“サンキュー! 7年振りの野音だぜ!”。肌寒さを感じる天候ではあったが、それ以上に募る期待に熱気が立ち込める場内をいっそう燃え上がらせた大渡 亮(Gu)の第一声。9月29日にデビュー12周年を迎えたDo As Infinityの記念ライヴの幕開けだ。1曲目の「最後のGAME」から、“日比谷! フゥ!”といつも以上にはしゃぐ、テンション高めの伴 都美子(Vo)。イントロが鳴るや否やオイコールが響いた「冒険者たち」など、序盤は痛快に駆け抜けていくロックチューンを投下! 辺りの暗さが深まってきたところで、一音一音を丁寧に綴った落ち着いた楽曲が続く。ぐるりと自然に囲われたステージから放出される光、紡がれる温もりある調べがとても幻想的な空間を生み出していた。切羽詰まったギリギリの心情が歌声から伝わり、唸りを上げるギターの音色に心が掻き乱され、特に曲の世界観に引き込まれた「誓い」。困難にぶつかっても、必死にすがりついて、絶対に歩みを止めないという逞しさを感じずにはいられなかった。さらに、「Field of dreams」では、渋谷スクランブル交差点の映像をバックに歌い、路上ライヴでひとりひとりに歌を届けていたデビュー当時を彷彿することに。規模は大きくなっても、常に聴き手ひとりひとりと向き合う。この思いは12年経った今も何も色褪せることなく、さらに強い信念として息付いていた。前へ突き進もうとするメッセージは、Do As Infinityの姿そのもので、それはアンコールで披露された新曲「黄昏」にもちゃんと根付いていた。今後彼らを語る上では欠かすことのできない一曲になるに違いない壮大な同曲を静かに噛み締め、最後は「遠くまで」の大団円で締め括った。