“ドリであそべ! ドリでおどれ!”――この、ドリカムディスコのキャッチフレーズがすべてだと思う。
今回、多くのリスナーからの熱烈なリクエストをけて、結果的にデジタル配信の解禁が1ヶ月早まったというのは、ビジネスとはまた違う側面で音楽の受容の仕方が多岐にわたっている証拠だと感じた。
『DOSCO prime』という作品は、ドリカム楽曲をディスコサウンドに変換したベスト盤で、言うなれば、より手軽に楽しめるアルバムだ。この歌詩で吉田美和はどういうことを言おうとしているのだろうか?とか、どうして中村正人はこのサウンドアプローチにしたのだろうか?といったストイックな向き合い方よりも(もちろんそうしてもらってもぜんぜん構わないのだが)、むしろ家事をしながらとかランニングをしながらといったように、生活のバックグラウンドにある方がよりしっくりくる。つまり、主役は“あなた”なのだ、とハッキリと宣言しているのが『DOSCO prime』なのだ。
冒頭に挙げたキャッチフレーズがまさしくそのことを表している。TikTokで、学校で、サークルで、家族で、ドリカムの音楽をガンガン使い倒せばいい。そのためにはサブスクが欠かせない。早くしてよ――リスナーからそんな声が上がったのは、この作品が正しく伝わっているからに他ならない。
この曲に救われた――もしかしたらそんなことは起こらないかもしれない。けれど、ドリカムの音楽を“持っている”という実感をもっとも強く抱ける作品であることは間違いない。
ニュース提供:UNIVERSAL SIGMA