昨年11月の赤坂BLITZからさらに自身のワンマン史上における最大キャパを更新した今回のZepp DiverCity Tokyo公演。それにもかかわらず、“ライヴハウスの距離感だけは忘れたくない”と渋谷龍太(Vo)も言っていたように、200人とかぐらいのライヴハウスでやりたい放題に暴れまわっている勢いのまま乗り込んできたようなところが痛快だった。結成から10年。物分かりが良くなったわけでも、変に洗練されたわけでもなく、彼らが未だに自分たちの真摯な想いを剥き出しにしながら懸命に生きることを歌い続けていることに感激。ロックバンドはやっぱりそうでなきゃ。今年1月より3カ月連続でリリースしたシングルの3曲をはじめ、自主レーベルを立ち上げてからのレパートリーを中心にメジャーデビューシングルだった「深呼吸」他の懐かしい曲も披露。曲の前後だけでは足りずに曲間でも曲に込めた想いを語らずにいられないのは、伝えたいことがありすぎるからだ。「うるさい」ではステージの前に下ろした紗幕に映像と歌詞を映し出すという大バコならではの演出でも客席を沸かせたが、“歌詞も”というところが彼ららしい。どんだけ伝えたいんだ。暑苦しい...いや、熱い想いに胸を打たれた。時間をかけ、着実に歩みを進めてきた自分たちをラクダに例えた彼らが“これからはもっとスピードを上げていく”と宣言。そして、アンコールで6月1日に新しいアルバム『27』をリリースして、全国ツアーを行なうことを発表すると、『27』から早速、「秘密」を披露。10周年記念の締め括りが新たなスタートであることをアピールした。