くちぐせ

男なんてが くちぐせの
ばかな女が 恋をした
どうせ今度も 駄目なのと
笑いとばして 見たものゝ
信じてみたい もう一度
そっともらした 一人言

二度といやだが くちぐせの
ばかな女が 恋をした
こんな私が 恋なんて
出来はしないと わるぶって
煙草くわえた 口もとに
何故か浮かんだ 微笑(えみ)一つ

春夏秋と 時が過ぎ
二度目の冬の ある夜に
肩に粉雪 うけながら
そっと立たずむ もどり橋
×