3rdアルバム『告白』を引っ提げた&初ホールツアーの東京公演、NHKホール2デイズの2日目。ライヴバンドとしてのチャットモンチーと、エンターテイナーとしてのチャットモンチーの2者を垣間見たライヴだった。まずは前者。もうこれに関しては経歴などは説明する必要はないだろう。ホールというどこか厳かな場所だが、そんなことは関係なくライヴのノリが体に染み付いてしまっているチャット自身とファンはスタートから大興奮。クラップと歓声がホールの反響により大音量で沸き、それに応えるように1曲目はアッパーな「8cmのピンヒール」を一斉に鳴らす。橋本絵莉子の高音域のヴォーカルもこの日は叫びのようにも聴こえ、エッジーなギターとともに熱いエモーショナル感を帯びていく。福岡晃子のベース、ステージングはライヴを観る度にどんどん野性的になっている。ひとつひとつの楽曲でもそうだが、こんなにベースが全快に前面に出ている曲を持つバンドはそういないんじゃないだろうか。高橋久美子のドラムもそうで、全快で叩き鳴らす。ホールといういつもと違う場所であることから、これらの3人のはっきりとした“個”をより強く感じたのだった。 また、中盤ではステージにスクリーンが降ろされ、このツアーの会場地にちなんだ写真を写し、メンバーがそれにまつわる話をしたり、アンコールの始めにはセットを南国風に変え、幼い女の子から40オーバーの男性まで総勢8人をステージに呼び込み、ファンも参加しての「ハイビスカスは冬に咲く」を演奏。観客と一緒になって楽しむ、この光景もチャットならではの温かい空気を作っていた。 そして、この後はライヴハウスツアーが控えている。夏も近づき、熱いチャットモンチーがやってくる。