ユズリハ

こんなに遠くまで 歩いてきたんだね
振り返ることも忘れ 歩いてきたんだね

別れた人のことや 出逢えた人のことも
思い出にし続けて 歩いてきたんだね

必ず明日は来るものと
疑うこともない素振りで
人は今日を生きている
人は今日も生きている

空を見上げながら 命を感じながら
心では気付いている 残りの時間の数

ひとりで生きる強さ ひとりで逝く寂しさ
覚悟を持つ者だけ やさしさを知っている

必ず明日は来るものと
疑うこともない素振りで
人は今日を生きている
人は今日も生きている

ユズリハは 音も発てずに
密やかに 時の中に散る
明日の土に還るため
いのちを次に つなぐため
ユズリハは 音も発てずに
風のない 朝に散る
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