回を増すごとにステージセット、アーティストや観客の仮装にも力が入り、恐ろしくも華やかに彩られた場内。VAMPS主宰のハロウィンライヴ、今年は何が巻き起こるのだろうか? 幕張メッセ国際展示場9・10・11ホールでの2日目に潜入した。
トップバッターは初参戦のシド。ダンボール製のオリジナルキャラ“恐怖!? 富士山男”を被るゆうや(Dr)、袴と上半身は艶麗なボディペンティングを施す明希(Ba)、『聖闘士星矢』のキグナス氷河に変身したShinji(Gt)、『新世紀エヴァンゲリオン』の綾波レイでマオ(Vo)が登場。感情的なプレイで魅せる楽器隊と、憂いな眼差しで「sleep」や「いつか」を歌うマオの姿に胸が締め付けられる。
昨日に引き続いてのAcid Black Cherryは、“モンスター”というHYDE(Vo&Gt/VAMPS)からのお題に“モンス ターバンド”という解釈で挑んだ。ジャジーでアダルトな雰囲気を醸し出す「Black Cherry」を演奏していると、このメロディーは...「紅」である! ドラまで用意しての完成度の高い演出に大歓声が沸き起こった。
3組目はシドと並んで初参戦のsads。GO(Dr)は『13日の金曜日』のジェイソン、クボタケイスケ(Ba)はKISSのド派手メイク(血のりまで)を完コピ、K-A-Z(Gt)は『ダークナイト』のジョーカーに扮する。衝撃的だったのは、清春(Vo)の扮した『銀河鉄道999』のメーテル。手鏡を覗き込みながら髪をいじったり、煙草を片手に舌なめずりする仕草は上品な色気があるものの、歌い出すと狂気の沙汰へと変貌し、重厚なロックサウンドを轟かせた。
そして、オーガナイザーであるVAMPS。ARIMATSU(Dr)は『DEATH NOTE』の死神・リューク、Ju-ken(Ba)は『エルム街の悪夢』のフレディ、JIN(Key&Manipulator)は『ハリー・ポッター』のセブルス・スネイプとなり、まずはバックを支える強靭なバンドメンバーたちがお目見え。K.A.Z(Gt)は怪しさを放つピエロ、HYDEはヴァンパイヤ、狼男、魔女、ジャックオランタンなどを取り入れたハロウィン集大成と呼べる独自の仮装で登場。イリュージョンを取り入れ、上空高く飛び出したHYDEは“VAMPS参上、血が足んねー!”と冒頭からオーディエンスをけしかける。しかも、1曲目から貫禄あるバンドサウンドが迫り来る「KYUKETSU -SATSUGAI VAMPS Ver.-」とあっては黙ってはいられない。大合唱の「REVOLUTION」、爽快なメロディーに合わせタオルが回った「ANGEL TRIP」、コール&レスポンスから「TROUBLE」と熱狂のうちにラストの「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」。刺々しい爆音が心地良く降り注ぎ、会場中がひとつになって踊り狂うお祭騒ぎとなった。
最後は本日の出演者総出のセッション。HYDE作詞作曲のオリジナルハロウィンソング「HALLOWEEN PARTY」を歌いながら、少し早めのハロウィンを満喫した。