最新アルバム『Heart Of Gold』を携えて今年1月より行なってきたSING LIKE TALKINGの全国ツアーが3月25日にTOKYO DOME CITY HALLでファイナルを迎えた。昨年8月の中野サンプラザ公演でやんわり予告されていた通り、今回は“with Next Generation”と銘打ち、彼らをリスペクトしている次世代の音楽シーンを担うフレッシュなメンバーをサポートに起用。佐藤竹善(Vo&Gu&Key)、藤田千章(Key&Syn)、西村智彦(Gu)のバックには、黒田晃年(Gu)、河野充生(Ba)、加藤久幸(Dr)、宮崎裕介(Key)、露崎春女(Cho&Per)が付く8人編成で、彩り豊かなステージを展開。また、30周年記念ライヴの開催、ベストアルバム『3rd REUNION』のリリースもアンコールで発表となり、ファンを大いに喜ばせた。
ニューアルバム『Heart Of Gold』からの「Prologue」をSEにメンバーが現れると、オープニング「Together」では藤田と西村のユニゾンソロ、佐藤のスキャットで沸かせ、観客は早くも総立ち、手拍子状態に。「If You Are Kind To Us」での宮崎のジャジーなフレーズに河野のハリのあるスラップなど、新顔の気鋭プレイヤーたちとの交歓も素晴らしい。「My Desire ~冬を越えて~」「Closer ~寒空のaurora~」は季節の情緒をゆったりと感じさせてくれた。
過去にジョン・メイヤーを観に来て“ここでずっとやってみたかった。音がいいし、ミニ武道館みたいな風景でいいですね”とゴキゲンの佐藤、客席に“イェイ!”をねだる藤田(佐藤曰く30年で初めて)、花粉症の辛さをしみじみ語る西村(それでもギターは絶好調!)と、お決まりのゆるーいMCも健在です。佐藤が弾くアコギの音色に乗せて《Oh...》の大合唱が起こった「Human」、サラ・オレインがサプライズ登場して驚愕のハイトーンヴォイスとバイオリンを凛と聴かせた「闇に咲く花 ~The Catastrophe~」、露崎の多重ヴォーカルトラック&アカペラで披露したジャクソン5の「ABC」などを経て、後半は“これぞSING LIKE TALKING!”という清々しいハーモニーやグルーブ際立つ「La La La」「Seasons Of Change」も。プログレバンドばりに各自のソロを挟みつつ、本編はこのツアーで初めて取り上げた「Desert Rose(Adenium)」で締め。アンコールの「Rise」では塩谷 哲も飛び入り参加し、宮崎とピアノ連弾。そして、佐藤&藤田&西村とSLT3人のみの「Utopia」で大団円となった。
撮影:高田 梓/取材:田山雄士
SING LIKE TALKING
シングライクトーキング:1988年にシングル「Dancin' With Your Lies」でデビュー。ロックやソウル、ファンク、AORのエッセンスが漂うポップスが魅力で、メンバーはソロ活動も行なっている。2015年より2018年のデビュー30周年に向けた“カウントアップ・スペシャルライヴ”企画を実施中!