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LIVE REPORT

ONE OK ROCK

『THIS IS MY BUDOKAN?!』

2010年11月28日
@日本武道館

何度目だったっけ...?と思ってしまうほどの胆力に、まったくもって驚かされた“初”武道館公演だった。
デビューから3年半は紆余曲折のバンド道だった。昨春は不祥事によるメンバー脱退から一時活動休止を余儀なくされ、始動開始はツアー全行程の再開からだったが、これは煮詰まった鍋蓋をはじき飛ばすほどのエネルギーの放出だった。勢い余った年頭からの活動は精力的で、今日を迎えることに何の疑念も抱かせない強靭な精神力を養い鋼と化した。だが、“こんなに素晴らしい光景が広がってたと思うと、昨日、眠れなくて良かったと思う”とTaka(Vo)がしおらしいことも言ってのける。そもそも、初の武道館となれば感慨深い演出がつきものだし、軽く涙ぐんだりするもんだが、ビックリするくらい思い出めいたニュアンスなど感じさせないのは恐るべしだ。ただ、本編ラストにデビュー曲「内秘心書」を持ってくることや、アンコールの「努努-ゆめゆめ-」では、Toru(Gu)のラップリップも冴え、デビュー時のミクスチャー的要素が見えて感慨深かった。この曲のサビに“夢は見るもんじゃなく、叶えるもんでしょう”とあるが、ポテンシャルを見る限り、武道館はただの“通過点”なんだとしか感じられない。今見ている夢は“どこ”なんだろう...。本当に、のっけからアッパーチューンで炸裂させ会場の興奮を手玉に取ったスタンスは、各メンバーがプレイヤーとして成長し、”ONE OK ROCK”を腹の底から理解し運命共同体として固い絆を結んだことを感じさせた。