗印と掲げて進めたなら、どんなことがあっても大丈夫な気がするから。   中学生の頃に書き記した旗印を掲げて今日まで生きてきて。きっとこれからもたくさん悩んで、めそめそ泣くことだってあるだろうけど。その度に胸の真ん中を掴まえられたら──   なんて、そういう生き方が必ずしも正しいとは全然思わないけれど、これはくよくよしがちな私が生きてゆく中で、少しだけ息をしやすくする為のちょっとしたコツなのかもしれない。 < 井上紗矢香> ◆配信SG「旗印」 2021年2月21日  Digital Releas ◆配信アルバム 「my tiny days」 2021年2月21日  Digital Releas

    2022/03/01

  • ガガガSP
    人生の困難をシラフで全て受け止める。
    人生の困難をシラフで全て受け止める。

    ガガガSP

    人生の困難をシラフで全て受け止める。

     神戸を代表する青春パンクバンド“ガガガSP”が、2022年1月19日にニューアルバム『THEガガガSP』をリリースしました。結成25周年イヤー開幕となる通算12枚目のオリジナルアルバム。最新シングル「ロックンロール」「これでいいのだ」という2つのバンドアンセムを軸に、自由度高く多彩で痛快な爆音のパンクロックを詰め込んだ全8曲を収録!    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“ガガガSP”のコザック前田による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回は第2弾です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 やはり素晴らしきこの人生 」に通ずるお話。<人生の困難をシラフで全て受け止める>というワンフレーズにたどり着いた理由とは…。是非、歌詞と併せてエッセイを受け取ってください。 今年の1月19日に12枚目のアルバム『THEガガガSP』をリリースした25周年の僕達ですが、今回のアルバムは計8曲という少ない曲数で作ってみました。ガガガSPにはソングライターが3人居て、最近の主な曲作りはギターの山本がしてて、今回のアルバムも5曲を手掛けています。そしてベースの桑原が1曲、僕が2曲の合計8曲。   他の人の歌詞を歌う時はあまり作った人間にどういう意味を持って作ったのかは聞かず、あくまで個人的に持った印象と解釈で歌うようにしています。   曲というものは野球で言うとボールの様なものだと思っていて、投げてしまうとそれを打つバッターの感覚次第だと言うのが25年間の僕の考えでもあります。凄い心に入ってくる曲ならば凄い気持ちよくお客さんは打ってくれるし、あんまり残らなければ平気で見逃すでしょうし。   こちらがどれだけ熱意を持って投げたボール(曲)であっても、打ち手(お客さん)はそれぞれハマるかハマらないかがあると思うのと、ボールは投げてしまえば全てお客さんのものという感じもあります。   こちらがどんな意味で作ったかとかは関係なく聞いてくれる人の主観で意味も全部曲げてもらっても構わないのではないかなと。なのでこの「歌ネット」に書くことはあくまでも投げ手の主観なので、まあまあ読んでやろうか!?くらいで良いと思っています。     ちょっと前置きが長くなってしまいましたね(笑)。今回は新しいアルバムの4曲目に入っている「 やはり素晴らしきこの人生 」という曲の中の歌詞<人生の困難をシラフで全て受け止める>という部分について少しお話し致します。   僕は30代、お酒と睡眠薬の常用で年がら年中ほぼ酩酊状態の日々を送っていました。完全なる依存症です…。依存症を自分でどうすることも出来なくなって、入院したのが38歳の時。そこからお酒も睡眠薬も一切飲まなくなったのですが、30代という人生でとても重要な時期をほぼ空白で過ごしました。   と言うか、20代でバンドが少し人気が出て、自分自身も浮かれていたんでしょうね。30代に入ってその人気にも翳りが見え始め、自分の勢いも無くなってきて、周りに人も減ってきてその現実を突きつけられる事から逃げていたのかもしれません。そこから常に自分を何かで酔わせておかないとやってられない様な心境になっていきました。   ただただ自分の甘えでしかないのですが、沢山の人達にも迷惑をその間にかけました。言うなればよく死ななかったな…。と思うほどです。なのでこれから先の人生で大変なことがあってもシラフで全てを受け止めてやろうという決意の歌詞でもあります。   そうは言っても「依存症」という病気は一生完治することのない病なので、これから先、決意だけではどうしょうもない時も来るかも知れないのですけど、今生きてる事を噛み締めて、30代をフイにしてきた分この40代を実りのあるものにしたいと思っております。   色んなことがありましたけど「やはり素晴らしきこの人生」と思えるようにこれからはもっと半径5メートルの周りを大切にして生活していきたい所存であるという歌詞です。25年目、まだまだ若造です(笑)。皆様ご指導ご鞭撻の程よろしくお願い致します。   なんか文章硬いな…(笑)。最後までありがとうございました! <ガガガSP・コザック前田> ◆紹介曲「 やはり素晴らしきこの人生 」 作詞:コザック前田 作曲:コザック前田 ◆12th ALBUM『THEガガガSP』 2022年1月19日発売 OSRCD-017 ¥3,080(税込)   <収録曲> 1.これでいいのだ 2.oiの中の蛙 3.妄想天国 4.やはり素晴らしきこの人生 5.ニートザンス 6.奮闘努力節 7.ロックンロール 8.遠い遠い

