みんみん

ジリジリ 気温は34度を超えていた
困ったな 困ったな 網戸だけじゃ辛いな
横に転がって 上向いて 汗がポタポタと
額を伝って 滑って まるで泣いているみたい

ミンミン蝉の歌が響いた
高い青空の下走った
あの日は昔々 幻
みんなどこに行ってしまった
横に転がって 上向いて 汗がポタポタと
額を伝って 滑って まるで泣いているみたい

なんだか最近 こんな風に昔を
ダラダラ 思い出してしまうんだ
俺も年取った あれから どれくらい経つだろう
記憶を辿っているうち ウトウトして目を瞑る

教室の窓が少し開いてる
カーテン揺れる 寂しい放課後
夢だと気づいたけど このまま
取り残されていたい
横に転がって 目覚めた 涙ツラツラと
頬をゆっくりと 滑って 欠伸でごまかしたんだ

怖い 怖い
進めば忘れていく
いつか消える そっと消える
いやだ いやだ
なぜ全部覚えておけない
みんみん 虚しく 部屋に木霊する
大事な人も 大事な思い出も
いつか消える そっと消える
誰か 頼む
俺が変だと言ってくれ
そんな今も いつか消えてく

いつかの俺は何処 わからない
正体不明のぬくもりだけ
残って 転がって 微かに光ってる
覗いて映った俺 まるで別人みたいに泣いてる

怖い 怖い
進めば忘れてく
いつか消える そっと消える
いやだ いやだ
なぜ全部覚えておけない
みんみん 虚しく もう聞こえやしない
大事な人も 大事な思い出も
いつか消える そっと消える
なのに孤独じゃ
生きていけない俺も
いつか消える
あぁなんて無情だ

いつか消えてく
いつか消えてく
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