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LIVE REPORT

秦 基博

秦 基博 日本武道館

2009年03月06日
@日本武道館

アーティストであれば誰もが夢見る武道館のステージ。あれだけの大舞台を前に、秦 基博はどう臨むのか? 無論、チケットは即日ソールドアウトであり、その勇姿を堪能しようとする者で会場は埋め尽くされていた。特にこれといった大掛かりなセットはなく、ステージにはバンドセットのみがひっそりと佇んでいる。 暗転、いよいよライヴが始まるとあって異様な空気が会場を包み込んだ。ステージには秦だけが姿を表し、アコギ1本を携えると優しいストロークを奏で始めた...「僕らをつなぐもの」である。その唯一無二の歌声は、気持ちいいぐらいに伸びていき、実に表現豊かに楽曲を彩っていく。秦 基博を象徴する始まりであると同時に、彼の根底にある“人と人とのつながり”を感じることができた。そして、サポートメンバーとのバンドセッションでは、楽しくて仕方がないといった具合に次々と曲を披露し、彼にとってターニングポイントになった曲のひとつだという「虹が消えた日」では、壮大に描かれた世界観をハートウォーミングな歌声で確かなものとし、聴き手の心を浄化していくようだった。 “元気見せてくれますか!”と勢いを付けたアンコールでは、「最悪の日々」を熱唱。アッパーな同曲なだけに、会場が波打つようにリズムに乗った。全ての歌を完全燃焼し、ステージを去る姿は、またひと回り大きくなった印象を受ける。 どんなに会場が大きくなろうが、彼の歌はいつだって観客ひとりひとりに向けられているし、温かく寄り添ってくれる。終演後もその心地の良さに、なかなか会場を後にすることができなかった。