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LIVE REPORT

back number

『back to the blues tour 2013』

2013年03月29日
@渋谷公会堂

デビュー2年で渋谷公会堂2デイズ完売。見た目も存在感もどちらかと言うと地味目で、大ヒットがあるわけでもないバンドが、口コミレベルの支持を積み重ねてここまできたのはまさに快挙だ。この晴れ舞台にも普段着で登場したメンバーは、キーボードとギターのサポートを加えて音の厚味を増した以外は小細工なし、ストレートな歌ものロックナンバーを届けることだけに専念する。冒頭から「bird’s sorrow」「半透明人間」「海岸通り」と、四つ打ち系リズムの踊れる曲で2000人をジャンプの渦に巻き込んだかと思えば、中盤では「エンディング」「幸せ」などミッドテンポの切ないラブソングを次々と繰り出して観客の耳を釘付けにする。そこにあるのは、ただシンプルで誠実な“歌の力”のみだ。“大事にしてもらってる曲だから。ちゃんと演奏するし、ちゃんと歌います”。清水依与吏(Vo&Gu)の言葉に、バンドとメンバーとの間に結ばれた音楽という名の絆がはっきり見える。特に圧巻だったのは「stay withme」や「笑顔」のような、相手の立場になって考える切なすぎるラブソング群で、ただ“好きだ、切ない”というだけの曲とは百万光年離れた、back numberの恋歌の真骨頂がそこにはあった。そんなにすごい歌を作っておきながら、MCではトボけた発言で爆笑を誘う清水のキャラも最高。最後の「スーパースターになったら」は、観客全員の大合唱が素晴らしいシーンだった。そしてアンコールで発表された、9月7日の武道館初ライヴ。back numberはもっともっと大きくなるべきバンドだと、この日のライヴを観た全員が確信したはずだ。