白=昼間、みんなで聴いてもらえるナンバー。黒=夜にひとりでじっくり楽しむナンバー。相反するふたつで独自の世界観を作り出すエレジー。デビュー以来じっくりと根深くその音楽性を広めている彼女たちのワンマンライヴということで、開演前から多くの観客でにぎわっていた。 物悲しげに降り注ぐ雨音のSE、つばを飲み込む音さえ響くほど静まり返った会場。そして、神妙な面持ちでステージに現れたメンバーに熱い眼差しが向けられる。1曲目「散らない花」から胸へ突き刺さるメロディーが心地良く、うねるギターにしなやかに伸びるベース、ドラムの緻密なリズム、唯一無地の歌声と一瞬足りとも目が離せないプレイは衝撃的だった。さらにメンバーの阿吽の呼吸が楽曲の良さを引き立たせる。ライヴでもエレジーの信念である“楽しいだけが音楽じゃない”は曲がらない。つらいこと、苦しいことがあって、初めて楽しさやうれしさを噛み締めることができる、そんなことを曲を通じて観客ひとりひとりに伝えていく。そんな彼らからのメッセージは会場にいた全ての人にしっかりと届いたことだろう。最後はデビュー曲でもある「デリート」を持って、明るく、楽しく本編を締め括った。 彼女たちの成長は著しく、これからどのような進化をしていくのか楽しみで仕方ない。アンコールでは観客に向けてクリスマスプレゼントを用意するという、うれしいサプライズも企画されていたほど何事に置いても愛情のこもったバンドだからこそ、今以上の胸を打つ作品を残してほしいと思う。また、3月3日のひな祭りに渋谷J-POP CAFEで『おとめフェスタvol.1』という、何やらステキなライヴを計画中の彼ら。次々に斬新な企画で楽しませてくれる彼らに期待せずには入られない。