日本武道館は、4年前に歩みを止めた場所。昨年の復活宣言とともに意欲的な活動でファンを喜ばせている彼らが、そのステージに立ち、再び歩むことを決意した自分たちへのけじめとも言えるライヴを行なった。
サウンドと一体化するように流れる歌声が会場を心地良く包み込み、壮大なサビへといざなう1曲目の「BREAK OF DAWN」。そこからパンチの効いた「最後のGAME」へと、静と動を見事に使い分け客席を魅了する。そして、これまでの軌跡をなぞった「10th Anniversary Medley」では、各楽曲のミュージックビデオをバックに、現在のふたりが歌う。そこに懐かしさは感じるものの、決して古さは感じなかった。色褪せることなく、いつ聴いても心揺さぶられるのだ。そんなバンドの強みを感じていると、ライヴはあっと言う間に佳境へと突入。サポートメンバーとのグルーブ、観客との一体感を受け満面の笑みを浮かべる伴 都美子(Vo)と大渡 亮(Gu)。ふたりだけの世界に止めず、周りを巻き込んでDo As Infinityという大きな世界を形作る、そんなライヴを目の当たりにしたように思う。
アンコールでは、Do As Infinity史上最速の新曲「君がいない未来」を発表。さらにダブルアンコールにも応え、ふたりだけでデビュー曲「Tangerine Dream」を披露した。ここまで冗談ばかり言って周りを和ませていた大渡だが感情を抑えることができず、最後には涙を浮かべるシーンも...。固い絆で結び付き、こうやって10周年をともに体感できたことが何よりもうれしかったのだろう。それは私たち観客も大いに感じていたことは言うまでもない。