“僕は何よりも、みんなが笑ったり歌ったりしてくれる時間が幸せです”。かつて自分に自信がなかったという天月-あまつき-(以下、天月)は、そう口にした。7月27日にパシフィコ横浜 国立大ホールにて開催された『天月-あまつき-10th Anniversary LIVE 「The StarLight Seeker -prologue-」』。スパンコールのような、宇宙を連想させるライティングが煌めくもとで、観客ひとりひとりに確かな温もりを分け与えていた。
ステージ両脇のスクリーンに少年と種が登場するアニメーションが流れ、曲を挟みながらライヴは進行していく。少年は10年前のまだ名もなく自分に自信がなかった天月。種は今の天月となる前の希望。奇跡的に出会ったふたりが宇宙船で旅をして、いろいろな人から愛情を注がれ、心に自信という名の花を咲かせるという彼の実話だ。
自分に自信がなかったのがあたかも嘘であるかのように、ダンスを取り入れた「Sing! Swim! Swing!」から「かいしんのいちげき!」「月曜日の憂鬱」「お邪魔チックLover」と、人懐っこいキャラクターで観客にとびっきりの愛嬌を振り撒き、観客に呼び掛けながら歌っては、茶目っ気のある話っぷりをもって会場中を温める。時間が経過するほどにライティングに負けじと、夜空を照らす月の如く輝きを増してきたのは、きっと自分の好きなことに常に全力投球しているからだろう。たくさんの笑顔が咲く中、和風衣装に着替えた「君色に咲く花」、ギターやピアノを弾き歌った「スターライトキセキ」「Hello, My story」でもシンガーとしての真っ直ぐな歌声を届けた。
特別ゲストとして登場した友人・nqrseとの「ヒロイックシンドローム」では、会場を激しく揺さぶってみせた天月。銀テープが放出された「きっと愛って」のあと、“10周年とは言えど、めちゃめちゃ明るい未来をみんなと見ているつもりです。次の星までひとっ飛びでいくぜ! ありがとよ!”と悪戯っぽく笑った彼の心に、さらなる花が咲き誇っていく未来が想像できた。
撮影:SARU(SARUYA AYUMI)/取材:小町碧音
天月-あまつき-
あまつき:動画共有サイトにて2010年より動画の投稿を開始。ハイトーンで少年ぽさを色濃く残した歌声は、さわやかでありながらも甘い魅力があり、人懐っこくいたずらっぽさを感じさせるビジュアルとあわせ、多くの人々の心を掴む。また、自身が企画した全国ライヴツアーを行なったり、演劇、朗読劇と活動の幅も広げ、日本のみならず海外のファン層も拡大しており、国内外のイベント出演オファーが相次いでいる。