哀愁海岸

捨てたい 消したい 忘れたい
面影なのに 夢なのに
波板海岸 片寄せ波は
寄せても 寄せても 返らない
私の恋も 返らない
涙と添い寝の 海の宿

泣きたい 酔いたい みだれたい
飲むほど苦さ 沁みる酒
波板海岸 霙(みぞれ)が走る
旅路の終わりと 決めたのに
こぼれた春の残り香が
未練をひきずる 潮けむり

逢いたい 燃えたい 縋(すが)りたい
やっぱり駄目な 女です
波板海岸 さすらう鴎
私と泣いてね 夜明けまで
心の出口 見えるまで
みちのく明日も ひとり旅
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