    2022/02/28

  • Organic Call
    “さよなら”だけど“またね”って言いたいんです。
    “さよなら”だけど“またね”って言いたいんです。

    Organic Call

    “さよなら”だけど“またね”って言いたいんです。

     ロックバンド“Organic Call”(通称:オガコ )が、2022年2月3日にバンド結成5周年を迎えました。昨年11月には、3rd single「Hello,Good-bye」をリリースし、東名阪3会場で“Reunion Tour 2021”を開催。東京ファイナル公演となる渋谷 O-WEST はSOLDOUTし、大盛況で幕を閉じました。そして、2022年2月28日には渋谷 WWW にて結成5周年記念の2マンライブを開催予定。勢い衰えることなくそのスピードを加速しております。    さて、今日のうたコラムでは“Organic Call”の平田真也による歌詞エッセイをお届け!今回が最終回です。綴っていただいたのは、今作の収録曲「 Good-bye 」のお話。別れはときは、どうしても悲しくなってしまうけれど、きっとそれだけのものではない。これから別れなければならないひと、すでに別れてしまったひと、あなたにとってのそんな存在を思い浮かべながら、このエッセイと歌詞を受け取ってください。 こんにちは、Organic CallというバンドでVo&Gtをしているヒラタナオヤです。3週にわたりお届けした歌詞エッセイも今週で最後となります。第1週目は軽い自己紹介、第2週目は「Hello My Friend」の歌詞について書かせていただきました。第3弾となる今回は、11月にリリースした(最新リリース)「 Good-bye 」という曲について書きたいと思います。   別れを告げた人、あなたには居ますか? 僕には少なからず居ます。それが正解だったか、不正解だったか、今でもいまいち分からないのですが、きっと正しかったはずだと思って今は生きています。   “別れ”って悲しいイメージがありますが、僕はそこまで悲観的なイメージを持っていません。また会うべき人はどこかで巡り合うと思っています。離れたその一瞬はどうしても悲しくなってしまうのですが…。   お気に入りの歌詞はサビのラスト。   Good-bye My Sunshine See you My Sunshine 僕らの待ち合わせの場所 また会おうよ   “さよなら”だけど“またね”って言いたいんです。また何処かで、そんな意味を込めてます。   これは、Organic Callのライブも根本の部分もそうなんですけど、音楽って僕らが辞めない限りは続くんですよね。ライブって一瞬の儚いものです。次いつ会えるかも約束されていない。でもやっぱり会うべき人にはまた巡り合える気がするんです。   だからよく、「またライブハウスで会おうぜ」って言っています。これは単に軽い言葉じゃなくて、俺はこのステージで闘い続けるのでいつでも待っているよってことです。そんなバンドで居たいのです。 <Organic Call・ヒラタナオヤ> ◆紹介曲「 Good-bye 」 作詞:平田真也 作曲:平田真也 ◆3rd Single「Hello,Good-bye」 2021年11月3日発売   <収録曲:> M-1.Hello My Friend M-2.Good-bye M-3.Hello My Friend(Another ver.) M-3.茜色、空に灯す(Live ver.) ※M-3は盤によって収録曲が変わります   ・会場盤 M-1.Hello My Friend M-2.Good-bye M-3.茜色、空に灯す(Live ver.)   ・タワレコ盤 M-1.Hello My Friend M-2.Good-bye M-3.Hello My Friend(Another ver.) <配信サイト リンク> http://OrganicCall.lnk.to/ music

