夏の小さな虫

夏の小さな虫が僕の部屋に舞いこんで
羽根を休めた
何故すぐに逃げようとしないんだい?
このひとつぶしの前に

今 物思いに暮れてる場合じゃないだろ
そこの虫ケラ
ただ虚ろに生きているだけなら
僕が決めた運命に従おうか

手を合わせなけりゃ
十字も切らなきゃ
祈れ アーメン アーメン アーメン
額も地面に擦りつけなきゃならないな
血が滲み出てくるまで

夏の小さな虫は僕に降参なんてしない
立派なもんだ
ほら 逃げるなら最後のチャンスだよ
まさか僕を試してるのかい?

手を合わせなけりゃ
十字も切らなきゃ
祈れ アーメン アーメン アーメン
額も地面に擦りつけなきゃならないな
血が滲み出てくるまで

祈れ アーメン アーメン アーメン
所詮虫ケラに生きる値打ちがあるのかね
このひとつぶしの前に
それは僕にも言えないかい?
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