北国かえり花

両手を合わす 手向けの花に
何より供養と 雪が降る
母の息吹が… 哀しみが…
岩手椿の 気丈さに
触れてはじめて こころが決まる
ここで生きてく 北国かえり花

この家守り 夢あきらめて
恋まで譲って 泣いたひと
母の行き方 今わかる
ひとを恨まず また責めず
祈る姿が 姫神山(ひめかみやま)と
そっと重なる 北国かえり花

小さな望み 小さく叶う
女のしあわせ きっと来る
母と同んなじ 道をゆく
ひとりきりでも 故郷(ふるさと)の
風に抱かれて 明日に生きる
空も冬晴れ 北国かえり花
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