この曲が初公開されたのは、昨年の日本武道館公演『意味深3』。アンコールのオーラスで“俺はこの歌が今のところ一番大好きです”と言って、KREVAは静かにこの曲を唄いはじめた。緩やかに、しかし力強く鼓動を打つかのごとく刻まれる4つ打ちのビートに、オートチューンをまとった主旋律とヴォコーダーによるコーラスが折り重なる。切なくも、 いつまでも消え入ることのない願いが、心に希望の炎を灯していくような、KREVAの歌心の核心が表出した1曲である。“君の笑顔”を求め、 心底から沸き上がった言葉をシンプルに紡いだリリックしかり、『心臓』収録の名曲「Tonight」との共振性も感じられる。
<それでもまだ毎日は容赦なく先に進むよ/切れそうになる細い糸また繋ぐのは/笑顔 笑顔だけ/笑顔 笑顔だけ>
当初まだリリース予定のなかったこの「EGAO」だが、3月11日(金)に発生した東北関東大震災を受けて、3月18日(金)からオフィシャルサイトで武道館のライヴ映像を公開。そして、3月末の配信リリースが決定した。
「この曲は、けっこう前から存在していて『心臓』の収録曲よりも前に作っていたと思います。でも、サウンドは今のモードに近い感じがあって。 自分でもすごくいい歌だと思うんです。こういうことがあって、俺は自分がどうしても伝えたいこと以外はあまり情報を発信しすぎないことを意識していて。こういうことがあったからこそ、じっくり音楽と向き合ってクオリティの高い曲を作っていきたいという思いがあります。でも、この 『EGAO』に関しては、スタッフサイドから、配信でリリースして売り上げの一部を義援金にあてるのはどうか?という提案があって。それを断る理由はないですよね。すごく普遍的な曲だと思うので、可能な限り多くの人に聴いてもらえたら、と思います」
最後にリスナーへ向けたKREVAからのメッセージを。
「これを読んでいる人は大きな被害に遭った人たちよりも、通常どおり音楽が聴ける環境にある人が多いと思うから。その人たちに向けて。日本全体が以前のような日常を取り戻すまで、本当に長期戦だと思うから。それぞれが落ちついて、できることをしっかりやりましょう。それに尽きると思います。例えば一刻も速くメールを打とうと思ったときほど慌てちゃって、結果的に時間がかかることってありますよね。義援金や物資を送るのも、どんなところを介して、どのようにそれが使われるかしっかり調べてからでも遅くないと思うから。どんな行動をするにも落ちついていきましょう」(ライター 三宅正一/fixed)
更に、この「EGAO」を配信する前から予定されていた、5月11日(水)のシングル・リリースも決定。2011年第2弾シングル は、現在の世情に突き刺さる、“KREVAならでは”のリリックで“KREVAらしい”メッセージを投げかける「C'mon, Let's go」。今の日本に勇気と希望を与え、前に進んでいくパワーをもたらす!