君とは結婚すると思ってたんだ

そのとき電話で 呼びつけ君は
涙を噛みしめ 一言いった
夕方 混み合う カフェのテラスで
真っ白 角砂糖 沈んで消えた

時計の針は もう 戻せないよね
捩子をさ 巻いても 記憶はねじれ
セピアの写真に 好きな絵の具で
綺麗な思い出 描いてしまうから

普通の幸せ 見つけたら
幸せになれるかな
こんな生き方しか できないから
ずっと ずっと
青春の終わりを 先延ばしてるだけ

君とは結婚すると思ってたんだ
子どもは何人 欲しいだとか
休みの日には 何処へ行こうだとか
いつの日か 言おうなんて
思ってた けれど
君はもういない

割れてるグラスは割れっぱなしさ
言葉を注いでも こぼれるばかり
涙を注いでも こじれるばかり
終わった ページを めくったり閉じたり

こんな 仕事 つづけて 君を
幸せにできるかな
目の前の人 笑わせられずに
誰も 誰も
笑顔にできる わけなんかないのに

また別れがくると思ってたよ
合鍵 返して 席を立つ君に
またいつか なんて 手を振ったけど
知ってるよ もう二度と 会えはしない でも
手を振り続けたよ

君とは結婚すると思ってたんだ
子どもは何人 欲しいだとか
休みの日には 何処へ行こうだとか
いつの日か 言おうなんて もう遅いよ

君とは結婚すると思ってたんだ
式はいいから 長い長い 旅に出かけようとか
いっぱい 写真を 撮ろうとか
いつの日か 言おうなんて
思ってた けれど
僕の知ってる
君は もういない
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