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LIVE REPORT

MAN WITH A MISSION

『MAN WITH A MISSION PLAY WHAT U WANT TOUR』

2014年12月20日
@さいたまスーパーアリーナ

歓喜と熱狂の渦、音楽だけが体現できる夢と幸福に満ちあふれた時空間。しかも、アルバムの世界観を表現するコンセプチュアルなライヴとはまた異なり、ファンの投票によってセットリストが決定するという企画が前提にあってのスペシャルな、言わば深い愛情と思い入れで彩られたステージ。ツアータイトルにもつながる「Take What U Want」で幕を空けたこの壮大なるロックパーティーは、“僕の好きな一曲”“私の大切な一曲”が新旧織り交ぜて披露され、さながら心のベリー・ベスト的な内容となっていた。

開演に先立ってのアナウンス映像が日本エレキテル連合という旬な飛び道具だったり、恒例のJean-Ken Johnny(Gu&Vo&Raps)と飼育好男(スタッフ)による爆笑ミッション動画は相変わらずおとぼけだったりと、ツボをくすぐる遊び心はこのライヴでももちろん発揮。けれども、全体的な流れ、楽曲の届け方は徹底して正攻法。オーディエンスに心の底から楽しんでもらうためのサービス精神もありながら、それを成し得る主軸は声であり、音であるという姿勢が真摯に、誠実に、この時空間に音楽として鳴り響いている。疾走、ダイナミズム、うねるグルーブ、そして名ロックバラード「RAIN OF JULY」の泣き、「FLY AGAIN」での地球を揺らすような一体感――瞬間瞬間が、ここに生まれた、存在した全てが、“音楽の誇り”を湛えていた。また、DJ Santa Monica(DJ&Sampling)がジャンベ(!)を担当した新曲「Falling」の美しさは、オオカミたちのさらなる進化の具現化。5周年を迎える2015年、彼らがここから向かう新たな地平の広がりがますます楽しみだ。