    2022/02/25

  • 家入レオ
    たかが10年されど10年。
    たかが10年されど10年。

    家入レオ

    たかが10年されど10年。

     2022年2月16日に“家入レオ”が、10周年を記念し、ベストアルバム『10th Anniversary Best』をリリース!今作は、13thシングル「ずっと、ふたりで」以降にリリースされた全10曲の大型タイアップ曲と未発表新曲2曲を含む、家入のベストアルバム第2弾となっております。アルバムの1曲目に収録される新曲は「Borderless」。そして、アルバムの最後、14曲目に収録される新曲は「花束」です。    さて、今日のうたコラムではそんな“家入レオ”による歌詞エッセイを3週連続でお届け!今回が最終回。綴っていただいたのは、今作のラストに収録される新曲「 花束 」のお話です。ストックフォルダのなか、時が来るのを待ち続けていたメロディーに、やっと綴ることができた想いとは…。歌詞と併せて、このエッセイを受け取ってください。 「花束」が「花束」になるまでには、とても長い時間を要した、と思う。曲のイメージを擦り合わせ、久保田さんが作るトラックに浮かんだメロディを乗せては精査し、ふたりで制作していた曲が形になった日。   スピーカーから流れ出すメロディに現場にいる全員が耳を傾けている光景を部屋の隅から見つめながら、私は私の鼓動が早まっていくのを感じていた。ピアノの音と歌声が途切れ、一瞬だけ部屋に降りる沈黙。   言葉よりも先に表情を読んでしまうのは、真実にしか人の心を動かす力がないと思っているから。率直な意見がより良い作品に近づく為には必要で、主観と客観のバランスがいつも難しい。だから、あったかくて大きくて何処か懐かしい気持ちになるメロディが出来たね、と口元に微笑みを浮かべながら家路に着きながらも、しばらくの間このメロディで私が歌いたいことは一体何だろう? と反芻しながら生活していた。   ストックフォルダに追加され、時が来るのを待ち続けていてたこのメロディと再会を果たしたのはその少し後。デビュー10周年のアニバーサリーライブが東京ガーデンシアターで決まった時、あのメロディにこれまでの想いを綴りたいと思った。   たかが10年されど10年。時間の捉え方は生きてきた年数やその時間に対する快楽度合いによっても変わってくるのだろうけれど、本当に色んなことがあった。   10代から20代になり、自分の中で自然に形を変えていったもの。知りたいと感じたものに心のまま手を伸ばすことの純粋な喜びと酸味。家入レオは何処に向かおうとしてるんだろう? と心配させてしまったり、驚かせてしまったり、私が私に迷ったりきっとお互いに思うことがあったはずだ。だけどそれも全て一緒にいるからこそ生まれるものであり、過ぎてしまえば、喧嘩したこと、涙したことの方が懐かしく語り合えたりするから、生きるって計り知れないな、と思う。   もう一度言う。本当に色んなことがあった。そして多分きっと、これからが本番なのだと思う。私は歌を歌う。その気持ちに正直に道を選んでいきたい。私の上を通り過ぎる日常や直面する困難や誰かを深く求める心が音になって言葉になって、聴いてくれる人の物語になること。私のドラマがあなたの人生と深く少しでも結びついたら、とまだ夢を見続けていたい。   数日前に花瓶にいけたラナンキュラスはもうすぐ見頃を終えるはずで、美しさに終わりがある、と眺めるから精一杯の黄色がこんなに目に鮮やかで。それは悲しみではなく、喜びなのだと私は知っている。   私が送り続ける音楽の「花束」があなたの胸に届くのか、それは分からない。分からないけれど、届くかもしれないし、届かないかもしれないから、音楽は人の心を掴んで離さないんだと思う。 <家入レオ> ◆紹介曲「 花束 」 作詞:家入レオ・Kanata Okajima 作曲:家入レオ・久保田真悟(Jazzin' park)  ◆『10th Anniversary Best』 2022年2月16日発売 初回限定盤A:2CD VIZL-1989 ¥4,950(税込) 初回限定盤B:CD+DVD VIZL-1990 ¥4,400(税込) 通常盤:CD VICL-65638 ¥3,300(税込) 10th Anniversary盤:CD+Blu-ray+Goods NZS-874 ¥11,000(税込) ※ビクターオンラインストア限定販売   <収録曲> 01. Borderless 02. 空と青 03. Answer 04. 未完成 05. Prime Numbers 06. この世界で 07. Spark 08. もし君を許せたら 09. あおぞら 10. 恋のはじまり 11. 春風 12. Relax 13. ずっと、ふたりで 14. 花束  

