母の詩~白いカーネーション~

いつもの帰り道 駅前の小さな花屋
今年も白いカーネーション
一輪買って帰ろう
追い越したつもりもないのに
気がつけば 母は遠く
聞きたいことや 聞いて欲しいことが
季節ごとに増える
男のクセに だらしがないと
声が聞こえそうで
母さん… 呼んでみる
母さん… 母さん…

「元気か?」そう聞くと 「元気だ」と笑っていたね
飾った白いカーネーション
面影揺れて重なる
電話代 もったいないねと
早口で 話し終えて
平気だからと 何度言ってみても
いつもすぐに切れた
言い訳せずに あなたにもっと
会いに行けば良かった
母さん… 悔やんでる
母さん… 母さん…

男のクセに だらしがないと
声が聞こえそうで
母さん… 呼んでみる
母さん… 母さん…

今夜も手を合わせ 「ただいま」と言葉かける「おかえり」
白いカーネーション
花が答えてくれたようで
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