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LIVE REPORT

エレファントカシマシ

エレファントカシマシ 日比谷野外音楽堂

2008年06月28日
@日比谷野外音楽堂

“イエー!”と叫び、“エブリバディ!”と投げかけ、“~という歌です”と曲について語る。相変わらずテンションの高い宮本浩次だが、この日は少し違った。曲の説明は単刀直入で言葉少なめだし、“まあ、いいや”と途中で止めてしまうこと少なくない。時間的な制約がある野音だけに、“限られた時間の中で1曲でも多く歌いたい、聴かせたい”という気持ちがあったのだろう。実際、“いっぱい曲を用意してきた”と何度も言い放ち、その言葉通りに“いつの日か輝く”がキーワードだと語った「今宵の月のように」など全28曲が披露された。 また、屋内の閉塞的なライヴハウスではなく、どこまでも空が広がる開放的な野外ということで、ビールを片手に観ているファンも多く、和やかな雰囲気はあるのだが、楽曲はどれもが男臭く、人間臭く、やはり熱い! 最後尾で観ていていても唾がかかりそうに思えるほど宮本は熱唱しているし、そんな彼の喜怒哀楽が込められた歌に対して、サウンドの生々しさも負けていない。石森敏行はガニ股開きで力強くギターをかき鳴らし、高緑成治は寡黙に安定感のあるルートを弾き、冨永義之がダイナミックなビートを叩き出す。さらに、楽曲に鮮やかな色合い加えるサポートキーボードの蔦谷好位置も加わって、その豪快で綿密な音のうねりでもって、度数の高いアルコールを頭からぶちまけたかのように観客を陶酔させていくのだった。 今年で19回目を数える、恒例となった野音。バンドの歴史を刻むようなライヴで、初期の名曲や新曲を含め、“現在のエレカシ”の姿というものをリアルに魅せてくれたと言えるだろう。