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LIVE REPORT

MERRY

『Tokyo Spring 日比谷デモクラティック ~羊達の主張~』

2017年05月05日
@日比谷野外大音楽堂

“「千代田線デモクラシー」を日比谷で響かせたい”という想いを胸に半年間、企画ライヴや主催イベントなどを繰り広げてきたMERRY。本公演終演後、そのゴールは次へのスタートになっていたーー。

タイトルに相応しく「演説」の“羊達の主張”バージョンで幕を開け、“MERRY、始めます!”のガラ(Vo)の声で「[human farm]」「「東京」」とアグレッシブなナンバーを一気にたたみかける。のっけからクラップ&ヘドバンを発生させたライヴは、歌モノ三部作「傘と雨」「平日の女 -A面-」「Happy life」、前述の「千代田線デモクラシー」をはじめとするアルバム『NOnsenSe MARkeT』収録曲など近年のナンバーを中心に、定番曲はもちろん、レアなナンバーも投下。アコースティックコーナーも用意し、“現在のMERRY”をまざまざと提示してみせた。開演前のBGMでも流れていた昭和歌謡やフォークソングのDNAを受け継いではいるが、そのレトロなテイストが古さではなく、アバンギャルドなものとなってMERRYにしか出せない音に昇華されていることは周知の通り。それをもっとも如実に感じさせたのが、ニューアルバム『エムオロギー』のリリースと47都道府県ツアーの開催を発表したあとに披露された新曲だった。歌モノ三部作を経てのメロディーの強さだったり、アンサンブルの癖の強さや構成の屈折の度合いが印象的で、まさにそれが“次のMERRY”を指し示していた。さらに、もうひとつ。アンコールだけだったものの、テツ(Ba)が怪我からの復帰後、初めて首用コルセットをはずし、しかもスタンドを使用せずにベースをプレイしたのだ。この時の5人の姿、それが何よりもの“NEXT”だと実感したのは僕だけではないはず。