やりたいことをとにかく詰め込んだアルバム『PICORINPIN』を携えての約3年振りとなるワンマンライヴ。石井征行(Gu)、ナスノミツル(Ba)、森 俊之(Key)、沼澤 尚(Dr)といった錚々たるメンバーに臆することなく、伸びやかな歌声でアットホームな空間を作り上げていった高橋 瞳というシンガーのポテンシャルの高さはさすがだ。音遊びを楽しんでいるようなライヴは、観ているこちらもワクワク、ドキドキする。力強く歌うボーイッシュなイメージの強かった彼女も、「walkin’」「珈琲ミルク」では女性的な色気を醸し出していたのが印象深い。そして、疾走感ある「プールサイド」から一気に駆け抜けた後半戦では、舞台のギリギリまで身を乗り出しての熱唱ぶり。曲によってさまざまな表情を見せ、いち表現者として逞しく成長した姿を証明付けるアクトだった。