台風の影響で延期になった念願のTOKYO DOME CITY HALL公演が11月29日、ついに開催された。8月1日にリリースした1stフルアルバム『コン・パーチ!』を引っ提げ、全国各地を回るツアーの初日となるはずだった東京公演は結果、さらに高まってきたバンドの盛り上がりを来年の飛躍につなげるものとなった。ライヴは“ツアーの初日! 最高の1日にしようね!”というおかもとえみ(Vo)のひと言からスタート。バンドは『コン・パーチ!』の収録曲を中心に2時間40分にわたる熱演を繰り広げた。
“お手を拝借!”と手拍子を求めた「常夏ヴァカンス」、“みんなでイエイ!って曲になってます!”とコール&レスポンスに導いた「NO BITTER LIFE」。スタートから観客の気持ちをグッと掴むと、昨今のシティポップに共鳴しながらもアーバンになりすぎない、それこそバンドが掲げる“神泉系”のポップソングの魅力を印象付けた序盤。そこから一転、“ここからとんでもないことになります”と、ひろせひろせ(MC&Key)が言ってからの中盤は、大喜利風のメンバー紹介、4匹のおサルちゃん(着ぐるみ)も加わったミュージカル風の「元気DCT~憧れのマチュピチュ~」「fisherman」でさらに盛り上げる。
そこからさらに一転、東京ドームでワンマンライヴをやることを目標にバンドを結成したことを改めて説明すると、ドーム公演サブステージのリハーサルと称してお馴染みの曲をひろせひろせ曰く“いつもと趣向を変えて”アコースティックセットで披露した。曲間では進行役のひろせひろせが、おかもとえみ(Vo)ら自由奔放な他のメンバーに振り回されるというツアータイトル通りのトークもたっぷりと楽しませ、この1,2年、ぐんぐんと動員を伸ばしてきたフレンズのライヴの魅力を見せつけると同時に、小さなライヴハウスでスタートした彼らのライヴが大きなホールでも映えることを証明した。終盤はラストスパートをかけるようにダンスナンバーをつなげ、ダメ押しで盛り上げると、来年1月31日にNHKホールでワンマンライヴを開催することを発表。目標に向かって、また一歩近づいたことを印象付けた。
撮影:kondo midori、RAY OTABE/取材:山口智男
フレンズ
フレンズ:2015年6月に結成された“神泉系”バンド。16年5月に東京・THREEにて初のワンマンライヴを開催。会場および通販限定で発表した1stミニアルバム『ショー・チューン』が好評を博し、各地のイベントやフェスに多数出演。17年4月に初の全国流通盤となる1stアルバム『ベビー誕生!』を、同年11月に2枚目の全国流通盤となるプチアルバム『プチタウン』を、18年3月にはEP『ベッドサイドミュージックep』をリリースした。