    2022/02/24

  • カノエラナ
    何故あたしはこの駅で留まってしまっているのだろうか。
    何故あたしはこの駅で留まってしまっているのだろうか。

    カノエラナ

    何故あたしはこの駅で留まってしまっているのだろうか。

     佐賀県出身のシンガーソングライター“カノエラナ”が2022年デジタルシングル3作連続リリース!その第2弾シングル「ヤコウレッシャ」を2月23日にリリースします。出会いと別れの季節にぴったりの1曲。ストリングスとピアノが印象的で、深夜出発をし、朝日に向かって走る<夜行列車>に想いを乗せたバラードナンバーとなっております。    さて、今日のうたコラムではそんな最新作を放った“カノエラナ”による歌詞エッセイをお届け。今回は第2弾。綴っていただいたのは、今作「ヤコウレッシャ」にも通ずるお話です。いくつも列車が通り過ぎ、いろんなひとが行き交う、とある駅のベンチ。せわしなく動く世界のなかで、<あたし>だけ留まってしまっている理由は…。歌詞と併せて、受け取ってください。 ガタンゴトン ガタンゴトン   もういくつもの列車が目の前をぬるい風と共に通り過ぎて行く。少し離れた場所でお喋りしながらスマホをいじるJK達も、必死に靡くスカートを押さえ笑い合っている。楽しげな声を遠くで聴きながら、あんな時代もあったのかと、色の落ちたベンチの隅でやるせない大人のため息を吐く。   一体何時間この駅にいるのだろうか。 何故あたしはこの駅で留まってしまっているのだろうか。   考えることはニ時間半前に辞めたのだけれど、またふとその考えが巡ってしまい、突然虚しさに襲われた。吐き気がする、頭が痛い、けれどあの六畳の深海に帰りたくない。   都会の人の多さにはもう慣れたか? と度々周囲に聞かれるがそんな訳がない。慣れる訳がないのだ。そもそも人が多い場所を昔から好まない。未だに乗り換えは間違えるし、新宿駅や東京駅はうまく出られた試しがない。都心はやたらと駅中を工事したがるし、完成系がいつまでたっても分からないのだ。少し立ち寄らないだけで、そこにあった筈の店は何ヶ月か後に綺麗さっぱり跡形も無く消えてしまっている。まぁ最後に入っていた店の名前すら思い出せないけれど。   東京という街はいつも未完成で、それでも休まずに未来へ動いている。   ここまで半分disってきたが、なんだかんだ言って東京は好きだ。人の無関心さ、異物を受け入れてくれる受け皿がある所、流行りのものは何でも揃う所。読みたい本だって、発売日から二日待たなくても良い。少し歩けばどんなものでも手に入れることができるのだ。   そんな未完成で心地の良い東京という街で、あたしとあなたは出逢った。   うまくやれていた、そう思っていたのはあたしだけだったのか。何度も何度も考えたけど上手くまとまらない。考える程余計分からなくなった。あたしはずっと、この駅に囚われているのに。   列車は ガタンゴトン ガタンゴトンと、相変わらず見事な曲線を描いてゆっくりとホームに止まる。   車内の人々はみんな下を向いて疲れた顔をしている。止まる瞬間に全員が同じ方向に体を傾ける。大量の人々が列車の口から吐き出される。足元で鳩が3匹せっせとうろついている。そういえばあたしが今長時間座ってるベンチにこれまで何人くらい座ったんだろう。…嗚呼、何も、何も、何も何も何も考えられない。   ------もういいや、   特にきっかけがあった訳でもなかった。ただ、今はとにかく心が動かない分、変わる景色をこの目で見たかった。何も、どこに行くかも決めていないけれど、あたしは立ち上がってホームを歩き出す。   ふと振り返ると、温かくなりすぎたあのベンチには既に新しい人が座っていた。 <カノエラナ>

    2022/02/22

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