JCBホールでライヴをやった人は、みんな小さな武道館だって言いますけど、僕らにとってはライヴハウスです!”。この逹瑯(Vo)の言葉が全てを物語っていた。ホールならではのステージセットやミラーボール等を使った演出はあったものの、バンドと客席との間に距離をまったく感じさせず、観客のテンション、場内に渦巻く熱気、一体感...それらはライヴハウスで感じるものと何ら変わらなかった。 近年はワールドワイドな活動を展開していただけに、国内ツアーは実に1年ぶり。しかも、最新アルバム『球体』を引っ提げてのツアーである。海外経験によってダイナミズムを増した屈強なバンドサウンドが、観客を狂喜乱舞させたことは言うまでもない。イントロダクションで逹瑯が“Are you ready? Mothefuker!”と叫ぶと、SEの「球体-instrumental-」の間に極限にまで高められていたファンのエナジーが一気に解放され、1曲目の「咆哮」から何人ものクラウドサーファーが観客の上を転がっていた。さらに、HR/HMばりの重厚なギターリフが攻め立て、存在感のあるベースグルーヴと破壊的なドラミングでもってボルテージを引き上げ、序盤にして会場全体が興奮状態に陥ったのである。その後、荘厳な音世界を創り上げた「賛美歌」も披露されたが、4カウントでオーディエンスが一斉にジャンプした「蘭鋳」などで会場を揺らし、大合唱となったアンコールの「優しい歌」を迎える頃にはJCBホールは完全に巨大なライヴハウスと化していた。そして、ライヴ終演後には、南米とヨーロッパ全土の計13カ国でライヴを行ない、本ツアーのファイナル公演を東京で実施することを発表! つまり、さらにパワーアップしたムックに出会えるということだ。