日本武道館2デイズに始まり、計40公演という全国ツアーの最終日。“男が一度決めた舞台、やるしかない”と意気込んで臨んだ大舞台だけあって、興奮や期待で開演前から熱気が立ちこめる場内。しかし、ひとたびライヴが始まれば本人たちも口にしていたように、良い意味でいつも通りの空気感が広がる。大きい会場だからといって構えてしまうこともなく、熱量の高い充実したパフォーマンスに応戦するエネルギッシュな観客。演出効果で視覚的にも華やぎ、エンターテインメント性が加わる一方で、軸になる強靭なバンドサウンドはいっそう唸りを上げ、振り幅の広さを見せつけた。“地位や名誉のためじゃなく、武道館を自分たちでやると決めた時と同じ熱を感じたかったから”と東京ドーム公演への経緯を語ったルキ(Vo)。純粋な気持ちで、貪欲に音楽を吸収し昇華していく。それこそがthe GazettE最大の武器であり、原動力になっていることを痛感した瞬間だった。文字通り完全燃焼したメンバーたちは深々と頭を下げる。それは長い道のりの末、辿り着いた今日という新たなメモリアルな一夜を噛み締めているようで、共に闘ったメンバー同士で強く抱き合う最後の姿はオーディエンスの胸に深く刻みこまれたことだろう。
トリプルアンコールの声も上がっていたのだが、代わりに本公演のライヴDVD、2005年から09年までの軌跡を綴ったベストアルバムが3月23日に、さらに春先にはニューシングルをリリースするという嬉しい情報がスクリーンに並んだ。余韻に浸る暇も与えず、the GazettEは早くも第2回東京ドーム公演に向けて走り出す!