ユズリハ

緑がまぶしい こもれびの中
優しい風音に 君をかさね
いつかのベンチは 少し広くて
読みかけの本は 広げたままで

今にも声が 聞こえてきそうで
ページをめくるたび 僕のとなりで
ほほえんでた君 思い出して
携帯の写真 ながめていたんだ

どんなに会えない日が 続いても
近くに感じたいよ いつだって

君のことを 探してしまう

終わりのない 旅は続いてゆく
ユズリハみたいに
いつかまた 君の知らない僕が
迎えにゆくから

上京した朝に 届けられた
君からの荷物 広げたままで
ブラインドの影を 映しながら
部屋の片隅で 佇んでるよ

袋いっぱいの かぜ薬には
手紙とユズリハが そえてあった
「そっちは寒いから 気をつけてね」
君の声が 聞こえたよ

セピア色に染まる 君の文字が
今の僕に何より せつなくて

君のことを 抱きしめたくて

舞い落ちる 思い出のユズリハは
どこへさまようの
いつかまた つないだ景色たちを
君と語れたなら

たとえずっと 君とはなれてても
愛しているから
言葉には できない気持ちばかり
あふれてゆくけど

終わりのない 旅は続いてゆく
ユズリハみたいに
いつかまた 僕の知らない君を
迎えにゆくから

君がいなくて
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