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LIVE REPORT

秦 基博

『HATA MOTOHIRO CONCERT TOUR 2010-2011 ―Documentary―〈最終公演〉』

2011年02月23日
@神奈川県民ホール

昨年11月から始まったツアーも今日を残すのみ。レコーディングやライヴをしてきた慣れ親しんだ街。“あの時と変わらないもの、変わったもの、全てが愛おしい”と、最新アルバム『Documentary』を携え、第二の故郷である横浜でファイナルを迎える。

徐々に照明が落とされたステージに立った秦 基博は、“今日は楽しんで帰ってください”と第一声。すぐさまバンドメンバーの奏でる音の輪に加わり、「今日もきっと」で幕開けた。演奏者たちの楽しげな雰囲気はどんどん会場に広まり、観客を笑顔にしていく。心地良い空間に繊細な歌声が優しく響いていた。そして、ちょっとした音すら気になるほど空気が張り詰めた「風景」の弾き語り。アコギと声だけで紡がれる世界観を噛み締めるように熱視線が注がれたことは言うまでもない。また、エネルギッシュに力強く打ち鳴らされた「透明だった世界」の疾走感と切なさが交錯するサウンドで会場の一体感を高め、今の自分がみんなに聴いてほしいこと、伝えたいことを突き詰めて『Documentary』を作るきっかけにもなったという「アイ」には心が奮えた。本編ラストは「朝が来る前に」。等身大の素直な言葉、シンプルながら確実に胸を打つメロディー、それらを渾身の力を込めてかたちにしていく姿が印象深く残っている。最後は、それまでサポートしていたバンドメンバーも客席に降り、秦が「鱗(うろこ)」を弾き語りで披露。中盤からバンドメンバーも参加し再び加わり、観客の大合唱とともに壮大な音世界が築かれていった。