睡蓮歌

「乙女心と秋の空よ 乙女心と秋の空よ」

水面(みなも)に浮かぶ淡い花びら 気高く誇らしげな姿を
見れば切なさ込み上げてくる 二人過ごした日々の欠片(かけら)が
春夏秋冬繰り返せど あんなに激しい恋は無い

「乙女心と秋の空よ」
そんな言葉が似合う人でした
無常に時間は急足(いそぎあし)
私は置き去られて戸惑う
貴方を思い出す睡蓮歌
「乙女心と秋の空よ」

水面に落ちる枯れた花びら 時の終わりを告げるかの様に
儚さの美学を魅せ付ける されど過去にしがみ付いたまま
輪廻転生(りんねてんせい)繰り返せど あんなに歯痒(はがゆ)い恋は無い

有難う!また会えたらいいね
大した意味の無いその台詞(せりふ)が
耳に木霊(こだま)して離れ無い
私の期待も虚しいだけ
貴方に届けたい睡蓮歌
「乙女心と秋の空よ」

水面に溶けて消えた花びら 飛ぶ鳥跡を濁さぬ清さ
成り行き全て森羅万象(しんらばんしょう) されど受け入れず膝抱えて
春夏秋冬繰り返せど あんなに激しい恋は無い

「乙女心と秋の空よ」
そんな言葉が似合う人でした
無常に時間は急足
私は置き去られて戸惑う
貴方を思い出す睡蓮歌

輪廻転生繰り返せど あんなに歯痒い恋は無い

好きで好きで大好きでした
独りよがりだけれど好きでした
命短き可憐(かれん)な花
私は歌います睡蓮歌 貴方に捧げます睡蓮歌
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