三月の風

当たり前だった部屋から出たの
心なしか縫いぐるみも寂しい顔
笑い声はたまに響く薄い壁の向こうから
楽しそうだね

揺らいでるばっか時間ないでしょって
無理やり立ち上がるわけじゃなくて
心の動く方へ思うままに
全てうまく行けばいいのに

三月の風 背中を押してくれ
腫れぼったい目を擦って
まだ慣れない通りを歩く
暖かく騒めき不安が纏うけど
こんな僕のことも見守ってくれてるのかな

大事にしまった写真の中の
所々抜け落ちた記憶を埋めるように
あぁどうにかなりそう
なんだか急に会いたくなるよ

君がよく笑うからつられるんだいつも
つまらない話も聞いて
一つ一つ愛おしい
なんて言えなかったな

満足してた暮らしの隅っこで
変わりゆくものがあって
まだ気づかないふりをして
なるべくこのまま居たいと思っていたんだ

三月の風 背中を押してくれ
腫れぼったい目を擦って
まだ慣れない通りを歩く
暖かく騒めき不安が纏うけど
こんな僕のことも見守ってくれてるのかな
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