遠き日の少年

夏草の青き匂いに 寝そべれば
遠き日の少年が 野辺を駆け出す
瞳(め)を閉じて 浮かべれば母の顔
恋しくて切なくて 涙がこぼれる
泡沫(うたかた)の夢の中で 人は生きているけど
人生が二度あれば 愛する人のそばで
ゆるやかな時の流れ 選ぶことが出来る

冬濤(ふゆなみ)が岩に砕ける 強さより
おだやかに この胸で 誰か愛せたら
ひとひらの花びらに 立ち止まる
汚れなき優しさの 自分がいるはず
泡沫の時代(とき)の中で 人は散ってゆくけど
青春が二度あれば 愛する人を連れて
悔いのない生き方だけ 選ぶことが出来る

人生が二度あれば 愛する人のそばで
ゆるやかな時の流れ 選ぶことが出来る
悔いのない生き方だけ 選ぶことが出来る
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