心に棲む鬼

妬ましくて憎らしくて
あとかたなく壊したいの
彼に抱かれ綺麗になる
あなたの笑顔を

光る銀の指輪見せられて
口先だけでお幸せにと
あなたがいなけりゃとまた思うのよ
彼の愛はそう私のもの

心に棲む鬼が誘う
その背中を押してごらん
崖の下は碧い海で
さあどうしたいの

彼のいまの暮らし聞きたくて
呼び出してみた 黄昏どき
血が滲むくらいに唇を噛む
生きていてももう地獄にいる

心に棲む鬼が笑う
邪魔なものは消し去るのよ
木々は揺れて 時化(しけ)の気配
誰も見ていない

耳の奥で鬼は歌う
選ばれずにかわいそうと
闇にまぎれうめく想い
さあ救いなさい

心に棲む鬼が笑う
邪魔なものは消し去るのよ
愛と罪がかけひきする
どうするの私
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