放熱量のすさまじさがとにかくもう、尋常ではない。もちろんトータルな流れの中での緩急はしっかりと存在するのだが、その“緩”を担うシーンにおいても漲る気迫が薄まる気配が一切ないほど、高いボルテージが貫かれ続けていた、まるでツアーファイナルの如きライヴ。最新アルバム『monobright two』完成時に桃野陽介(Vo&Gu)が“ただの勃起の歌”と語っていた「踊る脳」を起爆剤に、ロックンロールが謳う“喜怒哀楽”が強靭さを増した音楽的エンターテインメント性をもって次々と炸裂し、実に痛快かつ爽快な時空間を作り上げていく。中盤戦に初期(といっても、彼らの歴史はまだ始まって間もないが)のナンバーをメドレーで披露したのはやや意外ではあったが、新作で早くも第2の黎明期を迎えたこのバンドの現在のアティチュードを音で表現するためには、こういった大胆不敵な攻めは絶対に不可欠だろう。となれば、当然のことながら、新作からのナンバーに対する鍛錬、結実も極めてデカいものに。とりわけ「モーニングスターター」「ヒーローヤング」といった、理論理屈無用の圧倒的な説得力で押しまくる楽曲たちが正統性をたたえて威風堂々と鳴り響いていたことは、素晴らしく感動的だった。“白ポロシャツ×ブラックジーンズ×メガネ”からの脱皮。それは決して形骸的なものではなく、monobrightの進化と変革の体現。そして、この日の一声、一音、一挙手一投足全てから感じられた4人のスケールアップには、さらなる縦横無尽な飛躍への期待も強く抱かせてくれた。さあ、次はなんばHatch、日比谷野音だ!