退屈なドラマ

あなたは窓辺で 足のつめを切ってる
白いレースのカーテンが 揺れている

退屈なドラマを 見ているみたいな
何も起きない ひとときが
幸せに 思える

そうね あの頃は
「愛」 は激しいものと
決めてかかってたわ

あなたと わたしが
同じ場所に
ただいるだけのしあわせ

あなたと 何年 過ごしたのかさえも
フッと忘れてしまうほど
やすらかな ひととき

そうね あの頃は
「愛」 は激しいものと
信じていたかもね

あなたとわたしが
同じ場所に
ただいるだけのしあわせ

特別なことが なにひとつ起きないのは
お互いに わかりあえた証拠なのね

あなたは窓辺で 足のつめを切ってる
のどかな 昼下がり
退屈なドラマを 見るような
ただ それだけの しあわせ
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