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LIVE REPORT

KEMURI

KEMURI 渋谷O-EAST

2007年04月13日
@渋谷O-EAST

スタートしてからの約2時間、会場にいた誰もがKEMURIのグッドミュージックに合わせて歌うこと、踊ることに夢中で時間を忘れていた。ファストで陽気な感情を高ぶらせるスカパンク。確かな演奏力でもって裏付けされた楽曲には、たとえ彼らのライヴが初体験であろうと前のめりになる他ない。そしてフロントマンである、伊藤ふみおの包容力。演奏中の彼は、しなやかで力強いパフォーマンスと共に、常にオーディエンスに目を配りながら、何かを語りかけるような表情をしている。“楽しんでるかい”“もっと前においで”と、言葉として発せられてはいないが、私にはそう言っているように思えた。彼が時折見せた、モッシュで最前列にきたファンと握手を交わした瞬間、腕を差し伸べてきたファンと腕を交えた瞬間、そのひとつひとつがKEMURIが作り上げたかった絆であり、13年間で成し得たひとつのカタチだろう。長い歴史を経て生まれた「our PMA」では曲に入る前、伊藤ふみおはこう語った。“この曲は応援してくれたみんなのPMAです”。グッとくるひと言に客席は一斉に拳と歓声を上げ応える。そして代表曲であり、バンドの理念である「PMA」では大合唱が起こり、メンバーもオーディエンスも感情のつぼみを花咲かせる。そこは垣根など存在しない至上の喜びで満ちていた。KEMURIは今年12月9日のZepp Tokyoでのライヴをもって解散する。遂に開かれた最終章をもう一瞬たりとも見逃すことはできない。