10月に発売されたアルバム『569』を携え、年をまたぎ全国28カ所で行なわれる『すごろくツアー』。この日横浜ブリッツで行なわれたライヴは3カ所目である。久々のライヴということもあり、メンバーはまだ体が温まる前かと思いきや、冬の寒さを蹴散らすような熱いライヴを観せてくれた。観客のテンションを上げる演出(まだまだツアー中のため、極秘!)とともに、「ロックスターになったなら」からライヴがスタート。この凝った演出に観客はおおいに興奮し、歓声を上げる。裏打ちのリズムが気分を高める「脳内トラベラー」、気合いの入ったファンが一斉に前へ前へと詰め寄せた。ステージは、ジャジーな雰囲気のある「3人のブギーマン」、懐かしくも哀愁を感じる「世界の車窓から」など『569』からの曲はもちろん、「C7」「文具」などの名曲も披露。激しいロックからスカ、ジャズ、パンクなどアレンジ豊かな楽曲陣で会場の熱を上げて行く。ユウの高音域のギターに、特徴のあるヴォーカル、声を張り上げた瞬間の緊張感はいつもたまらなく心地良い。アッコの低音を効かせたベースは常に体を動かせるし、ターキーのパワーあるドラムは時折、フロントのふたり以上にインパクトを見せ、自由なスタイルから生まれる楽曲はさまざまな人間の心を掴んで離さない。アンコールを含む全21曲、ライヴは全速力で進んでいき、気付けば終演を知らせるアナウンスが流れていた。まだ始まったばかりの今回のツアー、彼らにとって“すごろく”のゴールには何が見えているのだろうか。追加公演も決まった来年のSHIBUYA-AXのライヴが楽しみだ。