月花 ~GEKKA~

夕闇が包み隠す足跡
灯す明かりさえ持たずさまよう愚か
でもひとりじゃないことが励みで
ふたり寄り添い夜明けを待っている

砂時計の中
重い脚で歩むほどに
渦の底へ呑みこまれ
このセカイがまるで
色のないモノクローム
見飽きた影絵のような
でも…でも…

あぁ月のひかりよ導いて
この迷路からすぐ連れだして
まだ蕾で眠る花たちは
怯えるように風に震えているの

闘う棘も生えぬからだで
甘い香りたてどうして生き残るの?
でもひとりじゃないだから負けない
一夜だけでも華麗に踊りたい

水鏡映す
もうひとりのわたしの顔
泣きじゃくったあとみたいね
このセカイの果てが
目の前にあるみたいに
かなしみに暮れていたの
でも…でも…

あぁ月のひかりよ輝いて
この迷路から抜けだしたいの
まだ蕾のかたい花たちは
勇気を胸に風に立ちむかうから

どうしてこんな
気づかれずに咲く花など
生まれてきたのだろうか
このセカイにひとつ
解けない問い答えもなく
同じ日々をくり返す
まだ…まだ…

あぁ月のひかりよ待っていて
この迷路から抜けだす時を
もう蕾がほころぶ花たちは
月が照らす夜空見上げているの
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