銀閣寺

ほどけた愛を 手繰(たぐ)り寄せても
幸せだった 季節は戻らない
二人で旅した いにしえの古都(まち)
一人で歩けば 墨絵のようで…
寂(さみ)しくて 叫んでも
答えてくれない 銀閣寺

あの日の地図を 心に広げ
市バスの窓から 面影探してる
どこからともなく キンモクセイの
やさしい香りが お前のようで…
恋しくて 立ちすくむ
ため息刻んだ 石畳

失くした現在(いま)も 俺のすべてさ
誰かを二度と こんなに愛せない
昔と変わらぬ 景色の中に
なぜだかお前が 隣にいない…
愛しさが あふれ出す
涙で霞(かす)んだ 銀閣寺
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