6thアルバム『Unlimited Diffusion』に伴うツアーで4月から全国47都道府県を回ってきたAldious。ツアーの真っ最中である11月にはミニアルバム『We Are』をリリースするなど、勢いに乗っている彼女たちが12月27日に新木場Studio Coastで同ツアーのファイナル公演を行なった。ジャパメタや歌謡メタルをベースに、ラウド系やパンク、シンフォニックなどさまざまなメタルの可能性に挑む姿が頼もしく感じられるライヴだった。
さすが全54本の全国ツアーを回ってきたファイナル公演だけのことはある。緩急メリハリのある演奏と、メンバー同士息の合ったパフォーマンスが印象的だった。オープニングの3曲では派手な照明とともに、スピード感あふれる激しい演奏で会場の空気を一気に盛り上げる。続いてパンキッシュな「die for you」、メロディアスな「梅華」といった歌心あふれる楽曲でオーディエンスの気持ちをひとつに。Re:NO(Vo)とトキ(Gu)によるアコギユニット“れもん”のコーナーでは、フレンドリーなトークを交えつつ新作『We Are』から「Happy Birthday」を温かいムードで聴かせた。また、恒例のインストコーナーでは、楽器隊全員がソロ回しを披露。トキがライトハンドをキメれば、サワ(Ba)はベキベキのスラップで応酬し、Marina(Dr)はツーバスを生かした手数の多いドラムで会場を沸かせ、Yoshi(Gu)はギターシンセを使った美しい旋律を奏でる。そこにトキが加わり繰り出されるツインリードは、まさにメタルの様式美。ガールズバンドらしからぬ余裕の演奏力で観客を圧倒した。
本編後半では「Reincarnation」「Sweet Temptation」といった欧風な雰囲気の楽曲で妖艶かつヘヴィな世界観を展開し、クールな一面も。そして、ラストは「We Are」「Dominator」などハードでアッパーな4曲で駆け抜ける。楽器隊の演奏も驚くほどタフになっていたし、Re:NOの声も芯が強くなっていて、ロングツアーを経たバンドの成長ぶりは目を見張るほどだった。アンコールでは2018年のツアーが発表されたが、前半だけでも24公演が予定されており、今後の彼女たちがどれだけ大きくなっていくか、今から楽しみだ。
取材:舟見佳子
Aldious
アルディアス:2008年に大阪で結成。ガールズメタル界の頂点に立つ5人組。“Ultimate Melodious(究極の旋律)”からの造語だというバンド名が示す通り、アグレッシブな演奏とメロディアスな楽曲が魅力。激しいパフォーマンスと一体感のあるライヴにも定評があり、17年は『Summer Sonic Shanghai 2017』や、2年連続となる『LOUD PARK 17』にも出演を果たした。